令和7年11月13日(木曜日)15時00分~17時00分
文部科学省15階15F特別会議室及びWeb会議形式
大野座長、伊藤委員、上田委員、川合委員、染谷委員、高橋委員、千葉委員、仲委員、宮園委員、安田委員
西條科学技術・学術政策局長、福井大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当)、井上科学技術・学術総括官、馬場参事官(研究環境担当)、淵上研究振興局長、坂下大臣官房審議官(研究振興局及び高等教育政策連携担当)、清浦大臣官房審議官(研究開発局担当)、嶋崎開発企画課長、松浦大臣官房審議官(高等教育局及び科学技術学術政策連携担当)、赤池科学技術・学術政策研究所総務研究官、石川研究開発戦略課長 ほか関係官
小安文部科学大臣科学技術顧問、藤原内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局参事官(統合戦略担当)付企画官、武田経済産業省イノベーション・環境局イノベーション政策課長
【大野座長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第5回「科学の再興」に関する有識者会議を開催いたします。
提言をまとめて、その先につなげる日程もありますので、今回は最後となると考えております。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日の会議も対面とオンラインで開催しています。
また、冒頭から公開という形で進めさせていただいています。
それでは、本日の議事等について事務局から説明をお願いします。
【石川研究開発戦略課長】 私のほうから説明させていただきます。
議事につきましては、議事次第のとおりでございます。資料につきましては、資料1、2、資料2-1、2-2、2-3と資料3、参考資料1、2がございます。お手元にもし過不足などございましたら、事務局までお申出いただければと思います。
また、本日、上田委員、川合委員、高橋委員はオンラインでの参加になります。川合委員は少し遅れての参加ということで伺っております。オンラインの先生方におかれましては、発言時はマイクをオンにしていただき、カメラもオンにしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
事務局からは以上でございます。
【大野座長】 どうもありがとうございます。
それでは、議題1、科学の再興に関する提言案についてに入ります。事務局より、まず御説明いただいた後、意見交換をさせていただきます。それでは、石川課長、説明をお願いします。
【石川研究開発戦略課長】 それでは、私のほうから説明をさせていただきます。今回、科学の再興に関する提言案ということで、前回、第4回の有識者会議におきまして、先生方から提言素案に対して様々御意見をいただきました。いただいた御意見を踏まえて、提言素案をさらにブラッシュアップいたしまして、今回、提言案ということでお示しをさせていただいております。
また、資料3にございますが、昨日、科学技術・学術審議会の総会がございまして、そちらでも素案について御説明させていただきまして、科学技術・学術審議会総会でも御意見を頂戴いたしました。そういった御意見も踏まえて、最終的に本日、提言案ということでお示ししております。
まず、資料1や、今申し上げた資料3で前回の皆様からいただいた御意見や、昨日の総会でいただいた御意見を簡単に御紹介させていただきたいと思います。資料1の2ページ目でございますけれども、横断的な論点ということで、青字にしているところなどで、科学を単独で考えるのではなく、産業政策や経済安全保障、地域発展等と科学がどのように接続・連携されていくのかといった視点が重要だというような御指摘や、その下にありますように、省庁の縦割りを超えて連携すべきということ、また、こういった分野では、文科省のみならず、省庁横断で長期的に科学への投資や人材育成を進めることが重要といった御意見をいただいております。
また、2つ目の丸にありますように、科学は投資されるべき分野であるということを社会全体に向けて改めて強く発信して理解を得る必要があるということや、様々なステークホルダーが相互に対話することが重要であるという御指摘をいただいております。
