原子力損害賠償制度の在り方に関する検討会(第4回) 議事録

1.日時

平成20年8月7日(木曜日) 10時~12時

2.場所

文部科学省東館 6F3会議室(文部科学省6階)

3.議題

  1. 原子力損害の賠償に関する法律の改正事項について
  2. 原子力損害賠償に関する国際条約への対応の方向性について

4.配付資料

  • 資料4‐1 原子力損害の賠償に関する法律の改正事項について(前回までのまとめ)
  • 資料4‐2 前回改正時に提起された検討課題について(案)
  • 資料4‐3 原子力損害賠償補償契約等に係る業務の円滑な運営の確保について
  • 資料4‐4 原子力損害賠償に関する国際条約への対応の方向性について
  • 資料4‐5 今後の検討会の進め方について(案)
  • 参考資料1 保険法の制定に伴う原子力損害賠償制度の改正等について
  • 参考資料2 保険法条文

5.議事

【野村座長】
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第4回の原子力損害賠償制度の在り方に関する検討会を開催いたします。
 本日は、委員13名のうち、10名の方にご出席いただいておりまして、谷川、下山両先生にもご出席いただいております。後ほど新しい審議官と局長にもご出席いただくことになっていますので、一言ご挨拶をお願いしようと思っております。
 続きまして、配付資料の確認をいたしますので、事務局からお願いいたします。

【山野原子力計画課長】
 新しい局長と審議官が、ただ今、組閣のタイミングもあってドタバタしておりまして、12時までには参りますので、よろしくお願いします。
 今日の議事次第を見てもらえばわかりますように、メインは急いで検討しなければならない法律事項関係を中心に、4‐1から4‐3まで資料を用意してございます。あと、もう一つの議題としましては、国際条約への対応ということで4‐4、また、今後の検討の進め方ということで4‐5、また保険法の改正に伴うものとして参考資料の1と2があります。個々には確認しませんが、過不足がありましたらその都度言ってもらえば対応いたします。
 また、あわせて席上には前回の議事録を配っていますが、後ほどお読みいただきまして、何かありましたら1週間以内に事務局に言っていただければ適宜修正いたします。
 以上でございます。

【野村座長】
 それでは、早速、議題1に入りたいと思いますが、議題1は原子力損害の賠償に関する法律の改正事項についてということで、前回、第3回の検討会までに議論してきました内容をまとめるとともに、それ以外に制度改正が必要なことについて、10年前の改正時に提起されていた課題等を整理したいと思います。これまでの議論と重なるところもありますけれども、事務局の説明をお願いいたします。

【山野原子力計画課長】
 まず、資料4‐1でございます。これは前回までの議論をまとめたということなので、内容は個々細かにはご説明しません。
 まず、第1のポイントは法律の適用期間の延長ということでございます。これにつきましては、法律の一部の規定、政府の補償契約の締結と、政府が援助するという規定につきましては、現行の法律ではその適用が平成21年度末ということになってございます。ということなので、これを延長する必要がございますが、理由は資料に色々書いておりますとおりで、従来と同様に適用期限を10年延長したらどうかということでございます。
 第2のポイントは、補償措置額の見直しということでございます。これにつきましてはご案内のとおり、法律では原子力発電所と再処理工場を念頭に600億円ということを定めているわけでございますが、それにつきまして、今、国際的な情勢としてパリ条約の改正で7億ユーロにまで引き上げられていますから、そこを勘案しながら1,200億程度に引き上げたらどうかということでございます。あわせて少額特例のあり方、解体中の原子炉のあり方と、あと、何度も言われておりますが、政府との補償契約についての補償料率の引き下げについて、政令事項でございますが、引き続き検討するということでございます。
 説明につきましては、資料にありますように今までも国際水準でありますとか、民間の責任保険の引き受け能力等を勘案して設定されてきたということでございます。それで、2004年にパリ条約が改正されて、今、最新の状況ではヨーロッパの主要先進国間は7億ユーロということで、それぞれ国内で法改正などが進められているということでございます。ですから、国内法のそういう改正とあわせまして、ヨーロッパの主要国では民間の保険会社レベルにおいて7億ユーロを念頭に置いた再保険市場が整いつつある状況がございます。
 そういうことなので、我が国の保険会社の引き受け能力、例えば1,200億円相当でできるかどうかということをちゃんと確認した上でということなのですが、その程度まで引き上げることが妥当であろうと考えるということでございます。
 また、この引き上げにあわせまして、前回までご説明しましたように、加工とか使用のような少額特例のあり方ということで、現行20億円、120億円という2段階あるわけでございますが、それにつきましても対応して上げていくということなのですが、その際にはJCOのときの実際上の賠償総額であるとか、そういう国際的な動向なども見ながら、さらに詳細を詰めていきたいということでございます。
 2番目の解体中の原子炉のあり方ということにつきましては、今までは解体中であって、使用済燃料がもうなくなっても600億は600億としていたわけですが、平成17年の原子炉等規制法の改正において廃止の規制のあり方などの色々な合理化も進んできた。そういう状況を踏まえながら、使用済燃料が炉から取り出されたとか、サイトに存在しないとか、そういう段階を踏まえて合理的な少額特例の創設について検討したいということでございます。
 また、補償料率につきましては、これは昭和30年代から1万分の5ということで一度も変えたことがないのですが、近年のリスク評価であるとか、保険料の動向などを踏まえて、この際、引き下げについても検討したいということでございます。
 第3のポイントが罰則の厳格化ということでございますが、これにつきましては今まで安全規制のほうの炉規制法の罰則と平仄をとりながら考えてきております。それで、原子炉等規制法の世界では、平成14年に原子力発電所などの不正事件があったということから、罰則の引き上げが行われてございます。そういうことも踏まえて、炉規法との水準を勘案して、今後、引き上げたらどうかということでございます。
 ちなみに、次のページにこれまでの経緯がありますが、原子炉等規制法ので見直しがあると、それに合わせてその次の原賠法見直しのときに平仄を合わせてきている状況があるということですから、当然、法務省などとも相談しないといけませんが、今回の見直しに合わせて引き上げを考えたらどうかということでございます。
 次の第4のポイントが国の措置及び紛争審査会の所掌の見直しということでございますが、これも前回に議論しましたように、非常に多数の案件が一度に出てくるというようなことですから、そういう損害に関する全体像をまず早くマクロに把握するということとか、あと、1件1件よりも同一の案件とかについての賠償に当たっての基本的考え方を提示するというような機能が重要であろうと。そういうところは現実問題としては国がきちんとやるべきではなかろうかということでございます。それをやろうとすると、やっぱり既存の組織として紛争審査会というのがあるわけですから、その機能強化を考えたらどうかという提案でございます。
 説明は下のほうにありますとおり、原子力損害が発生した場合には、まず早期に全体像を把握して、それに基づいて賠償の基本的考え方などを示していくということが実効的でなかろうかということでございます。原子力損害は短期間に多数の案件が出てくるわけでございますから、個別案件もさることながら、まず、同一の原因から生じた損害全体について共通して適用できるような考え方を示していくことが重要であると。これにつきましては従来から議論がありますように、JCOの際には原子力損害調査研究会というものがアドホックにできて、そこがそういう機能を果たしてきたということなのですが、そういう機能をきちんと今後とも何らかの形で動くように位置づけていったらどうかというような考え方でございます。
 それで、誰がやるかとなると、常識的にはやっぱり国がやるのが適当であろうということでございます。それで、国がやるとなるとどうかとなると、次の4ページにございますけれども、こういうことをやろうとするとかなり中立性ということが重要であるとか、法律とか、医療とか、そういう専門的な知見が必要である。また、新たな組織を何か作るということは今の行革の流れからはなかなか難しいので、既存の機関を活用することが望ましいであろうということ。また、紛争審査会の機能としての業務との類似性もあるということから、そこを上手に使っていくというのが実際的ではなかろうかということでございます。ただ、それにあわせて、当然、内部組織であるとか、名称とか、そういうことは引き続き検討したいということでございます。
 あわせて、そういう業務をするに当たって、実際上、保険会社の協力を得るということが非常に現実的かつ不可欠だと思いますので、それにつきましても考えたらどうかというのを後ほど資料4‐3で少し用意してございますが、そういうことも今日提案したいと思っています。簡単な説明でございますが、今までのことをまとめると、法律事項として考えていくのはこんなところかなというようなことでございます。
 説明は以上でございます。

【野村座長】
 大体、ほぼ合意をいただいているかと思いますけれども、取りまとめということで、具体的な重要なところは四角で囲って4点にわたってまとめてございますので、このそれぞれについてご意見がございましたらお願いしたいと思います。
 どうぞ、廣江委員。

【廣江委員】
 電気事業連合会の廣江でございます。ありがとうございます。今回のご提案につきましては、基本的には国際条約の動向も踏まえた動きということでございますので、基本的には私どもこういうことで結構かなと、このように考えております。ただ、これも前回、申し上げましたけれども、基本的に何らかの措置をするとなれば、これはもう原子力保険プールさんがこれを受け入れていただくということがないと対応できないわけでありますので、従来以上に透明性かつ合理性の高い算定方法で負担額が一定の範囲におさまるということでぜひお願いしたいなと思います。
 それから、政府の補償契約のほうにつきましては、これも先般も申し上げましたが、いろいろ私ども業界、費用負担が増えておりますので、燃料費の負担も非常に大変なときでございますので、ぜひ今回、先般お願いしましたことにつきましてさらに踏み込んだ表現にしていただいておりまして大変感謝しておりますが、ぜひお客様の負担が軽減されるような検討を積極的に進めていただきたいと思います。ありがとうございました。

