産業・科学革新人材事業(INSIGHT)ガバニングボード(第1回)議事録

1.日時

令和8年4月3日(金曜日)16時00分~17時00分

2.場所

文部科学省東館15F局1会議室及びWeb会議(Zoomウェビナー)

3.出席者

委員

岡野原委員、篠原委員、波多野委員、宮崎委員、宮園委員

文部科学省

西條科学技術・学術政策局長、福井大臣官房審議官、俵科学技術・学術総括官、奥人材政策課長、相原人材政策推進室長、髙橋人材政策課課長補佐、西川人材政策課課長補佐、白川人材政策課課長補佐、與座人材政策室室長補佐

オブザーバー

大野国立研究開発法人情報通信研究機構理事長、久世旭化成株式会社取締役、川上経済産業省イノベーション・環境局大学連携推進室長

4.議事要旨

産業・科学革新人材事業(INSIGHT)ガバニングボード(第1回)

令和8年4月3日

 
【髙橋人材政策課長補佐】 ただいまから第1回産業・科学革新人材事業(INSIGHT)のガバニングボードを開催いたします。
 議事に入る前に、ガバニングボードの委員にご就任いただいた方々を資料1-1の委員名簿に記載の順番にご紹介いたします。
 まず、岡野原委員でいらっしゃいます。
【岡野原委員】 どうも。
【髙橋人材政策課長補佐】 また、続きまして篠原委員でいらっしゃいます。
【篠原委員】 よろしくお願いします。
【髙橋人材政策課長補佐】 波多野委員でいらっしゃいます。
【波多野委員】 よろしくお願いいたします。
【髙橋人材政策課長補佐】 宮崎委員でいらっしゃいます。
【宮崎委員】 よろしくお願いいたします。
【髙橋人材政策課長補佐】 宮園委員でいらっしゃいます。
【宮園委員】 よろしくお願いいたします。
【髙橋人材政策課長補佐】 また、本日オブザーバーとしまして、大野国立研究開発法人情報通信研究機構理事長にもご参加いただいております。
【大野オブザーバー】 大野です。よろしくお願いします。
【髙橋人材政策課長補佐】 また、久世旭化成株式会社取締役にもご参加いただいております。
【久世オブザーバー】 久世です。よろしくお願いいたします。
【髙橋人材政策課長補佐】 関係部署として、内閣府及び経済産業省にも参加いただいております。
 最後に、文部科学省からの出席者をご紹介します。
 科学技術・学術政策局長の西條でございます。
【西條科学技術・学術政策局長】 西條です。よろしくお願いいたします。
【髙橋人材政策課長補佐】 大臣官房審議官の福井でございます。
【福井大臣官房審議官】 福井です。よろしくお願いいたします。
【髙橋人材政策課長補佐】 科学技術・学術総括官の俵でございます。
【俵科学技術・学術総括官】 俵です。よろしくお願いします。
【髙橋人材政策課長補佐】 人材政策課長の奥でございます。
【奥人材政策課長】 奥です。よろしくお願いします。
【髙橋人材政策課長補佐】 人材政策推進室長の相原でございます。
【相原人材政策推進室長】 相原です。よろしくお願いいたします。
【髙橋人材政策課長補佐】 続きまして、議事に入る前に、事務局より注意事項と本日の資料確認をいたします。
 本日の会議は、対面とオンラインのハイブリッドでの開催となり、100名以上の方に傍聴いただいております。ご発言の際には、対面でご出席の委員は挙手または名立てなどで合図を、オンラインでご出席の方は挙手ボタンを押していただきますようお願いいたします。事務局より指名を受けましたら、お名前をおっしゃっていただいた上でご発言ください。機械の不具合などがございましたら、対面でご出席の委員は会場の事務局にお声がけいただき、オンラインでご出席の方はZoomのチャット機能でコメントもしくは事務局へご連絡をお願いいたします。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 事前に送付させていただいた資料としまして、議事次第、資料1-1から1-2、資料2-1から2-2及び参考資料がございます。資料につきましては、Zoom上での共有を行います。議事進行の過程で不備などがございましたら、事務局までお知らせ願います。
 それでは、これから議事に入ります。
 まず、議題1、ガバニングボードの運営規則について。
 本日は初回ですので、まずは運営規則について事務局よりご説明いたします。
【西川人材政策課長補佐】 はい。それでは、資料1-1と資料1-2を簡単にご紹介させていただきます。
 まず、資料1-1をご覧いただければ幸いでございます。
 本ガバニングボードの設置について、資料1-1、趣旨、実施事項、開催期間等を記載させていただいてございます。
 簡単にご紹介いたします。まず、1番、趣旨のところは、この事業の根幹のところでございますが、我が国の科学技術・イノベーション政策に関わる中核的基盤は科学技術人材でありまして、これに対する投資の抜本的拡充が必要であるということや、国、アカデミア、産業界が中・長期を見据えながら相互の連携協力を拡大しまして重要技術領域等の研究開発及び人材育成に戦略的かつ重点的に取り組んでいくことが必要であること。このため、令和7年度補正予算において措置された基金でこの産業・科学革新人材事業(INSIGHT)を創設したところでございまして、それに係る着実な実施、推進を図るためにこのガバニングボードを設置するというものでございます。
 2番、実施事項につきましては、本日まさにご議論いただきます事業の基本方針の策定、また今後の事業進捗状況の確認や事業の評価、その他運営に当たって必要な事項とさせていただいてございます。
 開催期間は、この3月から事業終了までということで記載させていただいてございます。
 構成及び運営は割愛させていただきまして、この資料1-1の2枚目に先ほど紹介させていただきました構成員の皆様のお名前を載せさせていただいてございます。
 このまま資料1-2のほうをご覧いただければと思います。
 資料1-2は、このガバニングボードの運営規則でございます。
 まず、趣旨につきましては、この事業の着実な推進を図るため、基本方針の策定や進捗状況に関する把握、評価等のマネジメントを担うガバニングボードについてこの事項を定めるというものでございます。
 第2条議事につきましては、構成員の過半数が出席しなければ議決することができないと。
 3条につきましては、書面による議決を可能とするというものでございまして、やむを得ない理由により会議を開く余裕がない場合においては、書面で構成員の方に送付させていただきまして、その意見及び賛否によりガバニングボードの議決とするというものでございます。
 第4条、本会議は基本的に公開することとして実施しますが、人事やその他幾つかの事情においては非公開とすること場合があることを規定しております。
 第5条は議事録の公開ということで、皆様にご確認をいただいた上で議事録は公開する形の運用とさせていただければと考えてございます。
 次のページが最後、第6条でございますが、ウェブ会議を併用した形で会議は開催させていただければと考えてございますので、それに関する規定でございます。
 最後、第7条雑則は割愛させていただきます。
 以上でございます。
【髙橋人材政策課長補佐】 ありがとうございます。以上の運営規則につきましてご意見あるいはご質問がある方、ご発言、挙手をお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
【髙橋人材政策課長補佐】 よろしければ、それでは資料1-2を運営規則として決定させていただきます。
