革新的将来宇宙輸送システム実現に向けたロードマップ検討会(第10回) 議事録

1.日時

令和3年6月9日(水曜日) 15時00分~17時00分

2.場所

Web会議

3.議題

  1. 革新的将来宇宙輸送システム実現に向けたロードマップ検討会中間取りまとめ(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

遠藤 守 【主査】
青木 一彦
渥美 正博
石田 真康
稲谷 芳文
大貫 美鈴
小川 厚
新谷 美保子
竹森 祐樹
津田 佳明
中須賀 真一
福島 康仁
牧野 隆
武者 智宏

文部科学省

研究開発局長  生川 浩史
大臣官房審議官  長野 裕子
宇宙開発利用課課長  福井 俊英
宇宙開発利用課企画官  笠谷 圭吾
宇宙開発利用課課長補佐  渡邉 真人
宇宙開発利用課課長補佐  岡屋 俊一

(説明者)
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
 理事  張替 正敏
 研究開発部門
  第四研究ユニット ユニット長  沖田 耕一

5.議事録

【遠藤主査】それでは、皆さんお集まりのようですので、ただいまから文部科学省研究開発局主催の革新的将来宇宙輸送システム実現に向けたロードマップ検討会の第10回会合を開催させていただきたいと思います。
 本日も新型コロナウイルス感染防止のためにオンラインになりましたが、皆様には御多忙のところお集まりいただきましてありがとうございます。お礼申し上げます。
 まず、事務局から本日の会議に関する事務的な確認事項をお願いいたします。
 
【岡屋課長補佐(事務局)】本日は、革新的将来宇宙輸送システムの実現に向けたロードマップ検討会に御所属いただいております16名の委員のうち、現在13名ですが、14名の委員の御出席を頂くことになっております。
 次に、本日の資料ですが、お手元の議事次第4ポツのとおりでございます。
 オンライン状況について、音声がつながらない等問題がございましたら、事務局の方へメールあるいは電話等で御連絡ください。オンラインシステムの運用上の注意事項等は事前送付いたしました運用の手引きを御覧ください。事務連絡としては以上でございます。
 それでは、主査、お返しします。
 
【遠藤主査】それでは、本日の議題に入りたいと思います。
 議題は1件でございますが、革新的将来宇宙輸送システムの実現に向けたロードマップ検討会中間取りまとめ(案)ということでございます。
 前回、事務局から中間取りまとめ案概要、それからロードマップ案の説明をしていただきました。それに関して委員の皆様から御意見を既に頂いておりますので、それらの内容を加味した上で、事務局において中間取りまとめ(案)が作成されております。この原案につきましては、既に前もって送付させていただいておりますが、これを事務局から説明をお願いいたします。
 
【笠谷企画官(事務局)】それでは、御説明申し上げます。資料10-1及び資料10-2でございます。こちらにてロードマップ検討会の中間取りまとめ(案)について御説明させていただきたいと思います。
 
(資料10-1及び資料10-2について説明)
 
【遠藤主査】詳細な御説明ありがとうございました。
 これまで委員の皆様の御協力で多くの意見を出していただいて、本日のこの中間取りまとめ、非常にいいものが出来上がったと思っておりますが、更に今日の説明をお聞きになった上で、御意見がございましたらお願いしたいと思います。御発言のある方、挙手をお願いいたします。
 はい、青木委員、お願いします。
 
【青木委員】はい、スカパーJSATの青木でございます。
 ロードマップも非常にクリアにまとめられたなと思っております。次世代の「基幹ロケット発展型」は国が、「高頻度往還飛行型」は民間が主導するということ。この点は依存なく、議論を重ねた部分ですので、全く問題ないのですが、少し確認が1点と質問が1点ずつございます。要するに、後者については民間が主導すると、開発を主導するということになりますので、仮に事業化があって開発、事業化の計画ができて開発だと思いますので、仮に事業化に至らないとなると、これは民間のビジネスのセンスで行くと、いろいろなビジネスを考えたときに、どう考えても事業として成り立たないという判断も当然あり得ると思います。今回のこのロードマップの前提条件、腹積もりとして、仮に民間事業者の結論が事業化に至らないと、できないというようになった場合には、この「高頻度往還飛行型」の開発は国としても、続かないことをやむなしという腹決めもできているのかということの確認が一つ目です。質問は、仮にそういうような残念なケースになった場合に、国として必要な技術として、例えばこのエアブリージングとか、そういった将来の可能性にかけた要素技術の開発ということはやる可能性があるのか、それとも民間の判断と合わせてここもすっぱり諦めるということなのかという点で、その確認と質問がございますので、事務局のお考えをお教えいただければと思います。
 
