
我が国の初等中等教育における理数科教育について
1 教育課程の基準について
全国的に一定の教育水準を確保するとともに、教育の機会均等を実質的に保障するため、学校が編成する教育課程について、国として一定の基準を定めている。我が国の学校制度は、日本国憲法の精神にのっとり、学校教育の目的や目標及び教育課程について、 法令で種々の定めがなされている。学習指導要領は、学校教育法に基づき、学校が編成する教育課程の基準として定めている。
各学校は、この学習指導要領に基づいて、地域や児童生徒の実態に応じて、創意工夫を発揮して教育課程を編成・実施できるようになっている。
(参考)別紙1 教育課程に関する法制
2 学習指導要領の変遷について
学習指導要領は、社会の変化や教育課程の実施の経験を踏まえ、これまで、おおむね10年ごとに改訂してきた。教育課程の基準の策定に当たっては、学識経験者や学校関係者等からなる教育課程審議会(*)においてその内容を審議し、その検討結果を踏まえ、学習指導要領を改訂。(*省庁再編により、中央教育審議会にその機能を統合)
(最近では、小・中学校学習指導要領が平成10年12月に、高等学校学習指導要領が平成11年3月に改訂している。)
(参考)別紙2 学習指導要領の変遷について
3 理数科教育の改善と振興方策等について
これまでの知識を一方的に教え込みがちであった教育を改め、児童生徒の自ら学び自ら考える力などの「生きる力」をはぐくむ教育への転換を目指して、算数・数学、理科などの教育課程の基準を改訂。
また、理科教育振興法(昭和28年8月8日法律第186号)に基づき、観察・実験用器具等の理科教育設備や算数・数学設備等の整備を推進するなど、理数科教育の振興に努めてきた。さらに、平成14年予算案では、省庁再編のメリットを最大限に生かして、科学技術・理科教育に関する施策を総合的・一体的に推進する「科学技術・理科大好きプラン」を実施することとしている。
4 学力の現状について
知識や技能を実生活の様々な場面で直面する課題に活用する力など、我が国の児童生徒の成績は、国際的に見て上位であり、全体としておおむね良好である。
しかしながら、数学や理科が好きであるとか、将来これらに関する職業に就きたいと思う者の割合が、国際的に見て最低レベルであることや「宿題や自分の勉強をする時間」が参加国中最低などの問題がある。
(参考)別紙6 児童生徒の学力について(IEA調査、OECD(PISA)調査)
(別紙1)
教育課程に関する法制
1 教育課程編成の基本的考え方
|
→ |
学習指導要領など、学校が編成する教育課程の大綱的な基準を制定 |
|
|
|
→ |
教育課程など学校の管理運営の基本的事項について規則を制定 |
|
|
2 教育課程に関する法制上の仕組み
○ |
日 本 国 憲 法: |
教育を受ける権利、義務教育について規定。
|
○ |
教 育 基 本 法: |
教育の目的、教育の方針、教育の機会均等、義務教育、男女共学、学校教育、政治教育、宗教教育等を規定。
|
○ |
学 校 教 育 法: |
各学校段階ごとに教育の目的、目標などを規定。また、教科に関する事項は文部科学大臣が定めることを規定。
|
○ |
地方教育行政の組織
及び運営に関する法律: |
教育委員会が学校の教育課程に関する事務を管理、執行し、法令又は条例に違反しない限度において教育課程について必要な教育委員会規則を定めることを規定。
|
○ |
学校教育法施行規則:
(文部科学省令) |
各教科等の構成、年間標準授業時数を規定。また、教育課程については、文部科学大臣が別に公示する学習指導要領によることを規定。
|
○ |
学習指導要領:
(文部科学省告示) |
教育課程全般にわたる配慮事項や「総合的な学習の時間」の取扱いなどの総則と、各教科、道徳及び特別活動の目標、内容等を規定。 |
関 係 法 令
《日本国憲法》
第 |
26条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。 |
《教育基本法》
第 |
1条(教育の目的)教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない。 |
第 |
2条(教育の方針)教育の目的は、あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。この目的を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活に即し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によつて、文化の創造と発展に貢献するように努めなければならない。 |
