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資料17

我が国の教育経験について

[女性教育]




日本における女性教育の振興
  
   男女共同参画を推進する教育施策
  教育施策に関しては、1998年、文部省(現文部科学省)において、従来の婦人教育課を「男女共同参画学習課」と改め、女性教育のみならず、男女共同参画社会の形成という観点から施策を推進する体制を整備した。
  男女共同参画社会を実現するためには、性別に基づく固定的な役割分担意識を是正し、人権尊重を基盤にした男女平等観の形成を促進することが重要であり、このため、男女平等を推進する教育・学習の充実を図っている。
  また、女性も男性も各人の個性と能力を発揮し、社会のあらゆる分野に参画するためには、生涯学習の振興が極めて重要な意義を持つ。我が国においては、男女を問わず、生涯にわたり多様な学習機会が確保され、学習の成果が適切に評価される、生涯学習社会の形成を促進するための施策を推進している。加えて、特に女性の多様化・高度化した学習需要に対応し、女性が社会のあらゆる分野で力を発揮できるよう、学習機会の充実や社会参画の促進のための施策を講じている。

女性教育
  女性教育とは、社会教育のうち主として成人女性を対象として、その資質や能力の向上を図るとともに、男女平等意識の涵養を図り、女性の地位向上を目指すための教育活動である。
  社会教育においては、公民館等において男女共同参画社会の形成に関する課題を取り上げた講座等が開設されている。
  また、女性の生涯にわたる学習機会を充実する観点から、市町村などが開設する主に成人女性を対象とする女性学級等において、女性の生活課題についての学習、再就職に必要な知識・技術等資質・能力の向上を目指した学習が行われている。

途上国の女性支援(WID:Women in Development)
  均衡のとれた持続的な経済・社会開発を実現するためには、女性が男性とともに経済・社会開発に参加し、同時に開発から受益することが可能となるよう、先進国が開発における女性の参加と受益にも配慮した開発援助を実施することが重要である。我が国は1995年の第4回世界女性会議において「WIDイニシアティブ」を発表し、特に、女性の「教育」、「健康」、「経済・社会活動への参加」の3分野を中心に推進している。

女性教育施設における活動
  女性教育施設は、女性教育関係者や一般女性のための各種の研修、交流、情報提供、調査研究の事業を行うとともに、女性団体などが行う各種の女性教育活動の拠点として、女性の資質・能力の開発、技術の向上を図ることを主たる目的として設置された施設である。このような施設は、「国連婦人の10年」を経て、1980年代に入ると、国や地方公共団体が女性施策の一環として婦人教育会館や女性センター等を各地に建設するようになった。
  平成11年10月現在、独立行政法人国立女性教育会館と全国に設置されている公・私立女性教育会館の計207施設(文部科学省「社会教育調査」より)がある。

独立行政法人国立女性教育会館の事業
  国立女性教育会館は、国立唯一の女性教育施設として、1977年に設置された。2001年4月には独立行政法人となったが、女性教育のナショナルセンターとして、全国各地の公私立女性施設等と連携しながら、女性教育指導者やその他の女性教育関係者に対する実践的な研修、専門的な調査研究、国内・国際交流(WID)及び女性・家族・家庭に関する情報収集・提供等、男女共同参画社会の形成に資する事業を実施している。
  さらに同会館の女性教育情報センターが、国連アジア太平洋経済社会委員会の女性情報ネットワーク(WINAP)の情報のフォーカルポイントの一つに挙げられるなど、国内外の関連機関・施設、団体・グループ等とのネットワークの充実を図っている。

(参考)男女共同参画社会の形成の促進
1     女性2000年会議
  2000年6月、ニューヨークにおいて、女性2000年会議が開催され、「政治宣言」と「北京宣言及び行動綱領実施のための更なる行動とイニシアティブ」(以下「成果文書」という。)が採択された。成果文書は、行動綱領の実施状況及び「第4回世界女性会議」以降に出現した新しい課題を踏まえ、「北京宣言及び行動綱領」の更なる実施に向けて各国政府、国際機関、市民社会が行うべき行動とイニシアティブを提言している。

2   男女共同参画社会基本法
  1998年の男女共同参画審議会の答申を受け、1999年6月、男女共同参画社会の形成に関する基本理念、国・地方公共団体・国民の責務、基本計画の策定等を規定する男女共同参画社会基本法が公布・施行された。