【遠藤主査】はい、それでは、事務局からお願いできますか。

【笠谷企画官(事務局)】はい、文部科学省事務局でございます。
 今回の将来宇宙輸送システムを開発するということは、2本立てとなっております。「高頻度往還飛行型」と「基幹ロケット発展型」のこの二つ併せてやっていくということです。ただ、その二つを国が国のお金で開発するということは難しいので、正に「高頻度往還飛行型」は、民間の市場、民間のニーズがあると我々も思いましたし、この検討会でもそのような議論になっておるということも踏まえまして、民間主導による開発ということを提案させていただきました。そして、これは、先ほども言いましたように、推進協議会も準備できておりますので、そういう機運があると我々は確信しております。ここは何としても民間事業者を見つけて、立ち上がっていただいて、正に事業化になるかどうかというところを検討していただきたいと思います。
 また、そこの民間事業者でなかなか事業化が難しいということになるのでしたら、そもそものこの検討会の前提としてニーズが至らなかったのかなということではございます。ここはやはり何としてでも民間事業者にこの分野を見つけていただきたいということ、「事業性がある」というようになっていただきたいということ、そのようになることを私どもは確信しております。ここは是非とも民間によってやっていただきたいと思っているところです。
 また、仮にですが、民間の受け手がなく、例えばエアブリージング等の技術が必要ないということになった場合は、それも仮定の場合ですが、この要素技術分野は「高頻度往還飛行型」の出口があるということが前提で進められる内容でございますので、この出口がなければ中止ということもあり得ます。ただ、この将来宇宙輸送システムとは別に、エアブリージングエンジンというものは、他の官のミッション、ニーズがある可能性はありますので、そういうものがあれば、そちらで継続してそやっていくということと思います。こちらではやはり民間事業者がいるということ、事業化になるということが我々にとっては必要不可欠だと考えております。
 
【遠藤主査】私も意見を申し上げさせていただくと、このロードマップは、やはり20年のスパンで考えておりますので、その都度都度、民間と国の間の対話の中で、事業化の困難なポイント、それは技術的な要因があるのか、あるいはそれ以外の要因があるのか、そういう対話を通じながら、一挙にある日突然断念しましたということではなくて、そこをうまく官民が補完し合いながらやっていくというようなプロセスが必要なのかと思います。
 そのほか御意見はありますでしょうか。
 
【笠谷企画官(事務局)】すみません、文科省、笠谷でございます。
ありがとうございます。レビューをやっていくということを説明の中で申し上げましたが、そこが正に今主査の言われたところの話にも関係してくると思います。要するに、国側は国側の要素技術の発展状況はこうだということを民間に伝えて、民間も今事業化をこう考えているとか、今主査が言われたような「事業化はなかなか難しいところがある」というような話をレビューの中で行うことになります。その議論の中で国はどのような支援がまたできるのか等々の協議をしていくということになると思います。
 
【遠藤主査】はい、石田委員、お願いします。
 
【石田委員】御説明ありがとうございました。これまでのいろいろな議論をうまく取りまとめていただいたと思います。ありがとうございます。
 二点ございます。一つ目は参考情報ですが既に御案内かもしれませんが、3日ぐらい前に、アメリカで国防総省がロケットを使って宇宙輸送をするための将来に向けた研究開発を始めるという「ロケットカーゴプロジェクト」というものがあるということが結構ニュースで流れたと思うのですが、これは正にSpaceXがStarshipでやろうとしていること、正にここで議論しているポイント・ツー・ポイント輸送というものをアメリカ空軍が自分たちの貨物輸送のために使うという話が流れたと思っていて、こういった用途は、アメリカの場合は国防総省等がユーザーとして使っていくということ、結果的にこういった高速輸送システムの需要、市場をつくっていくために、SpaceXから見てもこれは多分大きな意味のあるプログラムになるかと思っています。そういう動きがアメリカではもう起こっていて、民間主導でマーケットをつくるのですが、アメリカの場合、国防総省がそれを使うという、政府によるある種のアンカーみたいなものも出てきているところがあります。この市場を官と民で協力して立ち上げていくのであれば、「いいものができたら使います、できたら持ってきてください」というスタンスとは少し違うかなと思っているので、官は官として技術研究開発を進め、民間が事業化をしていく中で、官も必要に応じてある種のリクワイアメント、こういう要求条件だったら使っていきたいと思いますというように密な情報連携ということが我が国でもやっていく必要があるのではないかと思ったことが1点目です。これは情報共有でございます。
 もう1点の質問は、先ほど青木さんの御質問で1社も民間が立ち上がらなかった場合どうしますかというお話だったと思うのですが、逆の御質問で、複数社がこれに手を挙げる場合は、官としては、いわゆるアメリカで行われたCOTSプログラムのようなスクリーニングをして1社に絞っていくような公平なプロセスみたいなことをやっていくのか、そのあたりは今後の検討、残課題、残論点なのかと思っているのですが、もし現時点で何か文部科学省としてお考えがあれば、教えていただければと思いました。いきなり最初から1社に絞る必要もなくて、もし2社でも3社でも手を挙げてくれるのであったら、ある種競争をさせながらいいものをつくっていくということが大事かなと思ったので、2点目の質問です。
 以上です。
 