また、3つ目の丸のところにありますように、科学システムの刷新の原動力は大学のガバナンスが大事だということ、新たな政策を実行することで、かえって現場の負担になる、研究時間が圧迫されるといったことにつながってはならないということで、そういった現場の負担にならないためにも組織のガバナンスの強化が不可欠という御指摘もいただいております。また、具体的施策に当たっては、本質的なところの整理、共有が必要ということや、また、こういった改革なり、研究システムの刷新を進めていくに当たって、相応の投資が大前提であるという御指摘も前回いただいているところでございます。
次の3ページ目ですけれども、最初の丸のところで、日本の弱みとか課題・不足点というのが、裏を返せば潜在的なポテンシャルであるというような御意見もいただきました。また、2つ目の丸ですけれども、新たな研究領域の創出という点について、最初の画期的な論文は、必ずしも最初の段階で引用数が多くないこともあるので、そういったところについて留意が必要ということ、そういったことも含めて、より有効な指標の在り方についても分析が求められるという御意見をいただいております。
また、次の3つ目の丸では、先ほども御紹介した御意見と近い御意見ですけれども、政策立案に当たっては実務上のプロセスや運用実態を深く理解した上で、ボトルネックを特定して、これを解消するようなアプローチを取ることが重要という御意見もいただいております。
次の4ページ目ですけれども、最初の丸のところでは、大学研究機関が組織内で資金配分に対して、組織、機関のほうが一定の裁量を持って行える仕組みを目指すべきではないかという御意見ですとか、公募型のものでも申請に基づいて事前に審査するのではなく、それまでの実績などに基づいて配分されるということなど、効率的な新たな仕組みの検討、導入も必要ではないかという御意見もいただいております。
次の丸のところでは、新たな領域を開拓するというところで、新たな領域が確立するまでにはある程度時間がかかるということで、かつ、1人の研究者だけでは成し遂げられないものだという前提で、そのプロセスも考慮したサポートが必要ではないかという御意見もいただいております。
また、国際ネットワークの参画のところでは、文科省だけではなく全省庁で対応していくことが必要ではないかということで、JETROですとかJICAなども例に挙げて、御意見をいただきました。
5ページ目の優れた人材の輩出のところでは、大学だけではなくてその前段階としての中学、高校段階からの長期的な支援や、中高生に対しての国際交流支援ということも御指摘いただいております。
また、時代に即した研究環境では、データについても御指摘をいただいております。データの利活用のための基盤と、そもそもデータについて、省庁の壁を越えて適切に統合、活用していくことが重要であるという御意見いただいております。
最後、6ページ目では、基盤的経費と大学改革の一体的推進の関連で、財務管理がしっかりできている大学や研究機関には裁量拡大といったインセンティブを与えることも必要ではないかといった御意見、古い慣習やヒエラルキーなど、そういったものの改善も含めて若手研究者が自由に挑戦できる制度、風土づくりが重要であるという御意見、また、最後、産学連携についても間接経費の考え方であるとかについて産業界と認識を共有しながら進めていくことについての御指摘をいただいたところでございます。
また、今、申し上げた有識者会議の前回の御意見のみならず、資料3を御覧いただければと思いますけれども、昨日の科学技術学・術審議会総会でも、同じような観点で御指摘をいただいております。昨日の今日でまとめ方が適切かどうかというところは御容赦いただきながら、科学の再興の意義については、この有識者会議の中でも出た指摘と同じような御指摘かと思っておりますけれども、研究力の視点にとどまらないで日本の成長戦略やそういった観点まで含めて位置づけてしっかり発信していくべきということや、社会受容性という観点も大事だという御指摘、倫理面などのELSIの観点を含めて、科学の社会的責任という観点も御指摘をいただいております。
また、ここにあるように、投資の拡大という以上は、投資した側からすればリターンは何であるかということも出てくるということで、そういったことも念頭に置きながら検討すべきという御指摘もいただきました。2ポツの新たな研究領域の創出という点では、説明がつかないことに対しての興味や、そういったものをちゃんと支援できるようなやり方、そういった設計が大事であろうということを御指摘いただいております。また、日本の強みということで、人や資金力のパワー勝負ではない日本の強みを生かす戦略も重要であろうという御指摘をいただいております。
