今回はカブール市内のみの調査であるが、市内の学校は校舎が荒廃しているところが多いが、3月末に再開された。ユニセフのBack to School
キャンペーンでは170万人の新規入学を想定しているが、全国でどの程度の就学が行われたかは定かではない。カブール市内では現在でも入学者は増え続けている。特に、女子の入学者が非常に多い。多くの学校は1年から9年あるいは12年生までのクラスがあるが、高学年は一クラスでも1年生の数が非常に多く、5学級から20学級に及んでいる。女子学校では特にその傾向が顕著である。
校長・教師は長い内戦およびタリバン時代に国外あるいは北部地域に避難していた人が多い。教師の資格認定等のためもあって教育省は終日混雑している。
学校施設に関しては、カブール市の南西部は廃墟と化しているため学校も例外ではない。この地区ではほとんどの学校が屋根や壁がなくなっている。瓦礫が十分に整理されていないために、瓦礫の陰で授業が行われているケースや木陰で行うケースもある。
しかし、子どもたちの学習意欲は高く、学習の姿勢も真摯であると感じられた。
教科書は不十分であるが、ユニセフやUSAIDの教科書がある程度行き渡っている。黒板は小さい黒板がユニセフなどから供与されている場合を除いて、ほとんどない。
こうした状況では教師は言葉による教育に頼らざるを得ないが、子どもに教科書を読ませたリ、いっせいに声をあげて読ませたりして、伝統的ではあるがしっかりした授業を展開しているように見受けられた。
1−2、教育省
教育省は22の局に198課があり、職員数は2481人(うち女性は563名)である。現在ユニセフが教育省各局の所掌分担や人事録のデータベースを作成中である。地方教育局長の任命は終わっているが、地方の教育局の詳細は不明である。
教育省内にはユニセフとユネスコの事務所がある。ユニセフはBack to Schoolキャンペーンと学校データベースの作成、ユネスコはコンピュータ訓練室の整備とワークショップの開催を主な仕事としている。