 続きまして、議題2、産業・科学革新人材事業(INSIGHT)に関する基本方針について に入りたいと思います。
 まずは、事務局よりご説明いたします。よろしくお願いします。
【奥人材政策課長】 先生方、お忙しいところありがとうございます。
 資料2-1、資料2-2に基づきまして、この産業・科学革新人材事業(INSIGHT)の基本的な考え方、基本方針の案についてご説明をさせていただきたいと思います。説明が重複している部分があるかもしれませんが、ご容赦いただければと思います。
 資料2-1をご覧ください。
 1ページ目です。よく言われていることですが、先端的な国際競争について激化しているという状況であるとか産業の国際競争力が低迷していること。一番の問題は、今後、中・長期的に日本としては労働人口が減少していくという中で、いかにしてこの労働生産性を飛躍的に高めていく、あるいは人材不足を克服していく、そのために質、能力の高い労働力をいかにしてアカデミア、産業界、双方が協力し取り組んでいくかということが非常に大事だと思います。その一方で、近年、研究開発や人材に対する投資、あるいはアカデミア、産業界、双方の人材交流が低迷しているという状況にあります。このため、重要な産業分野において、研究開発、人材育成を一体的に進めるような枠組みが必要ではないかという問題意識があります。
 2ページ目です。右上の図になりますが、人的な資本投資が、日本はコストとして見る面が大きいため、諸外国と比べて著しく低いという状況があります。
 また、3ページ目、右上の図について、大学と企業間の人材の流動性がやはり依然として低い。企業から大学に行かれる人が最近は増えている傾向にありますが、逆に大学から企業に出ていく人は少ないということで、ここも強化するポイントではないかと思います。
 4ページ目、最近国内の産学での共同研究の件数自体は右肩上がりに増えておりますが、右上の図にあるとおり、1件当たりの規模感、人件費が入ってないということが一番大きい要因だと思いますが、1件当たりの件数が300万円未満ということで依然として低い状況にあること。
 また、4ページ目の右下の図、国内の企業は海外の大学に対して投資をする傾向にありますが、これを国内にも還流していくということが一つ大きい課題ではないかと思っています。
 5ページ目、今後の取組の方向性になります。日本の大学の研究力は低下しているというように言われますが、依然として世界トップ水準の研究力であるとか人材力っていうのはまだまだ持っているというように思っています。一方で、企業において、研究開発能力や、特に新技術における競争力は低下している状況にあり、外部からいかにして研究開発あるいは人材資源を獲得していくかということが大きい課題だと。そうした中で、大学とか研究機関は有力かつ重要な人的、物的な資産ということで、ここをいかにして活用していくかが今後の課題だと思っています。そうした中で、3つ目の丸ですが、企業との間の人的な交流である人材の流動性をより拡大していくと、アカデミア、産業界、双方で優れた人材をいかにして育成、確保、強化していくのかが重要であると思っています。そうした中で、大学、研究機関にとっても体制やガバナンスを強化することにより国内外の企業との連携協力を拡大していくという、いわゆるガバナンス強化も必要だろうということで、一体的に推進するための仕組みとして今回新しい制度を創設するということに至った次第です。
 6ページ目、今後の基本的な方向性になります。今回の事業では、3つ基本方針を挙げています。1つ目として、産学官による先端分野の設定です。高市政権の下で戦略17分野、あるいはCSTIの第7期科学技術・イノベーション基本計画においても17の領域が決定されていますが、こちらを念頭に先端分野を設定するということが1つ目、2つ目として、産業界から大学に対する投資の規模、特に人的な投資を拡大していくことを目指すとことが2つ目、3つ目として、併せて大学においても経営力、財政力を強化するため人事給与のマネジメント改革を一体的に行うということで、この3つを大きい基本方針として挙げています。
 続いて7ページ目です。こうした基本方針の下、この先端分野において、大学あるいは産業界が連携協力して研究開発と人材育成の計画を策定いただいて、これに対して国、産業界が双方からお金を出し合うという仕組みを新しくつくりたいと思っています。
 真ん中の黄色いところについて、産学協働での研究開発と人材育成を一体的に推進するために左下の丸1から丸5、この5つの取組全てを行うような大学に対して支援を行うという仕組みを想定しています。3年間で270億の基金が計上されています。おおむね20大学程度、1大学当たり3億円から5億円程度の規模感での支援掛ける6年間の支援を想定しています。
 要件として丸1から丸5を挙げています。丸1は、産学との共同研究、研究開発を通じて人的な交流、人材の流動性を拡大していこうということで、大学、企業、それぞれの、特に大学の研究員、教員について、企業、大学、双方から雇用関係を結ぶことによってエフォートに応じた給与の支払いを可能にすると、これによって人材の流動性を高めることが1つ目です。2つ目は、先端分野において新しい研究者、技術者を雇用することによって分野における質的、量的な研究者の規模の拡大を図っていくこと。3つ目として、将来この分野に参画するような学部学生あるいは大学院生を対象としたような教育のプログラム開発。丸4として、産学協働を推進、強化するために学内の研究開発マネジメント人材、技術職員あるいは事務職員も含めた専門的な組織体制をきちんと整備をしていただくということ。丸5として、民間投資をより一層拡大するために大学において新しい機能や仕組みを整備していただくということ。この5つを基本的な要件として設定をしたいと思っています。
 8ページ目が丸1から丸5をもう少しブレークダウンしたものです。少しポイントだけ申し上げると、丸1、ここが一番大きいポイントです。先端分野における研究開発を行うということはもとよりなのですが、この2つ目のポツにあるように、大学、企業での人材交流あるいは人材の流動性を拡大するに当たり、大学の教員あるいは企業の研究者を、クロスアポイントメント制度や兼業、サバティカル制度などを活用することにより双方から雇用関係を結び、エフォートに応じて必要な人件費、給与をそれぞれが負担をすることで、大学教員の給与を大学だけが支払うのではなくて、企業からの人件費、支出によって大学教員の給与の一部を補填するということで、大学教員の給与を企業が負担する仕組みを新しく入れていこうということ、ここが大きいミソになります。あわせて、こうした共同研究に参画する大学の教員のインセンティブを付与するために、該当教員の給与の上乗せであるとか、あるいは業績評価に当たって共同研究を適正に評価するような新しい仕組みを入れていくも併せて求めていきたいと思っています。
 丸2が先端分野における新たな研究者、技術者の活用ということで、これは3つ目のポツですかね、大学、双方で新しい研究者、技術者を採用、育成、登用する、ポストドクターの採用というのもありますが、次のポツにもあるように、博士の後期課程学生を対象にRA(リサーチアシスタント)やTA(ティーチングアシスタント)として新しい研究者を雇用するということもこの中で推奨していきたいと思っています。
