第19回北極域研究推進プロジェクト推進委員会議事録

1.日時

令和7年7月7日(月曜日)10時00分~12時00分

2.議題

  1. オンライン開催

3.出席者

委員

池島委員長、窪川委員、合田委員、坂野井委員、瀧澤委員、中田委員

文部科学省

三宅海洋地球課長、小野寺極域科学企画官、岡田海洋地球課課長補佐

4.議事録

【池島委員長】  皆さん、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまより第19回「北極域研究推進プロジェクト」推進委員会を開催いたします。
 今回は、昨年度で終了しました北極域研究加速プロジェクト(ArCSⅡ)の事後評価に係る評価方針等の決定を行い、その後、北極域研究強化プロジェクト(ArCSⅢ)につきまして、前回の委員会において選定した計画の進行状況につきまして報告を受けたいと思います。
 また、本日の審議は公開といたします。
 それでは、事務局より、本日の出席者、配付資料の確認をお願いいたします。
【岡田海洋地球課課長補佐】  本日は6名の委員に出席いただいており、委員会の定足数を満たしております。
 加えて、本日の傍聴登録は33名ですので、併せて御報告いたします。
 なお、事務局に異動があり、海洋地球課長が中川課長から三宅課長に交代しております。
 ここで、三宅課長から一言御挨拶を申し上げます。
【三宅海洋地球課長】  7月1日付で中川の後任として海洋地球課長に着任した三宅と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私自身は海洋地球課には補佐時代にも着任しておりまして、7年ぶりぐらいかと思います。当時のArCSプロジェクトがこのように継続していること、大変うれしく思っております。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 では、改めて御挨拶させていただきます。本日の推進委員会、どうぞよろしくお願いいたします。推進委員会の先生方におかれましては既に御案内のとおりでございますが、北極域研究をめぐる最近の動向といたしましては、令和6年の4月に政府の総合海洋政策本部において海洋開発等重点戦略が策定されました。重要ミッションとして北極政策における国際連携の推進が位置づけられまして、空白域、空白時期が存在する北極域観測の着実な推進であったり、北極域研究船の「みらいⅡ」を活用した国際プラットフォーム化、これを目指していくことが記載されているところでございます。
 このような動向を踏まえまして、文部科学省としましても、新たに予算を確保し、本年4月から北極域研究強化プロジェクト(ArCSⅢ)を開始いたしました。委員の皆様におかれましては、年度末のお忙しい中、本プロジェクトの採択事業選定に係る審査に御協力いただきましたこと、改めてお礼を申し上げます。
 本日は、その採択時の留意事項の対応も含めまして、事業の進捗状況について代表機関である極地研究所から御報告がございます。
 本日、先ほど委員長からも御紹介がありましたが、まず最初に、本年度のメイン議題であります昨年度終了しましたArCSⅡの事後評価方針等について御審議いただくこととしております。本委員会においてフォローアップ等をしっかり行い、ArCSⅡの評価結果をArCSⅢの取組に生かしていくということでございますので、委員の皆様方より貴重な御意見を賜りたいと考えておりますので、どうぞ御協力のほどよろしくお願いいたします。
 以上となります。よろしくお願いいたします。
【岡田海洋地球課課長補佐】  三宅課長、ありがとうございます。
 引き続きまして、本日の配付資料について確認をさせていただきます。配付資料につきましては、お手元の議事次第のとおり、資料1-1から1-5、そして資料2、資料3、併せて参考資料の1から4となってございます。資料に不備等ございましたら、事務局までお申しつけください。
 また、毎度の御案内となりますけれども、本日はオンラインでの委員会開催となりますので、御質問等ある際は、「手を挙げる」機能を使用していただくとともに、最初にお名前を言っていただいてから御発言いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 また、音声のハウリング等の原因となりますので、御発言のときを除いて必ずマイクはミュートにしていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【池島委員長】  ありがとうございました。
 それでは、議事に入ります。
 議題1「北極域研究加速プロジェクト(ArCSⅡ)の事後評価について」です。
 事務局から資料の御説明をお願いいたします。
【岡田海洋地球課課長補佐】  では、引き続きまして、事務局より資料の御説明をさせていただきます。資料は1-1から1-5となります。
 まず、資料1-1を御覧ください。
 本年度、昨年度で終了いたしました北極域研究加速プロジェクト(ArCSⅡ)、こちらの事後評価をこの委員会で実施していただきたいと考えてございます。
 事後評価の進め方につきまして、まず、評価の目的でございますけれども、ArCSⅡが終了したことから、これまでの研究成果や活動実績に関する事後評価を実施し、その結果を今後の研究活動に反映させることでございます。
 評価の手順でございますけれども、2.にありますとおり、まず、本委員会において、本日でございますけれども、評価方針等を決定していただいて、その後、代表機関等に事務局を通して提示をしたいと考えております。それを受けまして、代表機関等において評価方針等に基づき自己点検評価を実施していただきます。各委員におきましては、代表機関等が行いました自己点検評価の結果を踏まえまして書面評価を実施していただき、本委員会において各委員の書面評価結果を踏まえまして評価案を取りまとめさせていただきたいというように現在考えております。
 3.スケジュールでございますけれども、本日のこの推進委員会におきまして進め方及び評価方針を決定していただき、その後、事務局を通して評価方針等を伝達し、代表機関において、7月上旬から9月中旬ぐらいをめどに自己点検評価を実施していただく予定と考えております。それが終わりましたら、9月中旬から10月中旬頃を考えてございますけれども、評価方針に基づきまして委員の先生方に書面評価を実施していただきたいと考えてございます。その書面評価結果を事務局のほうで取りまとめさせていただいた後、10月下旬から12月上旬に本委員会を開催させていただいて、評価書案の審議、取りまとめをさせていただくというようなスケジュールを考えてございます。
 なお、取りまとめていただいた評価書につきましては、年度内、現在の予定といたしましては令和8年1月でございますけれども、こちらに開催を予定しております海洋開発分科会のほうに報告をさせていただきたいと考えてございます。
 続きまして、資料1-2でございます。こちらが事後評価方針の案をお示ししているものでございます。
 目的につきましては、先ほどと同じでございますので省略させていただきます。
 2.基本的な考え方でございますけれども、こちら、文部科学省におきまして決定しております「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」に基づいて評価を実施していただきたいと考えております。
 評価対象につきましては、ArCSⅡにおける事業期間(令和2年度から令和6年度)の研究成果及び研究活動の実績等でございます。
 4.評価の観点・基準といたしましては、まず、先ほど2.で申し上げました「研究及び開発に関する評価指針」で評価の観点として定められております3つの観点、必要性、有効性、効率性に関して、まず評価をしていただきたいと考えてございます。
 それぞれ評価項目、評価基準についてはお示しさせていただいているとおりでございますけれども、まず、必要性(緊急性、重要性)につきましては、科学的・技術的意義でありますとか社会的・経済的意義、国費を用いた研究開発としての意義等を評価項目とし、基準といたしましては、本プロジェクトにおける取組が、我が国の北極政策のさらなる推進及び北極研究分野における我が国の国際的プレゼンスの向上につながっているものであるかといった観点で評価をしていただいてはどうかというようにお示ししております。
 有効性につきましては、新しい知の創出への貢献、人材の養成、見込まれる成果・効果やその他の波及効果の内容についてを評価項目といたしまして、基準といたしましては、本プロジェクトにおける取組が、新しい知の創出、我が国の北極域研究分野における人材等の基盤強化、それから我が国の産業競争力の強化及び国際的プレゼンスの向上につながるものであるかといったところを評価していただいたらどうかと考えてございます。