3ポツの人材やキャリアパス、これについても、この有識者会議でもいろいろ御意見いただいていたかと思いますけれども、多様なキャリアパスの重要性などを御指摘いただき、また、技術者や専門スタッフの処遇の改善なども御指摘をいただいております。
続いての3ページ目では、昨日の総会でもデータ基盤については御指摘いただいておりまして、国のインフラという観点から、省庁横断的なデータ収集、データの維持管理という点についても、しっかりやっていくべきという御指摘をいただいております。AIの活用についても、AIを活用した人材育成という視点も重要ではないかといった御指摘もいただきました。
6番の基盤のところは、機器だけではなくて専門のオペレーターの配置なども含めてやっていくべきという御指摘や、制度改革という点で、昨日も法人としての役割が大事だという御指摘をいただきました。この有識者会議でも同じような御趣旨の御意見をいただきながら、昨日の総会でもこういった御意見をいただいております。これらを踏まえまして、資料2-2でございますけれども、本文の中でも御指摘を反映させる追記、修正などをさせていただきました。
簡単に、全ては御紹介できないですけれども、こういったところを直しておりますということを少し紹介させていただきます。例えば3ページ目のところ、「はじめに」で、例えば下のなお書きのところなど、科学とビジネスが近接化している中で、科学はイノベーション・エコシステムと本質的に切り離せないという部分であったり、科学は戦略的に重要な技術領域であるとか、産業競争力、経済安全保障、地域を含めた社会課題等への対応のために必須なものになっているので、文科省の施策のみによって達成されるものではないと。他の省庁、様々なステークホルダーとしっかり連携を取りながらということを追記をさせていただいております。
また、10ページ目には、前回、有識者会議でも御指摘いただいたように、必ずしも画期的な科学的発見が最初に引用数が多いわけでは必ずしもないことも、こういった形で表現を加えております。
12ページでも、科学の再興というものがそこに閉じた話ではなくということで、12ページの下に、「「科学の再興」であり」というところで、科学を基盤として我が国の将来を切り拓いていくことが重要であるといったことも追記させていただいております。
また、20ページのところには、5ポツの集中的に取り組む事項のすぐ上のところになりますけれども、第7期基本計画期間中の施策の方向性のところに追記をさせていただきましたが、ここにありますように、「なお、社会・経済に不可欠な科学を国全体として育成し、それを発展させ、我が国として価値を享受していくためには」とした上で、「科学には光と影の二面性があることを認識し、社会受容性や法制度を含めたELSIへの対応など、自然科学のみならず、人文・社会科学を含め『知』を結集・融合する」という記載も、全体の方向性ということで、自然科学のみならず、人文・社会科学も含めて追記をさせていただきました。
24ページのところでは、ここは、流れでいきますと、科学の再興のために必要な要素ということで、新たな研究領域への挑戦の抜本的拡充ですとか国際的な研究動向の牽引であったり、そのための環境をということを書いていた流れの最後に、実現に向けた前提ということを書かせていただいている部分ですけれども、この中に、「その際」ということで、理想を念頭に置きつつも、現場の負担にならないようにということなどを、こういったところに追記をさせていただきました。ここの最後、6ポツのすぐ上のところにも、様々なコミュニティーとの対話を丁寧にやっていくということを記載させていただいております。
そのほか、例えば26ページでは、競争的研究費のところで、評価の仕方、レビューの仕方について、様々な仕組みの新たなやり方の検討も必要ということを、こういったところに記載をさせていただいております。
28ページのところには、国際ネットワークをつくっていくに当たって、先ほども少し御意見を紹介したように、JICAですとかJETROも含めて、他省庁とも連携しということを追記させていただいております。
また、30ページでは、次世代の人材育成ということで、初中段階からの国際交流を少しここで追記をさせていただきました。
また、少し紹介が長くなってきてしまいますけど、36ページにおいても、大学側、研究機関側に対してのインセンティブというものの検討について、こういったところに少し入れさせていただいております。
