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資料14

我が国の幼児教育について


1.幼稚園教育の目標と内容

  人間形成の基礎を培う幼児期の教育を担う幼稚園は、学校教育法に基づく「学校」であり、3歳から小学校入学前の子どもは、全国どこでも共通の教育課程(「幼稚園教育要領」)に基づく教育(標準1日4時間)を受けることができる。

  学校教育法第78条においては、幼稚園の目的を実現するために、次の5つの目標を達成することに努めなくてはならないとされている。
1   健康、安全で幸福な生活のために必要な日常の習慣を養い、身体諸機能の調和的発達を図ること。
2   園内において、集団生活を経験させ、喜んでこれに参加する態度と協同、自主及び自律の精神の芽生えを養うこと。
3   身辺の社会生活および事象に対する正しい理解と態度の芽生えを養うこと。
4   言語の使い方を正しく導き、童話、絵本等に対する興味を養うこと。
5   音楽、遊戯、絵画その他の方法により、創作的表現に対する興味を養うこと。

  幼稚園における教育は、集団生活のなかで、幼稚園教諭免許を持った幼稚園教員が幼児一人一人の発達に応じながら、遊びを通した総合的な指導を行うことにより、社会生活を営むために必要な力(集団生活の経験等)や学習の基盤(絵本等への関心や絵画等の創作的表現への興味等)を培う点に特徴がある。


2.幼稚園教職員の養成について

(1) 養成の仕組み
  幼稚園教職員の養成は、大学学部、短期大学及び指定教員養成機関  (特に文部科学大臣が指定した専修学校等)、大学院等において行われ  ており、担当教科の指導力を身につけさせるための「教科に関する目」(音楽、図画工作、体育等)及び教職員として必要な素養を身につけさ  せるための「教職に関する科目」(教職の意義に関する科目等)を所定の単位数修得させることにより、それぞれ一種免許状、二種免許状、専  修免許状が授与されることとなっている。

(2) 養成の現状
  平成12年度3月卒業者の幼稚園教諭免許状の取得者数は、35,980人(平成12年3月卒業者)であり短期大学及び指定教員養成機関の卒業  者が全体の約82%を占めている。


3.幼稚園の現状について

    幼稚園数   :14,375園
    園児数(3〜5歳)   :1,753,422人
    教員数(本務者)   :106,703人
    幼稚園就園率(3〜5歳) :約49%
※残りの51%は、保育所などに入っている。


4.幼児教育の充実のための施策

  
  文部科学省ではこれまで、幼稚園教育要領の改訂・実施等の教育内容の充実、幼稚園教育についての実践的調査研究の推進、幼稚園の施設整備費に係る補助、幼稚園就園奨励費補助、私立幼稚園に対する補助等の充実に努めてきた。
  また、近年の多様化する保護者の保育ニーズに対応するため、地域の実態や保護者の要請に応じて、希望する者を対象に「預かり保育」(教育時間以外の時間に園児を預かること。)を実施するなど、子育て支援事業を実施している。
  2001年3月には、幼稚園の教育活動の充実、幼稚園における子育て支援の充実、幼稚園と小学校の連携の推進、幼稚園と保育所の連携の推進を目標とした、今後の幼児教育の効果的な推進を図るための総合的な実施計画である「幼児教育振興プログラム」を策定した。
  また、2002年6月には、「幼稚園教員の資質向上に関する調査研究協力者会議」より、人間形成の基礎が培われる幼児期の教育において、重要な役割を担う幼稚園教員が自ら学び、実践力を強化し専門性を向上させることができるための方策を展開することが重要であることを示した報告が提出された。その中で、資質向上の一つとして、青年海外協力隊への参加などの国際経験の有効性を示している。
  これらの取り組みにより、幼稚園を中心とした幼児教育の一層の充実を図っている。



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