【遠藤主査】はい、文科省事務局お願いします。
 
【笠谷企画官(事務局)】文部科学省事務局でございます。
 まず、石田委員、アメリカの情報ありがとうございます。我々もホームページ等で情報を認識しておりましたが、分かりやすいお話を頂きましてありがとうございます。
 リクワイアメントを出していくということは、確かに余りこれまで官でのやり方にはなかったところではありますが、今後の課題として、リクワイアメントとして、こういうものならば使いますよということをどういうふうに仕様書に落とし込んでいくのか、また民間により事業予見性を持ってもらうために、そのようなやり方を考えていく必要があるのではないかとお聞きしました。ありがとうございます。
 また複数提案が民間から出た場合どうなのかということですが、これは本当に我々にとってうれしい状況であります。説明の中で、要素技術の研究開発をJAXAが民間と対話してやっていくということを申し上げました。そして、民間はそれぞれのビジネスモデルを持っておられる可能性があると思います。したがいまして必要な要素技術が例えば2社とも同じような要素技術を使うという話ならばそれはいいのかもしれませんが、異なる可能性もあります。JAXAもいろいろと要素技術を開発していくとなると、それなりにお金もかかることになります。
ただし、その要素技術も、最初からフルにお金がかかるという話ではありません。6ポツの今後の検討課題に民間事業者の選定方法と書かせていただきましたが、極力複数の会社の状況を維持するということはやっていこうと思っておりますが、要素技術開発をいろいろとやっていかなければいけないので、どこかの時点で最終的な絞り込みが必要になると思います。そのどこかの時点までそこを選定候補状況にしておけるかというところは、国の予算であるとか、制度全体の話であるとか検討が必要です。ただ、複数の民間が出ていろいろとアイデアを出していただいた方が、それ自体競争になりコストも下がると思いますし、より可能性の高いものが出てくることもございますので、国として基本は複数社が出てくるような方策に仕向けたいと思いますし、そのような状況になっていくということを考えたいと思います。
 
【石田委員】御回答ありがとうございます。おっしゃるとおりで、健全かつオープンな競争環境というものが技術開発を加速する上でも非常に大事だと思うので、予算の制約も含めた上で、うまくそういう環境をつくっていただければと思いました。
 ちなみに、1点目に関して、これは社内のアメリカの宇宙関係をやっているコンサルチームと話していていつも思うのですが、アンカーテナンシーといっても民間が勝手につくったものでいいものがあったら使いますというパターンと、正式に官からリクワイアメントを出しながら技術開発を伴走するパターンとの二つあります。特に後者のケースで、従来、国と余りお付き合いがなかった民間企業が政府のリクワイアメントをうまく処理するところで結構御苦労されるケースがあって、そういったところをコンサルタントが支援するというのも実は結構あります。したがいまして、そこの部分でアンカーテナンシーというものが、単にいいものがあったら買うのか、ある程度リクワイアメントを出しながら一緒につくっていくこともサポートするのか、これはかなり似て非なるものかなと思うので、今日の時点でどちらを目指すのか明記することは難しいとは思うのですが、今後どこかの場でそれをより具体化していく、官の関わり方というものをより明確にしていくということが大事ではないかと思います。以上です。
 
【遠藤主査】はい、ありがとうございました。
 それでは、渥美委員、お願いします。
 
【渥美委員】はい。一つのコメントです。今出されているロードマップの付図ですね。これ、一番下のところまで出していただけますでしょうか。今の議論の中で、この付図だけが恐らく独り歩きする形になると思うのですね。レビューに文科省とJAXAしかない記載されていませんが、民間という言葉も入れておくのがいいのではないかというところが1点。
 それから、もう一つ、民間が進めていこうとするときに、法整備関係の話と国際認証関係の話ですね。そのソフト的な動きというものは結構重要な話になるので、その線も1本入れておいた方がいいのではないかと思います。
 以上です。
 
【遠藤主査】はい、ありがとうございます。
 それでは、牧野委員お願いします。
 
【牧野委員】はい、ありがとうございます。
 1点文科省にお伺いしたいことは、民間事業者が手を挙げてやっていくという過程において、多分民間事業者と文科省とのインターアクティブな対話がとても大事になってくると思うのです。そのときに、例えば一民間事業者と文科省が直接ダイアログをやるということが正しいのか、それとも何か仕組みを使ってダイアログしていくのか、何かお考えがあったら教えていただければと思いますが、笠谷さん、いかがでしょうか。
 
【笠谷企画官(事務局)】はい、笠谷です。
 私は、これは非常に新しい試みでありますし、国と民間事業者との関係では、オープンな形での機会均等ということが非常に大事かと思っております。それで、もちろんどういうような形でということは今検討中ですが、例えば国からこういうような民間事業者に、民間事業者といっても、それはニュースペース、オールドスペース等、我々が今知っている範囲の方々しかいませんが、そのような方々に対して定例的に国の検討状況といいますか、どのようなことを考えているかとか、要素技術はどうか等について定例的な説明の場を設けるのか、そこはまだ検討中ですね。
 ただ、民間企業が手を挙げる前にいろいろと国と民間企業との情報交換等、多々情報交換が必要になってくるということは私も当然認識しております。そこで直接民間から国に来る可能性もありますし、国も広く知ってもらうために何か説明の機会を設けるとか、個別に対話する機会とか、そのようなものをつくっていくこと。それがかっちりとした制度的なものになるかどうかは分かりませんが、何かしらそのような形のものをつくっていかなければいけないと私も認識しております。
 
