次世代革新炉の開発に必要な研究開発基盤の整備に関する検討会(第5回) 議事録

1.日時

令和4年12月9日(金曜日)15時00分~17時00分

2.場所

新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から、オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 第4回検討会でご議論いただいた論点と主な意見
  2. 次世代革新炉開発の支援に関する世界の動向について
  3. 論点整理(案)について
  4. その他

4.出席者

委員

山口委員(主査)、石川委員、遠藤委員、小澤委員、桐島委員、相楽委員、中熊委員、吉橋委員、和田委員

文部科学省

千原研究開発局長、林大臣官房審議官(研究開発担当)、新井原子力課長、嶋崎研究開発戦略官、宮川原子力課課長補佐
 

5.議事録

【山口主査】  定刻となりましたので、ただいまより次世代革新炉の開発に必要な研究開発基盤の整備に関する検討会を開催いたします。
 本日も、お忙しいところ、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 本検討会につきましては、前回と同様、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点からオンライン会議を原則として行います。
 なお、会議は原則公開とし、資料や議事概要等については文部科学省のウェブページにて公表いたします。
 それでは、まず、事務局から配付資料等の確認をお願いいたします。
【宮川課長補佐(事務局)】  事務局でございます。本日の配付資料について御案内申し上げます。
 資料については議事次第のとおり、資料1から3、参考資料1から3を配付しております。資料については、委員各位には事前に御送付、傍聴者の皆様におかれましてはホームページを御参照していただいているかと存じます。資料等の不備や、映像や音声の乱れがございましたら、事務局までお知らせ願います。
 続きまして、委員の御出席につきまして御案内申し上げます。本日は、委員11名中、9名が御出席です。欠席された委員からのコメントについては、参考資料1、2として配付しておりますが、関連する議事の中で適宜御紹介させていただきます。
 以上でございます。
【山口主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、早速、議事に入らせていただきます。
 一つ目の議題ですが、第4回検討会における議論及び主な御意見についてでございます。
 それでは、事務局から、まず資料につきまして、資料1の御説明をお願いいたします。
【宮川課長補佐(事務局)】  事務局の原子力課補佐の宮川でございます。前回第4回検討会に関して御紹介させていただきます。前回の議事の順に説明させていただきます。
  議題の一つ目ですけれども、二つ前の第3回検討会における論点整理と主な意見ということで、原子力は総合工学であり、原子力以外の分野の人に関心を持ってもらうことが重要ではないかというコメントをいただきました。
 二つ目ですけれども、高速炉の再処理過程における課題として、製造時に一定の割合で生じるスクラップ燃料に関するものがありまして、これは溶融性が極めて低いことから乾式リサイクルが重要ではないかということでコメントをいただいております。
 議題の二つ目としまして、高速炉と高温ガス炉の安全性についてでございます。
 こちらに関しては、次世代革新炉の安全性については、世間の関心が高く、固有の安全メカニズムを含め、新たな安全メカニズムを有していることを分かりやすく説明していくことが開発に向けては重要ではないかという意見。
 また、二つ目のポツになりますけれども、高速炉の安全性について、ナトリウムの自然冷却や活性対策はこれまで多くの知見が得られているところでありますけれども、少しのミスで多大な損傷を与えるため過信しないことが重要。
 三つ目ですけど、高温ガス炉の免震システムの導入については、HTTRでのグレーデッドアプローチの実績に基づき、安全上の観点からは不要である旨の言及がございましたけれども、実際には、発電を速やかに再開できるというメリットを考えれば、免震システムの導入を検討するということもよいのではないか、というコメントをいただいたものになります。
 次のページをお願いいたします。
 日本と世界のバックエンド対策の動向についてということで、日本原電の山内フェローからお話をいただいたものになります。
 ここでのメッセージといたしましては、サイクル政策、バックエンド政策をしっかり考慮して次世代革新炉の開発であったり、原子力政策を検討すべきというメッセージをいただいたこと。また、バックエンドはコストセンターであるということをしっかり認識する必要があるだろうということをいただいております。
 その後、委員からいただいた意見といたしまして、海外における使用済み燃料の直接処分について、カナダのホワイトシェル研究所において、「直接処分は処分ではない」という旨の発言があり、これはプルトニウムを資源として保存しているという考え方だという趣旨で発言されていたのが印象的だったということ。
 三つ目のポツですけれども、旧原研のJPDR(動力試験炉)におけるL3廃棄物の管理期間が2026年に終了時期を迎えるということで、日本における廃棄物管理の期間の終了を迎える初めての例であることから、廃止措置終了の取組として、国内に示すよい機会ではないだろうかというコメントをいただいております。
 次に、4ページのところですけれども、議題の四つ目として、革新炉サイクルの技術開発への期待ということで、電事連の中熊委員から御発表をいただいたものになります。
 これにおけるメッセージといたしまして、一つ目のポツですけれども、各炉型に対し、短期的に一意の社会実装シナリオを確定することは困難であると。社会実装シナリオの変化ということなども踏まえて柔軟に対応可能な技術を選択するということが必要であると。そのためには、国際協力による開発・実証プロセスの合理化ということも期待されるだろうというコメントをいただいております。
 また、二つ目のポツですけれども、国内の基盤インフラについて、既存のCPFやプル燃等の施設の維持・更新が必要であること。また、工学規模の実証施設や乾式再処理施設に係るホット試験施設等、開発に必要な新たな基盤インフラについて、遅滞なく計画的に整備することが必要不可欠であるということをメッセージとしていただいております。
 3ポツですけれども、経済性が重要な指標だという指摘がございまして、その際には工学と工業間の最大ギャップというものがありますので、実験段階において国や民間が協力しながら工夫して進めていく必要があるだろうというコメント。
 四つ目ですけれども、燃料サイクルの時間軸を考慮した場合に、検討において、規模や技術における柔軟性をある程度持たせたほうがよいのか、あるいは候補として絞り込んだほうがよいのかという優先順位の議論も今後必要になるのではないかというコメント。
 一番下のポツですけれども、基本的な考え方といたしまして、一番上の内容と多少重複いたしますけれども、革新炉開発の導入シナリオにかかわらず、柔軟に燃料開発や再処理開発を進められるように取り組むことが重要であると。そうした柔軟性を実現するためにも、実証炉以降の開発計画に応じて対応できる技術開発を進めていくことが重要ではないかというコメントであります。
 次のページをお願いいたします。
 一つ目のポツですけれども、第3回でMA含有燃料の説明をしたことに関連するものになりますけれど、MA含有MOX燃料の再処理を検討する場合には、量の柔軟性に併せて質の柔軟性も重要ではないかというコメント。
 二つ目に、既存の施設であるCPFについて、3セルのみ分析用に使えるということを鑑みると、湿式と乾式、TRISO、それぞれの再処理技術開発においては心許ないのではないかというコメント。
 三つ目ですけれども、MA含有MOX燃料を含めた燃料開発の検討に当たっては、新規設備を導入するためのデータ取得に時間を要することや、金属燃料の乾式再処理についても、湿式の水・酸素環境下とは異なる雰囲気下での取扱いになることも鑑み、時間軸を見据えて検討を行うと、こういったことが大事ではないかというコメント。
 一番下でございますけれども、六ケ所再処理施設の年間800トンの処理量に関連し、まずはプルサーマル炉を利用して保有プルを増やすことなく、軽水炉サイクルを行った後に高速炉サイクルに引き継ぐことが肝要であり、そういったことを描こうとするときには、今後の高速炉開発が鍵であるというようなコメントをいただいております。
