「原子力損害の賠償に関する法律」(以下「原賠法」という。)第24条及び第25条においては原子力事業者又はその職員に対する罰則規定が置かれ、また、第26条には法人に対する両罰規定が置かれている。これまで、その量刑については、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(以下「原子炉等規制法」という。)とのバランスを考慮して改定されてきた。
原子力事業者又はその職員が、損害賠償措置を講じることなく原子炉の運転等を行った場合における罰則
原子力事業者又はその職員が、行政庁からの報告徴収に違反した場合や立入検査を妨害した場合における罰則
原賠法第24条・第25条に係る従業者(法人の代表者又は法人若しくは人の代理人・使用人その他の従業者)の違反行為があった場合に、自然人である行為者を罰するほかに、原子炉等規制法上の許可を受けて原子炉の運転等を行う事業主としての原子力事業者(法人又は人)も罰することとする両罰規定。
(現行法では、原賠法第24条・第25条の罰金額と同等としている。)
原賠法 | 対応する原子炉等規制法の罰則規定(平成14年改正) | |
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罰則の対象 | 現行の罰則(平成元年改正) | |
<第24条関連>
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1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金 | 1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金(さらに、原子力事業者に対しては法人重課1億円(注)) |
<第25条関連>
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20万円以下の罰金 | 100万円以下の罰金(さらに、原子力事業者に対しては法人重課1億円(注)) |
(注)原子力発電所の自主点検記録等の不正に係わる事案を受けた、原子炉等規制法の改正(平成14年)により、組織的な不正を抑制するため、法人重課制度が導入。ただし、試験研究等設置者・核燃料物質使用者については、業としての施設運転による経済的利益を得ることを想定しないため、法人重課の非対象とされた。
罰則規定の見直しにおいては、これまでとおり、違反行為を行った者に対する罰則の水準について、最近の原子炉等規制法の改正を踏まえ、バランスをとってその水準を引き上げることが適当と考える。
なお、両罰規定の罰則においては、原子力損害賠償制度においては、組織的な違反行為の可能性が非常に低いことなどを考慮し、法人重課制度は導入しないことが適当と考える。
研究開発局原子力計画課