 続いて効率性でございますけれども、こちらは計画・実施体制の妥当性、それから研究開発の手段やアプローチの妥当性といったところを評価項目と挙げまして、基準といたしましては、目的達成に向けて、効率的に研究を推進する実施体制が形成されていたかといったところを見ていただいたらどうかと考えてございます。
 また、それぞれの観点を横断してということになりますけれども、ArCSⅡ採択時及び中間評価実施時に委員の先生方からいただいたコメントを代表機関等にもお示ししてございますので、そのコメントそれぞれにつきましてしっかり対応ができた取組が行われているかといったところも、この事後評価の中でしっかり見ていただいたらどうかと考えてございます。
 実際にいただいているコメントにつきましては、1ページ以降、四角で囲んでいるところでございます。ちょっと量が多くなってございますので、適宜見ていただくことにさせていただいて、一つ一つ読み上げることは省略をさせていただければと思います。
 続いて、4ページ目まで飛んでいただいて、2のアウトカム指標、アウトプット指標に照らして、プロジェクトが実施されたか、こちらについてもぜひ先生方に評価をしていただきたいと考えてございます。
 四角の中に参考と書いてございますけれども、海洋開発分科会のほうで平成31年1月に定められております海洋科学技術に係る研究開発計画というものがございます。この中で北極域研究に関わる部分がございまして、そこを抜粋させていただいたものが下の文章となってございます。北極域及び海洋の総合的な理解とガバナンスの強化ということで、地球規模の気候変動への対応、その中で、それぞれ計画の中での研究開発計画の中でのアウトカム指標、アウトプット指標というものが定められておりまして、こういった観点でもぜひ先生方に評価をしていただきたいと考えてございます。
 また、その四角の下に書いてございますけれども、上記のほかにも、後ほどお示しさせていただきます自己点検結果報告書の様式には、代表機関のほうで参考となるアウトカム指標、アウトプット指標を記載していただくことを今回考えてございまして、その記載いただいた指標に係る実績につきましてもぜひ評価をしていただきたいと考えてございます。
 続いて、5.具体的な評価手順でございます。
 こちらにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、プロジェクトの代表機関等におきまして、今申し上げました評価の観点・基準等を踏まえて自己点検を実施していただいて、自己点検結果報告書を作成していただきます。そして各委員におかれましては、この報告書を見ていただいて、後ほどお示しいたします事後評価シートに以下の内容を記載していただきたいと考えてございます。
 まず、「総合評価」としてS、A、B、Cの4段階で評価をしていただいて、適宜コメントを記入していただきたいというもの。
 それから、丸2と示しておりますけれども、「必要性」、「有効性」、「効率性」の観点から、同様にs、a、b、cの4段階評価をつけていただいて、適宜コメントをつけていただきたいというもの。
 それから、丸3として採択時及び中間評価時のコメントに応じた取組ができているかという観点につきまして4段階で評価をしていただいて、適宜コメントを記入していただきたいというものでございます。
 それから、丸4といたしまして、本事業の成果として特筆すべきものがあれば、「特筆すべき事項」を記載していただく欄を設けてございますので、こちらにコメントを記入していただきたいと思います。
 また、丸5といたしまして、書面評価をしていただく中で、不明な点でありますとか代表機関等に確認をしたい点等ございましたら、合議審査の委員会の前に事務局を通じて代表機関等に確認をさせていただきたいと考えてございますので、そういったものもございましたら、「確認事項」の欄にぜひ御記入をいただきたいと考えてございます。
 その「確認事項」に御記入いただいた質問等につきましては、(3)に記載のとおり、合議審査の際の委員会資料として事務局のほうで取りまとめさせていただいて、委員の先生方に御提示をさせていただきたいと考えてございます。
 (4)でございますけれども、本委員会におきまして、各委員の書面評価結果に基づいて作成する事後評価(案)を次回の委員会で審議をしていただきます。審議が終わった後、その場でいただいたコメント等も集約いたしまして、事後評価の修正を行った後、最終的には、委員長に御確認をいただいて取りまとめを行うというような流れで実施をさせていただいてはどうかというような形で、事後評価方針の案を作成させていただいております。
 こちら、後ほど先生方からぜひ御意見をいただいて、取りまとめをさせていただければと思ってございます。
 続きまして、資料1-3でございます。こちらが代表機関等に作成していただく自己点検結果報告書の様式の案でございます。
 こちら、これまでのArCSⅡの中間評価、それからその前のArCSの自己評価等とは大きくは変えておりませんけれども、今お示ししているページの下の側、(参考となるアウトカム指標、アウトプット指標の状況)といったところを今回新たに追加させていただきまして、先ほど申し上げましたとおり、アウトカム指標、アウトプット指標でお示しされている実績等につきましてもぜひ先生方に評価をしていただきたいということで、このような欄を設けまして代表機関等に記載をしていただくというようなことを考えてございます。
 こちら、それぞれの項目、一番最初ですと当初の目標及び計画に対する進捗状況、それから、次のページに行っていただいて研究成果及び活動実績ということで、各戦略目標ごとに書けるアウトカム指標、アウトプット指標の状況については書いていただく。それから、重点課題、研究基盤についても同様というような形で様式を作らせていただいております。
 それから、このページで書かせていただいている(3)として各メニュー・テーマ間の連携ということで、それぞれプロジェクト内での連携の状況についても実績を記載していただくとともに、事業の推進体制は当然書いていただくとして、(5)、(6)で、先生方に評価をお願いしたいと申し上げておりました採択時のコメントを受けた改善点、中間評価結果を受けた改善点等を記載していただいて、先生方に見ていただくような様式として、こちらを代表機関のほうで作成していただくというようなことでいかがかと考えてございます。
 続きまして、資料1-4が、先生方に書面評価の際に記載していただく事後評価シートの案でございます。こちらもこれまでと同様の様式かと思います。
 記載いただく内容につきましては、先ほどの評価方針(案)で申し上げましたとおりでございます。評価結果のところにまず総合評価でS、A、B、Cを四角の中に記載していただいて、その下に適宜コメントをつけていただくもの。
 それから、次のページから必要性、有効性、効率性と、それぞれの1ページほどの様式を設けさせていただいて、こちらにs、a、b、c評価とコメントを記載していただく。
 続いて、採択時及び中間評価時のコメントに応じた取組ができているかといったところの評価をしていただくとともに、その次のページから特筆すべき事項、それから下側には、代表機関等に確認したい、質問したいというような事項がございましたら、こちらに記載していただく欄を設けさせていただいております。
 こちらを先生方には書面評価時に記載していただきたいというように考えてございます。
 最後、資料1-5でお示ししておりますのは、最終的に取りまとめをさせていただく事後評価票の様式のイメージでございます。先生方から書面評価及び合議審査の中でいただいたコメントをこのような様式の形で取りまとめをさせていただいて、最終的には評価結果案として取りまとめさせていただきたいということを考えておりますので、こちら、様式のイメージとしてつけさせていただいているものでございます。
 ざっと御説明をさせていただいて、ちょっと駆け足で恐縮でございますけれども、事務局からの説明は以上でございます。ぜひ先生方から様々御意見いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【池島委員長】  ありがとうございます。
 では、事後評価方針(案)と各様式を分けて審議したいと思います。
 ただいまの説明を受けまして、まずは事後評価方針(案)につきまして、御意見、御質問などございますでしょうか。よろしくお願いいたします。御質問や御意見ございますでしょうか。特にございませんでしょうか。