【野村座長】
 ほかにご意見、いかがでしょうか。
 では、原委員。

【原委員】
 では、一言、原子力保険プールの原でございます。今、お話がございましたが、我々としてもご協力するにはやぶさかではないのですけれども、ご承知のとおり日本のプールだけでは1,200億円、満足させることができませんので、海外の同じようなプールから調達してこなければいけない。そういう意味では、それなりに条件がございまして、基本的には現在と同じ補償範囲、担保範囲というか、それを前提に、しかも、一定程度、海外のプールの皆さんが納得いただけるような保険料水準、それを前提に1,200億円まで上げるということを検討させていただきたいと思っております。
 以上でございます。

【野村座長】
 ほかにご意見。谷川先生、どうぞ。

【谷川顧問】
 全く中身に関係のない話なのですが、2ページの第3の前のパラグラフ、補償契約の補償料率の引き下げと書いてあるんだけれども、今、料率1本でしているのは、これは見直せということなので、今の状態を前提にして「引き下げ」と言われると、一律引き下げのような印象を受けるので、これは言葉を交渉戦術上も考えておいたほうがいいのではないか。
 それから、3ページの、これも言葉の問題、第4の見出しの頭、「国の措置及び」と、いきなり「国の措置」と来るんだけれども、国の措置というと、一般に理解されている概念と、ここで使っている概念とは全然別な概念で使っているから、これは何か言葉を工夫したほうがいい。それだけです。
 以上です。

【山野原子力計画課長】
 分かりました。

【野村座長】
 ほかにご意見、いかがでしょうか。内容については特にご意見、よろしいでしょうか。
 それでは、今、谷川先生からご指摘の文言の点は、事務局のほうでお考えいただくということで、基本的に期限の延長については従来同様10年とすると。それから、賠償の措置額については、先ほど原委員からもご発言がございましたけれども、原子力保険プールにおいて引き受け能力を確認することを条件として1,200億円へ引き上げるということで、それから、少額の特例措置、補償料率のあり方については、なお検討を継続する。それから、罰則については炉規法との均衡で罰金を引き上げるという方向で見直すということですね。それから、4番目に原子力損害の全体像を把握すること、賠償の基本的な考え方を提示することについて国の責任において行うということで、その際の調査審議は紛争審査会に行わせる方向で考えるということで、これ以外については、なお今後検討を継続するという、大体そんなまとめでよろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、次に前回改正時に提起された検討課題についてということで、これもまず事務局からご説明をお願いいたします。

【山野原子力計画課長】
 前回、ほぼ10年前に同じような専門部会の場で議論されたという中で、今後、検討すべしと書かれていた事項が2つぐらいございまして、それについての考え方をもう一度整理したいということでございます。その1つ目は、RI関係の損害をどうするかということなのですが、前回のレポートではRIによる損害についても、そういう原賠措置を要するかどうか、ちゃんと検討して、必要であれば加えたらどうかというようなトーンの記載がございます。整理してみますと、まず現状の事実関係としましては、国際的な相場観を見たときに、ウィーンとか、パリとか、CSCの原賠の条約の世界ではRIによる損害というのは入れていないという1つの国際的な相場観があるということでございます。
 それはどうしてかというと、2に書いていますが、RIというのは核燃料物質と異なって、まず、臨界事故がないということが一番大きな特徴で、一遍に中性子が360度放出されるというような大規模、集団的な損害というものが想定されないということではなかろうかと思います。それで、当然、RIであったとしても、作業員が被曝することはあり得るわけですが、そういう場合の被害者の救済という意味では、一般的な損害賠償であるとか労災などで十分対応できるのではないかということでございます。
 ちなみに、同様な考え方で原子力災害対策特別措置法の中でもRIというのは取り扱っていなくて、まさに原賠が対象としているものと同じような感じで炉規法の世界の核燃料物質関係だけを対象としてございます。あと、ここ10年ぐらいでRI関係でどんなトラブルがあったかというのを列挙していますが、ここにありますように、それぞれ当然軽微なもので、大規模な損害賠償が必要となることは起きておりません。
 そういうことを勘案しますと、(3)でございますが、RIにおける損害については現行どおり一般の不法行為責任制度に委ねることで、特段原子力賠償制度に入れる必要はないのではないかということで考えたらどうかという提案でございます。
 2つ目の課題としましては、除斥期間というのがあるわけでございますが、これにつきましては、我が国の場合には原賠法に特段の規定がないものですから、実態上は民法の規定に基づきまして、20年の除斥期間が適用されているというようなことでございます。当時のレポートでは、国際動向などを見ながら、死亡とか身体障害などについては30年としたらどうかという提案がされていたわけでございます。
 それで、現状を見ますと、国際動向としましては、ウィーン条約、パリ条約では普通の損害については10年ということなのですが、死亡とか身体の障害は30年というような規定になってございます。また、CSC条約の中では、これは10年ということで、それぞれの国でもっと長い期間を整備するのは可能というような規定になっているということでございます。
 それと、2つ目のポイントとしまして、国内の動向はどうか。民法の規定は20年ということになっているわけでございますが、最近の裁判例を色々見てみますと、除斥期間の起算点は、後発性の損害の場合には、まさにその損害が発生したときということで、民法の文言上20年ということなのですが、実態上はもう少し長い運用になってきているということでございます。ここにありますように最近のB型肝炎とか、水俣病のように、通常の場合には加害行為が起こったときを起算点にしているわけですが、損害の性質上、相当期間が経過した後に実際の損害が発生した場合には、損害が発生した時点が除斥期間の起算点となるという判例が出てきている事実がございます。
 そういうことから、現行の除斥期間については、最近のそういう民法の適用を踏まえると、被害者保護という観点からは十分確保されているというようなことになっていますし、今の原賠法でも10年を経過した場合には補償契約で対応するということになっているわけでございますので、今、民法と異なる特例として原賠だけ少し違う制度を設ける必要はないのではないかというのが提案でございます。
 説明は以上でございます。

【野村座長】
 それでは、これについてもご意見をお願いしたいと思いますけれども、RIの問題と除斥期間と2つについて、どちらでもご自由にご発言をお願いします。
 道垣内委員、どうぞ。

【道垣内委員】
 RIについて実態を全然存じ上げないのですけれども、原賠法適用対象となる廃棄物と一緒に処分されるので、措置額のほうはよいというのはわかるのですけれども、実際に何か事故が起こったときに、その責任主体は誰なのかということについては2つ以上の責任主体が生ずることがあり得るということでしょうか。

【山野原子力計画課長】
 いえ、ここは実態論を言うと、事業者としては原子力機構ということです。それが実際埋める廃棄物としては、そういう核燃料から起因するものもあれば、RIから起因するものも同じところで埋めますから、そこでもしも何かあったときには、原子力事業者としては原子力機構が損害賠償するという形になります。

【道垣内委員】
 ええ、そうなのですけれども、例えば地中処分をするときの土木工事をした会社の重大な過失とかがあって、その土地が異常に巨大ではない地震によって隆起して流れ出てしまったというときに、その土木工事をした会社の責任というのはRIについてはあるということですか。RIについては特別な措置をとる必要はないので、民法に委ねるので、土木事業者の責任はあり得ると、そういう整理なのですか。

【山野原子力計画課長】
 厳密に言うと、そういう世界はクリアになっていない--クリアになっていないというか、おっしゃるようなことが残るということなんですね。ただ、現実問題としては、ある意味で言うと、廃棄物としては一緒くたになって集められていますから。

【道垣内委員】
 一緒というのが実態はわかるのですが、混ぜてしまうわけではないと思うので、区画のこのあたりにはRIが埋まっており、違うあたりには対象物が埋まっていると、多分、そういう状況だと思うので、それは民法の世界ですかね。

【谷川顧問】
 問題になるというのも、無過失責任がかかるということと、それから、責任集中というか、プロダクト・ライアビリティーの遮断の問題がどう扱われるのかという、その辺が問題なので、臨界事故の可能性がないとか、大規模に生じないからというのは、それは一応、理屈に、説明にはなっているのかもしらんけれども、例えば国際動向のところがRIによる損害が原子力損害に含まれていないというのは、これは当たり前なので、この制度としての原子力損害という定義をしているだけであって、最初からそれは頭の中にRIはないんだから、定義の中へ入ってくるわけがない。だから、国際条約だってそうではないかというのは全然問題点にフィットしていないんだよな。答えになっていない。

【山野原子力計画課長】
 だから、おそらくもう少しクリアにしないといけないと思いますが、おそらく明らかに、まずRIだけであれば、臨界事故が起こらないというのはもう明確なので、だから、そういう大規模多数というのはやっぱりないということで、核燃料の世界とはやっぱり違うということだと思うんですね。それは何かあった場合には、特別なそういう措置はないけれども、一般的なそういう労災であるとか、賠償制度でやるんだと。そういうことをもう少し上手に説明できればいいのではないかなと思うのですが。もう少しフィロソフィーをきちんと明確にしたいと思います。

【野村委員】
 科学的にというか、安全という観点から考えた場合に、原子力施設の安全ということを考えた場合に、我々は臨界、閉じ込め、遮蔽というこの3本柱を性能としてチェックをするし、安全審査も受けるわけですが、核燃料関係の施設と、それからRI施設の最大の違いは、先ほど課長もおっしゃいましたが、臨界事故が一方はあり得るし、一方はないと。したがって、臨界事故というのが多分一番大きい影響を与えるという観点からすれば、そこが大きい違い、科学的に大きい違いだというのは大きい1つの理由になるんだと思います。
 ただ、細かく詰めていきますと、それでは臨界以下の核燃料物質を持っているところはどうかという細かい議論になりますけれども、法体系としては、大括りとして核燃料関連施設を原子力等規制法の中でかけるということでいいのかなというふうに私は思いますが。

