参考資料1 保険法の制定に伴う原子力損害賠償制度の改正等について

(1)新保険法の概要

  先の通常国会において、商法から保険契約に関する規定を削除し、保険契約一般を規律する「保険法」及び「保険法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律」が成立し、6月6日に公布された。施行は、公布の日から起算して2年(平成22年6月5日)を超えない範囲内において政令で定める日。

(2)原子力損害賠償制度の改正等について

  原子力損害賠償制度では、民間責任保険契約については、商法の保険契約に関する規定が適用されるとともに、特別な規律が必要な事項は「原子力損害の賠償に関する法律」に独自の規定が置かれ、また、政府補償契約については、商行為ではないものの保険に類似する性質を踏まえ、「原子力損害賠償補償契約に関する法律」に商法の規定に準拠した規定が設けられていたところ。
  このため、「保険法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律」において、保険法で従来の商法の規定を変更した部分について「原子力損害賠償補償契約に関する法律」の所要の改正を行った(新旧対照表を参照)。
  また、責任保険契約についての先取特権(保険法第22条)が一般的に創設されたことに伴っては、原子力損害賠償制度における民間責任保険契約の特殊性を考慮し、現行の制度を維持することとした(比較対照表を参照)。

1.補償金の支払を受ける権利の消滅時効の延長(補償契約法第11条の改正)

  保険法第95条では、保険金支払請求権に係る消滅時効について、現行商法に規定する2年から3年に延長。原子力事業者が政府補償契約の補償金の支払を受ける権利に係る消滅時効についても、同様に3年に延長した。

2.政府による求償権の代位取得の範囲の明確化等(補償契約法第12条の改正)

  保険法第25条第1項では、保険給付を行った保険者が、保険事故により被保険者が取得する債権(損害賠償請求権等)を代位取得する範囲について、(1)保険給付の額と(2)損害賠償請求権等の額の少ない額を限度となるよう、現行の商法の規定を見直して明確化。補償金の支払を行う者としての政府による求償権の代位取得は、事故による被保険者の利得を認めない保険制度に倣った仕組みであり、同様の改正を行った。

3.責任保険契約の先取特権(原賠法第9条:改正せず)

  保険法第22条は、責任保険の保険金請求権に係る先取特権を一般的に創設する一方、第3項但書きでは、被保険者が例外的に保険給付請求権の譲渡等の処分を行うことができる場合について、原賠法と異なり、被害者を害さない範囲で広く規定。しかし、原子力損害の被害者は一定の短期間に多数生じるため、その公平・迅速な救済を確保する観点から、原子力事業者による保険金請求権の処分については、被害者による差押え以外の処分を認めない現行制度を維持した。

  原子力損害賠償制度では、従来から、損害賠償請求権を有する被害者に民間責任保険契約の保険金の優先弁済権が認められ、その効力・権利の実現については動産先取特権に準じて解釈されており、上記の保険金請求権の処分事由を除いては、保険法による責任保険契約の保険金請求権の先取特権と相違ない。

お問合せ先

研究開発局原子力計画課

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-- 登録:平成21年以前 --