 前回の議事の五つ目のものになりますけれども、こちらに関しては、一つ目のポツとして、JAEAのほうから、新たな再処理技術実証フィールドを整備したほうがよいという提案を行いました。それに対して、研究開発や技術開発上の課題に取り組む必要性は高いというような趣旨のコメントを多くの委員からいただいたとものになっております。
 その際の留意点として、二つ目のポツ以下がありますけれども、例えば、再処理に関しては、解体、せん断、抽出のプロセスがありますけれども、その全ての課題解決が必要な成立条件なのか、あるいはより高度化するための課題なのかということ。あるいは炉型の共通の課題なのか、炉型固有の課題なのかといった点に関しては整理して進めていく必要があるだろうということ。
 三つ目のポツといたしまして、こういった研究開発を進めるときには、公的研究機関というのは、巨大ゆえに解決策が近場の、近傍の手段を取りがちであるということから、常に新たなアプローチを模索する必要性というのも留意する必要があるということです。
 四つ目のポツですけれども、欧米における革新炉開発の議論では、炉型によってはバックエンドと切り離して議論したほうがよいという専門家の意見もあるというご紹介をいただきました。
 下から二つ目のポツになりますけれども、例えば高温ガス炉の新しい燃料の使用済み燃料の処理に関しては、当面は再処理しないであるだとか、また、長期の貯蔵オプションといった選択肢についても検討する必要があるのではないかという、具体のコメントをいただくとともに、一番下のポツですけれども、高温ガス炉の燃料について、高燃焼度の利用時にはプルトニウムを燃やしきるような燃料というのも考え方としてはある。そういったことを考える際には、コストや発生廃棄物量などを総合的に勘案した処理処分やそれに資する研究開発というのが視点として必要ではないかというようなコメントをいただいております。
 次に、7ページ目ですけれども、様々な課題に対応する際には、再処理や燃料サイクルについては実験室レベル、小規模の工学レベルの話、工業用のプラントレベルの話がありますけれども、それぞれのスケールアップしていく過程での課題が大きいということから、そういった際の技術開発課題とインフラ整備のひもづけというのは関係者間でしっかりと共有していくことが求められるというコメント。
 二つ目のコメントとして、高速炉MOXの再処理について、軽水炉MOXよりもガラス固化の製造へ影響を及ぼす白金族の増加が想定されることから、再処理実証フィールドの検討においては、廃液処理の研究開発を策定するということも有意義ではないかというコメント。
 下から二つ目のポツになりますけれども、例えば、湿式再処理過程で生じたスラッジについては、ガラス固化への影響に鑑み、混合処理しないという方法もあり得るのではないかということ。
 また、溶解工程における高次化プルトニウムの溶融性が低い点であったりとか、SG(保障措置)上の問題である共抽出の工程でのプルトニウム・ウランの割合調整といったことに関しては、工学性能の評価についての技術開発や実証などにも留意が必要であるということ。
 一番下のポツになりますけれども、金属燃料サイクルについては、単に米国の技術を導入すれば解決するものではなく、日米、日‐IAEAの協議を含めて、保障措置上の観点も視野に入れて丁寧な研究開発が必要ではないかと、こういった意見をいただきました。
 以上です。
【山口主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、ディスカッションに入りたいと思います。ただいまの御説明につきまして御意見がございましたら、オンラインシステムの挙手機能を御活用ください。指名された方はミュートを外して御発言いただきますようにお願いいたします。いかがでしょうか。特によろしいでしょうか。
 この資料は、これまでの議論の振り返りといいますか、そういう論点を整理したところで、この検討会での提言の中の重要な骨格を占めるところですので、また改めて御確認いただいて、御意見ありましたらお願いしたいと思います。
 今の時点では御発言はございませんでしょうか。
 では、ありがとうございます。本件につきましては、参考資料に出光委員、本日御欠席ですけれども、御意見をいただいてございます。これにつきまして、事務局から読み上げていただきます。よろしくお願いします。
【宮川課長補佐(事務局)】  参考資料1の(1)のところでございますけれども、金属燃料サイクル研究のホットラボは早めに検討することが必要ではないかという趣旨のコメントをいただいております。
【山口主査】  どうもありがとうございます。一応これは何らかの形で資料1に反映していただくということでよろしくお願いいたします。
 それで、これは事務局の方で、資料1の5ページ目にこの点が書いてございますか。資料1の5ページ目の下から二つ目のビュレットのところにそういう時間軸についての記載がございまして、一応これは反映されているということで理解したいと思います。
 それでは、もし御発言がないようでしたら、二つ目の議題に移らせていただきたいと思います。二つ目の議題ですが、次世代革新炉開発の支援に関する世界の動向についてでございます。こちらは資料2になりますが、事務局からまず説明をお願いいたします。
【宮川課長補佐(事務局)】  事務局でございます。資料2ページ目を見ていただけますでしょうか。
 世界各国の次世代革新炉に関する財政支援ということで、まとめたものになります。
 初めにアメリカですけれども、アメリカに関しては、2021年にインフラ投資・雇用法という法律を制定しまして、これにより新型炉開発に対する大幅な財政支援が実現したという状況になっております。
 具体にDOEの方では、新型炉実証プログラム、ARDPプログラムと呼ばれるもので、官民の費用分担を前提とした資金提供を開始しているという状況でありまして、例えば、テラパワー社の高速炉Natriumであったりだとか、X-energy社の高温ガス炉Xe-100というものに対して拠出がなされているという状況であります。併せて、DOE自身といたしまして、新型原子炉システムにおける廃棄物処分の最適化プログラム(ONWARDSプログラム)の一環として、廃棄物処分に関する支援を行ったりですとか、FFTFやEBR-2以降なかったような高速中性子照射場として、多目的試験炉をDOE自身がVTR計画として掲げ、2027年の運開を目指しているといった状況があります。
 あわせて、本年にはインフレ抑制法として、稼働中の原子力発電所であったり新型炉に対する支援といったものも盛り込まれているというのがアメリカの状況であります。
 次に英国でありますけれども、英国については、SMRとAMRというものの導入のために、ビジネス・エネルギー・産業戦略省、BEISと呼ばれるものが民間企業等に対して開発の支援を行っているというものになっておりまして、具体的には、先進原子力基金というものの下で、SMRに対して2.15億ポンド、AMRに対して1.7億ポンドを投じて、2030年代前半の実証炉の運開を目指して、ロールスロイス社などの民間を中心に、軽水冷却の小型炉モジュール炉であるSMR、軽水以外の冷却材による新型モジュール炉AMR、特に英国の場合はガス炉に注力して、研究開発や実証プログラムというものを実施しております。高温ガス炉に関しては、プレ概念設計のフェーズAというものにJAEAも参画を行っているという状況であります。
 次に、3ページ目をお願いいたします。
 3ページ目ですけれども、次はフランスの状況であります。
 フランスについては、フランス2030という投資計画において、10個の目標の中の一つとして、小型炉・革新炉開発を設定しておりまして、2030年までに10億ユーロを投資すると掲げております。この10億ユーロのうち、5億ユーロを電力会社のEDFが主導する産業用SMR開発プロジェクト「NUWARD」に対して、残り5億ユーロを公募により選定される革新炉、経済性、安全性、廃棄物管理に対する斬新なものに対しての投資を行うという状況になっております。
 次にカナダですけれども、カナダについては、天然資源省や州政府を中心にSMRの実現に向けてロードマップやアクションプランを掲げて、2020年の後半までに初号機の運転を目指していくというような状況でありまして、連邦政府としては、原子力科学技術ワークプランによって毎年支援を行っていくとともに、カナダの国研に当たりますCNLのチョークリバー研究所の基盤的な施設等に対して、内数になりますけれども、10年間で12億カナダドルの投資を行っているという状況であります。
 次に、インドですけれども、インドについては、熱中性子炉、高速炉、新型重水炉の3段階から構成されるウラン‐トリウムサイクルをベースに、原子力省を中心に原子力政策を牽引しているという状況でありまして、現在は高速炉サイクル技術の開発を重点的に進めているところです。2020年代には高速炉の実用化、2050年頃には高速炉を原子力発電の主流とする方針を推進している状況であります。
