資料3 国際協力推進会議(第4回)にて議論頂きたい論点例

1.東南アジア

(前提)

 東南アジアは世界が注目する成長地域であり、地理的近接性もあり、日本にとってはまさに生命線。過去のODA事業・民間事業・大学交流等を通じて、日本と東南アジア諸国との間には様々な関係が構築されている。しかし、従来はそれが個別の取組に留(とど)まっており、東南アジア諸国に対する日本の潜在的プレゼンスはかなり高いと考えられる。
 中・韓も台頭する中、オールジャパンの力の結集により、いかにASEANとの関係を維持・強化していけるか。(また、中・韓も含めた望むべきASEANとの関係の在り方とは?)


【論点】

○工学系高等教育人材の育成・活用を、オールジャパンでいかに戦略的に実施できるか
(1)とりわけ、企業が果たすべき、また果たしうる役割とは何か
※奨学金、寄附講座、インターンシップ受入れ
  →これらをいかに国際協力事業と連携させ、相乗効果を高められるか
   企業側のメリットが大きい形で行うには?
※産学協同研究
  →企業側にとってのニーズとは?(特にポテンシャルのある分野等) 
(2)当該分野の人材育成に従事する人材(「篤志家」)をいかに確保するか
※大学が組織的に後押しできる体制、教員自身が派遣を希望できる体制の構築
 ・国際協力事業を教員の業績として評価する枠組み
 ・代替教員確保の合理化(例:大学を超えた教員融通。教員定数の柔軟化)
  ・大学による国際協力への参画がより評価されるように(交付金「特別経費」の審査における優遇等)
※若手人材の海外派遣後のキャリアをいかに支援できるか
 ・教員採用時における海外業務経験や語学能力の重視
(3)東南アジア側の負担をより多く求める協力の枠組みは?
※円借款のより戦略的な活用(留学生受入れ等)
※現地(特に産業界)のニーズに対応する人材育成プログラム
※現地(特に産業界)のニーズに対応する共同研究の実施
→先方側による予算配置
(4)(より具体的に)目指すべき「ODA後」のSEED-Netの在り方とは?
   それを実現するための出口戦略、現時点から取り組むべき課題は?
※自律的な大学間交流の発展
※産学連携の進展→日系企業・現地企業による大学への支援 

○戦略的三角協力の可能性(日本型教育・日本型協力をうけた東南アジア諸国がより後発の諸国を日本型で支援する→これにより、日本のソフトパワーを高め
(1)SEED-Net、MJIITの他、過去日本が協力・強化したアジア高等教育機関への他 地域学生の受入れ (KMITL、AIT、等) 
(2)そもそも過去協力・育成してきた諸機関と日本の関係をいかに維持・発展させるか(日本が絡まないと「三角」にならない)
(3)既存の日-ASEAN間大学間交流の関係を基礎に三角協力を展開できないか
(4)SEAMEOとの連携による三角協力の可能性(実績あり~マレーシアのRECSAMにおいて、アフリカSMASSEの教員養成スタッフの研修を実施) 

○SEAMEOとの協力関係はいかにあるべきか
(1)協力の主目的をどこに置くか?
~中韓が参画していない点をいかに活用できるか?(東南アジアとの関係において中韓に先んじる?)
(2)事業予算が限られる中、どこに協力の重点を置くべきか
(3)SEAMEO(各センター)とバイの国際協力との連携の可能性
(4)RIHEDとAUN/SEED-Netの連携の可能性
(5)三角協力(既述) 

○「ASEAN統合」を視野に、教育分野で日本ができることは何か
ASEAN+1(+3)型グローバル人材育成の可能性
(1)域内共通の課題に対応する人材/国際的に活躍できる人材を域内協働で育成する在り方(「東アジア型グローバル人材育成」の実施可能性)
※日本人学生が東南アジア諸国と交流することの意義とは?(欧米留学等にはない  意義とは?)→アジアに展開する企業にとってメリットがある? 
(2)国際協力事業と連携した大学間交流の一層の促進のために必要な方策とは?
例:共同学位、学生・教員の短期派遣・受入れ、等様々な形態の事業を組み合わせる。

 2.中東

(前提)

・一連の「アラブの春」現象は、若者の雇用不足・国内の貧富の差が大きな要因。
 →現地労働者のための雇用創出が必要であり、そのための人材育成は必要不可欠。
・中東諸国の安定は、世界の平和・安定にとって重要。日本がこれに貢献することにより世界共通の利益を享受するとともに、日本と中東諸国との友好関係の強化につながる。これは日本の資源確保、日系企業の
経済活動の観点でも重要。
・また、中東に進出する日本企業も有能な現地人材を欲している。
・現地人材育成・活用に当たり、現地人の理数科能力不足が大きなボトルネックになっている
・他方、中東産油国において日本型教育への関心は概して大きく、日本の教育協力にかかる大きなニーズに対し、ODA卒業国に対しては協力の枠組みがなく対応できていない現状。


【論点】

○日本への留学を促進するために何ができるか
(1)留学生受け入れのための組織的な予備教育の枠組み
※本邦における日本語・理数科の予備教育の枠組み(大学単独? 専門学校等との連携? 大学コンソーシアムでの対応?)
※マレーシアHELP との連携について:マレーシア政府資金とは別に、日本側でサポートできる内容とは?
(2)留学生の出口戦略→日本企業による採用が増加するためには? 

○中東諸国の若者の人材育成のために具体的に何ができるか。
(1)ポストODA対象国に対する教育協力の在り方はいかにあるべきか
産油国からの資金を引き出すためにはどうすれば良いか
※とりわけ日本が「売れる」分野、若しくは日本にとってメリットのある人材育 成分野とは何か。
※そのため、民間企業、公的機関それぞれが果たすべき役割とは
(2)とりわけ理数科能力の強化のために何が、どのようにできるか
(3)女子教育の在り方、重点 

○中東における日本の「ソフトパワー」を維持・拡大するためには?
それに資する教育協力の在り方とは?
※日本の「しつけ教育」に係る期待に応えるためには?
※アニメなどの活用の方法とは?

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