【牧野委員】はい、ありがとうございます。多分民間との懇談会みたいなものをつくっていただけるのかなと理解しました。ありがとうございます。
 
【遠藤主査】はい、それでは、続いて新谷委員お願いします。
 
【新谷委員】はい、ありがとうございます。このようなすごいロードマップができて、とても楽しみだなと思っております。どうもありがとうございます。
 コメントが1点と、お伺いしたいことが1点ございます。コメントとしては、文科省とかJAXAは科学技術の開発という立場ですので、申し上げる件は御担当ではないかと思うのですが、本件で民間を絡めるということになりますと、「有人宇宙飛行」を見据えてやっていくということになると思います。そうすると、皆様御存じのとおり、今の状況では、有人宇宙飛行は日本では全くできなくて、まず「法制化」が必要になってくるということになります。他の省庁が絡まなければいけないということは重々承知の上ですが、これは「航空法」からやるのか、「宇宙活動法」からやるのか、「新法」をつくるのかというところで非常に大きな議論がありまして、これが間に合わないとかうまくいかないとかがあると、民間事業者が幾ら立ち上がっても、日本ではできないということになってしまいます。ここのところが非常に大事なのではないかと思っています。
 アメリカでは、御存じのとおりFAAという日本で言えば国交省の中にASTという宇宙部隊が100人体制でいますし、英国にもそれにならって国交省に当たるCAAの中に宇宙部隊がこれから50人体制でできるというふうに聞いています。これは、今後日本が事業をやっていくときに、日本としてもそういった体制が必要ではないかということがコメントの一つです。
 お伺いしたいことは、先ほどの渥美さんのコメントにも関係するのですが、今後海外と交渉していくというときに、日本の窓口がどこになるのかということが非常に大事だと思います。ロードマップ図に入れたらどうかというコメントでしたが、どういうふうに図に入れるかということは大事だと思っています。これは立ち上がった民間事業者だけがやらなければいけないということは少し難しいと思っています。
 また知財戦略に関しましても、例としてアルテミス計画を挙げると、例えば日本が米国に、アルテミス計画に協力しますと言いっ放しで、あとは民間事業者同士で頑張ってねというようになりますと、やはり日本の知財は絡め取られてしまうということがあるのと同じで、これもアメリカでは非常に知財分野の特許紛争も大きく、日本で既に取られている技術もあるという中で、どういう知財戦略をやっていくのかというところは、事業者のみに任せられない部分があると思っています。
 今日本にその窓口になるような体制がないという中で、誰が海外の国際的なルールメーキングの中で一緒に立ってくれるのか、民間事業者と一緒に立ってくれるのかというようなところについてどのようなお考えなのかをお伺いできればと思います。
 
【遠藤主査】はい、お願いします。
 
【笠谷企画官(事務局)】はい、文部科学省です。
 新谷先生、知財とかの窓口ということですか。
 
【新谷委員】それだけでなく、国際的な調整ということになります。二地点間輸送になると、例えば共通の国際標準をつくるとか、ルールメーキングをするとか、知財の調整が出てくることもあると思いますが、一番はその二地点間を移動するときの飛行安全のルールのつくり方について、誰が一緒に海外に出ていって話をしてくださるのかということです。
 
【笠谷企画官(事務局)】まず、そこは、「はい」と申し上げます。そのときに、本件も含めて、まだここは関係省庁との正式な折衝といいますか、協議というところにはまだなっておりませんので、私からどこが窓口なのかというところを申し上げることは、現時点では少し難しいのですが、もし政府が、例えば新谷先生はサブオービタル協議会でこのような先行的にサブオービタルの分野でその法整備のような話を先行的にお話されているということは私も認識しておりますので、そこでの先行した議論の知見も踏まえてやっていくということだと思います。あと、実際にこれを進めようと思いましたら、まずはこれについても、関係省庁が集まってこれについての方針を決めて、関係省庁とともにやっていくということになると思います。現時点で担当省庁の名前とか、どのような体制になるのかということの説明は少し遠慮させていただきたいと思います。
 
【新谷委員】はい、もちろんです。どこの省庁がという名前を頂きたかったというよりも、選ばれた民間企業が自分たちで調整しないといけないというようなことになると非常に厳しいなと思いまして、そういったラインがロードマップ図に引かれてしまうと厳しいなということです。 今、スペースポートを開くとか、米国と関連基準を調整するとかというときは、民間企業が主体で動かなければいけないと、今はそうだと思いますので、せっかくこういったロードマップをつくっていただいたので、官と民間が一緒にやっていただけるというような矢印か、そういう図が入ると良いという趣旨です。省庁を特定していただきたいという趣旨ではございません。
 
【遠藤主査】はい、事務局いかがですか。
 
【笠谷企画官(事務局)】すみません、分かりました。私としても、この高頻度往還飛行型の機体はできたはいいが、正に法律等が整っていなくて飛べないという事態になることは、絶対避けねばいけないことだと認識しています。技術で勝っても、正に商売で負けるというか、そういう形になってはいけないと私も思っておりますので、そこは官もしっかり関わらせていただくというところと思います。
 先ほどの渥美委員のコメントも含めて回答として、この部分については検討するということになっていますが、具体的にどう進めていくか等の話は、正に6の今後の検討課題でも挙げさせていただきましたが、今後精密にどのようにやっていくかとか、関係省庁の体制をどのように持っていくかとか具体的に詰めた上でロードマップにも書き込もうと思います。現時点の中間まとめの段階でこの制度的障壁のところのラインをどう記述するかについては検討させていただければと思います。
 