 具体の炉の状況でありますけれども、1985年から高速増殖実験炉(FBTR)の運転を行っていて、現在は、原型炉のPFBRに当たるものを、2010年の試運転を目指して建設を進めておりました。けれども数度の延長をして、いまだ試運転に向けて準備をしているといった状況であります。
 次のページをお願いいたします。
 中国とロシアですけれども、中国に関しては、中央政府の強力な支援により、2030年までには米仏を抜いて世界最大の原発事業者になる見込みであるということ。
 エネルギーシステム計画という5か年の計画の下で、先進的な原子炉であったり、核融合炉の研究開発や実証に対して支援を行っているという状況であります。
 高速炉については、当初はロシア技術の輸入により実験炉を運転し、現在は、2023年の運開に向けて実証炉を建設しているところです。さらに2030年代には商用炉の導入を目指しているという状況であります。
 高温ガス炉の方は、研究炉の運開を経て、2021年には実証炉も初臨界、そして送電の接続を実施する状況です。現在は商用炉の設計を行っているという状況であります。
 このほか、世界初の商業用陸上型SMRの建設を2021年より開始して、2026年の運開を目指しているということです。さらにはトリウム溶融塩炉として、原型炉の建設を2021年に完了して、今年には運転の許可を取得した、こういった状況です。
 ロシアについてですけれども、ロシアは今世紀半ばまでに高速中性子ベースの原子炉を複数連携させて、核燃料サイクルを構築する可能性を実証することが目標になっているということで、高速実験炉を2016年に運開し、2022年、今年にはフルMOXの装荷というものを行っているという状況であります。
 こういった革新炉の推進主体としては、ロシアの国営の原子力企業であるロスアトムを中心に、ロシア国家プログラムの下で次世代革新炉等関連プロジェクトを行っていって、2024年までの4年間で3,500億ルーブルを投じていて、2025年以降も金額を増やした形でプログラムが進むのではないかと言われている状況であります。
 実際の炉の状況でありますけれども、鉛冷却高速炉に関して2021年から建設を開始し、2026年、運開予定であるということ。アメリカ同様に高速中性子照射場、多目的高速中性子炉としてMBIRについての建設が進んでおりまして、これに関しては、高速実験炉(BOR-60)の後継炉として2015年から建設を開始し、2027年の完成、2028年の運転開始を目指すと、こういった状況になっているというのが世界各国の状況であります。
 事務局からの説明は以上です。
【山口主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきましてまた御意見を伺いたいと思います。同じくオンラインシステムで御意見ある場合には意思表明をお願いいたします。いかがでしょうか。
 小澤委員、手を挙げていらっしゃいます。どうぞお願いします。
【小澤委員】  ありがとうございます。
 海外の動向についてあまり意見交換していなかったなというふうに思っておりまして、ちょっとこのタイミングで意見を言っておきたいなと思います。
 最後のページのロシアのところですけれども、国の体制はともかく、BN-350、600、800と、着実に運転経験を積んでいく方針というのが読み取れるなと感じております。第2回の検討会では、20年程度ごとに建設して技術の継承をするということが望ましいという意見があったように、ロシアがまさにそういうことで、着実に1個ずつ、必ず何か動いているという状態が続いているのだろうと思います。
 それから、今までの議論が、どちらかというと、新しい技術、新しいアイデアをどうやって検証していくかということに話が中心になっていたかと思うのですけれども、こうやって発電しながら研究も着実に進めているというのは学ぶべきところが多いかなと思っております。
 そういう意味で、あまり飛んだ開発をどうしようというよりは、着実なベースがあって、国民といいますか、発電して社会に貢献しながら研究開発も同時に進めるというのもいい事例だなと思って参考になると思いましたので、この場で意見を申し上げておきます。ありがとうございました。
【山口主査】  ありがとうございます。そうですね、BN-600はたしか、もう40年、運転していると、非常にいいパフォーマンスが出ていたと思います。
 ほかには、和田委員、手を挙げていらっしゃいますね。和田委員、どうぞお願いいたします。
【和田委員】  ありがとうございます。
 1点質問なのですが、米国のVTRは議会で予算がペンディングになっていると聞いておりますけれども、今後の見通しなど、もしお分かりになったら教えていただけますでしょうか。
【山口主査】  御質問いただいたところですが、事務局の方で情報はありますでしょうか。どうぞ、お願いします。
【嶋崎戦略官(事務局)】  事務局から、分かる範囲で回答させていただきます。
 確かにVTRにつきましては、米国議会ではなかなか予算がつかないという状況が続いておりますけれども、米国の議会での予算の歳出法案は、全体の額と特出しのプログラムの額について指定をすることが多く、そのほかの予算については、実は事務局で執行予算としてしっかり予算をつけて、次の予算要求のときには、実は額はゼロではなくて、VTRについても45百万ドルぐらい、毎年たしか予算がついていたと思います。ハフ次官補もこのVTRをしっかりやるのだということを事務的にも意思表明をされているということも聞いておりますので、全く予算がついていなくて進んでいないということではないと。ただし、議会の方は、発電をするリアクターの開発の方がやはり受けがいいということで、議会の支援を得ているのは、このARDP、実証プログラムの方だという認識でございます。
【和田委員】  ありがとうございます。それですと、当初、2023年に建設が開始されると、26年末までに運転開始という予定だったかと思いますが、この2027年運開というのはそれが若干1年ぐらい遅れそうという見通しなのでしょうか。
【嶋崎戦略官(事務局)】  御指摘のとおりだと思います。最後、どこまで遅れるかは分からないのですけれども、現状ではナトリウム炉とかARDPでのプログラムの方が優先されているというのは事実のようでありますけれども、実際VTRの方がどれぐらいで動くのかというのは今後の動向を注視する必要があると、こういうふうに認識をしてございます。
【和田委員】  ありがとうございます。
【山口主査】  よろしいでしょうか。
 では、続いて、石川委員、どうぞお願いいたします。
【石川委員】  分かりやすくまとめていただき、どうもありがとうございます。
 それで、この支援とか投資を受けるプレーヤーについて伺いたいのですけれども、例えば、テラパワー社とかだと、企業、あるいはベンチャー企業というのに近いのかもしれないのですが、企業と産業界、産業界に対する支援とアカデミアに対する支援の割合みたいなのはどういうふうに各国はなっているのでしょうか。もしお分かりになるようでしたら伺いたいと思うのですけれども。
【山口主査】  これもいかがでしょう。
【嶋崎戦略官(事務局)】  分かりませんというのが回答なのですけれども、今、実証炉、発電をするプログラムに対しての補助金、支援というのが多くございますので、メインの被補助者というのは、支援者というのは民間企業であることが多いというふうに思います。ただし、国立研究所でのインフラ整備、例えばこのDOEのVTRとか、あるいはロシアとかはほとんど国営企業でありますので、ここはもう民間という部分もあるのですけれども、完全に国が抱えて全プログラムを指導しているという部分もありますので、そういう意味で、一概にこの官と民とそれ以外でどういうふうに分けているかというデータはないのですけれども、それぞれに応じて支援をしているというふうに言えるのではないか。ただし、目立つプログラムについては、やはり民間を中心としたプログラムが最近は講じられていると。
 ちょっと正確なデータは手持ちでございませんけれども、こういった認識でございます。
【石川委員】  どうもありがとうございます。
【山口主査】  ありがとうございます。
 大学の関わり方が少し日本と違うような、アメリカは幾つかの大学は、大学の学内にこういう革新炉を形成するというプログラムも動いているようですし、また、その辺の情報とかが分かりましたら、適宜こういう検討の場で議論したいとは思いますが。ぜひ、日本の場合にも大学のポテンシャルをしっかり活用していくというのは大切だと思いますので、石川先生、よろしくお願いいたします。