 丸3は、大学院生あるいは学部学生を対象とした教育プログラムの開発です。新しい学科をつくるというよりは、どちらかというと副専攻のプログラムであるとか学科共通の科目を設定するというような形になろうかと思いますが、こうした教育プログラムの開発を行うということ、それに当たって、特に工学教育に関してはJABEE認定のようなものを活用するということも推奨したいと思っています。
 丸4は学内の専門組織体制の整備ということで、我々として、研究開発マネジメント人材あるいは技術職員に関するガイドラインを今回新しく整備をさせていただきました。これらも参考にしていただきながら、大学として全学的な体制整備をしていただくということを想定しています。
 また、10ページ目、民間投資を拡大するための新しい機能、仕組みについてですが、こうした取組を進めるに当たって、例えば大学の中に共創研究所、高等研究院といった独立した組織体制を整備していただくほか、民間資金を管理・運用するための機能、体制を整備することや、あるいは民間投資をより拡大するための戦略を策定していただくということなどを想定しているところです。
 こうした丸1から丸5の要件を満たしたような大学に対しての支援ということを想定しています。
 11ページ目が本事業の対象となる領域と分野です。に先ほど17の戦略分野ということを申し上げましたが、我々はアカデミアに対する投資ということもありますので17分野をもう少し大くくり化した上で、ここの下側にある5つの領域のようなものを設けてはどうかと考えています。物理・工学領域、資源・エネルギー技術領域、それと機械・電子、情報・通信、それと生命科学と化学領域になります。基本計画等で掲げている17の戦略分野は、基本的にこの中に全て入っていると思っております。ただし、これ、JSTの事業となりますので、完全な医療研究の領域というのは残念ながら対象外になると考えています。
 12ページ目が全体的なイメージ図です。産学が連携して研究開発・人材育成計画をつくっていただくということを記載しております。
 13ページ目は、人材の流動性、双方の雇用関係をイメージした図になります。丸1は、大学に共創研究所のようなものを設けて企業からクロアポで研究所に来ていただきます。色分けをされておりますが、それぞれのエフォートに応じて大学、企業、双方から給与を支払う。丸2は、反対に大学の先生が企業側に行き、同じようにエフォートに応じて給与を支払うようにします。丸3は、企業の研究者に大学に来ていただき、教壇に立っていただいて人材育成プログラムを開発するというイメージを極めて簡単に書いていますが、14ページ目にあるように、実際には非常に複雑な形態になるというように思っていまして、共創研究所の中に複数の研究室がぶら下がり、それが、大学、企業、双方から雇用関係を結んだ研究者が連携協力しながら活動するという形を想定しているところです。
 15ページ目が本事業の実施体制です。こちらが文科省に置かれているガバニングボードになりまして、経産省、内閣府等にオブザーバーで参加していただきながら連携協力をして進めさせていただくこと。実際にこの基金が計上されているのはJSTになりますので、JSTにてPOとアドバイザーを選任いただいて、その指導、助言の下で各機関を公募、審査、採択をして事業を推進するという形を想定しています。既にこの事業は3月末に公募予告をかけておりまして、16ページ目にその情報を記載しております。
 これが全体の主な事業の中身となりますが、基本方針にてこちらに記載できていない部分をご紹介させていただきたいと思います。
 資料2-2をご覧ください。
 1ページ目から5ページ目までは今申し上げたことと重複になりますので、ここは省略をさせていただいて、6ページ目の真ん中、支援対象大学の考え方のところに進んでいただければと思います。(4)の最初にありますように、この事業は産学協働で応募する大学側が企業側と協力して研究開発・人材育成計画(仮称)を策定していただくということがまず大前提となります。この計画に関しては、大学として他の国の事業支援によるものを含めて全体的なビジョンを描いていただいて、この事業に関わるところのみこの事業から予算措置をさせていただくということで、このためだけにわざわざ計画をつくるというよりは大学全体の計画をつくっていただいて、その中のこれに該当する部分のみ支援を行うというような形でも構わないと思っています。その際、国際卓越研究大学制度であるとか地域中核・特色ある研究大学強化促進事業、あるいは他の制度と連携協力しながらご提案をいただくことを想定しています。また、ここの計画の策定に当たっては、1大学だけではなくて複数の大学、共同利用機関あるいは研究開発法人と協力して出していただくっていうことはもとより、企業との連携に関しても、単一の企業だけではなくて複数の企業と協力しながら出していただくっていうことでも構わないということを書かせていただいています。
 また、7ページ目について、本事業の実施体制です。丸1のガバニングボードの役割は先ほど申し上げたとおりですが、本ガバニングボードにおいて基本方針を作成し、必要に応じてJSTから報告を受けつつ、事業の制度設計あるいは運営方針の見直しを行うということを想定しています。また、JSTにおいては、この基本方針に基づいて公募要領を策定の上、大学を対象に公募を行います。JSTにてPO、それと副PO、アドバイザーで構成される事業運営委員会を設置していただいて、ここで選考、進捗管理、評価を行うということを想定しています。PO、副POは、久世先生、大野先生にお願いをしたいと思います。この採択大学に関しては、実施契約を結んで毎年度資金提供を行いますが、定期的に進捗状況を把握した上でガバニングボードに対して報告を行い、それに応じて必要な見直しを行うことを想定しています。
 (6)が評価になります。本ガバニングボードそして文科省において、事業終了後の自走化を見据えた形で中間評価あるいは事後評価を行うということを予定としています。また、8ページ目、JSTにおいても、この事業運営委員会において毎年度必要に応じて評価を行い、ガバニングボード等において報告をさせていただきたい。場合によっては、支援の中止や加速、強化というような判断を行うことも実施します。また、ガバニングボードにおいて、事業開始3年後に中間評価、それと6年後をめどに事後評価を実施することを書かせていただいています。
 (7)事業規模、事業期間、これは一部重複になりますが、現在270億円の基金が3年間の分として措置をされています。これを活用して実施をするということ。これから鑑みて、おおむね全体で20大学程度の支援を予定しています。また、事業期間については、令和8年度から令和13年までの6年間。1大学当たり年間5億円程度とありますが、上のところに記載しているとおり、大学の規模感に応じ、1大学当たりの支援金額について幾つかのカテゴリーを設けるということを現在検討中です。
 (8)の適切な事業執行、それと(9)の資金の運用方法については、事務的な内容ですので、ご確認ください。
 私からの説明は以上です。
【髙橋人材政策課長補佐】 ありがとうございます。
 それでは、残り時間はこれらについて意見交換、質疑を行いたいと思います。また、本日は初回ですので、ぜひ委員の皆様からご意見をいただきたいと思います。また、その後オブザーバーの方々からもご意見を承れれば幸いです。
 それでは、まずは委員の方々からご意見をいただきたいと思いますが、ご意見ある方は挙手あるいは合図・ご発言いただければと思います。
【篠原委員】 意見ではなく質問でよろしいですか。
【髙橋人材政策課長補佐】 はい、篠原委員、お願いします。