【遠藤主査】はい、議論の途中ですが、申し訳ありません。生川局長には毎回御出席いただいておりますが、本日はお時間の都合があるようですので、中間報告については、まだ議論の途中でございますが、中間報告をまとめられたというところで、局長に御挨拶をお願いしたいと思いますがいかがでしょうか。
 
【生川局長】すみません、遠藤主査、ありがとうございます。研究開発局長の生川でございます。議論の途中でございますので本当に申し訳ないですが、少し出なければいけないところもありますので、一言御挨拶、中間報告がほぼほぼ終了したということで申し上げたいと思います。
 まず、委員の皆様におかれましては、本日、今も続いておりますが、活発な御議論を頂きましてどうもありがとうございます。おかげさまで大変重要な内容の中間まとめを間もなく頂けると理解をいたしております。遠藤主査を始め委員各位の御協力、御貢献に深く感謝を申し上げたいと思います。
 私ども文部科学省としても、このようなまとめを頂いた以上、これを絵に描いた餅にしてはいけないと強く思っております。しっかりと受け止めさせていただいて、実現に移してまいりたいと思っているところでございます。
 今後のこれからの議論でありますが、この検討会において、特に高頻度往還飛行型について、これを実現させていくというところが一つの大きなポイントになろうかと思いますので、その実現をさせていくためにどのような手立てを講じていくべきか、今も引き続き御議論いただいているところですが、それを中心に更に議論を深めていっていただきたいと考えているところであります。
 文部科学省としても、宇宙輸送系の抜本的低コスト化を実現し世界に勝っていくために、この検討会での御議論も踏まえながら、スピード感を持って気合を入れて対応してまいりたいと考えておりますので、先生方の引き続きの御支援と御協力をお願いさせていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございます。引き続きの御議論是非よろしくお願い申し上げます。
 
【遠藤主査】はい、生川局長、どうもありがとうございます。大変心強い御発言いただきました。ありがとうございます。
 すみません、議論を中断させてしまいましたが、竹森委員、お願いします。
 
【竹森委員】竹森です。ありがとうございます。
 改めてロードマップを読ませていただいて、少し1点だけ、小さな話ですが、目についたところを意見させてください。朝からずっとカーボンニュートラルに関して別会議をやっていたので、それが目に入ったかもしれませんが、資料10-1の5ページから6ページの(1)のところですが、今後このロードマップを結構いろいろな方がそれぞれの立場で読んでいくであろうし、我々も当然いろいろと関連する議論の中で使っていきたいと思っていますが、この5ページから6ページにかけて、人口減であるとか、今後このような社会になっていきますと記述されて、これに対して、6ページの冒頭で宇宙は生活、産業を支えるインフラとして使えると説明されています。これは当然の記述ですが、その後にカーボンニュートラルのくだりが出てきます。カーボンニュートラルに資する取組が宇宙空間においても今後検討される可能性があると、何かこの部分だけ取ってつけたような感じがあるような気がしています。今この時期になぜ宇宙なのだというときに、やはり地上インフラ、地球の観点から見ても非常に宇宙というものは地上活動に役立つのだと、カーボンニュートラルしかりということであれば、カーボンニュートラルに資する取組として、私は事務屋なので詳しくは分からないですが、例えば水素などを燃料として使用することへの対応とか、例えば燃費向上を生む軽量新素材とか、いろいろな意味でカーボンニュートラルに使用できるような技術があると思いますので、何かこのあたりを例示的に出しながら、宇宙産業においてもこのカーボンニュートラルは正に必要な事業なのだと、もう少しここの記述は具体性を帯びた方が今後いろいろな意味で使えるかなと思っているのですが、そこはいかがでしょうか。
 
【笠谷企画官(事務局)】文部科学省、笠谷でございます。
 はい、分かりました。今の竹森委員の御意見も踏まえて、カーボンニュートラルについて例示等を書き込むということですね。
 
【竹森委員】そうですね、いや、何かそこだけ取ってつけた感じがしたので、少し具体性を持たせた方がいいのかなという気がしたということです。
 
【笠谷企画官(事務局)】ここの趣旨としては、カーボンニュートラルという課題もあるのですが、正にカーボンニュートラルの観点で宇宙が使えますというところで、宇宙の利用が非常に大事だということを主張したくてこのような書きぶりにさせていただきましたが、少し補足いたします。
 
【遠藤主査】なかなか例示をするとなると、先ほど竹森委員が言われたように水素利用の話だとか、太陽光発電もそうですが、今思いつくものだとそういう類いのものになってきますね。ダイレクトにどうこうということは将来的に出てくるかもしれないという感じで、ここでは例示をあえて入れなかったという理解をすればいいですかね。
 
【笠谷企画官(事務局)】はい、例えば現時点でも太陽光発電というものは可能性があるのですが、逆にこれだけにとどまらないかもしれませんし、30年後なので我々が想像もしていないような物すごいものがあるかもしれませんのでということです。あと、カーボンニュートラル自体、私もそこまで明るくないので、可能性があるということまでで、あえて具体例を書かなかったということでございます。
 