最後、40ページになりますけれども、前回の素案のときには、こういった形の記載はなかったのですが、提言がある程度、先生方の御意見をいただきながらつくっていくと長くなってきたこともありましたので、結語ということで全体的なところを、まとめを入れさせていただきました。最初のパラグラフのところでは、この有識者会議で「科学の再興」ということで整理を行ったとした上で、次のパラグラフ、「その際」ということを書かせていただいて、今後、内閣府、CSTIのほうで基本計画全体の議論をしていくときには、科学の再興の提言についても、ほかの要素と併せて一体的な計画として検討いただきたいということを、そういった趣旨をここで記載させていただきました。
また、次のパラグラフで、本年10月に高市内閣が誕生しておりますけれども、その中で、「新技術立国」ということが所信表明演説で表明されております。まさに科学を再興するということが新技術立国の実現に資するものであろうということもここに書かせていただいて、そのためにも御意見にもあったように、文部科学省だけではなくて他の出口の府省庁とも連携して、しっかり基礎研究やそれを担う人材への投資を行っていくべきということを最後、結語にも書かせていただきました。
先生方の御意見を踏まえながら、こういった形で本文の修正を加えております。そういったものを踏まえて、また、資料2-1に移らせていただければと思いますけれども、資料2-1で、今申し上げた本文の修正も踏まえて、全体の提言案ということでまとめております。その中で、先ほどの文章の紹介のところで少し飛ばして説明をさせていただきましたが、前回、第4回の有識者会議の際も少し目標設定というものも検討してはどうかということで、アンダーバー空欄の形で資料を出させていただいて、先生方に御意見いただきました。いただいた御意見なども踏まえて、ここの第7期基本計画において、迅速かつ集中的に取り組み、トレンドを変えていく事項のそれぞれの項目について、目標設定を入れさせていただきました。
丸1の新たな研究領域の挑戦、抜本的な拡充につきましては、挑戦的な研究課題数を次の5年間で現行の2倍を目指してはどうかというもの、日本人研究者の海外派遣につきまして、研究者を次の5年間で累計3万人ですとか、留学生、学生については、これは次の5年より少しはみ出て2033年ということですけど、38万人を目指してはどうかということ。また、博士課程入学者数ですとか、博士号取得者数については、現状1万5,000人程度のところ、2万人を目指してはどうかというもの、また、AI for Scienceによる科学研究の革新では、研究にAIの利活用がどの程度活用、拡大していくかという点で、関連する論文数で世界5位を目指す。現状が世界10位ということで、5位を目指したらどうかということですとか、研究環境の刷新で、共用化率を現状20%のところを、次の5年間で30%を目指してはどうかというものを置いております。
また、研究大学群につきましては、ここにあるような研究環境を確保して、50%以上の研究時間の割合を確保できるような大学を次の5年間で、少なくとも20大学ぐらいはこういった環境が、研究環境が整う大学ができるということを目指してはどうかということで挙げさせていただいております。
最後、その下ですけれども、こういった改革を進めていくに当たっても、大学・国研への投資の抜本的拡充と財源の多様化ということで、先ほど申し上げたように、様々な府省庁や民間からの基礎研究への投資を抜本的に拡充するというのと合わせて、研究システムの刷新を進めて、より日本が研究しやすい環境をつくって研究力を上げていく、科学の再興、国際的に優位性を取り戻すということを実現していって、最終的には科学を基盤として、我が国の将来を切り拓いていく、民間企業との好循環でイノベーション・エコシステムの形成を図っていくということを、文章の修正と合わせて、パワーポイントの概要紙でも、その辺もしっかり強調した形で修正をさせていただきました。
説明が少し長くなりましたが、私からの説明は以上でございます。
【大野座長】 石川課長、どうもありがとうございました。今、御説明ありましたように、我々の提言の素案というものを皆様に見ていただいて、前回、有識者会議でコメントいただきました。また、昨日、科学技術・学術審議会総会で、30名には至りませんでしたけれども、委員の皆様からいただいた意見も、リストにしただけではなくて今回、御提示いただいた提言案という形でお見せをいただいています。さらに加えて、今、最後に御説明がありましたように、資料の2-1で、前回までは空欄だったところに数字が入っていて、その数字の妥当性ということも含めて、皆様から御意見を頂戴したいと思います。ということで、御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
