「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合(第15回) 議事要旨
1.日時
令和4年11月11日(金曜日)10時30分~12時10分
2.場所
新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議で開催
3.議題
- 「もんじゅ」廃止措置第1段階の燃料体取出し完了について
- 「もんじゅ」廃止措置第2段階に向けた準備状況について
- その他
4.出席者
委員
佐藤座長
井上委員
岩永委員
樋口委員
村上委員
山口委員
(ご欠席の野口委員より事前にご意見聴取)
文部科学省
二村もんじゅ・ふげん廃止措置対策監
嶋崎研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)
横井原子力研究開発調査官
(説明者)
日本原子力研究開発機構
渡辺理事
森下敦賀廃止措置実証本部本部長代理
鈴木高速増殖原型炉もんじゅ所長
佐久間廃止措置推進室長
5.議事要旨
原子力機構から、「もんじゅ」廃止措置の進捗状況として、廃止措置第1段階の燃料体取出し完了と廃止措置第2段階に向けた準備状況について説明を受け、委員より意見をいただいた。主な意見は以下のとおり。
(1)「もんじゅ」廃止措置第1段階の燃料体取出し完了について
- 燃料体取出し作業について、開始当初は不具合等も発生したが、その後は順調に進捗、予定通り完了したことに対しては高く評価したい。
- 燃料体取出し作業中に発生した代表的な不具合に対して、事前のリスク検討やその対応の有効性、検討していなかった場合の原因を整理していただきたい。
- 第1段階は約5.5年の長期間であり、その間に人事異動等による作業担当者の変更もあったと思われるが、作業時やトラブル発生時はもとより、リスク評価に関するマネジメントや知見の継承が重要となる。OJTによる育成、報告書作成に携わることによる技術継承もあるが、報告書に記載することが困難なノウハウも多々あるものと推察する。廃止措置は長期間に渡る作業となるため、報告書に記載することが困難な部分も含めた作業担当者間の技術継承も継続して取り組んでいただきたい。
- 模擬燃料体の部分装荷の実施に際しては、許容偏心量に対して燃料体頂部の移動量は十分な余裕をもって小さいことを事前評価で確認するとともに、そのことを実運用において実証したことについても知見として適切に整理していただきたい。
(2)「もんじゅ」廃止措置第2段階に向けた準備状況について
- 第2段階以降の廃止措置の基本方針を「バルクナトリウムの所外搬出を可能な限り早期に完了させることにより、ナトリウム保有に伴うリスクを低減する」としており、「ナトリウムリスク」のみに着目したように見える。ナトリウムリスクは、リスクの一つとして重要であるが、基本方針としてもう少し高い目線が必要ではないか。
- 第2段階への移行に際しては、第2段階の活動におけるリスクを評価し、事前による対応の必要性や優先順位を検討していただきたい。その際、1.何をリスクとして検討するか、2.リスク分析において何処まで条件を展開するか、3.どのような順番で検討を行うか、の要点を念頭に検討いただきたい。
- 汚染の分布に関する評価については、第2段階でも継続して実施されるが、この結果によって汚染のレベルや物量が決まってくることとなる。第1段階における中間評価では、解体工事前の汚染除去の必要性は無いとされているが、その根拠となるデータも示すことが重要である。今後の会合では可能な範囲での状況説明をお願いしたい。
- 以前、もんじゅの保全プログラムの策定、運用において、学会で検討されていた軽水炉の知見の反映が限定的なものであったという反省点がある。第2段階では水・蒸気系等発電設備の解体に着手することとなるが、その際は実用発電用原子炉施設等の廃止措置時の学会標準の考え方を意識しつつ、もんじゅにおいても必要な検討や対応、学協会や電気事業者との情報交換等についても積極的に行っていただきたい。
- 放射性固体廃棄物の処理・処分については、今後の廃止措置を進める上で大変重要であり、解体準備期間から検討を進める必要があるものと考える。特にその方法の検討は、機器解体の手順や必要設備等にも関わってくることとなるため、しっかりと検討を進めていただきたい。
- ナトリウムの搬出期間として、2028年度から4年間が予定されている。この間には、常設タンクから移送用タンクへの移し替え、英国への陸上・海上輸送のルート選定や港の整備等、実施すべき事項が数多くあり、この4年間は決して長い期間ではないことから、きちんと計画を立てながら段階的、計画的に取り組んでいただきたい。
以上
研究開発局 研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)付