第 |
3条(教育の機会均等)すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであつて、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によつて、教育上差別されない。
|
第 |
4条(義務教育)国民は、その保護する子女に、九年の普通教育を受けさせる義務を負う。 |
 |
国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料は、これを徴収しない。 |
第 |
5条(男女共学)男女は、互に敬重し、協力し合わなければならないものであつて、教育上男女の共学は、認められなければならない。 |
第 |
6条(学校教育)法律に定める学校は、公の性質をもつものであつて、国又は地方公共団体の外、法律に定める法人のみが、これを設置することができる。 |
 |
法律に定める学校の教員は、全体の奉仕者であつて、自己の使命を自覚し、その職責の遂行に努めなければならない。このためには、教員の身分は、尊重され、その待遇の適正が、期せられなければならない。
|
第 |
8条(政治教育)良識ある公民たるに必要な政治的教養は、教育上これを尊重しなければならない。 |
 |
法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。 |
第 |
9条(宗教教育)宗教に関する寛容の態度及び宗教の社会生活における地位は、教育上これを尊重しなければならない。 |
 |
国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない。 |
《学校教育法》
第 |
17条 小学校は、心身の発達に応じて、初等普通教育を施すことを目的とする。 |
第 |
18条 小学校における教育については、前条の目的を実現するために、次の各号に掲げる目標の達成に努めなければならない。(各号略) |
第 |
20条 小学校の教科に関する事項は、第17条及び第18条の規定に従い、文部科学大臣がこれを定める。 |
(中学校については第38条、高等学校については第43条で同様に規定)
《学校教育法施行規則》
第 |
24条 小学校の教育課程は、国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭及び体育の各教科、道徳、特別活動並びに総合的な学習の時間によつて編成するものとする。 |
第 |
24条の2 小学校の各学年における各教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間のそれぞれの授業時数並びに各学年におけるこれらの総授業時数は、別表第一に定める授業時数を標準とする。(別表第一は略) |
第 |
25条 小学校の教育課程については、この節に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものとする。 |
(中学校については第54条の2、高等学校については第57条の2で同様に規定)
《地方教育行政の組織及び運営に関する法律》
(教育委員会の職務権限)
第 |
23条 教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に掲げるものを管理し、及び執行する。
一 |
教育委員会の所管に属する第30条に規定する学校その他の教育機関(以下「学校その他の教育機関」という。)の設置、管理及び廃止に関すること。 |
五 |
学校の組織編制、教育課程、学習指導、生徒指導及び職業指導に関すること。 |
|
(学校等の管理)
第 |
33条 教育委員会は、法令又は条例に違反しない限度において、その所管に属する学校その他の教育機関の施設、設備、組織編成、教育課程、教材の取扱その他学校その他の教育機関の管理運営の基本的事項について、必要な教育委員会規則を定めるものとする。(以下略) |
《学習指導要領 総則》
第 |
1 教育課程編成の一般方針
1 |
各学校においては、法令及びこの章以下に示すところに従い、児童の人間として調和のとれた育成を目指し、地域や学校の実態及び児童の心身の発達段階や特性を十分考慮して、適切な教育課程を編成するものとする。(以下略) |