【野村座長】
 ほかにいかがでしょうか。除斥期間のほうについてはどうでしょうか。ここでは特に規定を設けないという。判例理論というのは裁判になってみないとわからないというのがあって、少し不確かなところが残ると言えば残るんですよね。

【谷川顧問】
 一般論として議論しているときは、この議論でまあ、おさまるのかなという気はするんだけれども、後で出てくる、条約との関連が出てきたときに抵触の問題はこれでおさめておいて、抵触の問題、それでないのかなと、そこで問題が残る可能性がありますよということだけ言っておきたい。

【山野原子力計画課長】
 そこを言うと、後で少し議論しますけれども、条約のほうも現実的に考えていくのはCSCだろうとなると、条約等の関係もないということが前提にあるんですけれども、それはパリ条約とかウィーン条約とか考えるとすると、どうしても30年という規定があるわけですから、やっぱり少し考慮しないといけないというのは出てくるのですが、そういうことも少し背景にはあります。

【野村座長】
 どうぞ。

【藤田委員】
 (3)の対応の最後の3行は、どういう意味でしょうか。ここで何で出てくるのか。

【山野原子力計画課長】
 ああ、まあ、確かにそうかもしれません。

【藤田委員】
 つながりがわからないという意味なんですけれども。

【山野原子力計画課長】
 10年経過した場合には補償契約で対応するというのが明確になっているから、晩発性の損害というのも念頭に置かれていますということです。

【藤田委員】
 10年だし、議論しているのは20年の除斥期間だし、何のことかわからなかったんですけどね。

【山野原子力計画課長】
 そうかもしれない。

【野村座長】
 ほかにご意見、いかがでしょうか。
 それでは、これについては、RIについてはいろいろご意見をいただきましたけれども、現行どおり原子力損害の対象とはしないということで、説明は若干訂正の必要があるかと思います。

【四元委員】
 すみません、検討課題は大体出そろったということになりますか。

【山野原子力計画課長】
 今さっきの4‐1というのは大体これで出そろっているということになっています。

【四元委員】
 それで、10年前の検討事項の中で個別にピックアップしたのがこれ。

【山野原子力計画課長】
 そうです。あと、追加的に4‐3でもう少し考えられるのではないかというのが出てきます。

【四元委員】
 それで大体拾っていらっしゃるということですか。

【山野原子力計画課長】
 法律事項はそうかなと思っています。

【四元委員】
 すみません。はい。

【野村座長】
 一番頭の枠が法律の改正事項という、その枠の中での議論ということで、ですから、前回改正時に提起された検討課題というのも、法律改正事項として問題になる点をピックアップしているという構造になっています。よろしいでしょうか。
 それでは、このRIと除斥期間についても、前者については原子力損害の対象とはしないということで、除斥期間についても特に民法と異なる規定を設けないということでまとめていただいたということでよろしいでしょうか。
 それでは、次に3番目の原子力損害賠償補償契約等に係る業務の円滑な運営の確保についてということで、これについても課長から、まずご説明をお願いいたします。

【山野原子力計画課長】
 資料4‐3でございます。内容としては新しくないのですが、法律関係としては少し新しい話でございます。1.にありますように、これまで議論してきましたように、国の役割として、さっき言いましたような全体像を把握するとか、損害に対する基本的な考え方を提示するというようなことを考えていくとか、あと、そういう政府の補償契約についてでございますが、この資料にないような話をわかりやすく言うと、責任保険は保険プールさんが契約しているわけですから、色々な損害認定や何やらというのは保険プールさんがやるということなのですが、政府の契約は何かあったときには文科省なり、財務省なども協力するんでしょうけれども、国がそういう損害認定とか補償額幾らとか、そういうことをやらないといけないことになるわけでございまして、JCO事故後の保険プールさんの対応を振り返れば、そういうときにはどうしても保険会社との協力がないとやっぱりできないところはできないのではないかという懸念があるわけでございます。
 そこは突然何かあってから考えるのではおそらく現実的には動かないのではないかということで、いろいろなマニュアルとかでやるものの、きちんと手当が要るとしたほうがいいのではないかなということで最近少し勉強したところでございます。そうなると、保険業法というのがあって、かなり制約があるわけでございます。この条文が色々ついていますけれども、例えば3ページ目の保険業法の100条というのがありまして、他業の制約というのがあって、保険会社はこの保険業法で言う97条とかの業務及び他の法律により行う業務のほか、他の業務を行うことはできないと、そのような規定があるわけでございます。
 それで、現実的に他の法律によって行う業務ということで、今、規定されているのは、この3ページ目のその下にありますように、自賠責の関係であるわけでございまして、自賠責の72条に、政府は事故を起こした車の保有者が明らかでないために、被害者が誰に請求したらいいかわからないというようなときには政府はその損害をてん補するというような規定があるわけでございます。それで、そういう事故につきまして、業務の委託というのが77条にあって、政府は政令の定めるところによって、そういう業務の一部を保険会社に委託することができるということをやることによって、この自賠責の場合には業務を保険会社に委託することができるというような規定で、保険業法との関係で保険会社が手伝えるということを法律上きちんと担保しているというようなことがあるわけでございます。
 ということなので、我々が考えていることがそういう法律まで合わせてやるような話なのか、実態上できる話なのかは当然あるのですが、やっぱり現実問題として考えた場合に、政府補償契約の査定業務みたいなものはなかなか国の一般職員でやれといってもおそらく現実的にはワーカブルではないと思いますので、そういう機能を保険業法上の例外規定として法律上明確に位置づけるというのが一番ストロングスタイルとしてあるわけでございますが、そういうことについてきちんと検討したらどうかという提案でございます。
 これについては少し金融庁とかにもワンタッチしましたけれども、きちんと理由があってきちんとした業務があるのであれば別に考えられますよということで、そこは当然色々なハードルがあるのは、今、例外規定であるのはそういう自賠責だけなので、当然、保険プールが嫌だと言われれば話も始まらないし、現実問題として国が実質上査定して、幾ら事業者に払うのかというのを細かに詰めるなんていうのはなかなか保険会社に協力してもらわないとできないかなというような提案でございます。こういうことを考えたらどうかなということでございます。

【村上委員】
 どうもそこがわからないんですよ。前回のやつ、私も欠席したのでわからないのですが、少し読んでみまして疑問になるのが今のような絡みなのですが、前回の資料3‐5で原子力損害賠償紛争審査会も作ってというようなことでございますが、それで、その審査会の中にその保険プールなり、あるいは保険会社さんが入ってくるということになると、私は利害関係人が入ってくるということになるのではないのかなと。これは審査会のほうは、まさにその基準をつくって中立的、専門的な審議機関であるというような観点から言うと、私は、保険会社は、保険プールは利害関係人だろうと。

【原委員】
 そうです。おっしゃるとおりです。

【村上委員】
 そのとおりですよね。それが基準を決めて、それがまた今度は査定をするというのはいかがなものかなと。それは基本的には原子力の損害を与えた側と受けた側との当事者間の問題であって、当然、受けたほうは自分たちの請求権があるわけで請求をしていく。それに対して保険会社は保険会社としての、あるいは言い分があるだろうけれども、そういうことを国が調停をしていくのではないか。そのときに、その審査会の基準というものが効いてくると思うので、その点で、その査定を保険会社が最初からやるというのはいかがなものかと私は少し危惧に思ったのですが、政府と国と原子力保険プールが何か一体になるということになると、これは解決不能になってくるのではないのかなという気がするんですがね。

【山野原子力計画課長】
 若干そこの混乱があると思うのですが、紛争審査会で保険会社の知見も使っていくということと、補償契約の場合の使い方というのは違うのではないかと思うのですが、補償契約の場合には、まさに保険会社というのは当事者ではないんですね。国が保険会社みたいなことになっているわけですから、そのときに我々はそういう業務をやっていない。そこをきちんとお助けしてもらえるような仕組みにしておかないと動かないのではないかなと。

【村上委員】
 私は、JCOの臨界事故のときに研究会をつくりましたね、そのときになぜ保険会社が入っているのかというのが奇異に思ったんですよ。それは彼らはと言うと大変失礼ですが、保険会社は、それはいかに少ない損害賠償といいますか、責任を負うかということだろうと思うんですよ。それが入っているというのは、私は中立、公正を欠くと当時思っていました。
 ただ、最初の適用といいますか、最初の事件だったものですから、そのあたりは問題の解決も早く必要だろうと思ったもので、異議は申し立てませんでしたが、入っていること自体に私はいかがなものかと思ったわけで、そしてまた同じことをされるということになると、もっと大きな事故の場合、どうなるんだろうなと思いますね。それはあくまでも被害を受けた側は、これだけの被害を受けたんだと請求してくるわけで、それに対して、解決するために基準を設けるわけです、国が中心となって。そして、その被害を与えた側がそれを交渉して決めていくわけですから、だから、最初から保険会社はいかに少なく支払うかというのが、多分、そういうスタンスでやるんだろうと思いますね。

【原委員】
 多分、調査委員会は、私、その頃いなかったので何とも言えないんですけれども、基本的には弁護士先生たちが軸になって物事を決められたと理解しているのですが、そのときに一応、一定のその相場というかな、責任相場というか、そういうものに対して保険会社が持っているいろいろなデータベース、それを駆使してご提供したという経緯ではないかと私は思っているんですけれども、実際にお支払いするときに、それを1つの基準としてできていますけれども、それは第三者の皆さんの知恵を借りてできた基準だというふうに理解しております。
 以上です。