 窪川委員から手が挙がっております。よろしくお願いいたします。
【窪川委員】  窪川です。御説明ありがとうございました。実際に評価するに当たって、より効率的にできるようにということを願って、述べたいと思います。非常に多くの成果を上げられていて、実際に調査研究あるいはアウトリーチも膨大な量になっていると思われます。事後評価報告に関しましてはある一定の枚数で収めて書かれると思いますが、参考資料というのか、補足資料といいますか、それが膨大な量になります。今回のここだけに限らないことですけれども、参加機関が多いことと、そこにコミットされている研究者の人数も多いことを考えると、報告書に書かれている内容の項目のトピックス的重大なところと、補足資料のところの対応がつくような、そういったものを可能だったら考えていただけると、効率的になると思いました。可能な範囲でできればと思います。
 また、機関も複数あるので、この機関がこれをやったという対応の工夫も、それが全体にわたっていると見やすくなるのでありがたいと思います。
 以上です。
【池島委員長】  どうもありがとうございます。窪川委員からのコメントでございました。
 ほかに御質問やコメント等いかがでしょうか。また、事務局から何か御回答その他ございますでしょうか。
【岡田海洋地球課課長補佐】  事務局でございます。窪川委員、コメントありがとうございます。先生方に評価していただくに当たってまさにそのとおりかと思いますので、そちら、代表機関等々で記載をしていただく様式も含めまして少し工夫をさせていただいて、先生方に見ていただきやすい形でお示しできるようにちょっと工夫をしたいと思います。ありがとうございます。
【池島委員長】  では、続きまして、瀧澤委員、手が挙がっておりますので、よろしくお願いします。
【瀧澤委員】  どうもありがとうございます。お送りいただいた資料の参考資料4のところに行政事業レビューシートというのがありまして、ここの中で割と辛口のというか、成果指標が不足しているので、一層の工夫・改善が必要であるとか、成果目標値についても、過年度実績を踏まえ、より意欲的な目標値を設定することを検証・検討すべきであるとか、追加指標を見直す必要があるのではないかといったような意見があるんですけれども、私たちは、別の外部有識者の意見も踏まえ、ある程度修正する必要があるのかどうか、事務局の御意見もちょっと伺いたいなと思うんですが、よろしくお願いいたします。
【池島委員長】  ありがとうございます。事務局のほう、お願いします。
【岡田海洋地球課課長補佐】  瀧澤先生、ありがとうございます。まさに、今、瀧澤先生が見ていただいて読み上げていただいた所見というのは、我々も真剣に対応しなきゃいけないかなと思っておりまして、こちらにつきましては見直しを考えてございます。こちらにつきましては、本日の議題でその他の中で改めまして、事務局のほうで見直しを検討するに当たって先生方にいろいろ御協力をいただきたいことがございますので、そちらのほうで少し御説明をさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
【瀧澤委員】  分かりました。
【池島委員長】  ありがとうございます。
 ほかに御質問、御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。また後ほどでも戻ってきて、特に何かコメント等あれば、先生方、提起していただきたいと思います。
 そうしましたら、次に、自己点検結果報告書、事業評価シート、事後評価票のイメージにつきまして、御意見、御質問などがございましたらよろしくお願いいたします。
 これにつきましては、御案内のとおり幾つか種類がありまして、何枚かございます。よろしければ、それぞれにつきまして御意見、御質問等いただければと思います。よろしいですか。
 以上2つに分けまして、評価方針(案)と各様式につきまして御意見、御質問等を承っておりますけども、特にないようであればここで締め切らせていただきますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、方針(案)につきまして修正を施さないということでありますので、本案を本委員会として承認したいと存じます。
 決定しました事後評価方針や自己点検結果報告書等に基づきまして、今後、速やかに北極域研究加速プロジェクトの代表機関等におきまして自己点検を実施し、その内容に基づき、各委員に書面審査を行っていただくことになりますので、委員の皆様方におかれましては引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして、議題の2「北極域研究強化プロジェクト(ArCSⅢ)の進行状況」につきまして、研究代表者の国立極地研究所、羽角教授より御説明をよろしくお願いいたします。
【羽角PD】  羽角です。では、画面共有させていただきます。御紹介いただきました国立極地研究所の羽角と申します。よろしくお願いします。
 北極域研究強化プロジェクトに御採択いただきまして、無事に開始いたしました。本日は、その報告としまして、改めてプロジェクトの概要を補足事項とともに御説明するとともに、採択時にいただいた留意事項への対応状況を御説明したいと思います。
 まずは背景の部分からですけれども、簡潔に参りますが、北極域は地球温暖化の影響が最も顕著に現れている地域であって、急激に変化する自然環境はもちろんのこと、自然環境と密接につながった人の生存環境や社会システムという面でも多くの切迫した問題が生じています。また、北極域での温暖化進行の影響は、北極域にとどまらず、日本を含む遠く離れた地域にも気象災害などの形で及んでいます。他方、北極域の温暖化進行は、北極海航路、資源開発、観光など、北極域に新たな利用の可能性をもたらしてもいます。こうした自然や人間社会における変化について、個々の変化の現状を正確に把握し、それらが相互に及ぼし合う影響を適切に評価し、今後の見通しを得るためには、関連する様々な学術分野に関する横断的な研究を総合的に推進する必要があります。
 我が国では、2011年に開始されたGRENE北極プロジェクト以来15年近くにわたり、国内の多くの北極域研究者が参画する大規模プロジェクトが継続されてきました。この流れを受けて本プロジェクトでは、北極域の自然・人・社会において生じている様々な変化と、その北極域外への影響に関して、社会的課題の解決を明確に意識した分野横断型研究を推進することを目的とします。そうではあるわけですけれども、分野横断型の研究のベースとなるものは基礎科学的な知見であります。そのため、北極域の自然環境の研究は必要で、そこには未知の部分が大きく残されていることも確かです。これまでのプロジェクトで構築されてきた観測データ取得体制を確実に維持し、発展させつつ、北極域研究船「みらいⅡ」や地球観測衛星などの新規観測手段による新たなデータを付加することで、北極域自然環境の実態把握と将来展望をより確かなものにする必要がありました。こうした自然科学的な基礎研究と分野横断型研究を両輪として本プロジェクトを推進していきたいと考えています。
 ちょっと資料の順番とは前後いたしますけれども、スライド番号4となっているプロジェクト体制から説明いたします。
 本プロジェクトでは、国立極地研究所を代表機関、海洋研究開発機構と北海道大学を副代表機関とする体制により推進いたします。代表機関にプロジェクトディレクター、私ですけれども、及びプロジェクトディレクター補佐を置き、プロジェクト全体を統括いたします。また、代表機関と副代表機関のそれぞれに、各機関の責任で遂行すべき事項を統括するサブプロジェクトディレクターを配置します。これらをメンバーとした運営会議を設置し、おおむね2か月に1回のペースで会合を持ちながらプロジェクトの運営に当たっているところです。
 具体的な研究の推進に関しては、この後、詳しく説明しますが、3個の戦略目標を設定し、戦略目標の達成に向けて10個の研究課題を設定しています。個々の研究課題については、研究課題代表者の統率で実施する一方で、各戦略目標には、それらを束ねた幅広い研究分野に関して見識を持つ研究者を戦略目標統括役として配置し、研究課題の成果が戦略目標達成につながるようにガイドいたします。
