「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合(第16回) 議事要旨

1.日時

令和5年3月13日(月曜日)13時30分~15時22分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議で開催

3.議題

  1. 「もんじゅ」廃止措置第2段階の実施に向けた対応状況について
  2. その他

4.出席者

委員

佐藤座長
井上委員
岩永委員
樋口委員
野口委員
村上委員
山口委員

文部科学省

二村もんじゅ・ふげん廃止措置対策監
嶋崎研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)
横井原子力研究開発調査官

(説明者)
日本原子力研究開発機構
 渡辺理事
 森下敦賀廃止措置実証本部本部長代理
 鈴木高速増殖原型炉もんじゅ所長
 長沖高速増殖原型炉もんじゅ副所長
 佐久間廃止措置推進室長

5.議事要旨

 原子力機構から、「もんじゅ」廃止措置第2段階の実施に向けた対応状況について説明を受け、委員より意見をいただいた。主な意見は以下のとおり。

(1)廃止措置第2段階の運営方針について

  • 今後の廃止措置を進める上では非常に重要なものとなる。この方針の下、個別の作業における要点を事前に評価し、何が大事な点となるかを見出すところまでが重要なポイントとなる。具体の作業に際しては、これらの要点を事前に確認した上で実施していただきたい。
  • 運営方針では、「設備の更なる合理化による余剰リソースの創出」とされており、「余剰リソースを創出」することが合理化の目的であるとも捉えられかねない。廃止措置は効率的かつリスクの低減度合いに応じて適切に実施することが重要となるため、運営方針の中で「効率的に実施する」旨を追加するとともに、合理化に関しては「基本原則として検討する」を「基本原則とする」のように明確に示していただきたい。
  • 運営方針では、「新たな組織体制を構築」とされているが、技術実証と設備保全を確実に実施するためのものであるなど、その目的を明確に示していただきたい。
  • 運営方針の前提条件として、「プラントが保有するリスクは低下」とされているが、現在は原子炉容器内の燃料体取出しを完了したものの、燃料池中には燃料体が貯蔵されていること、プラント中にはナトリウムを保有している状態にある。この状態において、第2段階では第1段階と比較してリスクが低減しているということを定量的に示すことにより、本運営方針の策定に至る理由を説明できるようにしていただきたい。

(2)廃止措置第2段階について

  • 廃止措置第2段階以降で心配になるのは、「慣れ」である。第1段階の燃料体取出しでは、初期の段階で不具合が発生する中、緊張感をもって対応されてきたものと思うが、施設の安全性も山を越えたという誤った認識があると、確認作業や情報共有プロセスの中でエアポケットが生じかねない。作業の実施に際しては、これらの点にも注意していいただきたい。
  • 廃止措置第2段階の前半に実施予定のしゃへい体等の取出し、水・蒸気系等発電設備の解体について、第2段階の前半と後半の関係性を含め、作業に際しての具体的な検討を進めていただきたい。

(3)新たな組織体制について

  • 組織の統廃合を行う中では、過去の作業経験を有する者からの継承を基本としつつ、作業経験を有する者の下に作業補助者を充てるなど、人材の維持、技術を継承していくことが重要となる。これらの人材確保に関する内容についても明確に示していただきたい。また、今後の廃止措置の中で新たにどのような設備を導入するのか、またその操作や管理をどのように行っていくのかについても明確に示していただきたい。
  • 今般の説明において、「新たな組織体制」の職務を含め、作業員の安全に関する直接の言及は無かったが、労働安全は廃止措置作業に際しての大前提となるものである。労働安全に関する検討の優先順位を上げるとともに、作業員の安全を確保することについても明確に示していただきたい。

(4)新たな施設管理について

  • 廃止措置段階への移行に伴う保全の合理化について、自身の経験上、合理化した場合のトレードオフとして、何らかの問題が生じる可能性があるものと考える。保全の合理化に向けては、リスク管理を徹底して行うとともに、工程の進捗に応じて段階的に検討いただきたい。また、第2段階では、廃止措置として未経験の作業を実施することとなるため、具体の作業計画を検討する段階から第三者の専門家による検討も行う必要もあるのではないか。
  • 「廃止措置の全体像」(今後の廃止措置の工程表)の中で、施設管理に関する合理化の導入段階を示していただきたい。廃止措置の進捗に伴ってプラント状態も変化していくが、その際の合理化の導入段階と具体的な作業工程との関連を特定することによって、適切にリスクを見直すことが可能となるものと考える。
  • 今般の説明において、「合理化」という言葉が多用されているが、廃止措置の進捗に伴うプラント状態の変化に応じ、作業内容に合致した適切な作業体制を整備することは当然であり、そのための「適正化」を図っていただきたい。合理化・効率化を図ることも重要であるが、その際は、合理化した際のリスク評価を行う必要がある。

(5)安全文化に関する調査結果について

  • 安全文化に関する調査結果について、職員のモラルや精神衛生に係る自己評価の上昇幅が相対的に低いことが懸念されることから、職場環境の更なる向上に努めていただきたい。
  • 廃止措置を安全、確実に進める上では、職員のモラルや精神衛生に係る点もある程度の高さを維持していく必要があるが、この評価結果に至る良好事例以外の背景情報についても共有いただきたい。

(6)共通事項

  • 「廃止措置の全体像」(今後の廃止措置の工程表)について、ナトリウムや使用済燃料の搬出時期についても記載するようにしていただきたい。
  • 廃止措置に伴って発生する廃棄物の取扱いに際しては、その量や種類に関する見通しを立てつつ、安全かつ適切な貯蔵保管の方法を検討し、その結果を今後の計画の中で示していただきたい。
  • 今後、廃止措置第2段階の実施状況について確認するため、本専門家会合による現地調査の実施について、検討いただきたい。

以上

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研究開発局 研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)付

(研究開発局 研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)付)