資料1 |
国際教育協力懇談会(第6回)議事録
平成14年5月20日(月)14:00〜16:00
TOKYOメルパルク 郵便貯金会館「瑞雲の間」
1 開会
中根座長による開会の挨拶及び今回・次回の会合の進め方の概略についての説明の後、事務局より、資料1の第5回国際教育協力懇談会議事録確認及びその他配付資料の確認を行った。
2 議事
(1) | 我が国の大学における国際開発協力について 資料2の「我が国の大学における国際開発協力の促進」について、資料に基づき事務局より説明があった。 |
(2) | 国立大学の法人化と国際開発協力 政策研究大学院大学 西野文雄教授より「国立大学の法人化と国際開発協力」について以下のとおり説明があった。 西野教授)文部科学省で用意された資料についてコメントさせていただきたい。資料2の第7項に「国立大学の問題/経理上の問題」という記載があるが、経理上の問題の手続きだけではなく、今は受託研究しか受けられないため、受託教育もできない。従ってアメリカの大学で行っている短期の企業の人を集めたトレーニングをしたくても原則としてできないと理解している。ましてや、研究以外の設計業務等もできない。従って、手続上だけではなく、目的も制限されている、ということを付け加えさせていただきたい。 |
(3) | 開発コンサルタントと大学の連携の可能性について 続いて、(社)海外コンサルティング企業協会 倉並千秋副会長代理より「開発コンサルタントと大学の連携」について以下のとおり説明があった。 倉並副会長代理)本日の課題である、大学における国際開発協力の促進について、コンサルタントの立場からどういう見方をしているのかという点を中心に述べさせていただきたい。 |
(4) | 意見交換 座長より、本日の発表を踏まえて、各委員等の自由な意見が求められた。 川上委員)興味深い説明を拝聴した。この前の会議でも申し上げたが、大学(アカデミア)に援助の世界で活躍していただきたいというニーズが昔からあったにも関わらず、制度的な問題があってなかなかうまくいかなかった。今度大学自体が、JICAもそうだが、法人化され活動の余地が広がるということは、一般論として望ましいと思う。いろいろな問題点や課題が他の国と比べてご指摘があった。いろいろな側面があると思うが、アカデミア自身が援助要員として、即ち、コンサルタントとして入ってくるということについての今後の意図は、積極的な方向で考えていかなければならない。同時に、問題点も色々ある。しかし、一般論として援助要員の幅を拡大し、強化するという観点からは、言うまでもなく、大変望ましいということを意見として述べさせていただきたい。 倉並副会長代理)いくつか要因はあると思うが、コンサルタント企業の方もいろいろな会議を持ち、また、国際協力機関からもいろいろな問い合わせがあり、それに対応してきた。いくつかの要因のうちの一つは、ビリングレートというものがある。報酬のレートというものであるが、通常コンサルタント業界では「一人月いくら」という形で定める。これが、国内のマーケットが非常に活況で、国内で稼ぐ金額だけの業務報酬を(国際業務では)得られないということがあった。一般に国際機関となると、全世界の国際機関と同じ土俵で競争するので、特に価格が決めてとなる案件については、かなり人月の単価を落とさないと受注できない。なかなか日本国内のコンサルティング企業が諸手をあげて海外へ出ていく状況に無かったというのがある。 川上委員)世界の開発途上国側のニーズが最近インフラ等からソフトの分野に、セクターワイドの話であるとか、民主化とかガバナンスとか、プロジェクト一つをとっても変わってきた。そういう面から見て、日本のコンサルティング業界の能力との間に若干のミスマッチが生じているという面があるのかないのか。もし、そういうことがあるとすれば、アカデミアの参入によって補われる面があるのかないのか。その点については、どう思っておられるのか。 倉並副会長代理)確かに一般的にソフト案件と呼ばれている案件については、日本のコンサルタントの層は薄いというのが実感である。昨今、例えば世界的に、貧困を中心として社会・医療・環境等の案件が増えてきている中で、そういった層が薄いという問題は当然ある。確かに大学の法人化が進んで、積極的に参加してもらえるということになると、場合によっては連携して開拓していくことが出来るのではないかと思う。 西野教授)今の意見は、NGOにもあり、明確な司令塔がないという意味でソフトに強くないというのが現状であると思う。