「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合(第19回) 議事要旨

1.日時

令和7年2月18日(火曜日)14時00分~15時42分

2.場所

文部科学省18階 研究開発局1会議室 (対面形式とオンライン形式併用)

3.議題

  1. 「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合現地調査の実施結果について
  2. 「もんじゅ」廃止措置第2段階の実施状況について
  3. その他

4.出席者

委員

佐藤座長
井上委員
岩永委員
野口委員
樋口委員
村上委員

文部科学省

二村もんじゅ・ふげん廃止措置対策監
井出研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)
横井原子力研究開発調査官

(説明者)
日本原子力研究開発機構 敦賀事業本部
 ​近東敦賀事業本部長代理
 城敦賀事業本部戦略推進部次長
日本原子力研究開発機構 高速増殖原型炉もんじゅ
 鈴木所長
 近藤廃止措置部長

5.議事要旨

(1)「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合現地調査の実施結果について

<総論について>
 文部科学省から、「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合現地調査の実施結果について説明。原子力機構との質疑応答の後、委員より意見をいただいた。主な意見は以下のとおり。

  • これまでの原子力の安全と廃止措置作業の安全は視点が異なることを押さえておく必要がある。例えば、これまでの原子力の安全においては、主にハード対策でリスクを小さくしてきたが、廃止措置作業においては、その多くが、人が絡む非定常状態での作業となることから、リスク分析をして関係者全員で理解したとしても、忘れや慣れから時間経過に伴いリスクの分散が大きくなる。このことから、廃止措置作業においては、計画を策定した後、いつ見直す可能性が出てくるのか、その場合はどうするのかといったリスク分析作業を継続する必要がある。
  • 通常の工事現場では、次々に作業があるため早いピッチで作業が進み、現場に緊張感があることから何か不具合が起きた場合は臨機応変に検討してすぐに改善していくことができる。逆に、原因分析等に時間をかけると、時間が経っているため、作業を再開した後、何か起きた場合に臨機応変に対応できないことがある。このことから、机上の分析に加え、速やかに関係者全員が現場で具体的に考えることができるよう、適切に検討、対応いただきたい。
  • 2次メンテナンス冷却系は、系統内に残るナトリウムが配管や機器表面に薄く付着する程度で非常に少ないとのことだが、必ずしも想定通りの状態にあるとは限らない。解体撤去に際しては、特に切断箇所がポイントになるので、思い込みを払拭し、総合的に検討しながら、慎重に確認、対応いただきたい。
  • 2次メンテナンス冷却系の解体作業を請け負い実施する全ての作業員に対して、その作業目的や、ナトリウム取扱い上の注意点等が伝わっているのかの確認、必要な能力を有する作業員を配置すること、従事する作業員の力量向上も含めて対応いただきたい。

<本会合で取り扱う当面の主要課題に対する方向性について>
 座長より、本会合で取り扱う今後の当面の主要課題に対する方向性として、「ナトリウム機器の解体準備や解体に係る検討」、「物流・配置に係る検討」を中心に原子力機構から報告を受け、評価・助言を行っていく旨の提示有り。委員間での意見交換の後、その方向性とすることについて認識を共有。その際に委員よりいただいた主な意見は以下のとおり。

  • 本会合における評価・助言を反映する上では、原子力機構から適切な時期に報告を受ける必要がある。事務局においては、同機構と相談の上、報告内容とその時期を検討いただきたい。
  • 現地調査を短時間で実施する中でも、これまで発注者又は元請けを経験してきた立場からの気付き点をお伝えすることは可能であるため、本会合の運営方法についても検討いただきたい。


(2)「もんじゅ」廃止措置第2段階の実施状況について
 原子力機構から、「もんじゅ」廃止措置第2段階の進捗状況について説明を受け、委員より意見をいただいた。主な意見は以下のとおり。

  • 水・蒸気系等発電設備の解体撤去を安全かつ着実に進める上では、それに伴って発生する解体廃棄物も適切に取り扱う必要がある。解体廃棄物の保管、所外への搬出、将来のクリアランス測定を含め、引き続き適切に検討、対応いただきたい。
  • 過去の廃炉に係るシミュレーションから推定すると、放射線リスクの高い装置を優先的に除去しようとすると動線の確保が難しくなる。一方で、できることから着手してしまうと、多くの計画が複雑に絡み合って、最後に困難な状況に陥ってしまうことがあるため、様々な可能性を事前に検討できるかが計画に大きな影響を与える可能性がある。
  • 廃止措置を進めていく中では、未知の作業が発生する可能性もある。何が起こるか分からないことを前提に、テストをして未知の作業に潜むリスクを事前に確認するというプロセスは、廃止措置の計画を作成する上でも廃止措置の技術や知見を積み上げていく上でも重要となることから、このことも踏まえながら適切に対応いただきたい。
  • 「もんじゅ」の廃止措置を進める上では、廃止措置で先行する仏国等の知見も参考になると考えるが、先行事例を「もんじゅ」へどのように反映しているのかについても示していただきたい。


以上

お問合せ先

研究開発局 研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)付

(研究開発局 研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)付)