【仲委員】 すみません、仲です。発言よろしいですか。
【大野座長】 仲委員、お願いします。
【仲委員】 ありがとうございます。大変よくまとめてくださっていて、昨日の会議の内容もまた入れてくださって、大変感謝でございます。特に、昨日の会議に出ていて、忸怩(じくじ)たる思いだったのは、私、人社系の研究者であるのに人社のことを言えなかったなと思っていたところ、二、三人の方が人文・社会とか総合知のことを言ってくださったので、これが本当に、20ページのところ、入れてくださって大変よかったなと思います。感謝です。
あと、30ページに子供であるとか本当に若手のところから育成していく必要性というのを書いてくださったので、これも重要だと思いました。
あと1点あるとすれば、今の資料2-1の大学院生の数、博士の数なんですけれども、2万人にするというと、1万5,000人が2万人というと2割から3割の増加ということだと思うんです。私、以前数えたときに、記憶によれば、例えば韓国だと人口は日本の半分ぐらいなのに、大学院生は私たちのところと同じか少し上ぐらいであったと思うんです。また、ドイツとかイギリスを見ますと、人口では私たちのほうが多いけれども、大学院生は2倍とか3倍とかそれぐらいだったのかなと思うんです。ですので、例えばこれを2万人じゃなくて2倍の3万人とかという数にできないかというのは思ったところでした。
以上です。
【大野座長】 どうもありがとうございます。今のことに関し、御質問等に関して、あるいは御意見等に関して、最後に文科省側からお話をお伺いする時間を取りたいと思います。
ほかにいかがでしょうか。千葉委員、お願いします。
【千葉委員】 ただいまの御意見に関連するので、今すぐ発言させていただきたいと思ったんですけど、博士人材についてというのは、別途経団連の方とかいろいろなところでの意見交換も進められていると思っているんですが、ここに優れた科学技術人材とありますけども、博士人材というのは、もっとものを大局的に考え、社会を動かす原動力になっていく人材だと考えていまして、その部分をしっかりと社会と共有する必要があるのではないかなと。狭く考えると、何かの技術のスペシャリスト、だからその技術を使うような企業とかではいいとか、あるいは、その研究分野ではいいと思われるんですけど、逆に言うと、例えば日本で物すごく技術を進めているような中小企業は博士人材といった時点でもう違う世界の人と思ってしまう。でも実際は将来、企業の経営者になっていくような素養も持っている、一つのことを突破していった人というのはそういうことができる人だと思うんですけども、恐らく日本はこれから人材不足になるときに、なぜ博士を増やすのか、それは一体どういう人材なのかということをより熱意を持って、広い意味で共有していくということが、ひいては科学の発展につながるのではないかなと思います。
以上です。
【大野座長】 どうもありがとうございました。非常に重要なポイントだと思います。
いかがでしょうか。ほかに、小安オブザーバー、お願いします。
【小安顧問】 ありがとうございます。まず、非常によくまとめていただいたと思います。文科省の科学技術顧問の立場として、有識者の先生方に御礼を申し上げます。
その上で、22ページの、AI関連の論文数の割合という記載について、機械学習の分野の方から研究成果の発表は研究者論文ではなく、国際学会であると必ず言われます。本文を変更する必要はないと思いますが、AI関連論文数については、注等で、国際学会での発表を含むなどの記載をすることが、分野の特性に即していると思いますので、御検討ください。
また、その下の研究環境の記載に、論文を含めた研究データのアクセス環境への高度化ということがありますが、いわゆるジャーナル問題とかなり密接に関連していると思います。その意味で、35ページの丸3というところ見ていただくと、特にオープンアクセスの推進というところで、ここに学術プラットフォーマーに対する大学等を主体とする集団交渉の体制構築とあります。この交渉は重要だと思いますので、22ページと35ページを検討をいただく、あるいは、22ページに記載することを検討ください。現在は大学のみが行っているようですが、国研、あるいは、財団なども含めたオールジャパンできちんと集団交渉をする体制をつくることが本当に大事だと思います。私からは以上です。ありがとうございました。