【篠原委員】 1点質問ですけども、今奥さんからご説明があった中で、これ、産業界と連携協力して研究開発・人材育成計画を策定した上でと書いてあるんですけども、これは大学が6月に応募する時点で、特定の産業界とこの計画をつくり終わった上で応募するっていうことを想定してらっしゃるんですか。
【奥人材政策課長】 可能な限り企業の具体的な名前も含めた形で大学側には提案をいただきたいと思いますが、必ずしも社長と学長が契約を結ぶというよりは、計画段階のものとして提出いただくことでも問題ないと思っています。
【篠原委員】 既に産学ってアナウンスしているので準備しているかもしれませんが、企業側から見ると、一般的にこれから6月までって株主総会があるものですから、こういうことに対してあまり事務手続をやっている暇ってないと思うんですよね。じゃあ、そこはもう精緻のものは求めないっていうことでよろしいですね。
【奥人材政策課長】 あくまで計画という形で出していただくことで問題ないと思っています。
【篠原委員】 わかりました。
【髙橋人材政策課長補佐】 ありがとうございます。ほかにご質問あるいはご意見がある方がいらっしゃいましたら、お願いいたします。
【篠原委員】 じゃあ続けて意見を述べさせていただいてよろしいですか。勝手な思いだけ言わせていただくと、これはお願いなんですけども、20大学選んでみたら何かみんな同じようだったねというのでは多分これはやる意味があまりないと思っていまして、産学協働についての多様な例えば分野だったりとか、もしくは例えば企業の規模が、大企業のものもあれば中小企業と幅広く地域でやるとか、多様性みたいなものを、できれば結果的にそれが得られればいいなと思っているんですけども、その辺を実際の審査、計画の中でどうやっていくのかをまず伺いたいということが1点目です。
 2点目は、この間も事前の討論のときに議論がありましたけども、基金が終わった後にどうやって自走化もしくは拡大していくかってことを考えると、お互い3年間の間にありがたみを実感して、こういうありがたみがあるんだったらもっとお金を増やしていいよねっていう格好でやっていくべきだと思うんですね。だから、この3年間の間は、さっき奥課長のほうからご紹介のあった施策を全てやりますっていうことよりも、施策の中で特にありがたみが実感できるようなところを強調してそこの仕組みづくり、こういう仕組みだったらありがたみがもっとよく分かるようになるというような、そういうふうなところをやっていかないと、5つのことをまずやることが目的になっちゃうとなかなか自走化というのにつながっていかないというふうに思っているので、それをちょっとお考えいただけたらなという点が2点目。
 産業界の立場からすると、スタートをするときにやっぱりなるべくハードルが低いほうがいいと。要するに、例えば大学と企業との間でいうと特許の不実施補償の問題とか、何かさっき言った企業の問題とかが出てくるとなかなかややこしいことも出てきますよね。だから、その辺についても、スタート時点はなるべくハードルを低くしていただいて、多分大学側からも同じようなハードルってあると思うんですけども、双方がハードルを低くしてまずは取り組めればいい、取り組んでいく中で、さっきお話ししたみたいに、これ、ありがたいよねと、おいしいよねってところが目立つような流れでやっていただかないと、最初からあまりかちかちにやっちゃうと、ハードルが高過ぎて越えられないよねってことにならないようにお願いできればなという風に思いました。
 以上です。
【髙橋人材政策課長補佐】 ありがとうございます。
 それでは、波多野委員、お願いいたします。
【波多野委員】 篠原委員のご意見に賛同いたします。
1点目は「多様な枠」、すなわちカテゴリーを応募段階でどこまで明確に提示すべきかという点ですが、今回は初の試みであり、大学側もこれを機に改革しようと計画を練っている最中だと認識しています。現時点で厳密にカテゴライズするのは難しいため、まずは緩やかなスタートで間口を広げ、提案の動向を見るという方針に賛成です。
2点目に、企業側の視点に立つと、知財IPや情報のオープン/クローズの境界線を決めるには相応の時間がかかります。最初からガチガチにルールを固めてしまうと、不実施補償の扱いなども含めて身動きが取れなくなりますので、初期段階はマイルストーンを緩やかに設定し、できるだけオープンな形で参画を促すアプローチが現実的だと考えます。
最後に「自走化」についてですが、これは大学側の努力だけでなく、産業界の人への投資、どれだけ民間投資を誘導できるかが最大のキーポイントになると思います。ぜひ、公募要領や方針に書き込んでいただきたいと考えます。
以上です。
【髙橋人材政策課長補佐】 ありがとうございます。それでは、ほかの方、いかがでしょうか。
【宮崎委員】 いいですか。
【髙橋人材政策課長補佐】 お願いします。
【宮崎委員】 以前から何度もこれにはご意見を出しているんで多くは語らないんですが、この民間側からの投資っていうのは、今回はこれ、人件費というクロスアポイントの給与保障というところで担保していく、マッチングになるという理解ですか。
【奥人材政策課長】 それだけではなく、研究費も含めます。
【宮崎委員】 そうすると、ベースになるのは、大学と民間との共同研究契約がコアになって、そこの中に人件費がもちろん織り込まれている形になるかと思うんですけども、そのときに、前にもご質問したかもしれないですけど、この技術分野をくくったときに、相手方の企業、技術分野、ある分野に特化すると、すごく似たような企業が並んでくると、先ほどのオープンクローズドじゃないですけど、そこが難しくなってくるんじゃないかなというふうに思っているところとなかなか一番今本当に研究力として足りてない部分っていうのは、ある程度重みがあって、ここの部分の人材が本当に足りてなくて人がいないんだとか製造が足りていないんだとか、そういう何か重みづけをある意味どこかで差配していかないと、必要な分野の人が育っていかないように思うんですよね。自分たちの大学の強みだけでとか地域の強みだけでやっていくとやはりそこに偏りが出てしまうので、少し何かそこに戦略的な配置というか、戦略的な負荷っていうのも、最終的には国が投資するのであれば考えていく必要があるかというふうに思います。
【髙橋人材政策課長補佐】 どうもありがとうございます。
 では岡野原委員、お願いします。
【岡野原委員】 はい。ありがとうございます。私も企業側の立場からまず話しますと、企業側のニーズとして、研究的な要素があったとしてもなかなか事業のタイムスケールだとできないっていうようなテーマが出てきたときに、こういった形でもうちょっと長い時間スケールで大学などでやれるっていうような仕組みがあるっていうことはすごくよいと思います。こういった仕組みがない場合だと、どうしても企業をやめて転職してみて、転職してみて結局馬が合わなくて、また戻ってこられればいいんですけれども、いろいろ転々としてしまうっていうような場合があるので、こういった形で一時的に研究をこのテーマでやってみたいっていうことで大学とやれるような機会があるといいと思っていたところ、こういう制度が出てきたっていうことはいいと思います。