【山野原子力計画課長】
 だから、おそらく議論が混乱しないように言うと、そういう紛争審査会とか、全体像の把握とか、特に責任保険とかの場合は明らかに実態上、黒子的に何かやってもらうということだと思うんですね。だから、表立ってではなくて。ただ、政府補償契約のほうは、むしろ当事者でもないから黒子ではなくて、もっと表立ってやってもらうぐらいのことを考えたらどうか。そこを少し切り分けて議論していただいたほうが、おそらく議論はシンプルに進むのではないかと思うんですね。

【村上委員】
 これは文言として入れないほうがいいと思いますがね。その「黒子的」なんて言葉、それを使うこと自体が信頼を失うのではないかなと思いますがね。それだけの知見を持っている方は、有識者として、OBになられた方や世界的にそういう形で研究なさっている方がいるだろうと思うんです。保険プール、あるいは保険会社が直接そこに関わるということでなくても、私はそれだけの知見は得られるのではないかと思いますがね。

【山野原子力計画課長】
 当時、研究会ってどんな感じだったんですか。研究会で、実際上あのレポートをまとめるに当たって、どういう使い方をしたかは別にして、やっぱり保険会社のノウハウというのは要ったのではないかなと思うのですが、そこらはどんな感じだったんでしょうか。

【下山顧問】
 金額の大小については、これは損害賠償調査会が判断することではないのですが、どういう損害が実態的に発生しているのかということと、それがいわゆる原子力損害として事業者の負う責任の範囲内であるかということについての判断の支援、サポートになるような資料を保険会社に担ってもらいましてね。実際に調査になりますと、科技庁も手を持っていないわけですね。
 だから、それは保険会社さんは、損害の評価というのが専門ですから、火災保険の場合でも地震保険の場合でも、そういう専門的な判断を、その範囲の判断がうまい。今、村上村長の言われるように、ごく一般的な常識としてよく言われるのは、火災保険はかけろというときはいいけれども、実際に支払いになるとけちるというのは常識。しかし、それは焼け太りというのが片方にありますから、それはまたそれで公平の原則から言ってやらなければならない。基準の話はそれをどこに持っていくかということ。JCOの場合につきましては、賠償措置額・保険金が小さかったわけですね。したがって、保険会社さんについてはあんまり、そこを議論するメリットがなかった。ところが、それが大きくなってぎりぎりになってくると、その範囲でいけるかどうかというのは、確かに議論の対象になると思いますね。
 ただ、それは別として、損害査定の能力、つまり、これは幾らぐらいに相当するんだろうかとか、そういうことについては一般的には政府にも知識はないわけですね。これは保険会社が専ら持っているわけでして、そういう面の力を借りるということが必要なのではないか。

【村上委員】
 そうですか。

【下山顧問】
 特にここで言っている、例えば例を挙げますと、この間、新潟の地震のときに、あのときに何か放射性物質が出たといいますね。そのときにちょっと心配になったのは、あれはもし請求があるとすれば補償契約の話なんですね。文科省さんの担当には、「あなた方はこの査定をどうするか。実際に補償契約に基づく請求がなされた場合は、かなり厄介な話になるよ」ということを申し上げた。幸いそこはそういう事態にはならなかったのですが、そういう意味では、そういう能力を持っているのは保険会社しかないわけですね。

【村上委員】
 私は保険会社そのものが、あるいは保険会社の現役の、保険会社の中で重要なポジションを占めている人たちが、その査定だとか、そこの基準を決めるとか、損害賠償の基準を決めるというのには、私は参画すべきではないと。その信頼性の原則から言いましても。

【下山顧問】
 基準についてはですね。

【村上委員】
 利害関係人が入ってくるということになりますから。

【下山顧問】
 そう。だから、何を損害賠償の対象にするか、しないかということは、これは保険会社が決めることではなくて、この間から問題になっている原子力損害の中身であって、それは事業者の民事責任を決めるポイントですから、そこは保険会社ではない。ただ、それが、ある項目が事業者の責任と決まったときに、それが幾らに相当、どのぐらいの金額に相当するか計算するというところで保険の力を借りるということになるんだろうと思うんですね。

【村上委員】
 まあ、それは当然として、保険プールのほうで1つの見解は示すべきだと思う。示さなければ支払ってもらえないということになりますから。

【下山顧問】
 はい。それはそうだと思いますね。

【村上委員】
 それはそうだと思いますがね。

【下山顧問】
 あくまでも保険というのは事業者の負った責任を後ろからてん補するということですからね。その損害が事業者の責任かどうかということについては、それは一般的には法的に決まるものであるとは思いますが、保険制度上は一義的にはそれは保険会社が判断することになるので。

【村上委員】
 わかります。わかるのですが、それはそのどの場面で保険プールがタッチしてくるかというのが問題だろうと思うんですね。それがその中心的な役割を果たしてしまって、最後にもそれでその支払額の査定ということになると、これは解決不能になってくるのではないのかなという感じはするんですよね。だから、そのあたりを整理していただければ。

【山野原子力計画課長】
 そうですね。当事者としてね。

【下山顧問】
 今、山野さんのご質問で、実際に調査会が発動したときは、保険会社がいわゆる営業損害についての分類をきちんとして、4つぐらいの種類にカテゴリーを分けてくれた。これが非常に参考になったんですね。それは金額ではなくて、どういう種類のものが対象になるかということで、それはやっぱり保険会社の専門的な能力を活用させてもらったというのが調査会の示した基準に反映されている。

【北郷課長補佐】
 下山顧問のご発言を補足いたしますと、その当時の研究会では、どのような営業損害の範囲までカバーされるべきかという議論につきまして、それは専ら有識者の委員の方々の議論で決めて、その資料のマテリアルの提供を保険会社に出してもらう。それはまさに保険会社がそれまでの保険業務の中で蓄積した資料としてやはり大変有益であったということであったと記憶しています。

【山野原子力計画課長】
 そうですね。だから、その利害関係者として関わる部分としては、村長のおっしゃることもごもっともなところがあるのでよく整理したいと思います。議論を少し単純化してみると少し違う話というか、政府補償の場合は、そこは明らかに利害関係者ではないんですね、保険プールさんは。そこは政府が払うというか、政府自ら保険会社になっているわけで、単純に言うと、我々は保険会社みたいな知見は何もないものですから、本当にそのときにどうするかとなると、実際に保険会社の力を借りないと物事が進まない。
 マニュアルでどう書こうが、動かんところは動かないのではないかということで、そこはやっぱりきちんと明確にしておくのだったらしておいたらいいのではないかなという感じがしているんですね。まじめに考えた場合に、火事場のくそ力だけではちょっとできないのではないかなという感じがしています。そこら辺について少し何か議論していただければ。

【下山顧問】
 ご参考までに申しますと、アメリカの制度では相互扶助システムになっているんですね。保険が下にありまして、その上で事業者がみんな1つの原子炉について幾らというので拠出するわけです。その事務はだれがやるか。実際にそういう運営を電力会社はできませんから、それは契約で保険会社が確かやるようになったと。

【原委員】
 そうです。

【下山顧問】
 依頼して。非常にテクニカルな事務処理と査定の問題があるので、それはアメリカでもマキシマム1兆円の中に対して、それをどうするかという事務処理は、まあ、有料ですけれども、有料で保険会社に委託して契約をしている。ドイツも確かそんなところで。

【谷川顧問】
 その場合には受託者たる保険会社は利害関係人ではない。全く組織が違うから。

【野村座長】
 どうぞ。

【原委員】
 今の議論に一言言っておきますと、欧米ですと、いわゆる保険会社以外に損害査定業務をやる独立の会社があるんですよ。そこがフィーベースで全部受けてやりますから、いわゆるマンパワーとかキャパシティーの問題は全く発生しない。一方、日本の場合にはそういう独立会社がございませんので、全部保険会社がやるという前提に立ちますと、申し上げようと思ったんですけれども、法律上の問題というよりも物理的な制約のが多いと考えているんですよ。
 もちろん置かれた立場、この補償契約の状況はわかりますので、できれば我々としてもいろいろな形でご協力できればと思います。ただし、例えば地震が発生するという前提で考えますと、通常の家計保険、いわゆる皆さんのご自宅にかかわる地震保険も引き受けているわけでございまして、その損害状況の調査、保険金のお支払いというのがまず優先順位の先に来るわけでございまして、それに加えて、いわゆる補償契約のサポートになりますと相当な事務量になるという意味で、結構、物理的にキャパシティーの問題が発生してきつい状況も想定しております。
 だから、関東大震災というのを前提にしたとしますと、幸いにしますと、その対象地域には原子力の重要な施設、まあ、事故が起きるようなものはございませんので、そういうことまで想定しなくてもいいのかなという気はするのですけれども、個別にいろいろな問題点がございますので、そこら辺をつぶし込んで、できるかどうか判断していきたいな、というのが今の状況でございます。自賠の政府保障事業という形で例示されておりますけれども、これはどちらかというと当事者がいない。
 当事者がいないっておかしいんですけれども、いわゆる被害者救済のために国が全部面倒見ますよという制度になっているわけでございまして、補償契約の場合には国が保険会社の立場で、いわゆる当事者は原子力事業者がいるわけで、本来、原子力事業者さんが責任保険、同じような立場で賠償請求に対して対応していく、それを国が後ろから補償金という形でお支払いするような仕組みであるというふうに認識いたしますと、それほど国の負担もあるわけではないのではないかという気もするんですけどね。そこら辺も含めて具体的にはこれから検討したいと思っています。

