「もんじゅ」廃止措置評価専門家会合(第8回) 議事要旨

1.日時

平成31年4月22日(月曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 15F1会議室

3.議題

  1. 「もんじゅ」燃料取出し作業の準備状況について
  2. その他

4.出席者

委員

佐藤座長
井上委員
来馬委員
野口委員
樋口委員
村上委員
山口委員

文部科学省

木本もんじゅ・ふげん廃止措置対策監
前田核燃料サイクル推進調整官

(説明者)
日本原子力研究開発機構
伊藤理事
安部敦賀廃止措置実証本部本部長
池田敦賀廃止措置実証部門部門長代理
櫻井高速増殖原型炉もんじゅ所長代理

5.議事要旨

原子力機構からもんじゅ燃料体取出し作業の準備状況について説明を受け、委員より意見をいただいた。主な意見は以下のとおり。
○ いろいろな面でリスク管理を検討しているのは良いが、実践的にいかに適用され、いかに反映されるかが重要。
○ 30年に渡る廃止措置、技術の伝承を具体的にどうやっていくかが重要である。廃止措置に係るアーカイブはその一番の基本となる。
○ 様々な対策を通じて全体を良くしていこうとするもんじゅ側の意志を感じる一方、もんじゅが「現場でできること」を書いたという限界を感じる。
○ 「安全確保上、問題は無いことを確認した。」と述べているが、事故が無いということと、リスクが無いということは別なもので、ここは経営も含めて考え直すべき。
○ 再発事象と顕在化事象について対応を記載しているが、これは起きたことに対する対応のみであり、どこにリスクという可能性の部分が入っているかわからない。
○ 作業工程に与えるリスクが限定的となっている。オンタイムで進めるならば、どこまで目配すべきかが重要である。ただし、きちんと工程を管理して安全に進めることで良いと考える。
○ 不具合があることを前提に、実効的な工程を組むことは良い。
○ 2直に移行するために、どんなリスクの洗い出しがあって、それに対して6日間の2直で何が確認・検証できたという報告がないと、問題の全体枠がわからないので、何日か試したことをもってこれからも上手くいくと言われても、そのまま受け取ることは難しい。
○ リスク顕在化時の初動対応として、保安体制に基づく対応で済まされているのが気になる。機構の中では、保安体制を設けていたが法令報告となった場合もあるので、保安体制があるから良いというものではない。また、訓練についても、どういう事象まで訓練の対象としているかがわからない。そういうことを踏まえてどこまで前広に考えているかがリスクマネジメントの改善の報告だと思う。
○ 不具合があっても計画通り進めたいと受け取れるようにも読め、現場に誤解を与える。不具合が起きた場合に工程ありきではないことを幹部が現場の作業員に対して理解してもらうことが重要。
○ リスクは完全に防止できるものではないので、不具合が起きた場合にその影響を最小限にとどめる意識を現場作業員に理解してもらうことが重要。
○ 経済合理性がどうなっているかが、気になる。他の産業では、対策に対する効果に対してギリギリのところで進めている。ここでは、計画通り進めるために、コストに対して負担をかけているはずで、費用対効果について納得のできる説明が必要。
○ 炉心に燃料が残っていることが、もんじゅの場合に最大のリスクであり、それを可能な限り速やかに取り出すという目的を毎回確認することが重要である。
○ リスクコミュニケーションでは何を伝えるのか、重要事象以外の事象に対して安全上はどういう意味があって、トラブルの質はどういうものかをしっかり説明する等、リスクコミュニケーションをしっかりと行う必要がある。
○ リスク上重要でないものを外して、資源を必要なところに充当することがリスクマネジメントの重要なアウトプット。リソースを再配分して、PDCAを回しながら安全性確保と、効率性や経済性向上に結び付けるというのがエッセンス。加えてモニタリングも重要なポイントである。
○ 工程の話が外に出ていくと、今後の予定はいつ終わるのか、といった形に単純化されていくので、しっかり内容を説明していくことが重要。
○ 訓練の説明も重要。訓練内容を公開することで理解が得られ安心感が得られる。

<まとめ>
○ 廃止措置は、一つの開発と同じ。機構は原子力の技術の総本山であり、そこがナトリウムの設備を廃止措置していくにあたっては、単なる作業としてリスクマネジメントするのではなく、そこから得られる知見は何かということを科学技術的に考えながらきちんと進めてもらいたい。リスクマネジメントの手法について科学的に考え、努力が全てを解決するような形でなく、合理的にやっていただきたい。
○ 燃料体取出しまでにまだ時間があるので、今日のコメントを踏まえてリスクマネジメントを考えていただきたい。


以上

お問合せ先

研究開発局 研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)付

(研究開発局 研究開発戦略官(核燃料サイクル・廃止措置担当)付)