資料1 海洋分野における国家基幹技術検討委員会(第1回)において委員より提起された論点の整理(事務局まとめ)

【1.国家基幹技術の考え方】

  • システム化も重要だが、それを支える基盤技術と基礎研究も重要
  • 経済効果を最大にするため、単なる技術開発に終わらせるのではなく、国家として海洋産業を戦略的に育成することを第一とすべき
  • アウトプットは海洋分野でも良いが、それを支えるのは海洋分野だけではないので、全ての分野や全産業を視野に入れ考えるべき
  • 技術が「調査・研究開発」に傾いており、より産業・出口を意識した技術にも目を向けることが重要
  • 「国家基幹技術」として、国が責任をもって保有し、産業利用や安全・安心等の観点から国家の存立・発展に役立ち、幅広く活用される基盤技術であることが重要
  • 海洋産業を10年後にどのようにするのか、国家的に宣言すべき
  • 海洋資源、地震観測等の個々の目的だけではなく、国際展開等につなげるべくより大きなビジョンでシステムを開発することが重要
  • システム化・統合化は、ハードウェアだけでなくソフトも含めて考え、また、具体的な目標設定が必要

【2.目指すべき技術】

  • メタンハイドレート、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラストなどの未開発の非在来型資源について、これを有効に活用できる基盤技術。我が国の特色を生かしたデファクトスタンダードの技術とすることができる
  • 近年新たに存在が確認された海底下生命圏の調査・保全技術
  • 我が国が後れをとっているサブシー技術を確立するための包括的な研究プラットフォーム
  • 深海域に自在にアクセスするために必要な7000mを超える深度のROVや有人潜水調査船
  • 環境への影響等を観測する技術
  • 海面から深海底の全てで調査観測、作業が可能となる技術

【3.技術開発のための体制整備】

  • 技術開発を産業化につなげるには、産業界と大学が連携できる体制整備が必要
  • 民間が積極的に研究開発に投資できる体制づくりをすべき
  • 民間もリスクを共有し、緊張感を保つことが必要
  • 基礎技術に関するビジョンを明確にすべき
  • 基礎研究を国が支えるべき
  • 国のインフラとして産業界や省庁をまたいだ運用システムが必要
  • 短期的に商業生産に結びつけるのは難しいかもしれないが、日本国内に実践の場を設けることができれば、技術やノウハウを蓄積することができる
  • 我が国のEEZ内の海洋開発はすぐ産業化には結びつかず民間では対応できないため、海外の石油・天然ガスの開発を通じて技術を蓄積することも検討すべき
  • 蓄積される様々な技術やノウハウをどの機関に蓄積するかが重要
  • 船体に搭載する機器に関して欧米が強いのは、海底油田等のフィールドがあるためであり、我が国の場合にもメタンハイドレート等フィールドを活用し、技術さえしっかりと確立できれば、産業化が期待できるのではないか
  • 日本が諸外国に後れをとっている要因は、「マンパワー不足」「設備不足」「リスクをとる余裕がない」「ファイナンス面での支援の不足」「チャレンジを支える仕組みが不十分」
  • 若者がプロジェクトに参画して育成されるプロジェクトマネジメントが重要

【4.人材育成関連】

  • 産業界はスピード感を求めており、人材「育成」だけではなく人材「供給」の面も考えるべき
  • 若い技術者等を育成するには、希望を持てるような具体的な目標設定が重要
  • 技術者育成や運用するオペレータの養成をどのようにしていくかも重要
  • 海洋分野における人材養成は個別に行われているケースが多いので、組織的に実施すべき
  • 人材育成に当たっては、具体的に現場に行って、技術を実際に見て、触って、持って帰ってくることが重要
  • グローバルに人材を輩出することが重要
  • 国家基幹技術は多様な技術で成り立つものであるため、これらを総合的に理解し、目的に応じて様々な技術を組み合わせることができる総合エンジニアリング能力が必要
  • 韓国は国を挙げて海洋分野の技術開発に取り組んでおり、多数の学生が関わっている。我が国も「海洋立国をオールジャパンで実現する」という目標を国として掲げるべき

【5.その他 検討の進め方】

  • システムを構成する要素技術等にも厳しい品質管理が求められ、難しい技術的課題が存在することもあるので、要素技術の洗い出しが必要で、技術の横の広がりを把握すべき
  • 単に必要な技術のリストアップではなく、機動的に形を変えながら使っていく、運用の在り方なども議論が必要

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