 また、本プロジェクト内には、外部有識者委員会と国際助言委員会という2つの助言機関を設置しています。外部有識者委員会では、国内の研究機関等に所属する様々な分野の研究者等から6名の方々に委員として御就任いただいています。ここでは、年2回程度の頻度で定期的にプロジェクトの進捗状況を確認し、以降の研究推進とプロジェクト運営に対して助言をいただくようにしております。1か月ほど前、6月の初旬に本プロジェクトのキックオフ会合を開催しまして、その際に第1回の外部有識者委員会も開催いたしました。その際、委員の方々からは、プロジェクトの全体像に関して様々なコメントをいただきました。特に課題感とか分野間に関する連携、あるいは参画者がプロジェクトの目標意識を共有することについての重要性について、多くの委員から共通する御意見をいただいております。
 また、国際助言委員会は、プロジェクト期間中に2回の開催を想定しております。こちらに関しては、主に国際的な独創性や競争力及び国際研究協力の観点からプロジェクトに対して助言をしていただくための機関となります。この委員に関しては、国際的なリーダーシップを持つ北極研究者の中から、国籍や男女比、それから専門分野、それから日本の研究プロジェクトとの関係といった観点を踏まえて、5名の方々に委員として御就任していただく予定です。現在、打診を開始しており、2名の方には既に内諾をいただいております。この国際助言委員会の第1回は来年の後半に開始する予定にしております。
 スライド番号2に戻りまして、プロジェクト全体像の説明に参ります。
 ただいま御説明した運営体制の下、全体の方向性を示すプロジェクトゴールとして、ここでは「北極域の環境と社会の変化に起因する社会的課題の解決に向けた総合知の創出」というものを設定しました。このプロジェクトゴールに向けて3個の戦略目標を設定いたします。そして、戦略目標の達成に向けて、具体的な研究は10個の研究課題で実施いたします。また、これらの研究課題の実施と並行して、研究課題で共通的に利用される基盤の整備、次世代の北極域研究を見据えた人材育成及び広く一般社会に向けた情報発信や教育を目的としたこれら7個の研究基盤プログラムを実施いたします。
 時間の都合もあるので、ここでは個々の研究課題や研究基盤について詳細を紹介することは控えますが、プロジェクトゴールに向けて達成すべき戦略目標に絞って紹介しつつ、その中で軽く研究課題についての御紹介もいたします。
 戦略目標3つあるうちの1つ目は、「分野横断型観測と先進的シミュレーションに基づく北極域環境変化の情報創出」というタイトルにしております。この戦略目標は、主に自然科学研究の成果として達成されるものです。この達成には、特にエアロゾル、温室効果ガス、気候災害、生物多様性という4個の研究課題が中心的に貢献いたします。自然科学研究では、従来ですと、観測やシミュレーションにより自然環境の過去・現在・未来に関する様々なデータが取得されて、そうしたデータを自然科学が求める形に整理してくるということをしてきたわけですけども、ここでは、これは戦略目標につなげ、さらにプロジェクトゴールにつなげるために、そこにとどまらず、ほかの分野あるいは社会がより直接的に必要とする形に付加価値化した情報を創出するということを目指しています。
 戦略目標2は、「北極域環境変化に適応する社会構築への貢献」というタイトルです。この戦略目標では、主に自然環境の変化が人や社会へ及ぼす影響を評価し、変化に適応するための、あるいは変化を利用するために有効となるアプローチを、自然科学、工学、人文科学、社会科学の分野横断的観点から探るものです。この戦略目標の達成には、特に北極域の保全と利用、陸域人間圏、それから沿岸コミュニティといった3つの課題が中心的に貢献していきます。その際、戦略目標1の達成に向けて創出される自然環境の情報や、戦略目標3の達成につながる人文科学、社会科学的理解が活用され、それらにつながる研究課題と密接に連携しながら研究を実施していきます。
 戦略目標3は、「先住民文化と北極域ガバナンスの創発と変容過程の理解」というタイトルです。この戦略目標の達成には、特に歴史、先住民、ガバナンスという3個の研究課題が中心的に貢献します。北極域社会には、自然環境以外の要因によっても大きな変化が生じています。例えばロシアによるウクライナ侵攻は、北極域における安全保障や資源といった社会・経済的側面にはもちろんのこと、自然科学研究の遂行やその背景にある国際協力体制にも甚大な影響を及ぼしており、たとえ戦争が終結しても、北極域社会に持続的な変化をもたらすものと考えられます。日本が北極域に関する政策等を定めるに当たって、北極域ガバナンスの現状を分析することはもちろん必要なのですが、そのためにも、北極域社会がどのように成立してきたのかを解き明かすこと、あるいは北極域全体あるいは地域的な社会体制の脆弱性がその下でどのように存在するのかということを正しく理解することが必要です。この戦略目標では、歴史、先住民、ガバナンスという観点を中心として、北極域社会を複合的に理解することを目指しています。
 採択時にいただいた留意事項や外部有識者委員会のコメントでは、これら戦略目標間の関係性や連携が見えにくいという御指摘をいただいております。そのため、ここではその点についてもう少し踏み入って説明したいと思います。
 スライドはちょっと先のほうに飛びまして、スライド番号6というところに飛びますが、戦略目標の達成に向けた研究課題間の連携に関しては、本プロジェクトの応募前から既にある程度具体的に構想してきました。すなわち、応募開始前に各研究課題には研究プロジェクトの5か年の計画を作成してもらい、その中で連携の準備や構想についても記載してもらっています。この図は、その5か年計画に基づいて作成した連携関係で、各課題がどういう課題と連携をもう既に準備しているか、構想しているか、あるいは今後どのような連携があり得るかということを示したものです。御覧のように、戦略目標を横断する形で、プロジェクトゴールを達成するために様々な連携が想定されています。
 本プロジェクトでは、これら3個の戦略目標を通してプロジェクトゴールを達成することを想定していますが、特にプロジェクトゴールの中にある「社会的課題の解決に向けた」というところに関しては、人文科学とか社会科学を中心とした戦略目標3からももちろんつながっていくわけですけれども、それよりもむしろ戦略目標2から強く出口につながっていくことを想定しています。そのことは、この戦略目標の2のタイトル「北極域環境変化に適応する社会構築への貢献」というところにも表れています。
 スライド番号7ですが、ここではその例として、戦略目標2、ここでは緑色で表現していますが、北極海の保全利用及び沿岸コミュニティという2つの課題を例に取って、これらの課題が課題間連携を通してどのように戦略目標2の達成に、それに加えてほかの戦略目標の達成へとつながり、それがプロジェクトゴールの達成へと反映されるかということを図式として示しました。細かくは説明しませんが、これらの流れを大枠として言うと、戦略目標1、2の達成を目指して得られる自然科学的成果と、戦略目標3の達成を目指して得られる人文科学、社会科学的成果がこれらの課題に集約され、北極域の現地社会における具体的な課題をターゲットとして利用されていくことになります。
 概要のまとめですけれども、本プロジェクトでは、過去の北極域研究プロジェクトから継続する観測等による自然科学の実態把握に、「みらいⅡ」あるいは新しい地球観測衛星などの新たな観測インフラ及びデータシステムとシミュレーションシステムを統合して、北極域自然環境のより深い理解を目指します。また、ArCSⅡまでに構築されてきた分野横断的北極域研究コミュニティを発展させ、社会課題の解決を志向した研究を展開します。これらを両輪としてプロジェクトゴールを目指しつつ、次世代の北極域研究者を育成し、また、北極域研究の必要性・重要性に関する社会的理解を増進していきます。そして、これらを通して、北極域研究において、あるいは北極域政策において、日本が国際的使命を果たすことに貢献していきたいと考えています。
 ここから先は、スライド番号9に飛びますが、採択していただいた留意事項に対する対応状況について一つ一つ説明していきたいと思います。
 まず、この1番目にあります代表機関、副代表機関と、戦略目標統括役の間の意思疎通・情報交換という点に関しですけども、先ほどお見せしましたプロジェクトの体制図には反映されていません。そして私も言いませんでしたけれども、この運営会議というものを設置してプロジェクトの運営に当たっておりますが、この運営会議には、戦略目標統括役にもオブザーバーとして加わってもらうことにいたしております。これによってプロジェクトの運営の方向性を戦略目標統括役にも理解してもらいながら、戦略目標の達成に向けた研究推進において、様々な懸念事項とか、あるいは問題点が発生した場合には、それを迅速に運営側に示していただくように、そういう体制を整えながら進めていこうとしているところです。