【石川委員】  名指しで驚いたのですが。でも、今、山口先生がおっしゃったようなアメリカの場合だと、たしかイリノイ大のシャンペーン校だったと思うのですけども、学内にSMR、もっとモジュール炉のほうでしたか、何か建設する計画を持っているのをちょっと聞いたことがあるので、そういうふうに大学のポテンシャルも活かしていければいいなというふうに考えております。
【山口主査】  ありがとうございます。
 では、続いて、遠藤委員、どうぞお願いいたします。
【遠藤委員】  ありがとうございます。おまとめいただき、大変よく理解できました。
 この政策的な面が今回言及されておりますので、一つ申し上げたいのですが、このような財政的な支援に加えて、規制の在り方、あとは、それに加えてその損害賠償制度の在り方、そちらについても、軽水炉を含む革新炉についていろいろと変化があると思いますので、追っていくべきだと思っておりますし、原子力推進国だけではなくて、日本においてもしっかりその議論を始めていくべき時期にあるというふうに思っております。
 米国、英国は、特に米国なのですけれども、しっかりとその中ロの現行型の軽水炉の優位性を覆すためのSMRをはじめとする革新炉ということで、しっかりその政策的な意図が明確になっております。そういう意味では、日本もそういう野心的な目標を掲げて取り組んでいかなくてはならないと存じますし、そのためには、規制とその損害賠償制度はパッチワークとして必ず重要なパーツとなりますので、その辺りの別途、この検討会とはまた違ったものになると思いますが、文科省の所管であると思いますので、ぜひそちらについても留意をいただきたいというふうに思います。
 以上です。
【山口主査】  ありがとうございます。では、ちょっと事務局からコメントをお願いします。
【嶋崎戦略官(事務局)】  ありがとうございます。全く御指摘のとおりと思いますので、本検討会でということのみならず、しっかり規制との関わり方、あるいは原賠制度、革新炉の関係でどういった対応がありやなしやということも含めてしっかり検討していきたいと思います。ありがとうございます。
【山口主査】  ほかにはいかがでしょうか。海外の状況を大変コンパクトに整理していただいた良い資料になっていると思いますので、また、こういうものも新たな情報も加えて充実させていって、日本のそういう取組の参考にしていただきたいものだと思います。
 よろしいでしょうか。今日、御欠席の出光委員から、これも本件につきまして、御意見、御質問をいただいてございます。参考資料1になりますけれども、事務局から読み上げをお願いしたいと思います。
【宮川課長補佐(事務局)】  出光委員からの御意見ということで、各国の状況と比べると日本のインフラに不安を覚えると。国としても積極的に支援していく必要があると、こういった意見をいただいております。
【山口主査】  どうもありがとうございました。これはどちらかというと激励というような形だと思いますので、ありがとうございます。
 あと、ほかにはいかがでしょうか。もしよろしければ、次の議題に移りたいと思います。
 3番目の議題ですが、これがこれまでの議論の集大成というべきもので、論点整理(案)についてでございます。
 事務局から、まず説明いただきまして、それから、委員の皆様に御議論をいただきたいと考えてございます。
 まず、では、事務局より説明をお願いいたします。
【嶋崎研究開発戦略官(事務局)】  それでは、事務局より、論点整理(案)として2案、おまとめさせていただきましたので、中身について説明させていただきます。
 1枚おめくりいただきまして、これまで本当に2か月と短い間で、今会合を含めて5回の検討会を開催していただきました。本当にありがとうございます。次世代革新炉を今後開発していくに当たって、特にその基盤的研究開発、あるいはその基盤インフラ、こういったものについて、当面10年間というスパンを念頭にどういうことが必要か、あるいはその人材育成というものをどう進めていくのか、こういうことについて集中的に御議論をいただきました。
 次のスライドをお願いいたします。
 本論点整理におきましては、これまで御議論いただいた内容を検討会としての共通認識ですとか御提案、こういったものを中心に論点整理としてまとめさせていただいたものであります。
 1枚目のスライドは、本検討会の検討事項について再度まとめてございます。
 原子力の利用については、安全確保を大前提として、2050年のカーボンニュートラルの実現、エネルギー安定供給、エネルギー安全保障などの観点から期待が高まっているという認識の下、特に新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設について、現在、精力的に検討が進められていると認識してございます。
 先ほど申し上げましたとおり、こういった次世代革新炉の開発について、今後必要な研究開発、インフラについて、右下の検討のポイントにまとめてございますけども、これまで4回にわたって原子炉システムの在り方、必要なR&D、燃料製造、バックエンド、中身としては再処理ということでございますけども、こういった観点から、今後必要な取組について集中的に御議論をいただきました。
 また、こういった次世代革新炉に係る人材育成に関する課題ですとか、その中でも、唯一の研究開発機関であるこの原子力機構が大学の知の集約拠点として果たすべき役割、また、その開発支援に係る世界の動向についても御議論、御検討をいただきました。
 次のページ以降、本検討会での共通認識、あるいはその御提案内容をそれぞれの検討項目ごとにまとめさせていただいております。
 次のスライドをお願いいたします。
 本スライドは、次世代革新炉といいましても、一番大きな特徴は、この新たな安全メカニズムが組み込まれていて、安全性の向上がしっかり見込まれるということが大きな特徴であるということで、特に原子力機構で実績がございますナトリウム冷却型の高速炉、あるいはその高温ガス炉については、示唆の御指示もありまして、その安全性を俯瞰する1枚紙をそれぞれ作成し、本検討会での確認をしていただきました。
 また、本検討会におきましては、この安全性の向上、あるいはその今後の実用化を目指した経済性の向上といった炉型ごとの開発の目標をしっかり確認をした上で、今後の社会実装に向けてどういった取組が必要かということについて御議論をいただきました。
 以下、本検討会で、革新軽水炉については第1回会合で一部触れられたものになりますけども、三つの炉型に関して検討会として御議論をされた内容をまとめてございます。
 まず、革新軽水炉については、深掘りの議論は本検討会では行われませんでしたけども、共通的な認識としましては、民間を中心にして直ちに実装の見込みが得られているものであって、さらなる安全性、経済性の向上については、民間のニーズをしっかり踏まえて、今後研究開発を進めたり、あるいはその長期的な高度化のための中性子照射環境の整備についても将来的には検討が必要であると、こういった議論がなされたと承知をしてございます。
 高速炉(ナトリウム冷却型)が一番実績があるわけでございますが、これまでの安全性、経済性の向上のみならず、環境負荷の低減、長期の半減期を持つ核種の消滅という意味でございます。また、その医療用RI製造といったエネルギー利用以外の期待、あるいは今後再生可能エネルギーとの共存に向けたシステムの検討といった新しい多様化したニーズに答えるための技術を社会実装するための取組を現在から遅滞なく着手することが重要と、こういった御議論をいただきました。そのためにも、高速炉サイクル技術全般の開発基盤の整備をするというのが喫緊の課題であろうと、こういった御議論でございました。
 高温ガス炉についても様々な観点で御議論をいただきましたけども、発電のみならず、水素製造、熱利用といった新しい原子力の可能性を広げる取組を進めることが重要という御議論の中で、当面は大洗にあります高温ガス炉HTTR、これを中心として、熱利用システムの実証、あるいは固有の安全性の確認を行うということが当面の課題であろうと。
 また、今後については、海外への研究開発プログラムの参画なども報道等で一部出ておりますけども、こういった国際協力により得られた知見も活用しながら、発電以外ということであれば、そのユーザーの掘り起こしをしっかり進めながら、さらなる大型化に伴う課題への対応について、技術開発の具体化をしっかりしていくべきだと、こういった御議論がございました。
 一番下に注釈として小型モジュール炉の国際機関の定義を書いてございますけども、小型モジュール炉というのは、出力30万キロワット以下とかモジュール生産が可能ということですので、事務局の認識といたしましては、高速炉であってもSMRに該当するものもあり得ますし、高温ガス炉についても大体のものはこのSMRに入るのではないかという見方もあるということの議論もございますので、こういった注釈の紹介をさせていただいてございます。