|
(別紙2)
学習指導要領の変遷
《昭和20年代》
○ |
新しい教育制度の下で、昭和22年、学習指導要領一般編(試案)を刊行。
以降、各教科編をそれぞれ刊行。昭和26年全面改訂。
・ |
社会科、家庭科の新設 |
・ |
児童生徒の生活経験を重視 |
|
小・中学校:昭和33年、高等学校:35年改訂》
○ |
独立国家の国民としての正しい自覚をもち、個性豊かな文化の創造と民主的な国家社会の建設に努め、国際社会において真に信頼され尊敬される日本人の育成を図る。
・ |
教育課程の国家基準としての性格の明確化 |
・ |
道徳の時間の新設など道徳教育の徹底、基礎学力の充実、地理・歴史教育の改善・充実、科学技術教育の向上など |
・ |
系統的な学習を重視 |
|
《小学校:昭和43年、中学校:44年、高等学校:45年改訂》
○ |
国民生活の向上、文化の発展、社会情勢の変化、国際的地位の向上などを考慮し、教育内容の一層の向上を図る。
・ |
算数・数学や理科を中心に、集合などの新しい概念を取り入れたいわゆる「現代化」を図った。 |
|
《小・中学校:昭和52年、高等学校:53年改訂》
○ |
人間性豊かな児童生徒を育てる。 |
○ |
ゆとりのある充実した学校生活が送れるようにする。 |
○ |
国民として必要とされる基礎的・基本的な内容を重視するとともに、個性や能力 に応じた教育が行われるようにする。
・ |
標準授業時数の削減、指導内容の精選 |
・ |
小・中・高等学校の指導内容の一貫性 |
|
《小・中・高等学校:平成元年改訂》
○ |
これからの社会の変化に対応して、主体的、創造的に生きていくことができる資 質や能力の育成を図ることを基本的なねらいとして、次の4つの方針に基づき改訂。 心豊かな人間の育成、 基礎・基本の重視と個性教育の推進、 自己教育力の育成、 文化と伝統の尊重と国際理解の推進
・ |
生活科の新設、中・高等学校の選択履修の幅の拡大 |
・ |
高等学校社会科の地理歴史科と公民科への再編成 |
・ |
内容の重点化など道徳教育の充実 |
・ |
国旗・国歌の指導の充実 |
|
《小・中学校:平成10年、高等学校:11年改訂》
(ポイントは別紙のとおり)
(別 紙)
新しい学習指導要領の主なポイント
(平成14年度から実施) |
<改善の基本的視点>
完全学校週5日制の下で、各学校が「ゆとり」の中で「特色ある教育」を展開し、
子どもたちに学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせること はもとより、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」をはぐくむ。
 |
|
 |
 |
|
1. |
豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚の育成 |
2. |
多くの知識を教え込む教育を転換し、子どもたちが自ら学び自ら考える力の育成 |
3. |
ゆとりのある教育を展開し、基礎・基本の確実な定着と個性を生かす教育の充実 |
4. |
各学校が創意工夫を生かした特色ある教育、特色ある学校づくり |
|
|
 |
 |
|
 |
|
1. |
授業時数の縮減等
 |
年間授業時数は、現行より年間70単位時間(週当たり2単位時間)縮減。 |
 |
高等学校の卒業に必要な修得総単位数は、現行の80単位以上を74単位以上に縮減。 |
 |
授業の一単位時間の弾力化。 |
|
|
|
2. |
教育内容の厳選
児童生徒にとって高度になりがちな内容などを削減したり、上級学校に移行統合したりなどして、授業時数の縮減以上に教育内容を厳選。 |
|
|
3. |
「総合的な学習の時間」の創設
各学校が創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開し、国際理解、情報、環境、福祉・健康など横断的・総合的な学習などを実施する「総合的な学習の時間」を創設。 |
|
|
4. |
選択学習の幅の拡大
中学校における選択教科に充てる授業時数の拡大、高等学校における必修科目の最低 合計単位数の縮減(38単位(普通科)→31単位)や各学校で独自に学校設定教科・科目を設定できるようにするなど選択学習の幅を一層拡大。 |
|
|
5. |
道徳教育
