資料4今後の検討の方向性等について「東アジア共同体構想に向けて」

1東アジア共同体とは(総理発言より)

  • 開かれた地域協力」の原則に基づきながら、関係国が様々な分野で協力を進めることにより、この地域に機能的な共同体の網を幾重にも張りめぐらせよう、という考え方
  • 相互の文化への理解や共感を深め合っていくことが信頼関係の醸成につながる。今後、さらに国民の間での文化交流事業を活性化させ、次の世代の若者が国境を越えて教育、文化、ボランティアなどの面で交流を深めることは、東アジア地域の相互の信頼関係を深化させるためにも極めて有効
  • 人間のための経済の一環として、命と文化の領域で協力を充実させ、他の地域に開かれた透明性の高い協力体としての東アジア共同体を推進してまいりたい
  • 中長期的な展望の中で東アジア共同体というものを構想してまいりたい
  • 貿易・投資あるいは金融、環境、さらには教育など、可能な分野からまず進めていくことが重要
  • EUの考え方をそのまま東アジアに導くことは簡単な話ではないが、EUは一つのモデル

2東アジア共同体構想と教育・科学技術・文化・スポーツ等

  • 教育、科学技術、文化、スポーツ等の分野において、東アジア共同体構想をどのようなものととらえるか。
  • 東アジア共同体構想において、これらの分野はどのような役割を果たすのか。

3東アジア共同体構想に向けた検討の視点例「東アジアにおける交流に関するワーキング・グループにおいて今後何を議論するのか」

*(別添)東アジア共同体構想に向けた検討の視点例 参照

東アジア共同体構想に向けた検討の視点例(事務局案)

本ワーキング・グループにおける議論の前提として、まず東アジア共同体構想の意義を確認する必要がある。
 共同体構想の意義を「安全保障」とすれば、域内における国民レベルでの相互理解の促進が重要な政策課題となり、「域内の経済的繁栄」とすれば、経済的活力に必要となる人材養成や科学技術協力等が重要な政策課題となる。また、我が国にとって重要な「価値」を東アジア地域と共有するといった観点も考えられる。
 加えて、グローバル化する国際社会において、日本として、東アジア地域を今後どう位置づけていくのかを確認する必要がある。
 以上を踏まえた上で、教育・科学技術・文化等の分野における東アジア共同体構想の検討の視点例として、次のようなものが考えられるのではないか。

○域内の相互理解の促進

  • 早期の段階から共同体の一員としての所属意識を高めるための青少年交流や、子どもたちの教育にあたる教員の相互交流の促進
  • 学生や大学教員、研究者等の交流の促進、域内各国との協力による研究ファンドの創設などアジア・リサーチ・エリア(仮称)の構築による交流の促進
  • スポーツを通じた交流の促進
  • 文化交流や人物交流、公演・展示による交流等を通じ、域内の共通意識を醸成するための文化交流を促進

○東アジア地域の多様な地域資源を活かした魅力を高め、優秀な人材を域内に確保するための方策

  • 国際的な頭脳循環に対応し、域内の大学や研究機関の国際競争力を向上させ、域内で優秀な人材の養成を行うことができるようにする等優秀な学生や研究者を域内に呼び込み、養成するための環境整備
  • 伝統文化やメディア芸術等の振興を通じた東アジア地域のソフトパワーを向上させ、文化面での東アジア地域の存在感を向上

○域内共通課題への効果的な対応

  • 環境・エネルギー、防災、感染症、生物多様性保全等、域内共通課題の解決に向けた研究交流・共同研究の促進など科学技術外交の強化

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