【大野座長】 どうもありがとうございました。極めて重要なポイントだと思います。特に日本の広い裾野を形づくっている種々の大学に在籍する学生諸君や、そこで研究を行っている皆さんが、世界のジャーナル等にアクセスできないというのはゆゆしき問題だと考えています。ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。宮園委員、お願いします。
【宮園委員】 資料の2-1、数値を出していただきまして、大変ありがとうございます。細かく、例えば丸2の日本人の海外派遣の拡大、累計3万人、どういう根拠かなと前回思っていたんですが、今回細かく、現状が何人であり、それが累計として3万人というように数字の根拠を示していただいたので、大変ありがとうございます。これで随分分かりやすくなったと思います。
一つだけ、5番目の研究大学院の本格始動、拡大のところで、20大学以上というのは私も説明を受けまして、20という数字で了解ですが、研究時間割合50%以上を実現するというのは、どこかにそういう研究大学とかそういうものだという決まりか何か、これまで議論があったか教えていただければと思います。
といいますのは、医学部がある大学は、医学部は恐らく診療等を行うとかなり研究時間が少ない人が多いので、結構ばらつきが出てきてしまうんじゃないかなと危惧しています。
ほかは、これまでの議論を私の場合はほとんど入れていただき、全部きちんと入れていただいたので大変感謝しております。ありがとうございます。
【大野座長】 どうもありがとうございます。一律に50%と本当に言えるのかどうかということですね。分野、特に医学系、診療に携わる皆さんが多いところでは、その実態をどうここに反映するのかというのが大きな論点になるかと思います。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。安田委員。
【安田委員】 ありがとうございます。いろんな意見を丁寧に全部入れてくださって本当にありがとうございます。非常に読んでいて勉強になった部分と、本当にすばらしいまとめだと思いました。
4-2の研究環境の刷新に関する研究設備の共有化率なんですが、現状20%ということで目標30%という、妥当な数字だと思うんですけれども、税金で購入した機器ということを考えたら、現実には、目標値としてはもう少し高くてもいいのかなという気はしております。最新のよい研究機器がきちんとした技術者の方がいる下で使えるということは、研究推進の上で大きな原動力になるということを考えると、40%とかになってくれるといいなというのはあります。ただ、目標が高過ぎると達成できなかったときにというところもあると思いますので、気持ちはというところで、あくまでコメントです。
あと、もう1点は本当に重箱の隅をつつくような、文言に関するところの意見なんですけれども、提言の20ページのところで、「科学には光と影の二面性があることを認識し」なんですけれども、科学自体に二面性があるというよりも、科学を利用する人間とか社会側によって科学技術の持つ意味が光にも影にもなると、ここはかなり丁寧に切り分けておいたほうがいいなと思っております。
以上です。ありがとうございます。
【大野座長】 どうもありがとうございました。とても重要な点です。
ほかにいかがでしょうか。あとは、染谷委員、お願いします。
【染谷委員】 染谷です。お取りまとめ、本当にありがとうございます。まだ丁寧に読みきれておりませんけども、本当にこれまでの議論を丁寧に反映していただいたと思って感謝しております。
今日、新たに見たところでは、目標に対する資料の2-1の数字が明確に書き込まれたわけですけれども、それぞれの大項目についてはこれまでも出ていて、ここについては大変結構かと思うんですが、数字については、根拠といいますか、博士の場合には1万4,000幾らなので2万人とか、これの増やし方や傾きがこれでいいのかということについては、ぜひ御説明を後でいただけるとありがたく思います。
具体的には、これ全てそうかなと思う一方で、丸1の新たな研究領域への挑戦の抜本的な拡充というところで、抜本的な拡充というのが挑戦的な研究課題数が2倍で抜本的と言えるのか、特に挑戦的な研究課題数というのが何を意味しているのかによって、科学技術関係の基礎は2倍どころではなく、もっと増えてほしく、その中でさらに比率でいうと、挑戦的なものについてはずっと高めていくという、これが2倍で意味しているあたりの意味などを教えていただきたいということ。