幼稚園や小学校低学年では、基本的なしつけや善悪の判断などについて繰り返し指導 し徹底。ボランティア体験や自然体験などの体験活動を生かした学習を充実。 |
|
|
6. |
国際化への対応
中学校及び高等学校で外国語を必修とし、話す聞く教育に重点。小学校でも「総合的な学習の時間」などにおいて英会話などを実施。 |
|
|
7. |
情報化への対応
中学校技術・家庭科で情報に関する基礎的な内容を必修。高等学校で教科「情報」を新設し必修。 |
|
|
8. |
体育・健康教育
生涯にわたって運動に親しみ基礎的体力を高めることを重視。心の健康、望ましい食習慣の形成、生活習慣病の予防、薬物乱用防止などの課題に適切に対応。
|
〔小 学 校〕
各教科等の構成及び授業時数
[現 行] |
|
[改 訂] |
学年 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
計 |
教科等 |
国語 |
306
(9) |
315
(9) |
280
(8) |
280
(8) |
210
(6) |
210
(6) |
1,601 |
社会 |
- |
- |
105
(3) |
105
(3) |
105
(3) |
105
(3) |
420 |
算数 |
136
(4) |
175
(5) |
175
(5) |
175
(5) |
175
(5) |
175
(5) |
1,011 |
理科 |
- |
- |
105
(3) |
105
(3) |
105
(3) |
105
(3) |
420 |
生活 |
102
(3) |
105
(3) |
- |
- |
- |
- |
207 |
音楽 |
68
(2) |
70
(2) |
70
(2) |
70
(2) |
70
(2) |
70
(2) |
418 |
図画工作 |
68
(2) |
70
(2) |
70
(2) |
70
(2) |
70
(2) |
70
(2) |
418 |
家庭 |
- |
- |
- |
- |
70
(2) |
70
(2) |
140 |
体育 |
102
(3) |
105
(3) |
105
(3) |
105
(3) |
105
(3) |
105
(3) |
627 |
道徳 |
34
(1) |
35
(1) |
35
(1) |
35
(1) |
35
(1) |
35
(1) |
209 |
特別活動 |
34
(1) |
35
(1) |
35
(1) |
70
(2) |
70
(2) |
70
(2) |
314 |
計 |
850
(25) |
910
(26) |
980
(28) |
1015
(29) |
1015
(29) |
1015
(29) |
5,785 |
・ |
小学校の授業時数の1単位時間は45分。 |
・ |
( )内の数字は,週当たりに換算した授業時数。 |
・ |
%の数字は,時数の削減率を示している。 |
|
|
学年 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
計 |
教科等 |
国語 |
272
(8) |
280
(8) |
235
(6.7) |
235
(6.7) |
180
(5.1) |
175
(5) |
1,377
▲14% |
社会 |
- |
- |
70
(2) |
85
(2.4) |
90
(2.6) |
100
(2.9) |
345
▲18% |
算数 |
114
(3.4) |
155
(4.4) |
150
(4.3) |
150
(4.3) |
150
(4.3) |
150
(4.3) |
869
▲14% |
理科 |
- |
- |
70
(2) |
90
(2.6) |
95
(2.7) |
95
(2.7) |
350
▲17% |
生活 |
102
(3) |
105
(3) |
- |
- |
- |
- |
207
0% |
音楽 |
68
(2) |
70
(2) |
60
(1.7) |
60
(1.7) |
50
(1.4) |
50
(1.4) |
358
▲14% |
図画工作 |
68
(2) |
70
(2) |
60
(1.7) |
60
(1.7) |
50
(1.4) |
50
(1.4) |
358
▲14% |
家庭 |
- |
- |
- |
- |
60
(1.7) |
55
(1.6) |
115
▲18% |
体育 |
90
(2.6) |
90
(2.6) |
90