【原委員】
 以上です。

【野村座長】
 では、いろいろご意見をいただきましたので、この点はもう少し事務局のほうで整理して、特に自賠法との違いですね。

【山野原子力計画課長】
 はい。そうですね。

【道垣内委員】
 1点、趣旨の確認ですけれども、検討例の1のところで実施の協力ということになっていますが、これは有償の委託という意味ですね。

【山野原子力計画課長】
 そこはそこまで含めて当然検討しないといけないですね。

【道垣内委員】
 協力を義務づけたりするのかと思って。

【山野原子力計画課長】
 いや、違います。当然、正式に業務を、まさに法定事項として頼むようなことであれば、そこは有償の委託になるのだと思います。

【道垣内委員】
 そうすると、保険会社としても自らの保険金支払い業務で大忙しで、とても受けられませんということもあり得るんですかね。

【野村座長】
 まあ、自賠責みたいに常時こうなっているのなら、保険会社のほうの仕事の中になっているんでしょうけれども。

【谷川顧問】
 自賠の場合は国自身が再保険を引き受けて、そういう流れの中で、だから、国と保険会社は1つの共同体というか、そういう立場に立つから、ちょっと違うんだな。

【野村座長】
 では、これについてはもう少し検討させていただくということにして、一応、1の議題は以上にしまして、櫻井審議官がおいでになりましたので一言ご発言いただけますか。

【櫻井審議官】
 7月11日付で担当審議官を拝命しました櫻井であります。古谷の後任でございます。ここ3回、古谷からも聞いております。彼もなかなか忙しくて出られなかったんだけれども、これは非常に大事な問題として引き継ぎを受けておりますので、しっかり心して皆さんとご一緒に勉強して、きちっとした形にしたい。10年に1回のことでもありますし。ただし、この10年に1回は、前の10年に1回と違って、世の中、大きく変わってございます。私はもともと資源屋、山屋でございます。ウラン鉱石、ウラン鉱山が入ったこともございますし、また、前職の関係でそういうような局面、上流の側から眺めさせていただいておりました。
 ここに来まして実際にこういうような賠償の話、法の改正並びにそれのみならず、今まさにご議論していて、もう少し事務的に整理をといただいて、ということになっていましたが、万が一のときに、法律はいいけれども、実際はどうするんですかというようなところが最も大事かと思いますし、さらにこの後、国際的な現下の動向、商売絡みの話からいろいろな思惑があって動いている部分もございますが、我々は我々として大事な部分を外さないように議論を進めたいということで、先生方のお力を借りまして本当に心の入ったというのも表現にふさわしくないかもしれませんけれども、後で先を見たときの展開が見えているような整理、それから、実際に運用面において動けるような形のものに議論が収束していけばと願っておりますので、今後ともひとつよろしくお願いいたします。

【野村座長】
 それでは、続いて議題2に入りたいと思います。原子力損害賠償に関する国際条約への対応の方向性についてということで、各国、国際条約の概要を踏まえた上で、仮に条約の締結を検討する場合の選択肢を整理して、今回、まず政策的、法制的な観点から自由にご議論をいただきたいと思います。
 それでは、事務局からご説明をお願いいたします。

【山野原子力計画課長】
 資料4‐4でございます。国際条約への対応につきましてということは、今までも個々の条約については説明してございますので、そこらは簡単に説明いたしますが、今、繰り返しになりますが、パリとウィーンと、いわゆるCSCという3つの条約があるということでございます。それで、それぞれについては細部まで行くと、それぞれ少しずつ違いがあるわけですが、概ね大体同じような感じのところは、この1.にありますように原子力事業者に責任を集中しているというようなこととか、あと、条約によって違いますが、賠償措置額を一定額以上義務付けていること。あと、越境損害を念頭に置いて裁判管轄権などを明確にしているというような内容になってございます。
 それで、それぞれの条約の概要につきましては、個々には説明いたしませんが、1番目のパリ条約は、非常に単純に言いますと、昔の欧州の西側先進国のグループでやっている条約でございます。それで、スイスなども含めまして、今、15カ国が入っているというようなことでございます。これらの国は当然国境を接していますから、原子力を始めた当初からある程度越境損害などを念頭に色々な仕組みができているということなのですが、まさにそういう個別の西側ヨーロッパ諸国だけで動いているというような状況があるということでございます。
 2番目にありますウィーン条約というのは、昔で言う欧州の中では東側ということで、中欧とか東欧、中南米などが加盟して、今、動いているのは、旧ウィーン条約は34カ国、改正ウィーン条約はまだ5カ国ぐらいしか加盟していないというようなことなのですが、賠償措置額などについては、パリ条約よりも少し低い基準になっております。加盟国はかなりマイナーな国というような状況でございます。
 それともう一つの流れとして、(3)にありますCSCというものがあるわけで、これが一番新しい条約でございまして、97年にIAEAで採択されてオープンになっているということなのですが、ここにありますように4カ国しかまだ締約していなくて、発効要件を満たしていないと。それで、発効要件として、5カ国という発効要件よりも熱出力4億キロワットということがかなり高いハードルになっていまして、今ですと、アメリカが入っていますが、それに加えて例えば我が国が入るとか、韓国とカナダが入るとか、それぐらいの国が入らないとなかなか発効しないというような状況でございます。ということもあって、アメリカがこの春に締約国になったわけですから、我が国に対してもいろいろなプレッシャーが来ているというようなバックグラウンドがあります。
 それで、内容としましては、大きくほかの2つの条約と違うところは、それぞれ何かあったら助け合いましょうという制度がビルドインされているというようなことでございまして、ここにありますように拠出金と書いていますが、原子力損害が措置額の限度額であります3億SDRを超えた場合には、それぞれの国が一定のルールに基づいて拠出金を分担してお助けしましょうというような仕組みがあるということでございます。ということなので、この条約はパリ条約に入っている国、ウィーン条約に入っている国、また、これらに入っていない国内法だけでやっている国、そこにも網をかけて入れるような仕組みになっているということでございます。
 そういう3つがあって、じゃあ我が国はどうするのかというと、今までいろいろな場で議論されていたのですが、今後、ある程度絞って考えていく必要があろうということでございます。その場合に、仮に我が国がそういうことを考えた場合の選択肢ということなのですが、繰り返しになりますが、パリ条約というのは入っているところが欧州だけだというようなこととか、あとウィーン条約も入っている国が少なくて、かつ中東欧とか中南米というようなことですから、現実的に考えると、今後、入るとしたら、検討していくのはCSCかなというのを考えるのが現実的ではないかなということでございます。
 その理由としましては、3ページの(3)にありますけれども、CSCというのはそういうパリ条約、ウィーン条約の締約国、または非締約国も含めて、それぞれの賠償措置の補完をするということを目的としていて、可能性としては世界規模の原子力損害賠償の枠組みの構築につながっていくという可能性を秘めているというようなこと。また、ウィーン条約などもある程度念頭に置いておりますから、免責事項であるとか、限度額とかというのがある程度、パリ条約に比べてハードルが低いほうに合わせられているということですから、今後、アジア諸国とか、そういうところも入ってきやすいような内容にとりあえずなっているというようなこと。
 また、ちなみに近くの国では、韓国などはある程度こういうCSCなどを念頭に置いて国内制度の整備をやっているというようなことですから、可能性としては今後、特にアジアの近隣諸国などは、入るとしたらCSCに入っていくのかなというような可能性があるということです。それで、免責事項とか、除斥期間とかの関係では、どちらかと言えば緩いほうになっているので、我が国の原賠制度との近さがあるというような点があります。では、今後、検討するとしたらCSCかなということなのですが、やっぱりいろいろな観点から、単純に我が国の国内法との関係でどうのこうのというのも必要なのですが、もう少し広い政策課題のもとで多角的に検討する必要があろうというようなことでございます。
 そういう意味では、政策課題としては、まず1つ目のポイントとしましては、今、原子力ルネサンスということで、色々な国で原子力発電所の新規立地というのが出てくる可能性があるわけでございまして、そういうことを念頭に置いて、原子力損害賠償の国際秩序の整備へつながっていく可能性があるのではないかという観点から検討するのも、検討課題としてはそれがあろうということでございます。それはここにありますように、今後新たにアジアとか、その周辺諸国で新たな立地を行う国が出てくるであろうということ、そういう場合に、各国で原賠制度を国内でちゃんと整備していくということを促していくという必要があろうということ。
 また、欧州では色々な連合軍がいるわけですから、じゃあ、アジアの中で特にそういうことを考えていく重要性が増してくるのではないかというようなこと。また、拠出金を出す仕組みというのは、当然、我が国が何かあったときにも助けてもらうというのもさることながら、これからやろうというところに対して支援していくという側面もあることから、そういう観点から1つは検討課題としてきちんと検討したらどうかということでございます。
 2番目のポイントがプラント輸出であるとか、燃料の国際輸送などとの関係でどうかということですが、とりあえずCSCを締約するということで、そこは我が国だけではなくて、プラント輸出というのは相手国が入っていないとまた意味がないのですが、そういう状況になってくれば、何かあったときの国際管轄権であるとか、メーカー側の免責で、原子力事業者のほうに責任集中していくとか、そういうことがあるわけですから、輸出するメーカーにとってとか国際輸送を考えると、原子力事業者のほうもそうなのですが、複数国における裁判のリスクを回避できるとか、あと、賠償責任が明確化するというようなことで、事業遂行上のリスクが抑えられる可能性があるというようなこと。こういう観点から、今後、世界的な原子力の広がりの中でCSCの加盟なども検討していってはどうかということでございます。
 3番目のポイントは、越境損害を考えた場合の我が国国民の賠償の確保ということで、1つは他国の影響で我が国に影響があったというようなときには、CSCに加盟しておれば、他国の事業者の責任とか、裁判管轄権が明確になるということで、賠償とかの仕組みが明確になるという利益があるという一方で、我が国で裁判を起こすことができなくて、その国でしか裁判管轄権がないというようなことで、これはある意味では不利益になるのですが、そういう観点からも検討する必要があろうというようなことでございます。そのように今後こういう色々な政策課題、目的から多角的に検討する必要があるのではないかという提案でございます。
 あわせて(2)で、じゃあ、国内法との関係でどうかというのをラフに調査してみると、これぐらいのことは最低考えないといけないだろうという課題があって、それぞれそんなに簡単ではない課題が結構あります。
 まず1つ目は拠出金を払うということなのですが、ここの括弧書きでありますように、加盟国によって変わるわけですが、大体、日本は7,000万ドルぐらいの拠出金は必要であろうとなるわけですが、そのときに誰がその金を用意するのか、それで、どういう制度でやるのかということを、制度を作らないとどうしようもないということでございます。
 それで、2つ目の課題としましては、少額賠償措置の公的資金の確保をどうするかということになります。CSCでは、一応、少額というのも認める一方で、3億SDRとのすき間分、差額部分については公的資金でちゃんと担保するんだということが加盟国、締約国に義務づけられるということでございます。その場合に我が国で少額制度の仕組みを維持しようとすると、そのすき間部分についてどうするか。建前議論としては、保険としてはそういうことだけれども、いずれにしても原子力事業者に無限責任があるとか、必要な場合には国がちゃんとやるんだということになっているからいいんだ、というような議論もあるかもしれませんが、そういう条約の詳細な解釈とか、本当にそれをどうするかということを考える必要があるということでございます。
 そのほかに色々なポイントがありまして、原子力損害の定義。CSC条約などでは個別列挙的に色々書いているわけですが、それと我が国の原賠法の定義との関係で、環境損害の原状回復の措置費用であるとか、防止措置に関する費用とか、そこらについてそれぞれ改正が必要なのか、ちゃんと満たすのかというようなチェックが要るということでございます。
 あと、裁判管轄権との関係で言いますと、締約国で何かあった場合には、その国のみというようなこととか、領域の外で何かあった場合にはどうということが定められておりまして、かつ、管轄裁判所での確定判決については、それぞれの国はちゃんと従うという義務を負うということになるわけですが、そういうことになると、我が国の民事訴訟法とかの関係で、やっぱり直ちにできない部分もあるので、国内についても何らかの制度というか、法改正みたいなことを考えないとだめだというようなことがあります。
 また、責任保険における制約ということで、CSC条約では解除する場合には2カ月前の通知が義務づけられているわけですが、そういう制度は我々にはありませんので、そういうこともちゃんと検討する必要があるというようなこと。
 また、拠出金受け取りのための体制整備ということなのですが、当然、各国がそれぞれ拠出金を出していて助けるということなのですが、その場合に事業者が、これは事故を起こした事業者ということでありますが、事業者がどこかに対して求償権を有する場合には、その部分について金を出してくれた国に返していかなければいけないというような仕組みになっているわけですが、そういうことを担保しようとすると、原子力事業者の持つ求償権に対して、それを国が取って、それを相手国に返していくという何らかの立法的な仕組みが要るのではないかという点であります。
 また、国際的な核燃料とかの輸送については、今の国内法ではあまり明確な規定がないのですが、CSCでは色々書いているところがあって、そことの整合性をとる必要があろうというようなことでございます。そういうことで、法律的に国内法との関係でも色々考えていかなければならないことはあるということと、別途、もう少し大きな政策課題の中でやっぱり、加盟するのだったら考えていくというようなことを考えないといけないというような提案でございます。
 ということなので、今日は直ちにこれで決めますというような話ではないのですが、こんなことで今後色々な場をつくって検討していったらどうかというような提案でございます。
 以上でございます。