 2点目の、これは文理融合や社会実装において従来にない切り口や現地との協力という点に関しては、例えば先ほど挙げました沿岸コミュニティ課題においては、現地住民との協働に基づいて、これまでとは異なる視点からの社会的課題の研究を進めていこうとしています。これに限らず、様々な新しい方向性をおっしゃるとおり検討していきたいと考えております。
 3番目の国際情勢や経済情勢の変化に対する臨機応変な対応に関しては、もちろんそのとおりにしたいと思っております。例えばロシアとの間では、公式な国際協力のチャネルが失われている現状ですが、研究者間では草の根で交流は途絶えておらず、問題が改善された際には速やかに国際協力関係を回復していきたいと思っています。また、一方で、アメリカも複雑な事情で、トランプ政権が北極域や気候研究に及ぼす影響に関しては未知数の部分が大きいですけれども、その動向を注視しながら、必要に応じた対応を臨機応変に取っていきたいと考えております。また、こうした国際関係に関する分析というもの自身も本プロジェクトの研究対象になるものと考えています。
 その次の情報発信に関してですが、様々な制約がある中で、あらゆる方向に情報発信を充実・拡大させることは難しいと感じていますが、そうであればこそ、御指摘にもあるとおり、焦点を絞った活動で効果的な発信をしていきたいと考えています。その一つの柱として、本プロジェクトの中では、サイエンスコミュニケーターに積極的な活動をしていただき、観測現場あるいは国際会議の現場から発信するということを企画しています。例えば、今年秋に「みらい」による北極域航海があるわけですけれども、その際にこのサイエンスコミュニケーターの方にも実際に航海の現場に行っていただき、観測研究のライブ中継というものをする、そういう方向に向けて具体的に動いているところです。
 次に、人材育成に関しまして選択と集中が必要ということですけども、これはおっしゃるとおりと考えております。若手キャリアパスの問題と併せて、本プロジェクトの構想の開始段階からこれに関しては様々に検討してきました。その結果として、本プロジェクトでは、人材育成活動の目玉として、個別の研究課題においてではなく、プロジェクト全体として若手の特任助教を複数名採用するということをいたしております。それで既に3名の特任助教が着任しております。これらの特任助教3名とも既に学位取得後間もない若手で、そのうち2名は女性になっております。これらの特任助教には、自分自身の研究を深めて高めてもらうことはもちろんですけれども、様々な国際活動に積極的に関与すること、例えば国際委員会の若手のコミュニティとかありますので、そういうところにメンバーになることをミッションとして課しています。ただやれということではなくて、そのためのメンターを配置して、それによって組織的に若手を養成していき、国際的なプレゼンスを獲得した次世代リーダーを養成していきたいと考えています。
 次は、人文・社会と特に書いてありますけども、それに限らず戦略目標間の連携ということだと思いますが、これに関しては先ほど連携の図で説明しましたとおり、特に戦略目標2の達成を軸として研究課題間の連携を図りながら進めていく予定です。
 次にあります北極域先住民に関する文献資料の発掘・精査に関しては、御指摘のように進めていきたいと考えております。
 次に、「みらいⅡ」に関して、「みらいⅡ」及び国際研究プラットフォームとの連携に関してですが、こちらはちょっとスライド戻りましてスライド番号8ですが、本プロジェクト自体は「みらいⅡ」の運航主体ではありませんし、あるいは国際研究プラットフォームを構想する主体ではないというように理解しておりますが、それらの運航する主体あるいは検討を進める主体との連携体制というのはきちんと構築していっているところです。例えば国際プラットフォームとの連携に関しては、あるいは「みらい」の運航との連携に関しては、そうしたことを考える委員会との連携、具体的には、例えば私がこの委員会の中にオブザーバーとして入ることにより、しっかりと両者の認識をすり合わせ、意見交換、情報共有ができるような体制というのを構築しております。今後さらにそれをしっかり進めて、この活動というか、具体的なことが話し合われるのはこれからですので、しっかりした意思疎通をしていきたいと考えております。
 最後にデータに関する御指摘が幾つかありますけれども、まずは文献研究のデータ公開に関してですが、1つ前のプロジェクトのArCSⅡにおいてもある程度文献公開、文献研究のデータ公開に関しては実績があります。本プロジェクトではそれを拡大・充実させていきたいと考えています。特に、スライドがあちこち行って申し訳ありません、戦略目標2の達成に向けた活動というか、課題の中で特に陸域人間圏課題の中では、様々なデータの可視化・地理情報化というのが1つ大きな柱として挙げられています。そこでは、自然科学的なデータだけでなく、人文科学、社会科学的なデータを可視化して実利用につなぐことを想定しています。
 それから、この次の「みらいⅡ」の運航データ・技術データに関してですけども、これについては、本プロジェクトはどのような形で関与できるのか、現時点では必ずしもはっきりしませんが、本プロジェクト内には北極海を航行する船舶の設計などに関連した研究課題も存在するので、そこを中心とした連携を模索していきたいと考えています。
 そして最後のデータ量の増大に対しては、ArCS時代から運用を続けている北極域データシステムのインフラの拡充で対応していきたいと考えているところです。
 以上、説明を終了いたします。
【池島委員長】  どうもありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問などがございますでしょうか。よろしくお願いします。
 では、まず、窪川委員、よろしくお願いします。
【窪川委員】  ありがとうございます。窪川です。御説明、大変よく分かりました。ありがとうございます。
 2点質問があります。まず、スライドの6ですが、これはArCSが進むにつれて文理融合の状態をここまで具体的に示すことができるようになったという大変重要な相関図と思います。これから合意予定というところは結構たくさんあり、それぞれの目標の中の課題に対しても合意がどうなるのかは、今後の課題になっているところだと思います。もう一つは、どちらからどちらへのアプローチかも大事だと思います。双方が、どちらが中心になって、どう協力していくかという見方も大事だと思います。相関は分かりますが、進んでからでいいんですが、どちらからどちらに重点で、どう協力していくかが分かる図があるといいと思いました。
 もう一つは、9枚目ですけれども、2番目の情報発信に関して対応方針が書いてありますが、今までのArCSの発信は随分努力されていて、日本の中でも認知度が高まっていっていると思います。それに加えて今度は国際的な認知度も高めるということになっていますが、例えば、SNSは大分強化されていますが、ニュースレターですとか、一般の方々が目にするような何か工夫とか、そういったことも今後考えていってはどうかと思いました。
 以上です。
【羽角PD】  ありがとうございます。まず、1点目のことに関しては、おっしゃることはよく理解いたします。ここは相関図として単純に線だけでつなぎましたけれども、実際にもともとこれの基になっている5か年計画では、各課題がどこと連携して、どういう戦略目標に向かっていくということは書いていただいていますので、ここに矢印をつけて、そこから戦略目標のどこにどういうコントリビューションに出て行くかという図は描けるものと思っていますし、この点線の部分に関して、これからどうなっていくかというのはこれからではありますけれども、これがより充実した図になるように、もちろん実態としての研究連携、戦略目標、それからプロジェクトへの向きが見せられるように頑張りたいと思います。
 2点目に関しては、一般に向けた周知の方法、ニュースレターあるいはウェブサイトの充実というものはこれまでどおり進めていきたいと思っております。SNSの活用というのももちろん、今回、先ほど言いました「みらいⅡ」の発信もユーチューブのチャンネルを通じてやるわけですけども、それにとどまらず、様々なチャネルを通して今の人たちが見やすいメディアも活用していきたいと考えています。
 ありがとうございました。
【窪川委員】  ありがとうございます。
【池島委員長】  ありがとうございます。
 それでは、続きまして、中田委員、よろしくお願いします。