(2.6) |
90
(2.6) |
90
(2.6) |
90
(2.6) |
540
▲14% |
道徳 |
34
(1) |
35
(1) |
35
(1) |
35
(1) |
35
(1) |
35
(1) |
209
0% |
特別活動 |
34
(1) |
35
(1) |
35
(1) |
35
(1) |
35
(1) |
35
(1) |
209
▲33% |
総合的な学習の時間 |
- |
- |
105
(3) |
105
(3) |
110
(3.1) |
110
(3.1) |
430 |
計 |
782
(23) |
840
(24) |
910
(26) |
945
(27) |
945
(27) |
945
(27) |
5,367
▲ 7% |
単位時間 |
▲68
(2) |
▲70
(2) |
▲70
(2) |
▲70
(2) |
▲70
(2) |
▲70
(2) |
▲418 |
|
〔中 学 校〕
各教科等の構成及び授業時数
[現 行]
|
|
[改 訂] |
学年 |
1 |
2 |
3 |
計 |
教科等 |
国語 |
175
(5) |
140
(4) |
140
(4) |
455 |
社会 |
140
(4) |
140
(4) |
70〜105
(2〜3) |
350〜385 |
数学 |
105
(3) |
140
(4) |
140
(4) |
385 |
理科 |
105
(3) |
105
(3) |
105〜140
(3〜4) |
315〜350 |
音楽 |
70
(2) |
35〜70
(1〜2) |
35
(1) |
140〜175 |
美術 |
70
(2) |
35〜70
(1〜2) |
35
(1) |
140〜175 |
保健体育 |
105
(3) |
105
(3) |
105〜140
(3〜4) |
315〜350 |
技術・家庭 |
70
(2) |
70
(2) |
70〜105
(2〜3) |
210〜245 |
道徳 |
35
(1) |
35
(1) |
35
(1) |
105 |
特別活動 |
35〜70
(1〜2) |
35〜70
(1〜2) |
35〜70
(1〜2) |
105〜210 |
選択教科等 |
105〜140
(3〜4) |
105〜210
(3〜6) |
140〜280
(4〜8) |
350〜630 |
計 |
1050
(30) |
1050
(30) |
1050
(30) |
3,150 |
注) |
外国語は選択教科として位置付けられており, 授業時数については各学年とも105〜140(3〜4)を 標準としている。 |
|
|
学年 |
1 |
2 |
3 |
計 |
教科等 |
国語 |
140
(4) |
105
(3) |
105
(3) |
350
▲23% |
社会 |
105
(3) |
105
(3) |
85
(2.4) |
295
▲16% |
数学 |
105
(3) |
105
(3) |
105
(3) |
315
▲18% |
理科 |
105
(3) |
105
(3) |
80
(2.3) |
290
▲ 8% |
音楽 |
45
(1.3) |
35
(1) |
35
(1) |
115
▲18% |
美術 |
45
(1.3) |
35
(1) |
35
(1) |
115
▲18% |
保健体育 |
90
(2.6) |
90
(2.6) |
90
(2.6) |
270
▲14% |
技術・家庭 |
70
(2) |
70
(2) |
35
(1) |
175
▲17% |
外 国 語 |
105
(3) |
105
(3) |
105
(3) |
315
0% |
道徳 |
35
(1) |
35
(1) |
35
(1) |
105
0% |
特別活動 |
35
(1) |
35
(1) |
35
(1) |
105
0% |
選択教科等 |
0〜30
(0〜0.8) |
50〜85
(1.4〜2.4) |
105〜165
(3〜4.7) |
155〜280 |
総合的な学
習の時間 |
70〜100
(2〜2.8) |
70〜105
(2〜3) |
70〜130
(2〜3.7) |
210〜335 |
計 |
980
(28) |
980
(28) |
980
(28) |
2,940
▲ 7% |
単位時間 |
▲70
(2) |
▲70
(2) |
▲70
(2) |
▲210 |
注)「外国語」は,英語又は外国語を示す。 |