大学ではそういうことを研究している教員がいるので、そういう教員がコンサルタントと一緒になるとよい。先述したが、教育案件については教育者が良いと思うが、それ以外の案件については、大学の教員が一人とか二人、コンサルタントに入って知恵をつけるというのが一番良くて、そうすれば、今までのインフラに対しての強さは、完全にソフトサイドに切り替えられると思う。補足であるが、大蔵省の外郭団体であると思うが、私は、国際金融情報センターで2年間にわたって、有償資金協力の在り方に関する懇談会の座長を努めたことがある。その時も一番大きな話題は、日本のコンサルタントがどうして案件を落札できないのかということであった。その時のOECF(海外経済協力機関)案件だけについて調べてみると、完全な国際競争にかけたものについては、日本の企業が半分を落札している。しかし途上国タイドもあるので、OECF案件全体で見ると、日本の企業の落札率はそんなに多くない。しかし、国際入札に関わるものについては、半分は取っているので、国際機関についてはどうして取れないのかということが問題になった。その時の一つの結論は情報量が違うのではないか、つまり、OECF案件については、十分な情報があるが、アジア開発銀行については、それだけの情報量がない、あるいは、とっていない。それが大きな理由の一つであろうということだった。もちろん、人件費が高いということが一番大きな理由なのであるが、二番目は情報の不足であろうという結論だった。他の国のコンサルタントは現地の案件については、現地のコンサルタントを使っている。それをしないとただでさえ高い人件費が、そのままストレートに費用に加わる。現地人をいかに有効に使うのかが大事な問題かなと思う。 宮田委員)私が大学からただ一人委員として来ているので、現状における国立大学がどういうことかを東京農工大学を例にしてお話ししたい。農工大学は農学部と工学部と2つの学部と、あと、大学院の独立研究科があるが、基本的には産業に資する人材育成をしている関係上、留学生は他大学と比べると割合が多い。また、JICAやその他国際機関を通しての国際協力も多くやっている。私自身も思い出しているが、1980年から81年にかけて、中国に対してJICAから分析機械を送って科学技術のレベルをあげるということで、外務省のアドバイザーとして行ったことがある。現実に大勢行っているが、いつでもどなたかにお願いされて小人数がいくので、大学全体としての顔は見えないということは確かにあると思う。この瞬間でも、4名の専門家がアフガニスタンに行っており、アフガニスタンの教育及び産業にどういう風に貢献できるのか調べている。これはコンサルティングという形は取っていないが、結果的には報告書が出れば、コンサルティングをしたということになる。それから文部科学省には科学研究費というものがあり、それで私自身もタイの大学との国際共同研究等にアプライして採択され、タイの大学の学生さんを含めた共同研究を行っている。その他の先生では、中国に於ける乾燥地農業、中国では塩害が激しいので、塩を吸い取ってそれを作物の中にいれてしまう、それを何度か繰り返すと、そこは塩がなくなる。そのようなことを2、3回繰り返すと非常に濃度が低くなり普通の植物が育つようになる。私どもの大学は塩害がひどくて作物ができないところへ出ていって、実験をやっている。これもただ、コンサルティング企業を通してやっているわけではないので、外部には全く分からないかもしれない。ベトナムにも行っているし、世界各国でかなりやっているが、大学全体としては、確かに組織がない。どちらかというと、教官は強いが、事務局が国際化に弱いという事実があり、そういう形の事務的サポートがなされていない。 荒木委員)今の話と関係があるが、専門用語で「一本釣り」というやり方があるが、これは十数年前、東大の医学部の先生方と話したことがある。十数年前は、医学部の医療協力で出かける先生方は時間が非常に制約されており、一週間単位でしかだめだとか、腰を据えて協力することが非常に難しいため、一本釣りも難しかった。システマティックに人材を医学部から出していくためには、JICAと大学との協定・契約によって人材を育成しながら、つまり、次の需要を予測しながら人材を育てていく必要があるという議論だった。場合によっては、医学部の何人かは事前に海外に留学させる必要もあるだろう。