【中田委員】  ありがとうございます。丁寧な御説明ありがとうございました。私から3点ほどお伺いしたいと思います。
 1つは、今の広報関係の話です。サイエンスコミュニケーターを設定して、それからSNS等を利用しながら効果的な発信をされるというお話でした。それだけじゃなくて、できれば、北極圏というとやっぱり研究のフロンティアであるし、ぜひまとまった形で若い人に訴えられるような、ちょっと難しいかもしれないですけれども、あるいはサイエンスに引き込んでいけるような力を、そういう発信をやっていただければなと思っております。SNSみたいに過ぎ去っていくものではなくて、何か残っていくような形のものを成果としてつくり上げて示していただければなと思っております。これはすみません、質問というよりは要望です。
 それからもう一つ、御説明のときにありましたけれども、結構政治的に不安定な要素をいっぱい持つ場所をターゲットとされています。そういうところで必ずしも初めに立てた計画どおりにいかない場合というのがあり得るわけですけれども、その辺については、2か月に1回ある運営会議等でいろいろ検討しながら、柔軟に計画変更とかをやれる体制というのを考えておられるんでしょうかというのが1点です。
 それからもう一つは、人材育成、力を入れていくというお話でした。本当にぜひ新規の研究者をどんどん誕生させて引き入れていただきたいわけですけれども、特任助教3名、今回もう既に雇用されているというお話でしたが、ぜひその後のキャリアパスも含めて研究が続けていけるというような体制、若い人たちへのそういう発信というんですかね、そういうことをやっていただきたいと思いますし、それに関して何か考えられていることがあるかということを教えてください。
 すみません、2点になります。以上です。
【羽角PD】  ありがとうございます。御質問2点で、1点目はコメントということですけども、1点目のことは人材育成の部分とも重なってくることがあるかなと思っていて、広く一般に、あるいは若者にまとまった知識を広報してほしいということと受け止めましたけれども、一般的も含めてもありますが、もう少しこうした研究分野に進む可能性が高い例えば大学生とか大学院の修士の学生に対して、人材育成プログラムの一環として教育プログラムというのを充実させるというのも、このプロジェクトの中でもう実際に始めています。そうした中で、例えば座学としての北極学であるとか、あるいは現地実習というものも既に募集して、多数の応募をいただいているところで、そうしたものを活用しながらそうしたものを広く周知して、そういうものがあるんだと知ってもらうこと、そうしたプログラムの結果というのをまとめて、おっしゃったとおり形に残るものとしてまとめていくことができるといいかなと、コメントを伺って考えておりました。どうもありがとうございます。
【中田委員】  ありがとうございます。
【羽角PD】  2点目の政治的な問題に関して、プランBとかいうところまで具体的に考えているわけではありませんが、ロシアに関しては、最悪の状況からスタートしているので、よくなれば頑張っていきたいんですけども、特に今懸念しているのはグリーンランド、アメリカの動向ですが、これはなってみないと分からないし、言うほどのことがあるのかどうかあります。一方で、グリーンランドと日本の政治家の方が少しお話をされて強化をしていこうという動きもあるようですし、その辺としっかり連携しながら情報収集を怠らずに、何かあったときにはおっしゃるとおり柔軟に、2か月に1回で足りなければ、何かある都度、運営側で対応を検討して、予算的な措置も含めてできる限りのことをしていきたいと考えています。
 人材育成に関しては、キャリアパスを示して、若手にやっぱり研究者としてやっていけるんだという感覚を持ってほしいということかなと理解しましたけれども、先ほどの特任助教に関しては、サイエンスコミュニケーターを通した情報発信の中で特任助教の追っかけといいますか、特任助教の人たちが国際的な会議とか、あるいは委員会に入ったときに、その場でどういう活動をして、どんなふうに輝いているかということも発信していこうと考えています。そういうのも含めまして、研究者の現場、特に若手の研究者の実感というものを伝えていくことを通して、若手に対する魅力の発信と、もちろんそういう人たちがキャリアを得ていくんだということを数字としても資料としてもそろえながら、おっしゃるとおりに進めていきたいと考えております。どうもありがとうございました。
【中田委員】  ありがとうございました。期待しております。
【池島委員長】  ありがとうございます。
 そのほかに、先生方、いかがでしょうか。御質問、御意見等ございますでしょうか。瀧澤委員、よろしくお願いいたします。
【瀧澤委員】  瀧澤です。ありがとうございます。先ほどのサイエンスコミュニケーターの方は、「みらいⅡ」に乗船していただいたり、個々の研究者の研究内容を追っかけて発信していただくという、そういうSNSとかインターネットメディアを通じた情報発信は非常に大事だと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 一方で、これまでの情報発信で、やっぱり既存のメディアにArCSⅡの成果というのは、性質上なかなか上げにくいというのはあるとは思うんですね。ただ、一方で、日本で起きている今の極端気象現象が北極との結びつきが強いと言われている割には、ArCSⅡの研究ということがあまりにも世間に知られていないなというのは、一方で感じるところです。なので、このギャップをどういうふうに埋めたらいいのかなというのは、私もすごく回答があるわけではないんですけれども、もう少し主要メディアに取り上げてもらえるような情報の――生の研究の個々の最先端の細かいものをそのまま出しただけではなかなかメディアに拾ってもらえない部分はあると思いますので、文脈をどういうふうにつくって、その中でのピンポイントでこの研究が役に立ったというような大きな文脈からの意味づけというんですかね、そういったことで実社会の私たちに、ふだん日本で過ごしている国民にももっと意識していただくような、そういうもう少し工夫した情報発信の仕方も必要なのかなと感じます。
 以上です。
【羽角PD】  コメントありがとうございます。既存のメディア、テレビとか新聞とかにもう少し取り上げていただくようにもちろんなりたいと思いますけども、私の近所でやっている別のプロジェクトが割とそこに成功していて、そこはかなり戦略的に、割と日本に近いことをやっているせいもありますけれども、メディア、テレビ局のアナウンサーの方に司会をしてもらうような一般講演会を開いたりとか、メディアの人とふだんからリンクしておくことというのが結局大事なのかなと、そういうのを見て感じているところなので、今回のプロジェクト、キックオフの会合のときにプレス向けの記者レクというのをやりましたけども、割と無機的な感じもあったかなと思うので、そこで、数は少ないですけれども、興味を持って最後まで話を聞いて質問してくださったところもあるので、そういうところとリンクをつないでいって、こっちからちょっと押しつけでも話をどんどんしていって、やっぱりメディアを担っている人たちとちゃんとリンクを持っていることが大事かなと個人的に感じた部分で、何とか頑張れればと思います。もし瀧澤先生からいろいろアドバイスとかあれば、こちらとしては大歓迎です。よろしくお願いします。
【瀧澤委員】  分かりました。よろしくお願いいたします。
【池島委員長】  ありがとうございます。
 そのほか先生方。では、坂野井委員、次いで合田委員という順番でよろしくお願いします。坂野井委員、お願いします。
【坂野井委員】  坂野井です。御説明ありがとうございました。先ほどの人材育成のところに私もちょっと関連して思ったんですが、もちろん、このプロジェクトで人を育てるというのは大事で、なるべくそれを北極の研究分野で生かすという視点も大事なんですけれども、育てた人が研究以外の場所で活躍するということも国としては多分重要かと思いますので、研究分野に限らず、こういうところで育てた人たちが活躍していくんだよというような事例がなるべく分かるといいかなと思いました。
 以上です。
【羽角PD】  ありがとうございます。ぜひ我々としてもそこは意識してやっていきたいと思っておりますし、ArCSⅡのときにも、北極域への観測航海に公募の形で学生等を募集して、必ずしもその人たちはこの分野の研究者になるとは限らない人たちだったりしたわけですけども、そういう企画をやって、なかなか好評いただいていたと思います。それ自身は数としては非常に多くの方々に参加いただけるわけじゃありませんけども、先ほど少し言いました教育プログラムなどを通してこの分野に関心を持ってもらいながら、別の研究分野あるいは実社会に出ていく中で、北極研究の応援団になってもらうような人をできるだけつくっていきたいと我々も考えておりますので、今後も御支援よろしくお願いします。ありがとうございます。