 次のスライド以降、高速炉、高温ガス炉、それぞれ原子力機構で開発実績があるものについて、ヒアリング等を中心に既存のインフラを使って進めていくべき基盤研究、あるいは今後の基盤研究を行う上で整備すべき基盤インフラ、こういったことについて御議論いただいた内容をまとめてございます。
 本スライドは、まず高速炉システム開発についてでございます。
 当面は、ナトリウム取扱技術をはじめとした安全性の向上ですとか、原子炉容器の大型化は民間を中心に進めていきたいというプレゼンテーションもございましたが、炉心の高燃焼度化に耐えられる材料開発など、こういった安全性、経済性の向上に関する研究開発を基盤研究としてしっかり進めることが重要と、こういう御議論でございました。
 その中で、基盤研究を進める上では、やはりこの高速中性子の照射場としての高速実験炉「常陽」、あるいは、この大型ナトリウム機器試験施設「AtheNa」、この二つを早期に整備をし、遅滞なく基盤技術開発を進めることが重要といった御議論がございました。
 次のスライドをお願いいたします。
 続いて、今後の高速の開発において、新しいインフラとしてどういったものが検討し得るかということについても縷々御議論をいただきました。
 背景といたしましては、高速炉については、冒頭申し上げましたとおり、安全性及び経済性の向上というものに加えまして、放射性廃棄物の有害度の低減、あるいはその医療用RIの製造、再生可能エネルギーとの共存など、多様な役割に期待が高まっているという御議論がございました。
 こういった新たな機能の実装に向けては、当面は、先ほど出てまいりました「常陽」などを最大限活用して、知見を蓄積していく、準備をしていくということが期待をされるということですけども、「常陽」のみでは実は対応し切れない、あるいは集合体レベルでの照射試験、MA含有燃料も含めということでございます。あるいは、その安全性向上技術の実証です。こういったものも存在をするということ。あるいは、医療用RIの製造、安定供給の観点からは、現在でも「常陽」の再稼働が心待ちにされているわけでありますけども、「常陽」1基では足りないということ。また、「常陽」も7万1,000時間運転をした後、道半ばだということもありましたけども、「常陽」が2基、もう少し欲しいみたいな要望もあるということもこの検討会でも御紹介をいただきまして、こういった新たな中性子照射場に対するニーズも高いということも本検討会で御議論いただきました。
 こういった高速中性子、特に高速中性子の照射場に対するニーズに対応するためには、現時点から新しい小型高速炉、原子力機構からのプレゼンテーションでは、新機能実証施設という名称で御提案をいただきましたけども、検討会の中でもちょっと名称が分かりにくいという御意見もありましたので、端的に機能を表した名称として、事務局のほうで新高速中性子照射炉というふうにさせていただいております。
 こういったものを遅滞なく整備をし、高速炉に期待される役割の実証に活用し、国内の人材の基盤強化に貢献していくことが有効ではないかといった御議論をいただきました。
 また、もし、こういった新しい高速中性子照射炉を開発する場合に、今後の高速炉実証炉の開発との関係は如何と、こういった点についても御議論がありました。中では、こういった新しい高速中性子照射炉については既存の技術をできるだけベースとして実装可能であることが望ましいとした上で、実証炉開発とは連携をしてしっかり進めて、新しい成果については、適宜可能なところからこの実証炉開発に反映をしていくべきだという御意見、御議論がございました。
 次のスライドをお願いいたします。
 次は燃料開発でございます。高速炉用の燃料開発については現在も開発を進められておりますけども、経済性向上を目的とした、燃料を少し太くして中を空ける太径中空燃料の開発ですとか、あるいはできるだけ燃焼度を高めるための長寿命炉心材料の開発、こういったものを現状も進められております。こういったものをしっかりやっていくということ。
 あるいは、今後、先ほどのマイナーアクチノイドをしっかり燃焼していくためのマイナーアクチノイド含有燃料を作るため、そういったものの特性、挙動に関する研究開発を引き続き着実に進めることが重要という御議論をいただきました。
 特にこのMA含有燃料の製造には、遠隔で自動化された新しい施設があるということについて特出しで御意見がありましたので、特記をしてございます。
 一方で、先ほども紹介させていただきました「常陽」を今後の高速炉開発の中では肝になる施設だということでしたが、「常陽」用の燃料についても、当面安定供給をしていくというのが非常に重要な課題であると。そのため、今あるプルトニウム燃料第三開発室等の既存インフラの整備活用、これは新規制基準との関係もございますので、直ちに使えるかどうかの検証、あるいは対応も含めてしっかりやっていくと。こういったことで、令和6年度末には運転再開を目指しておりますが、運転再開後の当面の燃料供給体制を確立することが重要というプレゼンもあり、検討会の中での御議論をいただきました。
 その上で、いずれにしても新しいこの炉を作る、あるいはその「常陽」に燃料を安定して供給をし続けるということだけを考えても、将来的には新しい燃料製造施設の整備が必要であるという点。また、先ほどから出ておりますMA含有燃料の製造実証ですとか、日本ではなかなか基盤インフラがない金属燃料に関する基盤研究を進める場として、新しい燃料製造施設を作る場合には、こういった新しい燃料タイプについても対応できるように検討するべきではないか。あるいは、今後、高速炉の実証炉の燃料の選定が行われた場合は、こういった実証炉用の燃料の製造実証など、新しい役割に柔軟に対応できるような施設の設計を行うべきではないか。こういった御議論がございました。
 続いて、再処理、バックエンドでございます。
 高速炉燃料のサイクル技術につきましては、現時点でも燃料解体・せん断技術開発、これが一番大事な課題だというふうに紹介があり、また、燃料溶解・抽出技術のほか、軽水炉MOX燃料の再処理と共通の技術として、核拡散抵抗性の観点からウランとプルトニウムを共回収する技術ですとか、あるいは、そのマイナーアクチノイドを分離する技術、こういったものの開発を着実に進めることが重要という御議論をいただきました。
 また、高速炉MOX燃料の湿式再処理につきましては、当然、軽水炉MOX燃料再処理に知見を提供することが大事だとした上で、まずは集合体レベルで再処理実証をすることが大事だということで、「常陽」燃料の再処理を念頭に、また新たな再処理実証フィールドの整備が喫緊の課題と、こういう御議論がございました。
 右下に、これはまだ簡単なイメージ、アイデアということで、検討会の中で御議論をいただいた一例でございますけども、例えば、東海再処理工場、今、廃止措置中でございますが、処理能力が年間140トンであったのに対して、この再処理実証フィールドとしては、例えば年間数十トンぐらいの規模で、集合体規模の処理ができるような施設が必要ではないか、こういう御議論もございました。
 左のほうにSmARTサイクル研究とありますが、今、再処理に関する研究ができる施設としてはCPFという施設があるのですけども、こちらのほうではなかなかラボレベルといいますか、ピンレベルでの再処理の研究しかできないということを踏まえ、こういった御議論をいただきました。
 また、日本では基盤の施設は今はないですが、乾式の再処理についても、今後の政策判断によって柔軟に対応できるよう、一定の基盤研究を実施できるような施設整備について検討したらどうかということをこの検討会でも御議論をいただきました。
 次のスライドをお願いいたします。
 次のスライドは高温ガス炉でございます。高温ガス炉についても様々な議論がございましたけども、1枚にまとめてございます。
 冒頭の基本的開発の考え方のところとも重複いたしますが、今後の開発については、HTTRを最大限活用して、固有の安全性の実施をしていくほか、熱利用の実証試験研究を進めていくことが重要であると。
 また、中長期的な課題としては、固有の安全性が損なわれない範囲での大型化を実現するための技術開発、あるいはそのカーボンフリー水素製造技術等、これらについてはまだ少し時間がかかるという御議論でございましたけども、こういったものをしっかり進めていくということで、技術開発の工程の具体化の検討とか産業界との連携をもって研究開発をしっかり進めていくべきだろうと。
 また、燃料についても、今後、新しい炉を作るということになりましたら、新しい燃料製造施設の整備が必要であり、これについては、原子力機構からのヒアリングでは、これまで実績がある民間企業における製造能力の活用を検討したらどうかという説明がございました。
 
 また、燃料の健全性という意味では、当面のHTTRでの照射済み燃料ですね、これについて照射後試験をしっかり実施をして、燃料の健全性について確認をしていくことが重要という御議論がございました。