大学の医学部の中でも人材を育成する、改めてJICAが育成するわけではないので、大学の中でそういう仕組みを、技術協力の一環としてパッケージで医学部とJICAが協定を結んで安定的に人材を供給すると言うことを議論したことがあるが、これは議論であって、実際は難しかった。その背景には、やはり、ソフト・ハードという基本的な問題がある。例えば、ODAの中で非常にソフト系に属する開発調査という予算項目があって、三百数十億円という大きな予算がついている。これはほとんど、ハードが前提になっており、経済・社会インフラ等の案件発掘と形成に大きく寄与している。従って、教育協力であるとか保健医療協力とかでそのお金を使うという前提ではない。もともと、ODA予算にはソフト系が少ないので、ソフト系の人材が育たないということがあるし、また、日本の国際開発関係の受注が約千億円というが、他方、日本国内の公共投資に係るコンサルティングフィーは一兆円とも二兆円ともいわれている。仮に政府の公共投資事業に民間のコンサルタントが参入できることがあれば、その予算のなかで相当人材が育ったはずであるが、国内官庁は技官がたくさんいて、自ら企画立案まで行ってきたので、なかなか民間の出る幕がなかった。せいぜい、設計の図面書き等であり計画全体を立案する立場にはなかった。それが、ソフトを育成するという人材の育成につながらなかった。最近、イギリスのコンサルタントが国際的に出てきている。これは、国内の都市開発計画が一段落ついて余力が海外に出ているということになっており、イギリスとかアメリカは、ご存じの通り、民間が公共投資の計画立案までやるので、当然欧米のソフト系コンサルタントが強いというのは当たり前といえば、当たり前である。日本は、不幸にしてそういう過去の歴史を背負ってきて、実際は努力の問題もあろうが、構造的に弱い。これからの問題であるが、教育協力・医療協力・保健医療・ジェンダー等さまざまなソフト系の要請が増えてきているので、そのコンサルタントを育てるためには、ODAの開発調査予算においても、かなりの部分、ソフト化をしていかないとソフト系人材は育たない。極端に言うと、世界銀行による教育分野の需要というのは、アメリカの大手の教育コンサルタントだと三社あればできるというくらいであり、私がよく知っている、教育開発アカデミーというところがあるが、それも三社のうちのひとつである。ただしアメリカでも、世界銀行等の受注というよりも国内の受注が圧倒的に多い。国内の需要が70%で海外の需要が30%くらいというのが普通であり、国内に根拠をおき、そこに腰を据えてコンサルタント業務を展開するので自然に人材も育っている。 團野委員)ECFAの倉並さんが来られているのでお伺いしたい。日本のエンジニアリング・コンサルタントは本当に国際競争力があるのかという非常に悩ましい問題があると思う。エンジニアは、アメリカ人の2倍、欧州人の3倍の給料をもらっており、レートが高い。その他の社会コストも高い。また、差別化できるようなオリジナルなノウハウが必ずしもない。従って、経験分野に極めて偏りがある。全体としては、日本のエンジニアリング・コンサルタントがもう一つ華々しく活躍が出来ないという背景には競争力の問題があると思う。一方、もう一つの事情として、最近、外国の製造メーカーはコンサルティングとかソリューション・ビジネスに進出してきている。これが極めて力が強い。それは、本当の基礎の技術があり、実地の経験もあり、ユーザーといつも接触しているという強みがあるからである。実際には、しかし、開発コンサルタントの仕事をメーカーが引き受けると、中立性堅持の立場から、あとのハードウェアーの仕事には参画出来ないという制約がある。従って、日本のメーカーは進出しないのであるが、外国のメーカーはハードウェアーに関心が無くなってきている。自分が製造することにあまりこだわらなくなってきている。こういう状況も含めて、一体日本のエンジニアリング・コンサルタントはどうやって国際競争力を持つのかということが、大学の力を借りる、あるいは活用するという問題以前の問題として考えなければならないと思う。多分、現地のコンサルタントと組むとか、製造メーカーやユーザーを入れたチームを作って挑戦をするとかをやっていらっしゃると思うが、ECFAさんではどのような研究をされているのか。2点目は、西野先生にお伺いしたい。西野先生の大学は奮闘しておられ、大変な状況の中でいろいろ努力をされていることには敬意を表したいし、今日のお話についても、全て賛同する次第であるが、ご紹介があった制度面の改善があれば協力できると考えて良いのか。