「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合(第14回) 議事要旨

1.日時

令和4年5月26日(木曜日)14時00分~15時30分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議で開催

3.議題

  1. 「もんじゅ」の燃料体取出し作業等について
  2. その他

4.出席者

委員

佐藤座長
井上委員
岩永委員
野口委員
樋口委員
村上委員
山口委員

文部科学省

二村もんじゅ・ふげん廃止措置対策監
嶋崎研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)
横井原子力研究開発調査官

(説明者)
日本原子力研究開発機構
 吉田理事
 森下敦賀廃止措置実証本部本部長代理
 鈴木高速増殖原型炉もんじゅ所長
 佐久間廃止措置推進室長

5.議事要旨

原子力機構から、「もんじゅ」廃止措置の進捗状況として、燃料体取出しの進捗状況、ナトリウム及び使用済燃料の搬出に向けた計画策定に係る検討状況等について説明を受け、委員より意見をいただいた。主な意見は以下のとおり。
 
(1)燃料体取出しの進捗状況

  • 第4キャンペーンの燃料体の取出し作業(2022年3月30日~同年4月22日)が計画通りに完了したことについては、高く評価したい。
  • 燃料体取出し作業が順調に進捗し、完了することができた背景には、第1キャンペーンにおける不具合事象に対して、様々な検討、対処を用意周到に実施した結果にある。今後の廃止措置に役立てるために、計画の評価、分析に際して作業中に行った工夫や懸念事項を含めた詳細な記録を残していただきたい。
  • 燃料体取出しは、初期のキャンペーンにおける不具合事象に対して、技術的に検討、解決しながら対応してきたことにより、その後のキャンペーンが順調に進んでいるものと理解している。これらの技術的な検討の過程や結果はもとより、そのためのマネジメント上の対応に関しても記録としてしっかりとまとめてほしい。
  • 燃料体取出し計画の評価に際しては、計画策定に対する評価と実行面の評価は必ずしも一体ではないことから、明確に区分けをした上で評価を行う必要がある。計画に対して、適切な観点から体系的な評価を行い、修正を加えていく技術は、長期に渡る事業を成す上で重要である。不具合事象への対処を想定していたものの、実際には発生しなかったことから検証ができなかった項目もあったはずである。そういうことも踏まえて、本来計画に入れておくべきだったものを体系的に捉える技術を確立していただきたい。
  • 今回の燃料体取出しは、もんじゅの運転が短期間であったことから、燃焼度、発熱量も低い状況の中での作業であったが、本来、運転が継続されていた場合の燃料体取出しに関して、今回のデータを用いた検証を行うなど、今後の高速炉開発に際して伝えるべき内容についてもまとめる必要があるのではないか。
  • 第2段階におけるしゃへい体等の取出しは、燃料体取出し時と同様、既存の燃料交換装置を用いることとしている。そのため、今回の経験を活かし、しゃへい体等の炉内構造物を長期間に渡って安全に取り出すための検討をしっかりと行っていただきたい。

(2)ナトリウム及び使用済燃料の搬出に向けた計画策定に係る検討状況

  • 実用発電用原子炉の廃止措置に関しては、学会標準があり、その考え方に則って実施することとされている。もんじゅの廃止措置計画は、実用発電用原子炉と同様の4段階とされているが、その学会標準も意識しつつ、もんじゅ特有のナトリウム機器・設備を踏まえた対応を行っていく必要がある。
  • ナトリウムの搬出に際して、特に1次系は放射化していることを踏まえれば、搬出時におけるレベルを現時点から適切に推定、評価した上で、抜出・搬出に際して必要となるラインの新設や設備の改造等を行う必要がある。
  • ナトリウムの抜出・貯蔵・搬出に際しては、計画段階でどこまで目配りをするべきなのかを検討した上で、体系的なリスク評価を行うとともに、危険物管理・労働安全まで十分に考慮し計画策定を進めることが重要である。
  • 今後の廃止措置に伴って発生する廃棄物の取扱いに際しては、設備・機器に残留するナトリウムの処理が重要となる。個々の設備・機器における残留ナトリウムの処理方法、処理が難しい場合は安定に長期保存する方法の検討を行うことが重要である。
  • 使用済燃料の搬出に向けた検討状況として、仏国での再処理を基本としつつ、その他の選択肢についても排除せずに検討することとされている。実質的には仏国再処理が決定したものと想定されるところ、原子力機構として、きちんとしたスタンスでその他の選択肢の検討やその考え方を示すことが必要ではないか。
  • もんじゅの使用済燃料について、運転が短期間ではあったものの、実際に高速増殖炉で使用されたという意味では貴重である。再処理する前に照射後試験を行うなど、研究成果を確認する必要があるのではないか。
  • もんじゅの廃止措置計画では、第2段階以降のしゃへい体等の取出し、ナトリウムの抜出・搬出等で9年の期間を要するが、以降も解体の進捗に伴ってプラントの状況は変わっていくこととなる。廃止措置を計画通りに進める上では、防災上の観点や、活動の合理化・効率化等の課題も予め洗い出した上で、その体制作りを進めることが重要である。

以上

お問合せ先

研究開発局 研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)付

(研究開発局 研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)付)