【池島委員長】  ありがとうございます。
 続きまして、合田委員、お願いします。
【合田委員】  合田でございます。詳細な御説明ありがとうございました。事前に申し上げましたようなことについては大体クリアになったような気がいたしております。
 申し上げたかったことは2つありまして、1つは、坂野井先生がもうおっしゃられてしまったので、私のほうから繰り返す必要はないんですが、ここで育った研究者というのは、必ずしも北極の専門家としてだけでは多分ポストは十分足りないでしょうから、いろんな分野に出ていくということを前提にということでよろしくお願いしますという話は、坂野井先生がおっしゃったとおりなので、私からもよろしくお願いします。
 あと1点、別に呪っているわけではないんですけれども、今度できる「みらいⅡ」というのは本当に初めての船であり、初めてのエンジンであり、初めてのものがたくさん載っている船というふうに僕は理解していて、その点では初代の「みらい」だとか「おしょろ丸」と違い、様々な初期トラブルなどいろんなことが起こる、とりわけ初めての航海のときいろんなことが起こるんだろうなというような懸念はあります。ですので、何事もなければそれでいいんですけれども、そういうことも含めて柔軟に対応ができるとよろしいのかなと思って、恐らくこの辺は造船会社のほうも船舶管理会社のほうも当然分かり切って一生懸命やると思いますが、そういうことが起こるだろうと。逆に、私は委員としては、そういうトラブルがあって計画どおりいかなかったとしても、これはあり得る話なのかなということをあらかじめ理解しているというふうにコメントさせていただこうかと思っています。
 以上です。
【羽角PD】  ありがとうございました。「みらいⅡ」に関しては、我々もちょっとどうなるか分からないというところではありますけれども、トラブルもあり得ると。その上で、プランB、プランCではありませんけれども、いろんな柔軟な対応がプロジェクト側として取れるように考えていきたいと思います。
【池島委員長】  ありがとうございます。
 JAMSTECの菊地さんですか、よろしくお願いいたします。手が挙がっています。
【菊地SPD】  JAMSTEC、菊地です。合田委員、御質問ありがとうございました。「みらいⅡ」を運航することになるJAMSTECから、ちょっとArCSⅢをはみ出る話になってしまうんですけれども、準備状況だけ説明させてもらいます。
 「みらいⅡ」は、2026年の11月に引渡し予定で現在建造されておりまして、この11月の引渡しから27年の最初の北極航海までの間に今のところ5回の完熟航海を予定しておりまして、そこでいろいろなことをやっていくための洗い出し、テストなどをする予定です。その中には、オホーツク海での海氷域のテストであったり、ベーリング海での海氷域のテストであったりというのも含まれていて、現在、運航側だけでなくて研究者の側もこの計画立案に加わって準備を進めているところです。そういったところでの経験を踏まえた上で最初の北極航海になります。もちろん、北極でも初めてのことがたくさんありますので、いろいろトラブルがあるかと思います。それに合わせて今後対応していくことになるかと思いますが、一応御懸念されていることをとてもよく分かった上で我々としても準備を進めていることを説明させてもらいます。どうもありがとうございました。
【合田委員】  ありがとうございました。
【池島委員長】  ありがとうございます。
 それ以外に何か意見等ございますでしょうか。もしなければ、私のほうから1つ質問させていただければと存じます。よろしくお願いします。
 非常に分かりやすい説明をいただきましてありがとうございます。それで、先ほど各種戦略目標における取組ということで、人材養成・人材育成、非常に大事なポイントを挙げていただいたと思っております。そこで、現在、どれぐらいの人数の規模で、どのような取組が行われているかというのを個人的には知りたいなと思っています。もちろん、今のデータ等や詳細な数というのはお分かりならないかもしれませんが、それぞれ研究者というものがどのぐらいいて、これ、約の数字、がさっとしたところで、このプロジェクトに大体どのぐらいの人数が大まかに言うと関与し、そのうち大体どれぐらいの人数の人がどういう分野にいて、そしてまた、今後、研究者としてどれぐらいの人が実はディマンドとしてあるのか、またサプライとしてどれぐらいできそうなのかという、大まかなイメージを教えていただけたらと思っています。
 なぜかと申しますと、私、社会科学系なものですから、大体自分の分野でいうと最後のほうの部分、ガバナンスとか歴史関係、その他というのはイメージが湧きます。非常に少ない人数ということを個人的には理解しております。ただ、これが理科系のほうの分野に行きますと、大体どのぐらいの数の人が、例えば数人から数十人ということなのか、数百人ということに向かうのかというのを非常に興味を持っております。なぜかというと、やはり少子化というのがある中で、研究者の数も当然、日本としてはかなり減っているんだろうなと。これは10年、20年前のGRENEのときからかなりパイとして研究者の数が減っていることが予想される中で、どれだけの人が北極域に関心を持ち、大体どのような感じなのかということを、今回は構いません、今後、分かる範囲で教えていただけたらと思った次第です。分かる範囲でよろしくお願いします。
【羽角PD】  ありがとうございます。今、正確なところを数字としてお伝えすることはできないので、必要であれば後ほど補足の資料としてお送りさせていただきたいと思いますが、人数の規模に関しましては、課題ごとに参画している研究者の数、多い、少ないはありますけれども、1課題に10名から20名ぐらいずつ参画していると思っていただいていいと思います。その中で若手の研究者というか、特にこの研究プロジェクトの研究費で雇用して、研究の最前線をやっていただくポスドクの人たち、若手研究者というのが割と大事な戦力になるんですけども、それが各課題3人程度はそういう若手が入ってきていると思います。割と気候とかの分野、ちょっと人が取り合いになっている部分もあって、ここだけに行き先が限定されない中では、募集した人数、確保した枠の中でしっかり人が採れているように考えています。
 あと、特に人材育成ということに関しましては、先ほど教育プログラムの話もしましたけども、これは広く日本中の大学、関係するような研究をしているところ中心ですが、に向けて募集の案内をしたところ、かなり高い競争率で若手が、大学院生あるいは学部の学生まで含めて応募していただいていて、これまでのArCSⅡあるいはArCSの状況と比べても、決して研究コミュニティが細っているわけではないのかなという実感を持っております。この点に関して、もし御出席中の杉山先生、何か補足があればいただければと思いますけど、いかがでしょうか。
【杉山SPD】  北海道大学の杉山です。お世話になります。とても貴重なというか、興味深い質問をありがとうございます。私、頭の中で考えて、ArCSプロジェクト、多分二、三百人という数の研究者が関わっているんじゃないでしょうか。我々、例えば30年ぐらいの時間スケールでこの分野で研究するとすると、プロジェクト5年だと、例えば5年たつと6分の1ぐらいは入れ替わるのかなと考えると、例えば30人とか50人ぐらいは、5年、10年ぐらいたつと人が入れ替わると。そうすると、そのくらいは育てる必要があるんだなと、今、さっとですが、頭の中で考えて、そうすると、本当にこの分野で研究をやっていく研究者を育てるというのと、その基盤をつくるというのと、両方考えないといけないと思うんです。人材養成ということで特任助教を雇用してという話をしました。これは本当に次のトップレベルの研究者を育成する話で、そういった研究者がぜひ5人とか10人とか育ったらいいと思っています。
 それに加えて、やっぱりもう少し裾野を広げるためには、大学院教育または必要によっては学部教育まで北極域の研究に興味を持つ若手を増やして、その上で研究者を養成するとともに、さっきの質問でも出ましたけれども、研究者だけでなく社会に広く北極のことを知った社会人が巣立っていくというような環境を育てたいと考えています。
 すみません、今、本当に興味深い、頭の中で考えて、我々、この5年間で何人若手を育てる必要があるかといったら、やっぱり10人ぐらいは少なくともトップの人を育てないといけないんじゃないでしょうか。羽角さん、どうでしょうか。