国際開発協力の面に現在の大学のスタッフをどのくらい割く余力があるのか。 松下専務理事)倉並氏はむしろソフトの方と行った方がいい企業に属されており、エンジニアリングではない分野の代表であるので、私の方から補足させていただくと、エンジニアリングの中で特に、多分国内のいろいろな問題だと思うが、専門家は各分野にいるが、従来開発コンサルタントとしての需要が必ずしも無かったので、ECFAの会員のエンジニアリング関係の企業にも必ずしもそういう専門家がいない。要するに、先程も出ていたが、日本のソフトが弱いのではないかというお話だが、これは、日本に従来マーケットが無かったので、人はいろいろな分野にいるが、コンサルタントとしてはいなかったということだと思う。いろいろな分野で日本は優位性を持っていると思う。相当優秀な技術をもっているが、それがコンサルタントとして集まっていないといった方がいい。 西野教授)余力という話がでたが、これは、外部資金に人件費が入っているか、一般管理費が入っているか、これで決まると考える。大学は法人化されても教育と研究のための教員の費用しか配分されないと考える。私が留学していたアメリカの大学の例をお話ししたい。私が留学していたのは、世界第2位の鉄鋼メーカーがあったベツレヘムという町にあり、百年前からベツレヘムはこの大学に大変な外部資金を入れている。USスチールもピッツバーグにあったために、同じペンシルバニア州の大学ということもあって外部資金を入れている。私は土木工学科へ進学したが、大学の本部から配当される土木工学を教える先生は全体で十人しかいない。ところが、外部資金が入ってくるのは、全部鋼構造であり、鋼構造を教える先生がその他に20人近くいた。十人は本部の授業料等から上がるお金でやとっている教員で、後の20人は外部資金で雇っている。私自身の奨学金も外部資金に含まれる人件費から支供された奨学金であった。 矢崎委員)私も大学に長くいたことがあり、その経験からも、今までは組織としてはJICAくらいしかなかったが、国際開発協力、特に教育の国際協力として今後は大学が組織として対応出来るようになれば、大変すばらしい。そうなれば、従来個人の興味とか努力で決まっていたものが、人材の安定供給とかノウハウの蓄積ということで、実績の向上が望めると思うが、これを実現するには大変な仕事量で、おそらく法人化した大学がすべてこういうことをやる余裕があるわけではなくて、大学の特色として教育協力を一つ活用するような仕組みがあっても良いと思う。というのは、私の施設は、初期臨床研修(医学部卒業生の教育)を行う施設であり、通常は、東大病院や慶応大学病院が行うが、私どものところは、全くの全国区であり、東大よりも優秀な学生が集まってくる。理由は、国際医療協力をやりたいということである。前向きな学生をとれるような雰囲気があれば、組織として成り立つと思うが、我が国の現状と外国のお話を聞く限り、例えば、ソフトの案件でも案件の調査と案件の形成、案件の実施で、受注した大学が全部違うわけであり、そういうことは日本ではあり得ない。通常日本ではハードの面では調査と実施は別々のコンサルト会社を通してということはあるだろうが、ソフトの案件で、全部違った大学でというのは、裏を返せば、大学の幅が広くて層が厚いということで、本当の競争入札がきっちり出来る環境が整っている証拠だと思う。我が国では、組織を作ることから始めなければならない。大学の対応としては、そういう一つの旗印として、国際化ということを大学として活用していくということが一つあるが、もう一つは、評価というポイントがあったと思う。一つはアウトカムの評価で、実績がどうなのかということであり、もう一つは、教育協力にどう関わって、どういう成果を上げたのかということが、個人のキャリアとしてどう反映するのかということもきっちりできていないと、個人の努力でそのまま没してしまう可能性がある。組織としての活用の方法と、活躍した人を今後どのように大学の中で位置づけ、評価するのか、システムを作っていかないと、活用できないかなという気がする。欧米は契約の世界なので、大学が変わってもコントラクトがそのまま生きるのであろうが、こういう高等教育開発案件が、案件の「調査」、「形成」、「実施」を違う大学や違うコンサルタントを通してやると、私自身としては、少しだぶったり、無駄があったりするのではないかという気がする。西野先生には実際のご経験でお話いただいたが、何か問題点等はあるのか。 