【野村座長】
 それでは、ただいまの説明についてご意見、ご質問等ございましたら、ご発言をお願いします。

【谷川顧問】
 少し伺いますけれども、ご説明の内容に従って、色々問題点があるから考えていく必要があるという締めくくりだったんだけれども、その必要があるというのはどういうスタンスなのか。いや、やる必要があるかどうかというのは、法律的な判断の問題というよりは、もっと政策的な判断の問題で、それをここで判断するのかどうかということと、それをやるんだとしたときに、どうやって受けたらいいのだということを考えておくということがここでの問題なのか、そこのところを少し仕分けしていただけますか。

【山野原子力計画課長】
 私の説明が悪かったのですが、入るかどうかというのは、本当にそういう国際秩序が要るかどうかとか、そういう判断からまず考えて、メーカーのプラント輸出が重要かどうかとか、それに役立つかどうかとか、そういう判断から検討する。それが1つで、それと別に、本当に入るとしたら国内法との整合性というのは要るものですから、そこを一緒くたにやると何か議論が訳わからなくなるので、とりあえず、まず入るかどうかというのはもっと大きな政策目的の中でどうかという議論をするというのがまず1つと、それと並行してというか、その後かもしれないですけれども、入ろうとしたらやっぱり拠出金をどうするんだとかということも並行して詰めていけないといけないですから、そこは分けて考えたらどうかということでございます。
 それで本当に政策課題として、やっぱり入ったほうがいいのではないかとなれば、極端なことを言えば、法律改正をしないといけないというだけの話でございます。ただ、ここに言ったように、法律事項としても簡単でない課題が結構埋まっています。そこは単純に「はい、わかりました」「はい、やります」というのではいかないようなところも結構あります。

【野村座長】
 下山顧問、どうぞ。

【下山顧問】
 よろしいですか。これは私を含めて責任があると思うのは、最近の原賠国際条約の話がCSCに偏ってしまっていて、しかも、アメリカが珍しくこんな条約をプロモートして批准するものだから、専ら輸出のための何か振興策みたいな方向で考えられているんですけれども、もう一遍議論を戻さなければいけないので、原子力の基本的な国際条約って何のために必要なんだというところが一番の問題だと思うんですね。原賠制度というのは、私見によれば、越境損害が確率は低いけれども起こり得る、これが原子力損害の特徴で、越境損害を考えたときに条約というのが要るので、原賠制度というのは国内法と国際条約が一緒になって初めて完成する。それは国際的な面だけではなくて、国内の原賠制度もそれによって確立する。
 そのときに問題になるのはやはり、法律的には幾つかありますけれども、管轄権の問題、損害の定義の問題、もう一つは金額の高さの問題だと思う。ですから、CSC、これ、いいんですけれども、まずCSCは、1階建て、2階建てのうちの2階建てなんだと。まず1階建てはウィーン、パリ条約もしくは国内法、それがあって、その上の話ですから、その下をちゃんとしてもらおうと。そのために我が国もどういうふうな対応をするのか。被害者の保護というのがまず一番課題にあって、それから原子力事業の発展、輸出も含めて。その原点にもう一度議論を戻しておかないと、どうも何か、これは私の責任もあるんですけれども、先っぽのほうで議論してしまっているような気がするので、もう一遍戻していただいたほうがいいのではないかという気がする。

【山野原子力計画課長】
 そうですね。同じような話が、そういう国内法とのタクティクスみたいな話ばかりやっているところがあって、そこは分けようということと、おっしゃるように、アメリカでは金はサプライヤーが出すよみたいなことを言うものだから、おっしゃるように輸出みたいなことだけがまたひとり歩きしているところもあるのですが、だから、そういうことで政策課題としても輸出の話は2にして、まず大きな話は、国際秩序が要るかどうかだと思うんですよ。それで、特にアジアのそういう新興国、原発を入れるところに国内法を整備させるためにもこういうものに入れていったほうがいいのではないかみたいな議論がおそらくあるんだと思うんです。だから、そこらをまず出発点にして議論するのが重要かなと思います。
 それで、かつ日本だけ入っても仕方がないんですよ、実は。だから、例えばプラント輸出を考えたって、相手国が入っていなかったら全然意味がない。輸出する先が入っていなかったら意味がないので、だから、そこらも考えないといけない。別に日本だけが入っても何も意味がない。だから、そういうようなもう少しブロードな政策課題の中でどうするかという議論の場も作っていかないといけないのではないかなということです。

【柴田委員】
 電機工業会の柴田ですが、今、たまたまこのCSC、随分ハイライトされていて、しかも、今言われたように、これは輸出促進のための議論だなんていう話になっているので、私ども非常に違和感を覚えていまして、今日の資料にも色々ご指摘いただいていますし、今、下山先生にもご指摘いただいたように、やっぱりそもそも論から1回議論していただいて、CSCというものに入るにしても入らないにしても、何のためにというところを1回議論をしっかりいただくということと、入るにしても、ここに書かれているように色々な政策的な問題、技術的な問題がありますので、できるだけ幅広く議論いただきたいというふうにお願いしたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。

【野村座長】
 ほかにいかがでしょうか。

【谷川顧問】
 細かいことから言うと、1ページのウィーン条約の議定書発効状況等あるけれども、肝心な国の名前が1つ抜けていまして、ロシアが改正前の条約に批准しているんだよね。ロシアって、実は日本の隣国でもあるわけで、メンションしておいた方がいい。
 それから、2ページのCSCのところの、これも確認なんだけれども、2008年5月にアメリカ、批准書を寄託した? 僕のところに入っているニュースは、するための手続を全部やってよろしいという国内体制が整ったというところまでの情報は入っているけれども、実際に批准書を寄託しましたかということ。