注)「外国語」は,英語又は外国語を示す。
・
|
中学校の授業時数の1単位時間は50分。 |
・
|
( )内の数字は,週当たりに換算した授業時数。 |
・
|
%の数字は,時数の削減率を示している。(波型表示の授業時数については,下限で示している) |
〔高等学校〕
小・中・高等学校学習指導要領「算数・数学」の改善のポイントについて
1改善の基本方針
(1) |
小・中・高等学校を通じて、数量や図形についての基礎的・基本的な知識・技能を習得し、それを基にして多面的にものを見る力や論理的に考える力など創造性の基礎を培うとともに、事象を数理的に考察し、処理することのよさを知り、自ら進んでそれらを活用しようとする態度を一層育てるようにする。 |
(2) |
そのため、実生活における様々な事象との関連を考慮しつつ、ゆとりをもって自ら課題を見付け、主体的に問題を解決する活動を通して、学ぶことの楽しさや充実感を味わいながら学習を進めることができるようにすることを重視して、内容の改善を図る。 |
2小学校算数の改善の例
(1) |
内容の厳選
児童が主体的な学習活動にゆとりをもって取り組んだり,繰り返し学習して基礎的知識や技能を確実に身に付けることができるよう,中学校との重複や指導が高度になりがちな内容などを削除したり中学校へ移行統合した。 |
|
(2) |
算数的活動の充実
実生活における様々な事象との関連を図りつつ,作業的・体験的な活動など,算数的活動を積極的に取り入れるようにした。 |
3中学校数学の改善の例
(1) |
内容の厳選
数量や図形などに関する基礎的・基本的な内容をゆとりをもって確実に理解できるようにするとともに,問題解決的な学習が進められるよう,内容を厳選するなど内容の再構成を行った。 |
(2) |
数学的活動の充実
実生活との関連を図り,事象を数理的に考察する力を伸ばし,数学的な見方や考え方を用いて問題を解決する能力を一層高めることができるようにするために,観察,操作,実験を通してものごとの関係やきまりを見つけだすなどの数学的活動が活発に行えるようにした。 |
(3) |
課題学習の充実
問題解決的な学習活動を重視し,生徒が自ら課題を見つけ,主体的に問題を解決していく活動を通して数学的な見方や考え方をさらに深めていくことができるよう,各学年において課題学習を行えるようにした。 |
(4) |
選択教科の拡大
生徒の興味・関心等に適切に対応するため,生徒が自分で選択して学習できる幅を拡大した。
(例)
・ |
選択教科で数学を最大限選択した場合,必修と選択を合わせて,数学の時間は,1年生では週当たり3.8時間(3時間),2年生では5時間(4時間),3年生では5時間(5時間)学習することが可能。(()内は現行の時数) |
|
|
・ |
選択教科では,課題学習,補充的な学習,発展的な学習などの多様な学習を行うことが可能。 |
|
4高等学校数学の改善の例
(1) |
選択科目の構成の改善
生徒が興味・関心,進路希望等に応じ,必修科目に加え,選択科目を履修することにより,数学を深く高度に学ぶことができるよう,現行同様,発展的な科目である「数学 」「数学 」「数学A」「数学B」「数学C」の5科目を設け,特に「数学 」については単位数を増加した。(3→4単位) |
|
|
(2) |
学校設定教科・科目の活用
生徒の興味・関心等に応じて,各学校で独自に教科・科目を設定することが可能。(科目例:「応用数学」「数学探究」「幾何学入門」など) |
(別紙4)
小・中・高等学校学習指導要領「理科」の改善のポイントについて
1改善の基本方針
(1) |
小・中・高等学校を通じて、児童生徒が知的好奇心や探究心をもって、自然に親しみ、目的意識をもった観察、実験を行うことにより、科学的に調べる能力や態度を育てるとともに、科学的な見方や考え方を養うことができるようにする。 |
|
|
(2) |
そのため、自然体験や日常生活との関連を図った学習及び自然環境と人間とのかかわりなどの学習を一層重視するとともに、児童生徒がゆとりをもって観察、実験に取り組み、問題解決的能力や多面的・総合的な見方を培うことを重視して内容の改善を図る。 |
2小学校理科の改善の例
(1) |
課題選択の導入
児童の興味・関心に基づく学習を充実するため,例えば,第6学年において,「土地のつくりと変化」の学習において,「火山」又は「地震」のいずれかを児童が選択して学習できるようにした。 |
|
|
(2) |
内容の厳選