それから、2点目以降も、研究者は海外の派遣拡大が累計3万人、その元になっているのは2023年で3,600人で、これは10倍ぐらい、桁で上げていこうと。一方で、学生数のほうは随分前のデータを基に2倍ということの根拠になっている。こういうことで、増えていく部分にはいいんですけど、多分この数字を出すに当たって比較のデータはあるけれども、増やした根拠があるものと思いますので、そこについて、ぜひ教えていただけるとありがたいと思いました。
私のほうからは以上です。
【大野座長】 どうもありがとうございました。
それでは、オンラインで上田委員、お願いします。
【上田委員】 ありがとうございます。資料を拝見していて、これまでの議論がかなりきちんと整理されているという印象を受けました。その意味では委員の方々がいろいろな意見を言われた内容について、まとめるほうは大変だったと思いますが、最終的に出来上がった資料はかなりレベルの高い資料になったと思います。
そういう状況の中で、少し気になったのが資料2-1です。左下のところに、「我が国全体の研究活動の行動変革」ということが書いてあって、丸2のところに「日本人研究者の国際性の格段の向上」ということで、ここに人数目標が書いてあります。これ自体は非常にいいと思うのですが、大学の経営協議会などに出席していますと、いろいろな人数目標は設定されるけれども、資金的な援助があまりないので、結局それぞれの大学で自分たちの身を削って各種資金を捻出するという話がよく出てきます。その意味では、単に人数目標だけではなくて、本当はここに、「従来、これだけの人数を送るためにこれぐらいの費用がかかったが、その支援資金を何倍にする」というような資金面での支援に関することを書くと、内容がより現実味を帯びてくると思います。しかし、人数目標が単にノルマという形で捉えられて、実現にあたっては各大学で頑張ってくださいみたいなことになってくると、この目標も十分ではない目標としては適切とは言い難くなるかどうかので、資金面での金額目標も記載する必要があると思います。
そのように考えますと、2つ目は、その右側のところに、「世界をリードする研究大学群の実現に向けた変革」ということで、7つの箇条書があって、その3つ目に「外国人研究者の受入れ体制整備」というのがあるのですが、これも外国人研究者から見ると、日本という国が魅力的かどうかという話になったときに、まず、資金という面では恐らく、あまり魅力的でないのではという懸念があります。逆に日本の先生方が、中国に招聘されたというのはよくある話で、もともと中国が1,000人計画という形で、世界に散らばった優秀な研究者を全部呼び戻そうとしたのですが、その1,000人計画も、実際にはもう5,000人を超える実績があるという状況になっていて、そういう先生方と偶然、中国で我々も共同研究をやる機会があります。その先生方に話を聞くと、資金面での支援というのは、中国は日本に比べて格段に大きいという実態もあって、どうしても日本は選択肢にならないということなので、その辺を考慮した外国人の研究者の受入れ体制整備について、特に資金という点では非常に重要なポイントになると思います。
一方で、3つ目は、科学技術・学術審議会の総会での資料3に記載された意見について、2ページ目の2の2つ目の箇条書のところです。これは単なる人数、資金力などのパワー勝負ではなく、日本の感性、自然観といった強みを生かす戦略、あるいは既存研究分野の優位性を維持していくための戦略も必要と書いてあるのですが、特に日本の強みという観点、これを生かす戦略は、先ほどの資金の話とは裏腹に、資金力やパワーだけではなくて、例えばここでは感性、あるいは自然観ということが日本の強みとして挙げられていますが、こういう日本の強みがどういうところにあるかというところをもっと掘り下げて、日本の強みを生かす戦略ということをもっと前面に打ち出していくべきだと思います。
言い方を変えますと、単に世界に追いつこう、科学を再興させて世界に追いつこうということではなくて、世界の中でリーダーになっていくということを念頭に置いた戦略が重要で、特に、日本の強みを生かす戦略、具体的には感性、自然観などがポイントになると思うのですが、そこをもう少し強調していくとよいと思いました。