【相原係長】
 寄託済みです。

【谷川顧問】
 上院で通った、国内手続終了の時点までは情報が入っていたんだけれども、その後、それに従って国際的な手続をやったかどうかというのは、確たる情報が来ていなくてね。わかりました。
 パリ条約の場合というのは、あれはパリ条約だけで考えてはいけないので、上にプラスでプロトコールが乗っかっているんですよ。それを含めての地域的な互助協定みたいなところがあって、間のところを、国が面倒見る、その上を今度は域内の国家同士が相互に補償するという制度が乗っかっていて意味のある制度なので、それは日本としては入るか入らないかというのは、考えたらばかばかしい話で、そんなものはとてもじゃないけどつき合えないという話だと思う。
 それから、ウィーン条約はウィーン条約でできるところまで上げて、これは基本的には最初は損害賠償制度を統一しようという基本的理念でできてきたんだけれども、改正に動いたのはチェルノブイリの後ですよね。これは越境損害があって、それで、とにかく全部をカバーする何らかのレベルが必要だというので。だから、今、議論されているウィーン条約とはそういうものを含んだ国際的な場ということだと思うんです。それを踏まえた上で、じゃあ、ウィーン条約、それで十分なのかというと必ずしも十分でないと思っているところがあるし、それから、実はそういう意味では条約に入れないアメリカなどというのは、形式的に入れませんからというのを、国内法的な問題があって。
 しかし、アメリカから言えば輸出戦略の問題もあるんだけれども、全体を格上げしようとすると、上に乗っけて保護してやるよというスキームをつくって、その保護を受けたければ下をちゃんとウィーン条約の満額まで国内法として最低限整えなさいと。それを引き上げることと、それで不十分なところを国際的にカバーしますというのとセットで物を考えている。日本として考えるとすれば、まあ、そのセットの中かなと。ウィーン条約そのものを取り上げてウィーン条約に入るべきだという議論は、これはなかなか日本では今までもできなかったし、一番単純な原則から言うと、無限責任か有限責任かというところで一遍に引っかかっちゃって、もうだめだという話で来ているわけです。
 そこは一応、下支えとしてのウィーン条約のこのレベル、パリ条約のレベル、それで、そのほかに日本とかアメリカが入れるように附属書というのを作って、レベルを整えて上を乗せるというスキームにしたわけですから、考えるとすれば少なくとも日本に対して越境損害が及ぶであろう近隣諸国をその体制の中へ取り込んで一緒にやりましょうということにメリットを見出すかどうか。そこが政策的な判断だし、もう一つは輸出戦略の問題が、あそこで責任集中をとれるかどうかという話と、その限度、ウィーンを超える高い限度、ある程度の限度を確保するという必要性を実現するための制度として考えられる。だから、考えるとすればCSCしかありませんねというのは、そこで行き着くのではないのか。

【山野原子力計画課長】
 そこは少なくとも早く決めたいと思うんですね。いつもすぐ3条約の比較表を作ったりして、何かいつも議論が振り出しに戻るみたいなことばかりやっているので。

【谷川顧問】
 条約比較表ばかり作っても意味がないので。

【野村座長】
 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

【岡本委員】
 もしそういうようなことがあるのであれば、それこそ我々極東地域だけが集まって何かそういうウィーン条約もどきのものをつくるというアイデアはあり得るんですか。

【谷川顧問】
 観念的にはあり得るでしょう。観念的にあり得るけれども、何ができるかといったら、非常に限度額が低いものが実際には。どこまでカバーするかだけどね。

【岡本委員】
 そうですね。でも、これからどんどん、ベトナムも含めて東南アジア地域が作っていくわけですよね。

【谷川顧問】
 そうなってくると、ますますそういう制度の中で実現されるであろう限度額というのが……。

【岡本委員】
 どんどん下がってきてしまう。

【谷川顧問】
 ウィーンから上は行かないねという。

【岡本委員】
 だから、多分、2つの視点で相互扶助というか、原子力を日本が引っ張っていくのだという1つのイニシアティブを出すのだ、まあ、CSCでも構わないと思うんですけれども、というようなことの方策で行くのが1つ。それから、越境損害をどうするかという視点、それが2つ目だと思うんですけれども、私はやっぱり、この場はそれにふさわしいのかどうかわからないんですけれども、1番目の視点、日本が本当にアジアの発展にイニシアティブを今後も取っていき続けるのだという視点があるのであれば、そこは積極的に考えるべきことなのかなという気は私はしているんですけれども、ちょっとポリティカルな話で、そういうものが出るのか。まあ、ここの政策的課題に書かれていることと同じことだとは思いますけれども。

【山野原子力計画課長】
 おそらくそういうことの議論をして、だから、確かにメンバーシップの問題も言いましたけれども、我々にできることは考え方を整理して、こういうことから議論--いや、アウトプットの出し方もいろいろあるんですけれども、杓子定規にこうあるべきだというのではなくて、こういうことで検討したらどうかといって、例えば原子力委員会につなぐとか、そういうこともあってもいいのではないかなという感じもしているんですけどね。

【岡本委員】
 ディスカッションの目的は課題出しというイメージですか。

【山野原子力計画課長】
 ええ。課題出しと、やっぱりある程度、オプションを示す方法もあれば。

【岡本委員】
 方向性。

【山野原子力計画課長】
 まあまあ、こんなのが適当じゃないかというオプションも1つだけをメリハリをつけて示す方法もあるし、決め打ちでやるとか、そこは少し議論の出し方だと思うんですけどね。

【道垣内委員】
 今の独自にやるのがよいか、CSCがよいかということについては、私はCSCのほうが明らかにいいと思います。それはアメリカが入った以上、すごく得です。もし日本が独自でやると、上澄みのところは日本の負担がものすごく多くなりますけれども、CSCならばアメリカも一緒に負担してくれますから。
 それともう一つは、アメリカが一緒に入っていないと、訴訟だけアメリカで起こるという可能性があるので、同じ条約でないと意味がない。第三国での事故についてアメリカで訴えられるということは、おそらくメーカーにとっては大変な負担なので、CSCにみんなが入っておけば、アメリカでの訴訟も阻止できる。それが得、そういう得の仕方をどう位置づけるのがいいかわかりませんが、自分たちでやるよりは既存のものを考えたほうがいいのではないか。

【野村座長】
 そうすると、今日の段階ではCSCの方向で考えるというのが一応現実的だということで、ただ、先ほど下山先生から少しご発言がありましたけれども、なぜ国際条約に入るのかという基本的なところもきちっと整理しておくことが必要ではないか。入った場合の国内法制の対応は、これは一応、それが入るかどうかの判断基準ということではないというのは、それはそのとおりだと。谷川先生がさっきおっしゃっていましたけれども、そのとおりだと思いますけれども、色々課題について事務局で整理していただいておりますけれども、そもそもここでどこまで言えるのかという、先ほど課長もおっしゃっていましたけれども、その辺も報告書としてどういうスタンスといいますか、まとめるかというのをもう少し事務局で議論していただいて。今日の段階ではですね。

【山野原子力計画課長】
 そうですね。だから、どういうふうに議論を進めていくかというのは、議論をするタイムレンジもおそらく、法改正の課題みたいなものとはちょっと違うと思いますので、そこらも上手にやりたいなと思います。

【野村座長】
 では、今日のところは一応、今後、なお色々検討していくということで、ほかの議題もございますので、したいと思いますけれども、次の議題に移る前に、局長がお見えになりましたので、ぜひ一言ご挨拶をお願いします。

【藤木研究開発局長】
 研究開発局長の藤木でございます。先月に就任したばかりでございますので、まだこれから色々勉強していくという途上にございますけれども、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 原子力の研究開発利用という大きな国の課題を抱えております。これをきちっと進めていくというのは何よりもハードの機器、あるいはソフトの制度や運用、そういったものに対する信頼感というのはとても大事なことだと思います。この原子力損害賠償制度は特にソフトの面で、万が一の事故のときに被害を受けられた方が万全の保護を受けられるという制度を用意しておく、そういう制度を持っているのだということで、国民の信頼感を得るためのとても大きな方策になっていると思います。そういう意味で、極めて重要な原子力研究開発利用を進めるためのフレームワークの大きな柱をなしていると思いますので、先生方におかれましては大変お暑い時期でございますし、なかなか難しい課題であると思いますけれども、ぜひさまざまな観点からご議論をいただきまして、今後の方向性を示していただければと思っております。
 原賠法が10年ほど前に改正されて以来、初めてこの原子力損害賠償制度が適用されるという事態も生じたわけでございます。村上村長もそのとき大変ご苦労されたということで、そのときの経験をしっかりと、どういうふうに生かしていくのかということもございますし、今まさにご議論されておられましたようなアジア地域を中心として、原子力がこれから世界にどんどん広がろうという時期でもございます。そういう時期にやっぱり国境を越えて生じる被害の広がりというものもどのように視野に入れていくか、あるいは今ご議論されておりましたような、アジアの中で日本がリーダーシップをとっていくという、そういうことのために何をしていくのかという視点もあると思います。
 さまざまな視点をぜひご議論をお願いいたしまして、次回のこの原子力損害賠償法の改正はもとより、その運用も含めて、よりよく制度がなっていきますように、議論をお願いしたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【野村座長】
 それでは、今後の検討会の進め方についてということで、これで4回目ですけれども、法改正事項も先ほど大体の方向性はまとめていただいておりますけれども、これからは最終的に報告書を出すということで、それを念頭に置いて議論をまとめていくという段階ではないかと思うのですけれども、今回は触れておりませんけれども、指針、それから、国際条約についてはこれからもなお検討を深めていく必要がありますので、今後のスケジュールや検討の進め方について事務局から提案がございますので、ご説明をよろしくお願いいたします。