児童がゆとりをもって観察,実験やものづくりを行い,実感を伴った理解ができるよう,他教科や中学校と重複する内容,指導が高度になりがちな内容などを削除したり中学校へ移行統合した。 |
3中学校理科の改善の例
(1) |
問題解決能力の育成
目的意識をもって観察,実験を行うとともに,課題解決のために探究する時間などを設けることを重視した。 |
|
|
(2) |
日常生活とのかかわりや自然に対する総合的な見方の育成
生徒の興味・関心,日常生活とのかかわりの認識や自然の総合的な見方を養う観点から,選択的に履修する内容として,第1分野(主に物理・化学)に「科学技術と人間」,第2分野(主に生物・地学)に「自然と人間」を新設した。(いずれか一方を選択) |
|
|
(3) |
内容の厳選
ゆとりをもって観察,実験,野外観察,探究的な活動等を実施できるよう,他教科と重複する内容や指導が高度になりがちな内容などを削除したり高等学校へ移行統合した。 |
|
|
(4) |
選択教科の拡大
生徒の興味・関心等に適切に対応するため,生徒が自分で選択して学習できる幅を拡大した。
(例)
・ |
選択教科で理科を最大限選択した場合,必修と選択を合わせて,理科の時間は,1年生では週当たり3.8時間(3時間),2年生では5時間(3時間),3年生では4.3時間(4〜5時間)学習することが可能。(( )内は現行の時数) |
|
|
・ |
選択教科では,課題学習,補充的な学習,発展的な学習などの多様な学習を行うことが可能。 |
|
4高等学校理科の改善の例
(1) |
選択科目の構成の改善
生徒が興味・関心,進路希望等に応じ,必修科目に加え,選択科目を履修することにより,理科を深く学ぶことを可能とするよう,現行同様,発展的な科目である「物理 」「化学 」「生物 」「地学 」の4科目を設け,これらの単位数を増加した。(2→3単位) |
|
|
(2) |
学校設定教科・科目の活用
生徒の興味・関心等に応じて,各学校で独自に教科・科目を設定することが可能。(科目例:「科学探求」「先端物理入門」「総合科学技術」など) |
(別紙5)
科学技術・理科、数学教育等推進のための主な施策
平成14年度予算額(平成13年度予算額)
1 指導方法の工夫改善、教員の指導力向上等
○ |
新学習指導要領の趣旨の理解推進(新教育課程説明会やフォーラムの開催、パンフレットの作成等)
新学習指導要領の改善の趣旨や指導方法の工夫改善等の普及を図る。
|
○ |
科学技術・理科大好きプラン
57億円(33億円)
科学技術創造立国の実現を目指し、我が国の将来を担う科学技術系人材の育成に資するため、省庁再編のメリットを最大限に生かして、科学技術・理科教育に関する様々な施策を総合的・一体的に推進。(別添資料参照)
・スーパーサイエンスハイスクールの創設 7億円(新規) 等
|
○ |
科学技術・理科教育総合推進事業(科学技術・理科大好きプラン)
*3,043万円(2,403万円)
モデル地域において、実験・観察を重視した授業の実践など科学技術・理科教育の先進的・総合的な取組を支援する事業を行う。
(平成13年度実績 23地域)
|
○ |
科学技術・理科教育指導資料の作成(国立教育政策研究所教育課程研究センターにおいて作成。デジタル教材は、科学技術振興事業団(JST)において作成)
科学技術関係の研究機関等に蓄積されている膨大な量の科学に関する情報(宇宙、生命科学等)や最先端の研究成果を利用して、児童生徒にわかりやすく理科を教えることができるようなデジタル教材を、授業で効果的に活用できるようにするための教師用の指導資料を作成する。
|
○ |
教員派遣研修(理科教育)(独立行政法人教員研修センターにおいて実施)
小・中・高等学校の理科教育担当教員に対して、大学において理科教育に関する新しい実験の方法及び教具の開発等の研究を行う機会を与え、指導力の向上を図る。(研究期間3か月以上1年以内)
(平成13年度実績 16大学 72人)
|
2 理科教育設備等の整備
○ |
理科教育設備等の整備(科学技術・理科大好きプラン)
*15億円(17億円8,142万円)
理科教育振興法に基づき、小・中・高等学校理科教育設備基準を定め、理科教育設備等の計画的整備を行う。(補助率1/2(沖縄は3/4))
(内訳) |
・理科教育設備 |
15億 851万円 |
|
・算数・数学教育設備 |
2億7291万円 |
*の金額は科学技術・理科大好きプランの内数
|
科学技術・理科大好きプラン