 課題関連でいいますと、知財の問題が1つあります。特に企業側がかなり力を入れてやっているような知財の部分っていうのは、実質的にそういう方が行くとそこで情報が有形、無形の形で大学側に行くんですけども、そこで知財が企業側から大学に移転すること自体は、これはしょうがない部分はあると思うんですけども、よく問題になるのは、コンタミしてしまうと、どこからどこまでが企業の分で大学の成果ってどこかっていうのが分からなくなるっていうのがこの取組に限らず大学などと共同研究する場合によく問題になっていたことがあるので、何かそういう知財に関するフレームワークみたいなことも、具体的なケースが出てこないと見えてこないと思うんですけども、それの制度設計などを考えていければいいというふうに思います。
 もう一つ、この中で重要な点として、人材育成プログラムですね。企業側で例えばAIだとか、あとは半導体だとか、そういった分野、企業側のほうがいろいろ先進的な取組だとか、あとはまだ大学側で授業としても教えられてないようなことを、最先端のことを企業側が大学などで広めて、それで実際研究テーマなどを決めたり学生がそこで成長していくっていうことは、企業にとってもそういう方が育っていくっていうことがよいと思っていまして、これは今までも結構いろんな企業が様々な形でやっていたんですけども、企業の中で教育制度を設けるよりもそういう大学の中でちゃんと教えていく、一定の会社としても投資をして大学の中で教えていく、リソースをかけることの結果として人が入ってくるっていうような流れをつくれるといいというので、この部分に関しても非常に期待をしているところです。
【髙橋人材政策課長補佐】 どうもありがとうございます。
 では、宮園委員、お願いいたします。
【宮園委員】 はい。どうもありがとうございます。まず、最初にこの話をお聞きしたときに、企業の方々が大学に来られて博士号を取っていただくようなことが増えれば日本で博士号取得者がなかなか伸びないという点についても大きな支援になるのかなと思いまして、ぜひこれを進めていただければというふうに考えておりました。
 私自身の経験を言いますと、大学の研究室におりまして、企業から来られた方が二、三年いていただいて一緒に研究していただくと、企業から来た方は知識が豊富で教えていただくことも非常に多かったので、そういった経験からしても大学にとってのメリットも非常に大きいんじゃないかと思っています。そして、一方でここの3番目に書いてありますとおり、大学の人事給与マネジメント改革で大学の教員が企業とのクロスアポイントメントとか、そういったことがもしうまく進むようになれば、こういった大学の改革という意味でも非常によいのではないかと思いますので、ぜひそういったものも進めていただければと思います。
 私の経験からしますと、失礼な言い方をするかもしれませんが、医学部におりますと、企業から来られた方はどうしても大学の医学部の先生に何か対等じゃない形ができてしまうんですよね。それをぜひともやめていただいて、研究室にいるときには企業の方と、それから大学の人たちが対等にやれるような関係をぜひこれをきっかけにつくっていただけると大変ありがたい。今回医療系が入ってないのでどうなるか分かりませんが、もしそういったものが将来医療系が入った形でつくられることがあれば、ぜひ対等な研究者として皆様が一緒に接するような環境が出来上がればいいなと強く思いました。
 以上です。
【髙橋人材政策課長補佐】 どうもありがとうございます。
 それでは、皆様からいただきましたけど、オブザーバーの久世様、大野様、もしご意見がありましたらよろしくお願いいたします。
【久世オブザーバー】 よろしいですか。
【髙橋人材政策課長補佐】 お願いします。
【久世オブザーバー】 準備段階から議論させていただいています。この人材育成事業では、大学側はもちろんですが、産業界や企業側も本気で取り組む姿勢に意識も含めてかなり変えていかないと、実質的にうまく回っていかないと感じています。私は、この6年間、米国企業と日本企業の違いを経験してきました。IBMは、事業や実業を意識した研究だけではなく、基礎研究にも注力しています。これに対して、日本の企業は基礎研究に対する意識や関心が低いように感じています。その結果、大学への投資も制限されるのではないかと危惧しています。
 たとえば、IBMもAIに関する研究には、注力していましたが、IBMだけでは限界があるということで、2017年に、10年間で240億円投資し、AIに関するMITとの連携プログラムをスタートしました。40以上のテーマを設定して、お互いの研究者が100名規模で協業する形ではじまりました。他の企業の参加もできるスキームになっています。10年間のプログラム期間を通じて、技術も育つし人材も育ちます。本事業でも、理想的には同様のことができればと考えています。
 また、旭化成の中で本事業が、どのように活用できるか検討させていただきました。1つは、会議前にも波多野委員と議論させていただきましたが、旧東工大と旭化成との連携によるプラクティススクールを2019年より運営しております。このプログラムは、博士課程の後期課程の選抜メンバー約10名と教員が2,3名、旭化成の共創オフィスに、6週間、お越しいただき、AIをベースにしたマテリアルズ・インフォマティクスで、新素材や新グレードの実開発に参画いただいくというものです。旭化成の事業部の研究所が実施しているリアルな素材の開発を大学のメンバーみなさんと協業するプログラムです。研究所の現場からは、6週間は短いので、1年でも2年でも自分たちの事業の研究の中に入って活躍いただきたいといった意見が少なくありません。
 2つ目の例としまして、深紫外線レーザーダイオードの研究は続けていましたが、企業単独では、研究開発と事業化が難しいということで、名古屋大学の天野先生の研究室と連携しています。このテーマに取り組んでいたメンバーのうち、主要メンバー3名と名古屋大学とでベンチャーULTECを立ち上げました。3名は現在、出向の形を取っています。主要メンバーの研究テーマに対する強い思い、天野研究室の充実した研究・実験設備、世界の研究者との強力な人的ネットワークなどが、連携を実現した主な理由です。この先は、連携スタイルもダイナミックに変えながら、さまざまな形での社会実装や基礎研究への貢献が期待できます。
 他にも、複数の大学と共同研究のテーマを実施しています。大阪公立大学とは、旭化成としても重要戦略エリアの水素や固体電池などで連携させていただいています。共同テーマに出資している形ですが、大学と企業との人材交流をより強化し、プロジェクト費用だけでなく、お互いの研究者の人件費も十分に手当てする形で、産学連携の質と量を上げていくべきだと考えています。他の企業でも同様の事例は多々あるかと思います。この事業を通して、大学と一緒になって、大きな仕組みを作っていくという企業側の本気度が、大変重要だと考えます。
 長くなりましたが、以上です。
【髙橋人材政策課長補佐】 どうもありがとうございます。
 大野様、いかがでしょうか。