【遠藤主査】文章的に御指摘の点も理解ができます。文言を少し事務局で検討いただけますか。
 
【笠谷企画官(事務局)】はい、検討いたします。
 
【遠藤主査】ありがとうございます。それでは、武者委員、お願いします。
 
【武者委員】はい、ありがとうございます。
 今日の御説明をお伺いして、改めて「基幹ロケット発展型」と「高頻度往還飛行型」を、それが両立して、官民がしっかり協議しながらこれを進めていかないと、これらが正に絵に描いた餅になる可能性があるということ。これをしっかりやっていかなければいけないと感じた次第ですが、1点確認したい点がございます。どなたにお伺いしたらいいのか分かりませんが、御回答いただければと思います。
 それは、民間企業として、ついつい経済性に関して目が行ってしまうのですが、今回の答申の中で、2030年に現行のH3の2分の1、それから40年に10分の1ということで、これは一つ明確な目標が出てきて、民間企業にとっても分かりやすいかなと思うのですが、一方、先ほど話が出てきたSpaceXとかが先行している中、彼らもいろいろな形でコストを削減してくる努力があると思うのですね。彼らは既に再使用を行っているので、H3よりもコストは低いと思うのですが、彼らがどれほどこの2030年、2040年の段階でコスト削減化を行うのか、あるいはできるのかということに関して、見通しのような検討をした上でこの2分の1とか10分の1というものが設定されたのか、あるいは、今の日本の状況として2分の1、10分の1ができそうだ、あるいはそれを目指したいということで、余り他のことを意識せずに検討したのか、そこら辺御回答いただければと考えますので、よろしくお願いします。
 
【遠藤主査】事務局、いかがですか。
 
【笠谷企画官(事務局)】はい、我々も、当然SpaceXが今後更にコストを下げてくる、つまり20年の期間はあちらも一緒ですから、下げてくるということは考えております。しかしながら、例えばコンサルタントにどうなるのか等、具体的な数値というところまでを調査させておりませんし、正直SpaceXがどうなるのかというような情報を持ち合わせていないということが正直なところです。その上で、今後SpaceXも下げてくるであろうということ、また、今の我々の想定している技術とか、再使用化でどこまで最大限行けるかというようなところ等でこのような数字を目標として出させていただいているところです。
 したがいまして、今武者委員が言われたように、今後具体的調査とか、SpaceXの新たな動きによっては、これをも上回る対応が将来必要になってくる可能性がないとは言えないと思います。
 
【武者委員】はい、ありがとうございます。今後のこの委員会の検討課題の中でも、市場環境の当然調査ということもございますし、あるいは価格競争だけではない、日本としての独自の売り文句みたいな、売る点ですね、そうしたものが出てくるのだと思いますので、総合的な評価だと思います。状況は了解しました。ありがとうございます。
 
【遠藤主査】はい、ありがとうございます。中須賀先生、いかがでしょうか。
 
【中須賀委員】ありがとうございます。
 取りまとめありがとうございます。本当に抜本的なという内容が、数分の1ではなくて最終的には10分の1以上の低コスト化を目指すこの輸送系の計画が、官だけではなくて民との連携によって一つのビジョンとしてできたということは、すごく大きな成果だと個人的には思っております。本当にこれを大事にこれから続けていかなければいけないということで、民の側もしっかりと会社を立ち上げてこれに対応していくような組織をつくっていかなければいけないと考えております。
 それで、もともとの動機である5ページあたりに書いてある革新的将来宇宙輸送システム開発に挑む意義、必要性、正に海外でどんどん安くなるから、それに対応して国内でも安くならないと、例えば最終的には財務省との関係から日本のロケットは使えなくなるということはそのとおりですが、それ以前に、今の宇宙輸送系が余りにも高過ぎるので、それが原因でなかなか宇宙活動が広がっていかないということもやはり大きなモチベーションではないかと思います。宇宙ステーションでの様々な民間活動もなかなか広がらなかったこと、また宇宙ステーションよりも遠いところに飛んでいく探査機もやはり打ち上げ費用が高いということが一つの大きな課題になっていることもあるので、抜本的に宇宙活動を拡大して、より多くの宇宙の便益を得るというために、この宇宙輸送系の低コスト化ということが根本的に必要であるということも中間まとめのどこかに書き込んでおいてもいいのではないかと思います。それから、竹森さんのカーボンニュートラルの話について、私も少し違和感があったのですが、それを更に具体化するのであれば、例えば抜本的な低コスト化、数十分の1になれば太陽発電衛星のような宇宙からのエネルギー供給ということもあり得て、ほかにも様々な活動が起こることによってカーボンニュートラルに資していくというようなことも具体的に書いておいた方がいいかなと、これは竹森さんのコメントと同じことを感じた次第です。
 そんなことで、抜本的な低コスト化ということが私は非常に大事で、それに向けて今回一歩を記せたということがとても大事なことではないかと思います。以上でございます。
 