(前年度予算額 33億円)
平成14年度予算額 57億円
1.趣 旨
科学技術創造立国の実現を目指し、我が国の技術革新と産業競争力強化を図り、国際 社会に積極的に貢献していくためには、質の高い科学技術系人材の育成が不可欠である。また、昨今、青少年の「科学技術離れ」「理科離れ」が指摘されており、これらへの対 策を講じることが喫緊の課題となっている。
このため、科学技術、理科・数学教育を重点的に行う学校をスーパーサイエンスハイスクールとして指定するなど、科学技術・理科教育の充実のための様々な施策を総合的・一体的に実施する。
2.事業の内容
(1) |
科学技術・理科大好きプラン【構造改革特別要求 32億円】
 |
スーパーサイエンスハイスクール
【特別要求 新規 7億円】
・ |
理科・数学に重点を置いたカリキュラム開発、大学や研究機関等との効果的な連携方策についての研究を行う学校をスーパーサイエンスハイスクールとして指定 |
・ |
対象:高等学校、中高一貫校 20校 |
|
 |
大学、学協会、研究機関等と教育現場との連携の推進(Science Partnership Program)
【特別要求 新規 17億円】
・ |
第一線で活躍する研究者・技術者による特別授業や教員等の研修、研究機関等を活用した発展的教材の開発や学習等の実施 等 |
|
 |
先進的科学技術・理科教育用デジタル教材の開発
【特別要求 新規 5億円】
|
 |
国立科学博物館の充実
【特別要求 新規 1億円】
|
|
|
|
(2) |
ITの開発・活用による革新的な科学技術・理科教育の推進 【14→10億円】
・ |
研究機関等の最新の研究成果等を活用した科学技術・理科教育用デジタル教材等の開発・提供 |
|
|
|
(3) |
理科教育等設備整備費補助 【17→15億円】
・ |
理科教育振興法に基づき、学校で行う実験・観察等に必要な設備の整備
(小・中・高等学校及び盲・聾・養護学校の理科教育設備、算数・数学教育設備 に対し、1/2補助) |
|
|
|
(4) |
科学技術・理科教育総合推進事業
【0.2→0.3億円】
・ |
学校と地域が一体となって科学技術・理科教育を重点的に進める地域の指定
(平成12・13年度実績 23地域指定) |
|
|
|
(5) |
環境教育推進グリーンプラン
【0.7→0.9億円】
・ |
環境教育に関する総合的な情報提供体制の整備等、学校における環境教育の推進 |
|
(別紙6)
児童生徒の学力について
生徒の学習到達度調査(PISA)平成12年(2000年)調査
(OECD(経済協力開発機構)実施)
○ |
知識や技能を、実生活の様々な場面で直面する課題に活用する力についても、日本の子どもは国際的に見て上位 |
○ |
「宿題や自分の勉強をする時間」が参加国中最低 |
○ |
最も高いレベルの読解力を有する生徒の割合はOECD平均と同程度 |
|
(1)平均得点の国際比較(31カ国参加)
総合読解力 |
1位/フィンランド
2位グループ/ |
カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、アイルランド、韓国、イギリス及び日本 |
|
数学的リテラシー |
1位グループ/日本、韓国及びニュージーランド |
科学的リテラシー |
1位グループ/韓国及び日本 |
(2)総合読解力(習熟度レベル別結果)
|
レベル1未満
(低) |
レベル1 |
レベル2 |
レベル3 |
レベル4 |
レベル5
(高) |
日 本 |
2.7 |
7.3 |
18.0 |
33.3 |
28.8 |
9.9 |
フィンランド |
1.7 |
5.2 |
14.3 |
28.7 |
31.6 |
18.5 |
イギリス |
3.6 |
9.2 |
19.6 |
27.5 |
24.4 |
15.6 |
アメリカ |
6.4 |
11.5 |
21.0 |
27.4 |
21.5 |
12.2 |
韓 国 |
0.9 |
4.8 |
18.6 |
38.8 |
31.1 |
5.7 |
OECD平均 |
6.0 |
11.9 |
21.7 |
28.7 |
22.3 |
9.5 |
|
(数字は%) |
(3)宿題や自分の勉強をする時間
|
宿題や自分の勉強をする時間
(OECD加盟国27カ国中) |
日 本 |
27位 |
フィンランド |
23位 |
イギリス |
3位 |
アメリカ |
17位 |
韓 国 |
20位 |
ページの先頭へ