令和3年4月26日(月曜日)15時00分~16時30分
新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議で開催
佐藤座長 井上委員 岩永委員 野口委員 樋口委員 村上委員
竹田もんじゅ・ふげん廃止措置対策監 松本研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当) 横井核燃料サイクル推進調整官 (説明者) 日本原子力研究開発機構 吉田理事 森下敦賀廃止措置実証本部本部本部長代理 荒井高速増殖原型炉もんじゅ所長 長沖廃止措置推進室長
原子力機構から「もんじゅ」の燃料体取出し作業等の進捗状況について説明を受け、委員より意見をいただいた。主な意見は以下のとおり。
○ 想定事象A~C分類について、この分類で想定事象が全て包含されるのか、その事象が本当に想定されたものなのかが分からない(人為的な要因に依る事象も個別に分類できるはず)。発生した事象の原因を整理し、どのような対策を講じたのかを繰り返しながら蓄積していくいことがノウハウ形成に繋がる。今後のリスクマネジメントとして、より整理されたものを求めたい。
○ 伝送系のシステム構築、改変(制御システムの最適化)については、他の事象とも絡むことから慎重に検討した上で、措置を講じること。例えば1つのタイマー信号を変更したことで、全体のシステムに干渉するなどの大きな影響を及ぼすことがある。
○ 技術的な要件のみならず、日々の社会的要因(例えばコロナ対策や柏崎トラブル事例)を含むタイムリーなリスク検討の積み重ねが、もんじゅ組織のマネジメント向上につながる。順調に進んでいる中で、何を優先的、重点的に検討するべきか、検討したのかについてまとめること。
○ もんじゅのナトリウム移送(建屋内、建屋外搬出)に関するリスク検討については、今後の原子力規制委員会にて審議されるものと思われるが、国内処理と国外処理の場合分けも含めそれぞれの状況下において準備(構え)の仕方が変わってくる。各ステージ、各段階に応じたリスク検討を十分に重ねること。
○ もんじゅナトリウムの処理については、私見として国内を提案するが、海外で処理するパターンもあると考えられる。また、ナトリウム輸送、搬出については、ナトリウムが危険物であること、放射性物質も含まれることから、国内法令、規制体系が横断的に関わってくる。原子力機構が中心になって関係省庁とも連携しつつ対応を図る必要がある。
○ ナトリウムの取扱いはやり方次第でその危険性を低減できる。小規模でも、実験室単位で模擬し、実験出来ることはあることから、可能な範囲でそのような過程も経た上で、その知見を取り入れるとともに今後の作業や設備設計に反映してもらいたい。もんじゅにおける過去のナトリウム漏えい事故の際の対策や経験を活用していくことが重要。
○ 廃止措置第2段階の「方針A~C」については、「手続きA~C」とし、具体的手順にブレイクダウンしてもらいたい。
○ 5月からの燃料体の処理作業に際しては、これまで上手く出来た要因についても品質保証の視点に立って要因分析を行うことで、上手く出来なくなる要因を整理・分析すべきではないか。
○ 電力におけるトラブル事例や経験についても考察に取り入れていくべきだと考えられる。電力とのコミュニケーションを図るとともに、その反省、教訓をもんじゅの実施体制にも取り入れていくことが求められる。原子力規制庁以外とのコミュニケーションについても示していただきたい。
○ 燃料体の半分以上が、中の見えない炉心から見える位置に移送されたこの時期こそ、改めて注意して取り組んでもらいたい。
以上
研究開発局 研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)付