【遠藤主査】はい、ありがとうございます。大変貴重な御意見いただきました。是非考えていきたいと思います。
 それでは、大変今日も貴重な御意見たくさん頂きました。これについては、直ちにこの中間まとめに反映できるものもございますし、今後の検討の中で考えるべきものもあったかと思います。最終の中間まとめにつきましては、本日頂いた御意見をどのように盛り込んでいくか事務局と私とで相談をしてまとめさせていただきたいと思います。最終版につきましては各委員に送付して最終確認をしていただくということを考えておりますので、皆さん御了解いただけますでしょうか。
 御了解いただいたということにさせていただきます。
 それでは、この中間報告を生かして、先ほど生川局長からも非常に心強い御挨拶いただきましたが、この中間報告に対応して、来年度予算についてこれを盛り込んで、是非文科省として予算要求にも御尽力いただきたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
 それと、最後に事務局から連絡事項等ありましたらお願いをいたします。
 
【笠谷企画官(事務局)】はい、文部科学省、事務局でございます。
 皆さん、御議論の方ありがとうございました。拙い事務局でございまして、なかなか皆様の御意見をまとめ切れなかったところが多々あったかと思いますが、これまでの皆様の御意見等で何とかここまでできたかと思います。本当にありがとうございます。
 また、今ほど遠藤主査から来年度予算の話もありましたが、現在、省内等で来年度予算についてはもちろん検討中ではございますが、ロードマップをつくったということにとどまらず、予算要求も伴うものにしてしっかりこれが進んでいくという形を、特に民間事業者に対して国もちゃんと進めているということが分かる予算要求の内容ということにして、しっかり要求していきたいと思っております。以上でございます。
 
【遠藤主査】もう1点ございました。この中間報告をまとめていただいたのですが、文科省サイドのお考えでは、秋からいろいろ積み残しの事項について、今日も報告書の中でありましたように更に検討を要する事項がございますし、本日もそれに関わるような御意見もございましたが、それらについて検討を進めたいということでございます。これを改めて事務局から日程等については御連絡を頂くということにしまして、先ほど御意見あった以外に、次の検討事項として何か委員の皆さんからこういう点もやるべきだという点がございましたら、是非御意見をお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。
 はい、津田委員、お願いします。
 
【津田委員】はい、ANAホールディングスの津田です。
 先ほどのまとめにも関わるところですが、今回ともかくロードマップを出せたということにすごく意義があると思っています。取りあえずこれを書いたことでスタートを切ったのですが、今後このロードマップが進展していく中で、もう少しブレイクダウンしていければいいと考えます。
 特に市場の動静みたいなところからのアプローチがすごくよかったと思います。どういうふうに利活用したいのかというところを議論したので、ロードマップの上段にも、サブオービタルの飛行実証から初号機打ち上げまでのタイムラインが示されて、利活用のイメージができたのはよかったと思います。あとは、これを実現するための要素技術が幾つか並んでいて、機体開発というところに包括されていると思うのですが、途中で議論もあった法律や制度あるいはポートといった、インフラに関するタイムラインがあってもいいかなと考えます。さらには、低コストでの運航を実現するために、技術開発だけではなくオペレーション効率化も重要になってきますので、これも要素に加えていければいいと思います。
オペレーションの効率化に関しては、我々エアライングループの貢献できるところもあり、課題意識も持っておりますので、そこは次の段階ということですが、コメントさせていただきます。
 余りまとまっていないまま並べて申し上げましたが、要するに次の段階ではロードマップをもう少しブレイクダウンすることで、いろいろな民間事業者が見たときに自分の関わるところがどこか分かりやすくなるといいなと考えました。以上です。
 
【遠藤主査】はい、ありがとうございます。
 そのほかございますか。稲谷先生、お願いします。
 
【稲谷委員】はい、どうもありがとうございます。
 全体の流れのことは先ほど皆さんがおっしゃいましたので、ここまでやっていただいて大変ありがとうございます。次回以降にすべき検討課題ということで意見を申したいと思います。今のエアラインのお立場における御意見、私たちも再使用とか技術ばかりやっていると、「運航」とか「運用」という概念が一番大事だということを実際オペレーターの方々から聞くことが大変多いので、そういう観点のことをもっと検討すべきだという今のお話だったと思いますが、その点は全く賛成で、是非お願いしたいと思います。
 もう一つ申し上げたいことは、今後の課題の中で、やはり「有人輸送」ということを日本がこれまでやったことがないということで、先ほど新谷さんがおっしゃっていたように、制度整備の議論、民間事業者がこれで人を乗せてよいというようなことを誰がお墨つきを与えるといった内容の議論、さらに制度を整備するのみならず、これで大丈夫だというようなことを誰が言うのか、認可するのか、そこがよく分かりません。米国ではFAAとアメリカの事業者が何か新しいことをやるときに、例えばエアロスペースコーポレーションといようなコンサル的な機能を持つ企業が入っていろいろと助けているというような状況を聞きますので、日本でもそういう制度をつくることと民間が事業をするということの間を取り持つような機能が必要という議論をしているところがあります.そういうような制度や体制の具体論を、「有人を民間事業者が手がける」という観点で議論することが必要かと考えます。次の項目としてその辺を追加していただければ有り難いかと思って発言させていただきました。
 以上です。
 