【大野オブザーバー】 はい。3つほどありますけれども、このプログラムが成功するかしないかは、終了後のイメージを最初からいかに共有できるかということだと思います。お互いに価値を、今回の場合は人材育成に焦点が当たっていますけれども、その人材がどのような価値を創生していくかと、それに対してどのような対価をつけていくのかということが最終的にはプログラムが終わった後に問われるので、それらをどのように共有していくのかということが重要だと思います。そういう意味で、第2点として、大学の中でいうと、これ、大学院生も関与しなければ次世代の研究というか、開発を担う人たちなので、関与しなければいけないわけですけれども、その大学院生の立場というのをどう考えるのか。そこはこのプログラムの中で早期に明らかにしていくべきだと思います。というのは、企業が大学院生を雇用されているわけではありませんので、そういう立場の人が産学の機微情報に触れるときにどのような制限が必要なのか、あるいはどのような環境が必要なのかということですね。企業秘密も含めてセキュリティーをどのように大学がきちんと保てるような形にするのか、それは法人としてやっていただかなければいけないと思います。そういう意味で第3点になりますが、このプログラムにてガバナンスが大事だと言っていることは非常に重要なことだと思います。繰り返しになりますけども、価値を提供するということとその価値に見合った収入を得るということで、大学側にもそういう意味では契約をする、きちんと締切りを守るなど、様々なプラクティスが必要になると思います。これまでもやってこられたチームがたくさんあると思いますが、そこも見ながらこのプログラムが自走できるように見ていくのが重要だと考えています。
 私からは以上です。ありがとうございました。
【髙橋人材政策課長補佐】 どうもありがとうございます。
 では、ほかの方、ご意見やご質問等があれば伺いますがいかがでしょうか。
【奥人材政策課長】 まずカテゴライズの話について、おっしゃるとおり、全ての大学が同じような提案をするということを求めているわけではないので、我々として、大規模総合大学と単科大学であるとか小・中規模大学が同じ規模感でこれらができるというふうには思っていません。なので、2つぐらいの規模感のカテゴリーを設けた上で、支援内容についても差をつけるということを今後考えたいと思っています。その際に、5つ領域を定めさせていただきましたけども、1つの領域もしくは複数の領域から大学に提案を求めるという形にしています。この領域設定自体は国が定めたいわゆる戦略17分野に紐づいた形での領域設定となりますので、ある種我々として、戦略的にどの分野に対して取り組むかということを明示している形となります。それを大学側が規模感に応じて自由に提案いただくということを求めたいと思っています。複数の委員からおっしゃっていただいているように、これを最終的にどのように自走化させていくのかということは非常に大きい問題だと思っています。我々として、大学の教員あるいは企業の研究者は、大学、企業、双方から雇用関係を結ぶことによってエフォートに応じた対価を支払うということを基本的なスタンスとして求めています。要は、人のつながり、人の雇用関係ということをテコに企業から大学への投資をより拡大していくと、それが恒常化していくということをある種計画の中できちんと求めるとともに、毎年度の評価、あるいは中間評価、事後評価できちんと確認を行い、進捗状況について必要に応じて見直しを図るということを実施したいというふうに思っています。
 ドクターの雇用あるいは大学院生をどう扱うかということは非常に重要な視点でして、現在は博士の後期課程学生がどちらかというと学生としての位置づけになっており、研究員として対価をきちんと支払うという形に必ずしもなってないというところがあります。そのため、この事業においてある種先例をつくる形で、博士の後期課程学生に対してRA、研究員として雇用して適切に対価を支払うということをこの中で恒常化するような形で求めていければなというように思っています。
 最後、1点、企業にとっての大学に投資するメリットについて、大学と企業との間で研究のタイムフレームということがどうしても違ってくるというように思っていまして、企業からすると、大学に対する投資は基礎研究のフェーズ、あるいは人材育成に対する寄与あるいは貢献というのを非常に期待しているところはあると思っています。なので、どちらかというと、企業側からすると、大学にいる人、あるいは大学の基礎研究そのものに価値を見出して、その知に対して投資をするということが一般的な文化として根づくような形でうまく事業運営ができればと思っています。
【髙橋人材政策課長補佐】 ありがとうございます。
【篠原委員】 いいですか。
【髙橋人材政策課長補佐】 はい、篠原委員、お願いします。
【篠原委員】 はい。まず、今の奥課長の話はよく分かりました。ただ、さっきのカテゴライズという言い方がいいのかどうか分かりませんけども、大学の規模だけではなくて地域性みたいなこともやっぱりある程度意識した提案が出てくるとうれしいなというふうに思っています。
 それとあと、この5つの分野なんですけども、例えば量子っていうと、波多野先生がやっているみたいに量子のど真ん中の技術もあれば、量子を形づくる技術分野ってすごく裾野が広いですよね。だから、一見量子に見えないかもしれないけども量子を実現するために不可欠な技術っていうのがあって、それをしっかりやっている中小企業みたいなところもあるので、そういうところも上手く巻き込んでいって頂けたらありがたいなって思います。
 あとは、大学の先生方が聞いてらっしゃるかもしれないから失礼なことを言うかもしれませんけども、これまでの私の経験でいうと、結構クロアポとか連携がうまくいかなかったのっていうのは、意外と大学内の事務作業みたいなものが結構制約になっていて、来るんだったらこの作業をやってくださいねみたいな話が結構あるんですよね。だから、その辺は、ガバナンスとしてどう変えていくかっていうのを少し見ていかないと、意外とこの学内の業務っていうのがこの人材流動のネックになってしまうおそれはあるので、そこはいろいろご検討いただければと思います。
 それと、さっき岡野原さんから教育プログラムの話があって、十数年前に、サイバーセキュリティーのはしりの頃、うちの会社と電機メーカーで、サイバーセキュリティーの専門家が大学に教えに行くってことをやったことがあるんですよ。そのときにお願いしたのは、せっかく地方まで行くんだから1つの大学で閉じるのはやめてくださいよと、広げてくださいって話をしたんですね。さっき奥さんのほうから、これ、今回の場合には複数大学の提案もオーケーよってお話だったので、岡野原さんがさっきおっしゃるような教育プログラムみたいなやつは、特に複数の大学で利益を得るみたいな、そんな格好も考えていただければありがたいかと思います。
【奥人材政策課長】 基本方針の中でも繰り返しているように、大学の人事給与のマネジメント改革を一体的に行う、それが大前提になっていると思っています。給与体系や、クロアポ、あるいは兼業とかの制度も中できちんと整備していただかないといけないので、事業開始後すぐさま100%でこれが運用できるとはとても思っていないです。本事業の3年間あるいは6年間かけて大学の中できちんと体制を整備いただくことも一つ大きい目的としてありますので、企業からの投資拡大も含めて、6年間計画の中で計画的に、戦略的にこれが進捗するような形で見ていければというように思っています。
【波多野委員】 先ほど久世オブザーバーから本学の取組を評価いただきましたが、これまで国が進めてきたリーディング大学院や卓越大学院等の成果により、産業界との実質的な人材交流は進んだものの、事業終了後の自走化や企業からの人材投資には依然として課題が残されています。科学技術・イノベーション基本計画で研究のカテゴリーが示されたように、イノベーションの創出には基礎研究と新興技術・応用研究の有機的な結合が不可欠で、本事業INSIGHTは、研究・人材交流・博士支援を一体的に推進、宮園委員のご指摘するイノベーションの進展に寄与すると思います。同時に、大野委員からもご指摘があったように、大学側も人事制度を含めたガバナンス改革を整えていく必要があり、研究・人材・ガバナンスが一体となった非常にチャレンジングな事業だからこそ、大学にとって大きなチャンスになると期待しています。すみません、INSIGHTの応援演説になってしまいましたが。