3   男女共同参画基本計画
  男女共同参画社会基本法は、政府に男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的な計画を定めることを義務づけており、これに基づく初めての計画として、2000年12月に男女共同参画基本計画が閣議決定された。「男女共同参画を推進し多様な選択を可能にする教育・学習の充実」を含む11の重点目標を掲げ、施策の基本的方向と2005年度末までに実施する具体的施策を定めている。

4   男女共同参画推進体制の整備
(1)   男女共同参画推進本部
  男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の円滑かつ効果的な推進を図るため、1994年7月の閣議において、内閣総理大臣を本部長とする男女共同参画推進本部の設置が決定された。
(2)   男女共同参画会議
  2001年1月の中央省庁再編に伴い、新たに内閣府が設置され、内閣府には、男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的な方針・基本的な政策及び重要事項を調査審議するとともに施策の実施状況の監視などを行う男女共同参画会議が設置されている。この会議は、内閣官房長官を議長とし、議員は、各省大臣等と学識経験者で構成されている。


男女共同参画社会づくりのための様々な取組
   国連の動き 日本の動き
1975年    ・国際婦人年(目標:平等、発展、平和)
・国際婦人年世界会議(メキシコシティ)
・「世界行動計画」採択
・婦人問題企画推進本部設置
・婦人問題企画推進本部に参与を設置
・婦人問題企画推進本部会議開催
国連婦人
の10年(1976〜1985年)
1997年
  

  
「国内行動計画」策定、国立婦人教育会館オープン
1979年
  
・国連第34回総会「女子差別撤廃条約」  採択  
1980年


  
「国連婦人の10年」−平等、発展、平和−中間年世界会議(コペンハーゲン)
「国連婦人の10年後半期行動プログラム」採択
  
1981年    「国内行動計画後期重点目標」策定
1984年


  
「国連婦人の10年」−平等、発展、平和−の成果を検討し評価するための世界会議のためのエスカップ(ESCAP)地域政府間準備会議の開催(東京)
  
1985年


  
「国連婦人の10年」−平等、発展、平和−ナイロビ世界会議
(西暦2000年に向けての)「婦人の地位向上のためのナイロビ将来戦略」採択
・「国籍法」の改正施行
・「男女雇用機会均等法」の公布
・「女子差別撤廃条約」批准
  
1986年      
婦人問題企画推進本部拡充:構成を全省 庁に拡大、任務も拡充
婦人問題企画推進有識者会議開催
1987年   
「西暦2000年に向けての新国内行動計画」策定
婦人問題企画推進本部の参与を拡充
1990年   
国連婦人の地位委員会拡大会期
国連経済社会理事会「婦人の地位向上のためのナイロビ将来戦略に関する第1回見直しと評価に伴う勧告及び結論」採択
  
1991年      
「西暦2000年に向けての新国内行動計画(第1次改定)」策定
1992年    ・「育児休業法」の施行  
1994年    ・「開発と女性」に関する第2回アジア・太平洋大臣会議(ジャカルタ)
・「ジャカルタ宣言及び行動計画」採択
総理府男女共同参画室、男女共同参画審議会、男女共同参画推進本部設置
1995年    ・第4回世界女性会議−平等、開発、平和−のための行動(北京)
・「北京宣言及び行動綱領」採択
「育児休業法」の改正(介護休業制度の法制化)
1996年      
男女共同参画審議会「男女共同参画ビジョン」答申
「男女共同参画推進連携会議」(えがりてネットワーク)」発足
「男女共同参画2000年プラン」策定
1997年       ・「男女共同参画審議会設置法」の施行
・「男女雇用機会均等法」の改正
・「介護保険法」の公布
  
1998年      ・男女共同参画審議会「男女共同参画社会基
  本法について」答申
1999年      
「男女共同参画社会基本法」公布・施行
男女共同参画審議会「女性に対する暴力のない社会を目指して」答申
「男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方」答申
2000年 ・国連女性2000年会議開催(ニューヨーク) ・「男女共同参画基本計画」閣議決定
2001年  
内閣府に男女共同参画会議、男女共同参画局設置
「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の公布・施行
文部科学省男女共同参画推進本部設置
「仕事と子育ての両立支援策の方針について」閣議決定

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