【遠藤主査】はい、大変重要な御意見と思います。
 そのほかございますか。大貫委員、お願いします。
 
【大貫委員】大貫です。
 今日は、取りまとめについて御説明いただきましてありがとうございました。私からは、質問ではなくて、今後の個別のことにもなるかなということで、幾つか気がついたところをコメントさせていただければと思います。
 まず、アンカーテナンシーについてですが、サービスを民間から購入するということだと思うのですが、今日もお話に出ていましたが、先物買いをするということになってくると思うのですね。その先物買いも、もう実現に近いというところよりは、かなり先のものを買うということなので、民間企業、特にベンチャーにとってはすごく開発の助けにもなると思います。そういったアンカーテナンシーの時間的なものの読み方ということも含めて、レバレッジ効果を上げるような、レバレッジが効くような形のものが組めるといいかと思いました。
 また、期間の長い話なので、段階的に事業化を行っていくということですが、いろいろ民間と対話をしていく中で、知財ですとか、ルールメーキングスタンダードみたいなところの議論もありますが、民間との契約形態も新しいスタイルがもしかしたら求められるのではないかと思います。
 といいますのは、米国のCOTSプログラムのときもいろいろと変わったものがあったのですが、契約形態を従来のコストプラスからフィックスドプライスに変えたということはCOTSの仕組みがスムーズに動くことに成功した上で大きな要素だったと思います。したがって、日本流で動くような形で従来の契約形態の部分も見直すといいますか、次世代に合ったようなものがもしあるとしたらということで、そういう契約形態への変更の観点も一つあるかなと思いました。スピードを速く、安くできるようなものが出てくればということです。
 次も観点ですが、全体的にスピード感を持って実行するとか、今までもいろいろキーワードが出ていますが、スケールの観点ということも一つ重要だと思います。頻度を上げるとか、大量生産とか、そういう意味でのスケールの観点は出てきているのですが、「アーキテクチャー」の部分のスケールということでは、今日も先ほど来、話が出ていますSpaceXのStarshipは、空軍の貨物だけではなくて、例えば有人の月への輸送というところも、NASAにしては珍しく1社だけを今のところは選んでいるということが出ていまして、安いから選んだとか、いろいろなことが言われていますが、SpaceXによって全体的なアーキテクチャーの考え方が随分変わったものを、NASAが認めたのだということも一つ見てとれると思います。100人乗ることができるという、そういうスケール感の有無で、今までの延長で何かが段階を追って安くなっていく、何かの延長で段階を追って乗れる人数だとか載せる貨物量が大きくなっていくとか、そういうことではなくて、全く違う考え方、違うスケール感のものがあるとき出てきて、それが未来をつくっていくということにもなると思いますので、そういう何か「スケール感」みたいな観点があるといいのかと思いました。
 最後ですが、今後もいろいろと調査をかけるということで、競合各国の宇宙輸送系のことですとか、あるいはマーケットのこととかもあると思うのですが、一つ方向性としては、他の技術分野でも非常に速いスピードで変化が起きていると思いますので、先ほどのカーボンニュートラルの話ですとか、あるいは水素ですとか、デジタルですとか、気候変動に関わるものですとか、グリーンとか、いろいろあると思うのですけれども、そういった他の技術分野との融合で、この宇宙輸送の技術分野でも進展するものですとか獲得できるものというものも出てくると思いますの。そういった方向性も重要になってくるのかと思いました。
 以上です。
 
【遠藤主査】はい、ありがとうございます。貴重な御意見ありがとうございました。ただいま頂いた御意見については、次回再開するときにどういう進め方をするかという検討に十分参考にさせていただきたいと思います。
 それでは、以上で時間となりましたので、これで本日の検討会は終了とさせていただきたいと思いますが、最後に事務局から連絡事項等あればお願いいたします。
 
【笠谷企画官(事務局)】はい、事務局から申し上げます。
 まず、今ほど主査の方からもお話しいただきましたが、まず、本日の第10回でこれまで頂いた皆様の御意見に基づくロードマップの中間取りまとめとさせていただきます。ここで一旦ロードマップ検討会としてまとめたということにはなりますが、引き続き、再開時期が何月ということは明言できませんが、夏ないし秋の早いくらいにはまた再開いたしまして、6ポツの引き続きの検討課題、正に法律的、制度的な対応等をいつまでにやるのか、どのようにやっていくのか、また、高頻度往還飛行型への支援方策とか、それらの積み残しの議題等々がまだありますので、そちらについて引き続き議論を再開していきたいと思っておりますので、その際はよろしくお願いいたします。
 また、会議資料と議事録の公開について申し上げます。本日の資料は公開となりますので、資料については既に文科省のホームページに掲載させていただいております。また、議事録につきましても公開となりますので、委員の皆様に御確認いただき、文科省のホームページに掲載させていただきます。よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
 
【遠藤主査】はい、ありがとうございました。主査といたしましても、皆さんの御協力、御支援を頂いたおかげで、この中間まとめを仕上げることができました。ありがとうございます。また、次回いつということは事務局から今は言えないということですので、また改めて御連絡を差し上げます。後半も引き続きよろしくお願いいたします。
 以上で本日は閉会とさせていただきます。まことに御審議ありがとうございました。
 

―― 了 ――

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