西野教授)今ここで引用した日米共同案件に関しては、調査は別だと考えた方がいいが、USAIDはほとんど何もしないので、案件の形成がまさに大事である。案件の形成をするということは、日本でいうと、案件の積算・見積りもするということであって、案件の形成をやったところは案件実施の入札に参加資格はない。最初にケンタッキー大学がとって、2番目の段階(形成の段階)ではケンタッキーは応札していない。彼らは案件の実施を落札しようとした。案件の形成をすると言うことは、実施案を作ると言うことであって、こういうものが良いというものを作ることである。USAIDは根幹となる案は考えるが実施の詳細案は外部に任せている。民間の一番出来るところを競争入札で選ぶ。総合評価一般入札という形で決めている。 荒木委員)私もアメリカのコンサルタントの調査にいったとき、USAIDの方々から紹介された先を回って、そこに、コンサルティング企業協会のようなちゃんとした組織もあった。そこでいろいろと話を聞いたり、現実に見せていただいたりしたが、人材のデータベースがかなり進んでいて、先生方の名前も、いろいろな大学から入っている。それがきちんと人材のデータを見ながら、この先生は今何の調査で、どこに出かけていて、向こう1年間だめだという情報が提供されていた。登録している先生方は、世界銀行にも登録しているし、世界銀行とUSAIDとリンケージしてアメリカの企業ともリンケージしている。つまり、アメリカ中の大学の先生方が、今いわれたように、外向けの先生方がみんな登録されているのかどうかは分からないが、何千名という先生が登録されており、コンサルタントは、そのデータベースを見ながら追っかけていって、この人をリクルートしようとかやっている。そういう基礎が出来ている。また、大学の方でも、ハーバードがプライムをとったら、コロンビアの先生方とジョイントしていく、契約主はハーバードだが、目的・項目にあった先生方を他の大学から集めて一つの調査団(受注団)を形成しているということを聞いた。先生がおっしゃった話と関連するが、ベースが出来ている気がする。大学の場合でも、どの先生がどの国に強いということも記載されている。言語についての記載もある。 西野教授)国立大学が法人化されれば、私もJICAに個人コンサルタントとして登録し、営業するつもりである。現在は国家公務員としての立場から登録はしていない。 川上委員)私も細かい手続き的な面について熟知していないので発言を慎んできたが、先程もご紹介があったように、JICAに登録している法人企業ではすでに600社以上、個人でも百何十人となっていると承知。その中に国立大学の先生がおられるのかどうかは存じ上げないが、いずれにしても、こういうコンサルタント登録が今後法人化した大学に対して、もちろん一定の登録の手続きはあるが、門戸がとざされているということはないのであり、当然コンサルタントとして一定の要件を備えていれば登録することが出来る。また、個人として、おそらくJICA自身も独立行政法人化するので、そういうJICAに対しての登録というのはおそらく可能なのであろう。いずれにしてもそういう形で門戸が広がり、登録したコンサルの間でのジョイントの話だとかは可能になるわけだし、コンサル自体がプライムで向かっていくときに大学側からの援助をいただいて、サブで大学がそれに入っていくということも当然可能になるであろう。いずれにしても、そういう面での活動の幅が大幅にひろがるのではないだろうか。アカデミアが入りうるということだけはいえるのであろう。先程からいろいろと大変面白い議論であったと思うが、出てきているいろいろな問題点、日本のコンサル業界が抱える問題点、もちろんアカデミア自身が抱える問題点というのもあるだろうが、今日のような議論を踏まえて、積極的な方向で検討していけば良いのではないか、勿論、受け皿としてのJICA、JBICについても同様に問題はあるのであろう。そういうものを、開きつつある門戸を前提にして、日本の援助要員の抜本的な拡充という方向で、日本の景気により日本のコンサル業界がどうなっていくのかということもあるが、方向性としては、膨大な開発需要はこれからも続くわけで、21世紀に向かってニーズが変化しつつある援助の世界での我々の日本のビジネスということも当然考えなくてはならないので、一致協力して検討していくというのが正しい方向であると思う。 |
3 閉会
事務局より、次回は5月30日(木)14:30から16:30を予定しており、詳細については追ってお知らせする旨発言があった。