 最後、再処理でございますけども、この再処理についても各国の政策との比較をもって様々な御議論がございましたけれども、共通項としては、まずは既存施設を最大限活用して、工学規模でしっかり脱被覆をして、再処理ができるという実証を着実に進めることが必要という御議論がありました。
 その後の再処理をどうしていくかというのは、新しい炉ができるかどうか、できたときにどれぐらいの使用済み燃料が発生するかどうか、実際の使用の規模によってしっかり検討していくべきだろうということで、今後の開発次第ということで、本検討会の論点整理としては、まず、工学規模での再処理実証をしっかりやるべきだろうという共通認識に当たる部分のみを論点整理(案)として提示をさせていただいております。
 次のスライドは、炉型にかかわらず、大事だと思われる共通事項について、留意事項としてまとめさせていただいております。
 1点目は、燃料タイプですとか再処理方式及び規模など、今後の実証炉以降の開発の動向によって様々なシナリオが考えられるところ、燃料製造や再処理技術開発などを含む原子炉の開発については、こういった様々なシナリオに極力対応できる柔軟性というのが求められるのではないか。
 また、プルトニウムの扱いと関連する高速炉燃料製造ですとか、再処理実証フィールド等の開発については、設計の段階からIAEA等と連携をして、しっかり保障措置面での対応を取り入れていくことが極めて重要といった点についても、数次にわたって御指摘、御議論がございました。
 これは、これ自体が目的ということではないものの、先ほど来から提案、議論があった、例えば、その新高速中性子照射炉ですとか、再処理実証フィールドとか、こういった新しい基盤インフラが整備された場合は、その本来の目的のほかに、これまで弱体化していたサプライチェーンの再構築ですとか、こういった基盤インフラを用いたOJTベースでの原子力人材育成にも大きく貢献することが期待をされ、こういった効果というのは無視できない、極めて大きいという御議論もございまして、実証炉の検討と並行してこういった基盤インフラの整備に向けた早期の取組が求められるのではないか、こういった御議論もございました。
 また、今日も国際的な革新炉に対する支援の国際動向についても紹介をさせていただきましたけども、こういった次世代革新炉の開発に必要な基盤研究、基盤インフラの整備については、他国と同様に政府による大胆な財政的支援が必要不可欠なのではないかと。ただ、お金があれば全部できるかというと、この検討会の中でも、優先順位という御議論が何度かございましたけども、公的研究機関や民間企業ともに人的リソースにも限りがあることを考慮し、今後現実的な技術開発のロードマップを策定していくことが重要ではないかと。
 最後に、国内に必要な基盤インフラを整備するとしたとしても、時間がかかるものもございましょうし、そういったことを勘案すると、当面は米国や仏国、あるいは英国といった核燃料サイクル分野の研究開発に取り組む国との国際協力を併せて進めることによって、リソースの有効活用や、研究開発及び人材育成の機会の確保を図っていくことも重要と、こういった国際協力の有効性に関する御議論も数次にわたってございました。
 次のスライドをお願いいたします。
 人材育成及び原子力機構における知の集約拠点としての機能ということについても活発に御議論をいただきました。
 特にこの次世代革新炉というものをしっかりやっていくという意味では、人材育成が大事なわけでありますけども、そのためには、特にこの産業界のニーズをしっかり踏まえた上で、原子力機構が知の集約拠点として大学と産業界の間の橋渡し機能を図ることが極めて重要と。これは、別に大学が産業界のニーズだけをやればいいということではなくて、大学本来のボトムアップの技術開発、知見を蓄えていくということのほかに、しっかり産業界との連携をしていくということについて御議論がございました。
 また、こういった産業界との連携を図る際、例えば大学とか原子力機構に民間産業界がどのような役割を求めているかという点について、可能な限り、技術分野ごとに定量的な指標や技術成熟度を示すことによって、どういったことを期待しているのかというのを明確にするということも極めて大事だという御指摘もございました。
 その中で、事務局のほうからは、例えば、具体的な例として文科省直轄の大学を対象とした委託事業ですとか人材育成事業ですね、こういった成果を原子力機構に集約をするという観点から、原子力機構に移管をして、原子力機構自らがそういった事業を行うという形へのシステム改革を進めることが重要ではないかということについても議論をいただきました。
 また、人材育成については、サプライチェーンを支える人材育成ですとか、あるいは学び直しの機会の確保、リカレント教育、リスキリングという観点もよく考慮をして取り組むべきという点。
 また、人材育成を進めるに当たって、その場が非常に重要でございます。そのためには、国内における試験研究炉の活用を充実するのは非常に大事なわけでございますけども、「もんじゅ」サイトで計画が進められております試験研究炉についても、こういった一翼を担うべく、今後の人材育成を支える中核拠点として活用していくことが期待されると、こういった点についても御議論がございました。
 全てのポイントをこの論点整理に書くことはかなわなかったわけでありますけども、これまで御議論いただいたポイントをできるだけ簡潔にまとめさせていただいたつもりでございます。
 本検討会の今後の進め方について、最後のスライドでまとめさせていただいております。
 これまで研究開発項目、基盤インフラの整備など様々な論点について議論をいただきましたけども、年明け、2回から3回ぐらいの会合の中で、どういった優先事項、順位をもって進めていくべきなのかということについて、(2)に書いてある観点で、あるいは少しヒアリングを行うなどして深掘りの議論を行っていきたいと思ってございます。
 もし、うまくまとまれば、年度末までに、特に原子力機構で実績のあるナトリウム冷却炉などの高速炉、あるいは高温ガス炉のそれぞれについて、今後の技術開発ロードマップを検討する際に留意するべき点ということで、優先順位等について本検討会として御意見をまとめていただき、こういった留意点については、適切なタイミングで、関係府省、文科省も含めての関連する審議会等に報告をして、今後の次世代革新炉の開発に役立てていきたいというふうに考えてございます。
 年明け、今回提案のあった新高速中性子照射炉を具体的に、どういうスペックで、どういうものが検討し得るのかですとか、同じく、新しく提案をされているインフラについてどういった方向で検討がされるのか。あるいは、保障措置に関する議論もございましたけれども、これまでの技術開発実績と今後の方向性、こういったことについて、可能な範囲でヒアリングを行った上で、本検討会における可能な、ここでも可能な範囲でということになりますけども、論点整理を踏まえた炉型ごとのロードマップ検討の際の留意点について議論を進めていきたいというふうに考えてございます。
 事務局からの説明は以上になります。
【山口主査】  どうもありがとうございました。これまで委員の皆様からいただいた御意見、あるいはJAEAのほうでインプットしていただいた情報など、非常に明快にまとめていただいたと思います。
 少し時間を取って、これが今後の革新炉開発への一つのガイド的なものになるわけですので、ぜひ御意見を伺いたいと思います。同じく、御発言御希望の方は、挙手機能で手を挙げて意思表明してくださるようにお願いいたします。いかがでしょうか。
 では、まず、吉橋委員から、どうぞお願いいたします。
【吉橋委員】  御説明をありがとうございます。
 最後の論点のところに書いていただいているとおりで、新高速中性子照射炉ですね、これが取りあえずのところは「常陽」を使うということだとは思うのですけれども、今日の御説明の中でも、高速炉システムのところでは、何度かこの新高速中性子照射炉という言葉が出てきたかと思います。新しい研究炉としても作っていくというのは、なかなか場所であるとか、使用ももちろんそうなのですけれども、場所も問題になってくるということもありますので、やはり「もんじゅ」サイトをうまく活用していくのが必要なのではないかなと思っています。今一番研究炉として近く建設の可能性があるのは「もんじゅ」サイトだと思いますので、そこに組み込んでいくのであれば、こういった仕様として「常陽」でできること、できないこと、新しく求めるもの、規模、こういったところは、早い段階でまとめて、こういった「もんじゅ」サイトの新型研究炉ですかね、こういったところに組み込んでいくのが重要ではないかなということを感じました。
 以上、ちょっとコメントになります。
【山口主査】  ありがとうございます。