【宮崎委員】 まさに人件費のところの問題意識ってすごく大きくあると思いますので、産総研の例を申し上げると、産総研の民間資金設定をするときに必ず人件費って盛り込むようにしているんですね、いずれの場合にも。そこが実は企業と交渉するときにかなり企業が難しいと言ってくるとこなんです。大学の先生方の民間資金の設定のこの低い状況というのは、直接経費の積み上げで共同研究契約をしているところなんです。それをそこに例えば我々の技術料であるとかそういう知的貢献度みたいなコストを積もうとした瞬間に企業さんはこれは何に使うお金なんですかという交渉になるんです。それが産総研においても既に起きていることで、それを一生懸命交渉していくんですが、これは多分、この事業を通してでもいいんですけれども、民間側もしっかり考えていただく。大学がマンパワーをただで供給していくっていう形ではなく、やはりしっかり貢献分はフィーするっていう意識は、民間側にもあるはずなんですけど、契約の段になると途端にそこがハードルになってみんな突っかかっているんですね。それを例えば直接経費の30%、関係経費とは別に乗せるっていうふうに、そういうカルチャーをやっぱり日本全国で持っていかないと、これは産総研も同じようにやっているのでぜひ応援はしていきたいと思うんですけれども、かなり民間とやるときの一番大きなネック、そこがインセンティブにどう関わっていくのか。
 そして、博士人材の進学しない大きな理由は、やはりサラリーだと思います。サラリーと将来への不安というところになると思うので、例えばそこにドクターを採ったらどんなに企業で活躍できるかっていうところを見せながら、そこにきちっと修士で卒業するよりももっと大きなサラリーが見えるとか、さらには博士課程に進んでいるときに奨学金にそれ以上のインカムがあるっていう、何かインセンティブといいますか、それが認められた人権としてそういう共同研究契約の中に積まれていく、正式な教員のサラリーとは別として大学院生1人当たりこれぐらいは積むんですよみたいな、そういう何かコンセンサスをある程度この事業の中で目安みたいなものをつくって、それを乗せていくっていうふうに具体的に指示していかないと、なかなか民間の方に値踏みをしてもらうというのは難しいと思います。そこは、しっかり民間も理解してもらいながら丁寧に説明していければなと思います。
【篠原委員】 だから、それは前からよく言われている話で、間接経費の意味合いとかを含めて、幾ら説明を聞いたってこれは分からないんで、こういうことをやる中で、やっぱりこれだけお金を出す価値があるんだねってことを理解するこの3年間なり6年間なりの期間なんだなっていうふうに思います。
【奥人材政策課長】 本ガバニングボード、あるいはJSTに置かれる委員会にて毎年度あるいは3年後に評価を行うが、これ、実は各大学の進捗状況を把握するということだけではなくて、企業との共同研究における直接経費の在り方、あるいは博士の雇用形態の在り方、それとか先ほどから知財の話がありましたが、知財と学生における秘密保持の在り方、こうしたものについて特定の大学でやっていることっていうことをほかの大学に普及展開していくための一つの場にこの場がなればなというふうに思っていますので、要は良好事例の横展開をするための場としてこういう場もきちんと活用いただければなと思っています。
【髙橋人材政策課長補佐】 ありがとうございます。
 それでは、岡野原委員、お願いいたします。
【岡野原委員】 はい。先ほど言えなかった、これは質問になるんですけれども、大学が協働しようと思うような企業をどうやって探すのかっていう話と、逆に企業側がこの制度がいいなと思ったときに大学、どこの研究室、どう探せばいいのかっていう、そこのマッチングみたいな仕組みとかって何か今構想があったりするんでしょうか。
【奥人材政策課長】 基本的にこれは大学側がJSTに対して、提案していただくものになりますので、JSTからこことここが組んでくださいというような提案をすることはないです。なので、基本的に大学にてこれまでの企業とのコネクションを通じて提案を出していただき、そこが一つの事例となりほかの企業との関係にも展開していくっていうことを我々としては求めたいなと思います。
【岡野原委員】 ありがとうございます。その場合に恐らく起きてくるのが、大きな誰でも知っているような企業だったらマッチングできるんですけど、私たちのような中小企業、スタートアップのようなところっていうのは、なかなか見つけてもらえないですし、結構特に学生のほうとかも分かんなかったりするんです、研究分野とかで分かっていたらいいんですけれども。なので、今例えば半導体でもいろんな会社さんがばんばんCMを流して、うちの会社はこんなんですよっていうのを言ってようやく学生も何かこういう、半導体であるんだ、でも業績や給料はいいのかなみたいなことを言って、実際、私はよく知っている、めちゃくちゃいいんですけど知らないんですよ。そういった何か企業側と大学側の何かマッチングの仕掛けみたいなものがあるといいなって思いました。
 もう一つが、それにちょっと関係するんですけど、先ほどテーマごとに集まるみたいなところですので、何か多分恐らくうまくいく仕組みの一つとしてハブみたいなものができて、例えば半導体が強いこの地域とかであれば、半導体が強い大学とかが幾つか中心になって、その周りにある半導体の企業群がくっついていって連携して動くだとか。恐らく篠原さんもおっしゃられたとおりある程度地域性とテーマが結びついて、そこの企業群と大学群だとか、大学群がもしかしたらどこかが面倒を見て周りのいろんな関係するところがそういう紐づくような、そういった形になると先ほど言ったようなまだ想定をしてなかったような出会いとかも起きやすかったりするとか、そういう仕組みもあってもいいんじゃないかなというふうには思いました。
【奥人材政策課長】 この事業を進めていくに当たり、まだ検討中ではありますが、毎年度事業成果の報告会を開催することになると思います。それにはもちろん採択された大学に加えて、参画している企業、あるいはこれに興味関心があるような企業も広く参加を求めるような形になればと思いますので、そうした中でマッチングができてくればおっしゃったようなことになるのではないか。広くこれを事例として展開していくことが大事なので、この事業を起点にほかの大学、ほかの企業にも広がっていくような仕組みを考えたいと思います。
【宮園委員】 1点だけ、11ページの〈生命科学・化学領域〉の(医療分野に限定した研究開発に係るものを除く)という部分がずっと気になっていて、きっと医学部の人、うちも出したいって言ってくる人がいっぱいいると思うんですが、そのあたりをどのように線引きをするかっていうのをご検討いただければと思います。除外するのもよくないんですけれども、変な形になるのは、よくないと思うんで、ぜひご検討をお願いいたします。
【奥人材政策課長】 これは、あくまでJSTとAMEDとの仕分みたいなところで、基礎的なライフサイエンスの分野であるとか基礎生命科学の分野というのは双方に関わるものだと思っていますので、そこまで除外することは想定しておりません。
【宮園委員】 分かりました。ありがとうございます。
【髙橋人材政策課長補佐】 ありがとうございます。
