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資料  2
 
国際教育協力懇談会
−国際教育協力におけるNGOとの連携について−
 
片山   信彦
特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン    理事・事務局長
(教育協力NGOネットワーク   世話人会副代表)
 
I .基本姿勢
   NGOが持つ特色(草の根の発想や地域住民との接点、柔軟性、適応力等)やそのミッションと、ODAとの相違点やODAの特色を相互に認め合うこと。その上で、ビジョンを共有し、相互の比較優位を拡大できる形で、開発途上国の人々の生活の向上という共通の目的に向けての連携・協力を求めて行くことが重要である。
 
II.定期的な協議の場の設定
   政策レベルでの協議の場を設ける。既に存在する、外務省、財務省、JICA、JBIC等のNGOとの定期協議を参考にしながら、教育委員会やユネスコ等関係機関も視野に入れた協議の場を設定する。協議する教育協力政策の中には国内における国際理解教育・開発教育も含め、広く国民の理解を得られる方策に関しても意見交換を行う。また、各種の政策策定の過程でNGOの意見を聞くことや国際会議へのNGOの参加を保障することも重要である。
 
III.実施レベルでの連携の可能性
1.    ハード、ソフト、システムの相互の関係づけをNGOとの連携で行う。特にシステムに関しては政府レベルでの働きが鍵となる。教育政策、教育行政レベルでの中央政府や地方政府への協力とNGOが行なう草の根レベルでの協力が連携できれば総合的な教育協力が可能となる。
2.    相手国のニーズの把握や文化、伝統を尊重するためには、草の根の状況や少数民族等の多様性の状況を知るNGOの経験が活用できる。特にプロジェクト形成のための事前調査や実施、事後評価においてNGOとの連携が可能である。
3.    大使館の草の根無償担当者にNGO(出身者)を起用したり、コンサルタントとしてNGOを起用する形での連携も可能である。
4.    日本のNGO育成のためには、例えばユネスコに寄託している識字振興基金を拡充し、教育協力を行っている日本のNGOが事業を立案、実施できるようにする。
5.    広く国民の理解を得る為の国際理解教育・開発教育の実施へのNGOの参加。例えば、NGOが「総合学習の時間」を実施することで青少年への理解を拡大させる。あるいは、地方自治体や教育委員会との共催、あるいは社会教育の一環として講演会等のイベントを実施することで、ODAと草の根の経験を地域に浸透できる。  
 
以上

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