「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合(第13回) 議事要旨

1.日時

令和4年3月4日(金曜日)10時30分~12時00分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議で開催

3.議題

  1. 「もんじゅ」の燃料体取出し作業等について
  2. その他

4.出席者

委員

佐藤座長
井上委員
岩永委員
野口委員
樋口委員
村上委員
山口委員

文部科学省

竹田もんじゅ・ふげん廃止措置対策監
嶋崎研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)
横井核燃料サイクル推進調整官

(説明者)
日本原子力研究開発機構
 吉田理事
 森下敦賀廃止措置実証本部本部長代理
 荒井高速増殖原型炉もんじゅ所長
 長沖廃止措置推進室長

5.議事要旨

原子力機構から「もんじゅ」の燃料体取出し作業等の進捗状況について説明を受け、委員より意見をいただいた。主な意見は以下のとおり。

○ コロナ禍にもかかわらず第3キャンペーンの燃料体の処理作業(2021年5月19日~同年7月25日)が計画通り完了したことについては、これまでのトラブルも含めた経験が活かされたものでもあり、高く評価したい。
○ 廃止措置第2段階の主な作業となるナトリウムの抜き取り及び英国への搬出については、ISOタンクへの移送、港までの陸上輸送や船での海上輸送等、多岐にわたる作業がある。関係省庁としては国土交通省や、有価物として引き渡す上では経済産業省も係ることとなる。全体のプロセス及び各プロセスでの課題を整理し、調整を進めて頂きたい。
 もんじゅ内ナトリウム抜出設備、英国での処理等、検討の結果最適と考えられる方策で決められたようだが、ナトリウム搬出期間の決定も含めて、各方面からの意見を十分に踏まえた上で検討し、決定してほしい。
○ 今後、どのような廃棄物が発生し、それをどのように処理するのかを考えなければならない。眼前の作業以外にも廃棄物の処理等、長期間を要する作業が存在する。プロジェクトの管理としては、長期間を要する作業も踏まえた全体像を作り、管理していくことが大事である。また、廃棄物に関しては、定量的な話を早めに出して検討していただきたい。
○ 資料のタイトルにある通り、機構は「作業」に起因するリスクを論じているところに違和感を覚えた。作業をしていなくても地震等のリスクは存在する。作業の延長線上にリスクが存在するとの機構の考え方が、現状の機構のリスク管理の実力だと受け止めた。作業方法を変えていないところに新たなリスクは発生しないという考えは改めて頂きたい。状況は常に変化するものであり、それを踏まえてその都度、リスク評価は見直されるべきものであるとの理解の下、長期にわたる廃止措置としてのリスクマネジメントが必要である。
○ 第2段階でしゃへい体を取り出す際は、1次冷却系統3ループのナトリウムを抜き取って行うとのこと。耐震設計の観点で、原子炉容器にナトリウムがあり、1次冷却系にはナトリウムが無い状態の評価等、気になる点を徹底的に洗い出す必要がある。
○ 第4キャンペーンでは部分装荷(取り出した使用済燃料の炉心位置に模擬燃料体を装荷しない)とし、炉心管理の計算機上では仮想の模擬燃料体が入ったことにするとのこと。第2段階でしゃへい体等を全て取り出した状態でも計算機上は仮想の模擬燃料体が入った状態となるため、そのデータの消去を含め、漏れなく対応を行っていただきたい。
○ 第1段階、第2段階で行うとしている「汚染分布評価」について、この評価により汚染レベルとそれぞれの物量が把握されていくとのこと。電力会社からは、クリアランス物の確認作業等、いざやってみると大変な作業と聞く。もんじゅに関しても然るべきタイミングでその対応状況を聞かせて頂きたい。
○ 本日の機構の意見は現場目線の内容が中心であった。もちろんそれも大切な視点であるが、少し離れて全体を見るとより良く見えてくるものもある。第1、第2キャンペーンの苦労と経験が活き第3キャンペーンは上手くいったが、第4キャンペーンは確立されていない作業が多々入って来る。第3キャンペーンが上手くいったから第4キャンペーンも上手く行くと言うことにはならないため、再度の検討、確認を行ってリスクを低下させるとともに、短期長期の作業を俯瞰的に見ながら進めて頂きたい。

以上

お問合せ先

研究開発局 研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)付

(研究開発局 研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)付)