【羽角PD】  はい、そうですね。
【杉山SPD】  ありがとうございます。
【池島委員長】  どうもありがとうございました。非常に我々も関心を持って見ております。よろしくお願いします。ありがとうございます。
【羽角PD】  ありがとうございました。
【池島委員長】  ほかに先生方、関係者の皆さん、いかがでしょうか。御意見、御質問なければこれまでとしますが、よろしいでしょうか。
 それでは、どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。
【羽角PD】  ありがとうございました。
【池島委員長】  それでは、次に議題の3ですが、事務局より御説明をよろしくお願いいたします。
【岡田海洋地球課課長補佐】  それでは、資料3を御覧ください。
 先ほど議題1の中でも委員からちょっと触れていただいた内容でございます。政府で行っております行政事業レビューにおきまして設定しております成果指標、こちらを再検討したいと思っておりまして、少し委員の先生方に御協力をお願いしたいという内容でございます。
 背景のところを御説明させていただきますが、既に先生方御案内だと思いますけれども、政府の中で予算等々を用いまして行っている事業を、毎年、自己点検して、点検結果を公表するという行政事業レビューという取組を行っております。当然のことながら、この北極域研究推進プロジェクトも政府の予算を使って取り組んでいるということでこの行政事業レビューの対象となっておりまして、毎年、点検、それから点検結果の公表を行っているところでございます。
 その中で、行政事業レビューで作っているシート、公開しているシートというものを参考資料4でつけておりますので、こちらを御覧いただければと思いますけれども、その中に取組の成果をお示しする成果指標というものを設定しておりまして、こちらの内容について毎年公表して点検をしているというところでございます。
 現在設定している成果指標といたしましては、この2.のところで記載させていただいておりますけれども、アウトプットとして、まず、国際共同研究の課題数、こちらは今まではArCSⅡの取組内容の点検ということになってございましたので、ArCSⅡの中で設定されている課題数を数字として挙げさせていただいているところでございます。あと短期アウトカムとして国際共同研究参画者数、それから長期アウトカムとして国際的な枠組みへの日本人研究者等の参画状況ということで、こちらは北極協議会のワーキンググループなどに先生方が参画されている状況、こういったものを代表機関である国立極地研究所から聞き取りをいたしまして、現在、目標値、それから実績値を挙げているところでございます。
 こういった状況の中で、令和6年度、昨年度の事業の取組の中で、行政事業レビューをしていただく外部有識者の方々から、先ほど委員にも触れていただいたような形で、この四角に囲んだ所見をいただいているところでございます。事業目的は明確であって、施策目標の達成手段としても適切なものであるというような形で、このプロジェクトの取組自体についてはすごく理解をしていただいているところでございますけれども、この取組成果を示す成果指標につきましては、成果を捕捉する指標が不足していることから、一層の工夫・改善が必要であると書かれておりますが、要は、このプロジェクト、よい取組をしているにもかかわらず、取り組んだ成果が一般国民に分かりやすい成果になっていないのではないかという御指摘を実際の場ではいただいているところでございます。ですので、国民にも理解できるような成果指標を設定し、しっかりと成果を発信する必要があるのではないかというような御指摘だと我々は理解しております。
 その他、様々記載をされておりますけれども、この中でも成果指標の設定というところにつきましては、我々、やはり再検討していく必要があると事務局としても考えているところでございます。つきましては、来年度の行政事業レビューに向けまして成果の見直しを事務局として行っていきたいと考えてございますけれども、その見直しに当たりまして、ぜひ先生方からも様々御意見をいただいて、その内容を反映した形で新たな成果指標を設定させていただきたいと考えてございまして、本日、御協力のお願いという形で、今回、このような資料をお示ししているところでございます。
 今後、では、どのように見直しをしていくかというところでございますけれども、この次のページにスケジュールを書かせていただいておりますが、次回の推進委員会におきまして、事務局のほうでまた国立極地研究所さんの状況等の聞き取りをしながら、新たに設定する成果指標の案というものをお示しさせていただきたいと思います。そちらをお示しした中で委員の先生方から様々御意見をいただきまして、我々として来年度どういった成果指標を設定すべきかといったところを行政のほうで調整させていただいて、次回の令和8年度の行政事業レビューシートに反映させていただくようなスケジュールで少し検討させていただきたいと考えてございますので、先生方、少しお手数でございますけれども、御意見をいただきまして御協力いただけますようお願いできればという内容でございます。
 事務局からは以上でございます。
【池島委員長】  ありがとうございます。
 今の新指標の検討につきまして、委員の皆様から何かございますでしょうか。瀧澤委員、手が挙がっております。よろしくお願いします。
【瀧澤委員】  度々失礼いたします。瀧澤です。
 今の御説明でよく分かりました。ArCSⅡの事後評価については従来どおりの指標できちっと評価をさせていただいて、ArCSⅢの成果指標をもう少しブラッシュアップして、それに沿って評価するということで、すごく適切かなと思います。
 先ほどの成果指標に、恐らく情報発信のところはやっぱり重要なポイントになって入ってくるのかなと、外部評価のほうの実際の御意見などを拝聴して感想を持ったところです。まず、ArCSⅢの皆さんとの検討をしていただくということですので、その辺をぜひ盛り込んでいただきたいなと思います。
 以上です。
【岡田海洋地球課課長補佐】  ありがとうございます。ぜひ先生のコメントを踏まえながら検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
【池島委員長】  ありがとうございます。
 そのほかに何かコメントや御質問ございますでしょうか。坂野井委員、お願いします。
【坂野井委員】  すみません、この成果指標の設定の基本的なところについてお伺いしたいんですけれども、現在設定している成果指標、アウトプットと短期アウトカムと長期アウトカムというふうに分かれているんですけど、ここはもうこういうふうに決められていて、それに対して何か1つ数値的な目標をつくっていくというイメージで、それは変わらないということなんでしょうか。
【岡田海洋地球課課長補佐】  坂野井先生、ありがとうございます。基本的には、このアウトプット、短期アウトカム、長期アウトカムの区別については変わらないということになってございます。指標の設定につきましては、1つに限らず、もし複数設定できるのであれば複数設定してもいいということになってございますけれども、現在は1つずつ我々としては設定をさせていただいているという状況でございます。
 以上でございます。
【坂野井委員】  ありがとうございます。
【池島委員長】  ありがとうございます。
 そのほかにコメント、御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、最後に、事務局より連絡事項がございましたらよろしくお願いします。
【岡田海洋地球課課長補佐】  本日も様々な御意見、御議論ありがとうございました。
 次回の委員会につきましては、自己点検及び書面審査の状況を踏まえまして改めて日程調整をさせていただいて決定したいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 また、書面評価を行っていただくための各種資料、本日決定していただいた資料につきましては、代表機関での自己点検を経まして、準備が整いましたら委員の先生方にお送りさせていただきたいと思いますので、その際はどうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【池島委員長】  ありがとうございます。
 これで本日の会議を終了いたします。どうも皆さん、ありがとうございました。
―― 了 ――

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