 会議の予定時間になって参りましたけども、委員の皆様あるいはオブザーバーの方はいらっしゃいますか。
【篠原委員】 もう一個質問していいですか。
【髙橋人材政策課長補佐】 はい、篠原委員、お願いします。
【篠原委員】 これからの3か月間ってことを考えると、やっぱり20大学全てが企業としっかりした計画、しっかりしてないにしても特定の企業との計画をつくるっていうのに時間が十分ないかもしれないんですよ。そうなったときに、企業名は書けないけども自分たちとしてはこういう企業群とこういうふうな心持ちでやりたいと思っているという提案じゃいけないんですか。
【奥人材政策課長】 契約締結まで行った計画ではなくて今後の見通しも含めた全体的な計画を出していただければ結構だと思います。
【篠原委員】 もう少し緩い願望、見通しじゃなくて、要するにこういうことをやろうと思っているというような。
【奥人材政策課長】 ある程度企業としての見通しは必要だと思いますが、契約関係までは求めないという形で、できるだけ広めには取りたいと思っています。
【篠原委員】 数億円のお金の決裁って、担当レベルじゃ口約束でできないですからね。
【奥人材政策課長】 補正予算が成立した去年の冬から各大学へは説明を行っており、もう既に半年間ぐらいかけて大学では検討いただいているところもありますので、それなりの計画が提出されるのではないかと思います。
 ただ、1点、20大学程度の採択と申し上げましたが、これは大学にとってもハードルの高いものだと思っています。計画として優れたものでない限りは、採択数の確保を優先するのではなく、まずは要件を満たしているものに限って採択するということを予定しています。
【篠原委員】 じゃあ第二部があり得るということも。
【奥人材政策課長】 今の段階でそれは何とも申し上げられないです。
【篠原委員】 わかりました。
【髙橋人材政策課長補佐】 ほかにいかがでしょうか。
【波多野委員】 本日は経済産業省もいらしているということで、公開の場で踏み込んだ質問になってしまうかもしれませんが、期待を込めて伺わせてください。
大学への間接費や企業による博士人材への投資といったテーマは、大学側の努力だけでは限界があり、文科省と経産省が連携されることで、制度を向上させていくご計画でしょうか。
【奥人材政策課長】 博士の支援策は、まさに川上さん(注:経済産業省イノベーション・環境局大学連携推進室長)のところと一緒にやらせていただいています。あと、契約学科制度という支援事業についても別途経産省でも実施されているので、そうしたところと、大学にとってみれば、連携協力した形で支援できるようになればいいと思います。
【波多野委員】 企業には人への投資のメッセージでとなりますね。
【奥人材政策課長】 はい、そうです。
久世先生いいですか。
【久世オブザーバー】 博士人材の処遇は非常に重要だと思います。例えば、各企業は専門職や高度技術者のプログラムがあり、スキルレベルに処遇を連携しているところも少なくありません。博士を本人のケーパビリティのひとつとして、この種の処遇に連携させるシステムも日本の場合は、有効かもしれません。日本は、欧米に比べて、博士の社会的な認知度や理解、活用が、遅れています。企業や大学の人事制度で、博士を処遇するようなアプローチが、現実的ではないかと考えながら、お話をお伺いしていました。
【奥人材政策課長】 ありがとうございます。事例を横展開できれば良いなと思っています。
【久世オブザーバー】 賛成です。私は大学と一緒に提案する側にも興味があります。先ほどからお話にあるマッチングの考え方も大事だと思います。
【奥人材政策課長】 指導いただく立場になります。
【髙橋人材政策課長補佐】 ありがとうございます。
 それじゃあ、オブザーバーの大野様、最後一言いただけますでしょうか。
【大野オブザーバー】 はい。どうもありがとうございます。横展開っていうのは非常に重要だと思います。東北大学でやられていることだけしか知らないんですけれども、そこは知的貢献費というものをお願いして、それは間接経費とは別に認めていただいて、教員の給料などに上乗せするような仕組みが今動いています。それらも参考にしていただいて、最後は、何度も言いますけれども、お互いに価値があるねということで自走できる形にこのプログラムがなればいいなと思っていますので、皆様のご支援もよろしくお願いいたします。
 以上です。
【髙橋人材政策課長補佐】 どうもありがとうございます。
 それでは、本日様々なご意見をいただき、ありがとうございます。いただいたご意見を踏まえて基本方針を策定したいと思います。
 最後、閉会になります。事務局から一言ご発言させていただきたいと思います。
 西條局長、お願いいたします。
【西條科学技術・学術政策局長】 はい。今日は、特に年度初めのお忙しいところ、お集まりいただきまして本当にありがとうございます。それから、ガバニングボードの委員等を引き受けていただきまして、そうそうたるメンバーという形で、我々も身が引き締まる思いでやらせていただいております。
 本日ご説明させていただいたのですが、本施策自身は、研究開発、博士人材、また人材育成、人材流動化、大学の経営改革強化、産業界との連携は、多岐にわたる要素を含んでおり、総合的な施策となっている。この方向性については、今まさに第7期もスタートした上、日本成長戦略の中で我々は日本成長戦略会議人材育成分科会を実施させていただいて、その方向性としてはかなりこれらについて取り組んでいかなければならないというところがあり、本日もお話があったように、どう実現、資金を使って適切に実現していくかというところがやはり一番肝になるというように思っております。多岐にわたる要素を含んでいるがゆえに、それらを全て一度に取り組んでいくと、それをつくっているだけで疲れてしまうというような話になってしまうので、今日篠原委員からもお話がありました、まさにこの事業を通じて少しずつでもそのありがたみを感じて、大学と産業界がしっかりと連携を取れるような仕組みで、それが結果的には自走化にもつながっていくというような形に持っていきたいと思っておりますので、その辺については我々も、どちらかというと選んで終わりでは当然なくて、選んだところについて、横展開もありますし、そこから出てくる問題点というのは、制度的に我々がクリアしなければならないため、事業を実施しつつ制度も変えていくということができればいいなというふうに思っております。お話にあるように経産省にも入っていただいて、産業界への働きかけは我々だけでは十分に機能しないので、経産省とタッグを組んでやらせていただくというところもありますので、そういった形でぜひとも前に進めたいと思っておりますので、ぜひとも引き続き忌憚のないご意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 とにかく今度公募要領にどう反映させていくかということが、非常に重要だと思っていますので、その辺を含め、またご相談しながら進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【髙橋人材政策課長補佐】ありがとうございます。
 最後に、事務局からご連絡ですけども、本日の議事録につきましては、委員の皆様にご確認いただいた後、文科省のホームページにてアップさせていただきます。
 それでは、本日はこれにて閉会といたします。ありがとうございました。

 

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