【山野原子力計画課長】
 資料4‐5でございます。まず、今までこの春から議論してきたことにつきまして、まず1次取りまとめというか、1次レポートをまずまとめたいなと思っています。それで、今さっき言いました法律改正事項、あと指針、国際条約と3つあるわけでございますが、まず、次期通常国会を念頭に置いた法律改正事項については、基本的にはファイナルということで取りまとめたいということでございます。あと、指針につきましては、どういう指針をつくっていくかというようなこととか、どういうことを定めていくかというようなことを、その時点でまとめられる範囲のものをまとめて引き続き検討していくということ。
 あと、国際条約につきましては、今日の議論などを踏まえてCSCについてどうする。それで、今後はこういう観点からどういうように検討していくというようなことをまとめて、継続的な検討につなげていくというような内容のものをまとめたいなと思っています。それにつきましては、パブリックコメントとか色々あるわけですが、秋にはまとめたいなと思っています。それが第1次レポートでございます。
 それで、それと並行してというか、その後、指針の話と国際条約の話は内容が全然違いますから、それぞれについて作業グループというか、ワーキンググループを設置して検討したいという提案でございます。それで、それぞれある程度、人数も少人数にして、かなり機動的に柔軟にやっていけるようなワーキンググループを作っていって、その結果についてはまたこの場で報告して進捗状況であるとか、結果について報告して審議をいただくというようなことで、それぞれワーキンググループを作って、柔軟にやっていく場を作っていったら議論しやすいのかなという提案でございます。
 それで、それぞれの指針であるとか、国際条約というのは、いつまでとかというのも踏まえながら考えないといけないのですが、決め打ちをせずになるべく早急にまとめていきたいなと考えてございます。ということなので、この2つの指針関係と条約について、ワーキンググループを作ってやっていきたいということについてのご提案でございます。
 以上でございます。

【野村座長】
 いかがでしょうか。このような進め方で、今後進めたいということで、特にご発言。どうぞ。

【岡本委員】
 1点だけ確認なのですけれども、この法律改正事項についてはまだ幾つかペンディングになっているところがありますが、それは10月までにこの会を何回か開くということですか。

【山野原子力計画課長】
 はい。そうです。

【野村座長】
 それでは、今後の検討会の進め方については、このような今の説明のようなことでよろしいでしょうか。

【廣江委員】
 質問、よろしいでしょうか。

【野村座長】
 どうぞ。

【廣江委員】
 この場といいますのは、基本的には今回、原賠法の改正というのが第一義的にミッションとしてある。それを通じて国際条約というものがチラチラと見えているものですから、それについても考えましょうという、こういう位置づけだと思うんですけれども、そもそも国際条約、先ほどの議論にも少し関連しますけれども、その是非とか、そういうものを議論する場というのは、多分、この検討会ではなくて、何か別の場ではないかなと思うのですが、このあたりは。

【山野原子力計画課長】
 そこも含めて今後どうやっていこうかなというのはある。

【廣江委員】
 ここで議論をするということになりませんか。

【山野原子力計画課長】
 ええ。だから、少なくとも指針とかはこの場というか、ここで、この中でやってしまおうと思うのですが、だから、CSCについては、この場でやろうとすれば、例えば今の国内法との関係でどうあるべきみたいな議論は、この場でいいんだと思うんですが、確かにプラント輸出戦略とか、そういうアジアの原子力戦略みたいなことというのは、違う場もあってもいいかなという感じもしていまして、そこらは今後よく考えていかないといけないと思っています。そこは当然、うちだけではなくて、経産省にもかなり主体的に入ってきてもらわないといけないかなと。外務省とかもですね。そういうことも踏まえて今後よく考えたいと思います。

【廣江委員】
 そうですね。何となく政策大綱とかに関わるような話だろうと思いますので、そういう視点も要るかなと思います。ありがとうございました。

【野村座長】
 それでは、一応、今のようなことも踏まえた上で、事務局の議案のような形で今後進めさせていただくということで、どうもありがとうございました。
 それでは、最後に4番目に保険法の制定に伴う原子力損害賠償制度の改正等についてということで、これもまず事務局から資料に基づいてご説明をお願いいたします。

【山野原子力計画課長】
 参考資料1ですが、これは前回、谷川先生から少しご質問があったものですから、結果をまとめました。ご案内のとおり、先の通常国会におきまして、商法の保険関係の規定を特出しして保険法という、保険法の一般原則みたいな法律ができたということでございます。そのときに従来の商法の規定を保険法をつくる段階で少し変えたりしたというようなところがあって、そこら辺について原賠法関係についてもはねるところがあって、原子力特有のものというのであれば維持できるし、一般原則をそのまま入れればいいようなやつについてはということで、何点か原賠法の改正をしました。
 改正したポイントは、ここにあります1と2でございますが、1つはそういう保険金の支払いを受ける権利の消滅時効の延長ということでございます。これは従来の商法の規定では2年だったわけですが、保険法をつくる段階で、それを3年に延長したということですから、原賠法の世界でもそういう政府補償を受ける権利--権利というか、かかる消滅時効についても同様に2年を3年に延長したという改正をしてございます。
 次のポイントは、求償権の代位取得の範囲の明確化ということで、これにつきましても従来の商法の規定をかなり明確化して保険法のほうに入れたというような、参考資料でそれぞれの新旧対照表みたいなのがありますが、そういうことがされたということで、これについても別に原子力の特例事項にする必要なく、一般原則として当てはめればいいかなということで、その商法から保険法に移る段階で変えた部分について、同様の規定を設けてかなり明確化したというようなことでございます。
 ちなみに、次のページにそれぞれ新旧対照表がついていますが、例えば時効のところは2年を3年にするとか、代位のところは結構細かく規定されていますが、基本的にはその保険法をつくる段階で従来の商法の規定を最近の判例事例とか合わせて明確化するところをするというような考え方でやったという部分について、同様の改正を行ったということでございます。
 それと、先取特権の話、前回、谷川先生から話が出たのはこれなのですが、先取特権の規定については、今回の保険法で一般原則が入ったということで、その書きぶりが従来の原賠法と少し違うような書きぶりになっているということなのですが、当時色々政府内でも議論した結果、法制局も含めて議論した結果、先取特権としてそういう原子力事業者が持っておりますそういう請求権を譲渡できる範囲がどうかということなのですが、原子力事故の場合には、非常に多数の被害者が出てくるということですから、そういう譲渡とかというのは、やっぱり制約が厳しいほうがよかろうということで、ちょっとわかりにくいかもしれないですが、最後の資料に少しありますが、例えば保険法の中では、そういう保険給付を請求する権利は譲り渡し、また、差し押さえすることができない。
 ただし、次の場合はできるということで、例えば請求権を有する者に譲り渡す場合とか、あと差し押さえる場合とか、第2項としてあるのですが、原賠法のほうでは被害者が差し押さえる場合しかできないとしているわけです。それについてはやっぱり、例えばJCOの場合でも何千という被害者が出てきているわけですから、そこについて例えば譲り渡すとか、そうするとものすごく混乱が起きるのではないかということで、従来どおり、まさに差し押さえる場合だけという従来の規定を維持することが適当であろうというような判断をしまして、そこについては変更してございません。そういう特定の人にしか理解しにくい説明かも知れませんけれども、そのような改正がこの国会で行われたという事実関係の説明でございます。

【野村座長】
 これについて何かございますでしょうか。一応、法務省でも全部検討済みだということで。

【谷川顧問】
 原賠法は原賠法として従来の姿勢を維持するということで。

【山野原子力計画課長】
 そうです。だから、当時議論したのは、商法の規定で変わるところを全部1つずつ書き出してみて、それが原賠法でどうなっているかということで、別に原子力固有であれば特有の事項だから、やっぱり特別措置だという分は別に残しておけばいいし、例えば2年を3年にするような話というのは、別に原子力特有ではなくて、一般原則は同列でいいでしょうというやつは単純に直す。そういうことをとりあえず○×(まるばつ)表的に整理して、結果的にこうなったということでございます。

【野村座長】
 「優先して弁済を受ける権利を有する」という表現が、僕はずっと引っかかっているんですけれども。むしろ、保険法と同じ表現にしておいたらいいのかなという。9条3項の趣旨はわかりましたので、さっき、制限しておきたいという趣旨はですね。既にもう法務省で検討済みだということですので。

【谷川顧問】
 終わっちゃったんだ。

【野村座長】
 ほかに何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、若干、時間が残っておりますけれども、本日の議論は一応予定どおり終わりましたので、次回までにまた事務局でご整理をいただいてと思いますけれども、何か連絡事項がございましたら。

【山野原子力計画課長】
 次回の案内につきましては、また事後的にご相談申し上げます。また、議事録につきましても、できた段階でご相談します。
 以上です。

【野村座長】
 それでは、以上で第4回の……。

【谷川顧問】
 次回というのは、おおむねいつごろ。

【山野原子力計画課長】
 とりあえず、二、三週間後ということはなくて、8月の下旬とか、早くても9月に入るとか、それぐらい、1カ月後ぐらいを念頭に置いてもらえば。

【野村座長】
 それでは、今日はこれで第4回の検討会を終わります。どうもありがとうございました。

─了─

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