 続いて、小澤委員、どうぞお願いいたします。
【小澤委員】  ありがとうございます。
 今後さらに深掘りを行うべき論点のところで、新高速中性子照射炉、それから、再処理フィールドなど、高温ガス炉も含めて、いろんな提案がフラットな形で、よーいどんという形でずらっとメニューとして並んだというふうな印象であります。
 この資料の中では、どれもこれも遅滞なくとか喫緊の課題であると、書いてあるのですけども、やはりそこは優先順位等というものがしっかりと議論する必要があると思います。
 この資料の3ページ目に、冒頭に、原子力利用については、安全確保を大前提として、2050年カーボンニュートラルの実現、エネルギー安定供給、エネルギー安全保障などの観点の期待と書いてあるところから、ある意味、その2050年の区切りのところでどうなっているか、何らかのその社会への貢献ができているかという論点も優先順位の中では必要なのではないかなと思います。
 それから、どこかで量だけでなく質の問題も指摘されてありましたけれども、例えば、8ページのところで再処理実証フィールドとありますけれども、イメージのところで、数十トンパーイヤー以上の処理規模と書いてあって、高速炉サイクルで数十トン以上処理したら、毎年、どのぐらいのものが出ていくのだろうかと、何基相当の高速炉になるのかというのも、きちんと数字的にも検討をつけて、必要な時期に必要な規模のものが必要になってくるのではないかなと思います。
 世の中の貢献としては、マイナーアクチノイドが数十キロを消滅させられるのか、数百キロを消滅させられるのかと、この世からマイナーアクチノイドが消えるということは非常に重要だと思いますし、それを見せられるということも研究段階としてもできるのではないかと思います。先ほどのロシアの例で、世の中に貢献しながら研究開発を進めていくいい事例がありましたので、それも参考にしながら議論が深められるといいと思っております。
 以上です。
【山口主査】  ありがとうございます。
 では、桐島委員、次にお願いいたします。
【桐島委員】  桐島です。ありがとうございます。
 1点、8枚目のこのスライドに書かれている燃料サイクル技術開発のところでお願いがあるのですけれども、山口主査がおっしゃっていたように、この資料は革新炉開発のガイドとなるということですので、ちょっと私も放射性廃棄物を研究対象にしているので、コメントしておきたいと思っております。
 この中、燃料技術、せん断技術、抽出技術等々述べられているんですけれども、廃棄物処理技術開発の言及がやっぱりないのですよね。私としてはこれは入れておくべきかなと思っております。廃棄物対策、廃液固化技術やいろいろな金属廃棄物等々の処理技術なんですけれども、決して華やかな技術開発ではないのですけれども、このバックエンドの部分を怠っていると、いろいろなところで足元をすくわれて全体がストップする可能性があると考えております。
 日本の原子力開発、歴史をひもとくと、アスファルト固化施設の爆発事故やガラス固化のトラブルでいろいろな遅滞を経験、遅れることを経験しているわけでして、やはり高速炉MOX再処理によっても独特の廃棄物が出てきますので、こういった廃棄物の着実な処理技術開発についてもぜひ項目立てして入れておいて、忘れないように注力してほしいなと、このように考えております。
 以上です。
【山口主査】  ありがとうございます。
 続いては、では、相楽委員、どうぞお願いいたします。
【相楽委員】  ありがとうございます。
 資料をありがとうございます。よく網羅的にまとめていただきありがとうございます。
 12ページ目をお願いいたします。
 新高速中性子照射炉の件、いろいろ話題になっていて、「常陽」をしっかり頑張っていただきたいですが、これは非常にニーズがあると思っております。
 一方で、先ほどの国際情勢のところで、アメリカのほうでもVTRですとかいろんな計画もあるという話でありますので、ぜひこの案については、国際連携ですね、日本で作れば、きっと欧米諸国でのニーズも当然ながら上がるでしょうし、ぜひこの辺の国際的な連携を踏まえた上でいろいろ検討が必要かと思いました。
 あと、もう一つが、10ページ目をお願いいたします。
 2ポツ目のところで、設計段階から検認等の保障措置面での対応を取り入れていくというのは非常に重要なことかと思います。ただ、保障措置の場合は、一事業者がというよりは、これは日本国政府として、国際保障措置にしっかり義務を果たすという意味で、日本国政府としての対応となりますので、これは一事業者がという問題ではなくて、多分文言の話なのだと思いますが、設計段階から、ここで「IAEAと連携し」のところに、「日本の規制当局及びIAEAなどと連携し」という、日本国政府としてしっかり対応していくというところが非常に重要だと思いますし、逆に事業者だけがIAEAと直接対応するものでもないかと思いますので、この辺は文科省さんのこのR&Dの話と国の規制当局との連携等も絡むところなので、ぜひここは若干文言の修正をいただきたいなと思いました。
 以上になります。
【山口主査】  ありがとうございます。
 そうですね。続いて、では、和田委員、どうぞお願いいたします。
【和田委員】  ありがとうございます。
 この論点整理(案)については、これまでの議論をよく整理、反映してまとめていただいていると思います。ありがとうございます。
 10ページの留意事項はどれも重要な点であると思いますし、12ページの今後さらに深掘りを行うべき論点を議論する際に必要な観点であると思います。
 そこに記載がございますけれども、技術開発のロードマップの検討に資するためには、社会実装に向けて必要性の高いものですとか、あとはユーザーニーズなどに応じて優先順位をつけることが大切だと考えております。
 また、昨日の経産省の原子力小委で示された行動指針で、次世代革新炉について、「社会ニーズを踏まえた導入工程の前倒しに向けた不断の検討」との記載が追加されたかと思います。我が国の原子力産業の競争力の維持強化のためにも、導入工程の前倒しにつながるような研究開発や基盤インフラ整備を進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【山口主査】  どうもありがとうございます。
 続きまして、中熊委員から、どうぞお願いいたします。
【中熊委員】  電事連、中熊です。
 これまでの議論をしっかり整理をしていただいていると思います。ありがとうございます。内容につきましては、私も全く異論がございません。
 12スライド目の今後の進め方ですけれども、小澤委員もおっしゃられましたけど、今後優先順位をしっかり議論していく、深掘っていくということに対しては全く同感だと思っていますので、私どももこれからも積極的に参加していきたいと思っています。
 1点、質問させていただきたいのですけど、若干言葉尻だけなのかもしれませんが、今回はこれまでの議論の論点という形で整理がされたと。深掘りをした後のものに関しては留意点という形で取りまとまると。それを審議会に報告と、こういうふうになっているわけですが、今後その予算を取っていただくとか、様々なリソースを集める動きにつなげていくという観点になっていくと、どこかのタイミングでは、文科省さんの方針、意思に置き換わり、なおかつ政府の方針に置き換わっていくというプロセスになっていくと思うのですけれども。
 ここの5行で書かれているこの中で、何となくまだその方針というような形ではなく、ただ単に論点、それからそれを留意点に置き換える、それを報告する、付議ではなくというようなイメージで取っていると、何となく、方針になるようなプロセスがあまり見えないなというふうに思うんですが、そこら辺に関して、文科省さんはどうお考えなのかというのを差し障りなければ教えていただきたいなと思います。
 以上でございます。
【山口主査】  では、これはお答えいただけますでしょうか。
【嶋崎研究開発戦略官(事務局)】  コメントをありがとうございます。今、中熊委員からおっしゃっていただいたとおり、本検討会には、とにかく忌憚なく、今ある課題を論点整理としてすべからく上げていただいて、今後、具体にどうしていくかということについて留意点としてまとめていくところまでを企図してございます。
 ただ、これにつきましては、次世代革新炉の開発については、現在も、今は総理の指示によって政府の判断をいただくところになってございますけども、年明け以降は、その指示を踏まえて具体的なその検討が進んでいくものというふうに事務局としては考えてございます。
 こういった検討は、経産省、あるいは文科省を中心に進められていくものでございますので、こういったところにしっかり本検討会の留意点、論点をインプットして、先ほど中熊委員がおっしゃっていた、政府決定につながるトラックにしっかり乗せていくと。その中で、リソースの確保とか、その優先順位を踏まえたインプリメンテーションへの動き、こういったものにつなげていきたいというふうに考えてございます。現時点では具体的にこの会議体でこういう検討でというところまでが全てが見通せているわけではございませんので、並行して検討すべき点について本検討会でしっかり御議論をいただきたいと、こんなふうに考えてございます。
 以上でございます。
【中熊委員】  ありがとうございます。そういうことだとすると、この留意点というのが、恐らく今後の政府方針へのインプットということになって、ある意味、文科省さんの意思もここには入ってくるというふうに理解していてよろしいでしょうか。
【嶋崎研究開発戦略官(事務局)】  もちろん検討会の御議論ではありますけども、事務局としても、しっかり中身にコミットをして一緒にまとめていきたいというふうに考えてございますので、最後にどういうクレジットで、どういうふうな文章にしていくのかも含めて、今後の議論の中でしっかり検討し、相談をさせていただければと、こんなふうに考えてございます。
【中熊委員】  ありがとうございました。
【山口主査】  ありがとうございます。それでは、ほかにはいかがでしょうか。どなたかいらっしゃいますか。
 そのほか、いろいろな御意見をいただいて、やはり今後に向けて、最後の進め方とか、留意点とか、そういう点とか、あるいはニーズを踏まえた優先順位というのは幾つかコメントをいただいて、ちょっとそこはこの検討会としては、突っ込んでは議論はできていないところもあったわけですけれども、ぜひ、今、事務局よりお答えいただいたとおりの方向で議論させていただきたいと思います。
 いかがでしょうか。ほかに御指摘いただきたい点はございますでしょうか。
 それでは、ここで、もうコメントはなかったのですかね。ペーパーで頂いた御質問などはありましたか。
 では、また、今日御欠席なんですが、出光委員と浅沼委員からの御意見、御質問ということで、事務局から読み上げていただきます。お願いします。
【宮川課長補佐(事務局)】  出光委員のコメントでございます。参考資料1のほうです。
 高速炉燃料について、プルトニウムの調達はどのように考えているかというものをいただいております。
 続いて、参考資料2を御覧いただければと思います。こちらは浅沼委員から二つコメントをいただいております。
 高速炉開発やMOX燃料サイクル技術のように、既存施設の整備・活用や新設も含めた計画案が具体的となっている場合、経済支援や人材を着実に投入することで実現性も高まるように感じると。一方で、将来に備えて柔軟に対応できる技術力を保有するためには、高温ガス炉及びその燃料サイクル技術や金属燃料サイクル技術も一層注力していく必要があると感じる。今後の方針により技術的な選択肢が絞られてしまうことがないよう進めていく必要があるということが一つ目。
 二つ目ですけれども、いずれの技術開発においても、JAEAの役割は非常に大きいと考える。経済的な支援だけでなく、必要な人材が継続的にJAEAへ集まるような方策も必要と考える。
 以上です。
【山口主査】  どうもありがとうございます。
 いろいろ御意見をいただいたところですが、いかがでしょう。もし、何か追加で御発言がございましたらお受けしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、今、幾つか御意見をいただいたところですが、今後に向けて少しこれを整理させていただいて、論点整理(案)の内容を少しリバイスするということもあろうかと思います。その場合には、今日いただきました皆様の御意見を踏まえて修正させていただきたいと思います。
 それで、その辺の修正につきまして、もし御異論ないようでしたら、主査のほうにお任せいただいて、事務局と相談して整理させていただきたいと思います。いかがでしょうか。特によろしいでしょうか。
 御発言はないようですので、御了解いただいたものと考えさせていただきます。ありがとうございました。
 では、今、御提案差し上げましたように、論点整理(案)の内容については、いただいた御意見を踏まえ、次回の検討会で改めて御報告させていただきたいと思います。その場合にも、また、どうぞ御審議のほどよろしくお願いいたします。
 大変活発な御意見をたくさんいただいて、大変短い時間で御苦労していただいたわけですけども、よい論点整理(案)ができましたので、主査からもお礼申し上げたいと思います。
 最後に、事務局から連絡事項がありましたらお願いいたします。
【宮川課長補佐(事務局)】  事務局でございます。本日も委員の皆様に活発に御議論いただきまして、ありがとうございます。
 資料3の論点整理(案)については、いただいた御意見を踏まえまして、山口主査に御相談しつつ、整えていきたいというふうに考えております。
 また、本日の論点整理(案)について、12月13日に行われます文部科学省の原子力研究開発・基盤・人材作業部会において、文部科学省の事務局より論点整理(案)ということで、参考資料として紹介させていただく予定でございます。
 次回の第6回の日程については、年明けの1月中旬以降で調整しております。次回開催の案内や前回や今回の記録の確認については追って御連絡を委員各位にいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、第3回の議事録についてでございますけれども、委員の皆様の御確認が終わりましたので、近く文部科学省のホームページにアップロードする予定でございます。
 事務局からは以上でございます。
【山口主査】  どうもありがとうございます。この検討会、5回重ねて行ってきたわけでございますが、この間、ずっと研究開発局の千原局長には御出席いただいてございました。大変重要な場というふうに御認識いただいていたものと思います。
 最後になりますが、研究開発局、千原局長からぜひ一言お伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【千原局長(事務局)】  山口先生、どうもありがとうございます。千原でございます。年内最後の会合ということもありますし、今日、論点整理(案)ということで、主査一任ということで、先生方、大変ありがとうございます。一言、この機会ですので、御挨拶させていただきます。
 本検討会を局のほうに設置をさせていただきまして、10月17日が会議第1回だったと思いますけれども、今日まで5回、御議論をいただきました。非常に濃密に先生方から御指摘をいただき、また、この検討会の会の方ではない方からも御説明をいただきながら、非常に重要な論点を整理していただいたということで、大変心より感謝申し上げたいと思います。
 本当に短い期間でございましたけれども、山口先生、主査としておまとめいただきまして本当にありがとうございます。また、委員の先生方の御協力によって、次世代革新炉の今後の開発、あるいは基盤整備ということについて、原子炉システムのみならず、今も御議論ありました、燃料製造、あるいはバックエンド再処理等に関するその基盤研究、あるいは基盤インフラの整理、さらには原子力の人材育成の強化、そういう非常に幅広い観点について、有意義な御議論、おまとめをいただいたというふうに思っております。
 この次世代革新炉につきましては、最初、多くがGX実行会議ということもございましたが、このことについての動向ということも踏まえながら、年明け以降も引き続き、さらに優先順位をという、今、いろいろ御指摘もございましたので、御議論を深めていただけると大変ありがたいと思います。
 この点については、有識者の先生方からアドバイス、御意見をいただくという立場でありますけれども、先ほど御指摘がありましたように、そうしたアドバイスいただいたものをもって、私ども政府として今後の取組にしっかり反映していきたいというふうに考えておりますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。大変ありがとうございました。
【山口主査】  どうもありがとうございます。千原局長には、この検討会各委員に対して、感謝の言葉と、あと今後に向けて引き続きぜひ御支援をというお言葉をいただいたかと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議事ですが、以上をもちまして全て終了させていただきます。
 10月から5回にわたり、年内におまとめいただいたということで、委員の皆様には大変よい御審議をいただきました。誠にありがとうございます。来年も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上で閉会といたします。ありがとうございました。

―― 了 ――

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