ちなみに、今、島津は京都に本社があることもあって、島津の技術・製品と京都の伝統工芸を融合し、新たな価値を生み出すためのコラボをやっています。先週も京都の西脇知事が来られて、今週は京都の鈴木副知事が来られて、大きな関心を持って見学されました。また、外国人も日本の伝統産業に非常に関心を持っています。日本の伝統産業は単に、今までの取組を踏襲しているだけではなく、いろいろな新しい工夫をやっています。例えば、伝統的な製品に対して、機能性を追求して、電磁波を通さないファイバーでつくった西陣織を作るなど、そういう新しいこともかなりやっているので、京都の伝統産業ということに関して、外国人は非常に強い関心を示すという状況がある一方で、日本人はあまり興味を示さないということもあります。
この辺は、日本の強みというのがなかなかうまく表現できていない部分もあるとは思うのですが、科学の再興の提案に当たって、日本の強みということをしっかり考えていくという機会にして、単に世界に追いつくということだけではなく、世界のリーダーになっていく姿勢がもっと前面に出てくると、この提言の価値も上がってくるという印象を受けました。
以上です。
【大野座長】 どうもありがとうございます。リードするにはユニークさがなければいけないと、日本のユニークさはどこだろうかということだと思います。どうもありがとうございました。
それでは、続いて、川合委員、その後、高橋委員、お願いいたします。
【川合委員】 ありがとうございます。取りまとめ、ありがとうございます。何か抜けているかなと思って見ているうちに、どこに書いてあるのか分からないことが出てきましたので、質問です。
今の資料2-1の右下、世界をリードする研究大学群等の実現に向けた変革というのは、研究を推進する大学や研究所が、私たちの議論の中では自らインディペンデンシーと自らを律するような政策ができることというのを大分議論していたと思うんですけど、それがどこで読めるのかがよく分からなくなって質問しています。丸5のところは本格始動、拡大、旗印はいいんですけど、その旗印が研究時間割合50%以上という指標だけで表されていることに何か大きなものが抜けているような気がします。自律した、自らも律しながら研究基盤を整備して、そして、先んじて研究を支援できる大学や研究所というのが大事だという議論をずっとしてきているので、そこがごっそりと抜けているように思った。私がちゃんと気がついてないのかもしれないんですけど、どこかに書いてあるんだったら場所を教えていただきたいですし、もし書いてあるんだったら、指標としてもう少し違った指標がもう1個要るんじゃないかなと思いましたので、いかがでしょうか。
【大野座長】 それは後でまとめて、その1点でよろしいでしょうか。
【川合委員】 はい、1点でいいです。
【大野座長】 それでは、高橋委員、そして伊藤委員、お願いします。
【高橋委員】 ありがとうございます。高橋です。2点申し上げたいです。
1点目は、ちょうど今、写していただいている資料2-1の今し方、川合先生も御指摘なさった50時間の部分なんですけれども、オレンジの四角の右側に、下のような環境を確保し、ひいては50%と書いてあるところに若干の違和感です。下の研究確保が50時間につながるのかというクエスチョンと、50時間というのが研究大学かという宮園先生の御指摘もありました。なので、少なくとも研究環境を確保しと、研究時間50%以上というのは、幾つかの指標のうちのひとつであって、並列するような概念ではないかと思った次第です。
また、恐らく資料2-1と2-2がファイナルのアウトプットとしてここから出ていく重要な資料だと思っておりますが、1ページ目のオレンジの右と左が、同じ資料の2ページ目のブルーの四角の右側、上と下の四角に恐らく構造上、対比するものだと見えておりますが、とりわけ専門人材の記載が幾つかの言葉で両方に入っておりまして、簡単に申し上げますと研究支援関連の専門人材、それから、もう少し広く重要な概念の組織としての大学の経営をきちんとやっていくプロフェッショナリティーの専門人材が若干、このページだけでは分かりにくいです。本文のほうにはきちんと書いてくださっていると思うんですが、そこと文言を合わせるのか、具体的に申し上げますと、文科省の人材政策課のほうで、大学経営に資する専門ということで、昨年来、研究開発マネジメント人材という大くくり化された職名が出てきております。それを本文では使ってくださっているので、合わせるのであれば、2-1のほうでも適切な場所で使っていただいたほうが分かりやすいのかなと思いました。これが1点目です。
2点目は2-2のほうで、25ページ、(1)から具体的取組というところで、(1)新たな研究領域の継続的な創造というところです。ここについて、いろいろな先生方のコメントをまとめていただいているのであれなんですけれども、(1)の2段落目以降、改めて申し上げたいことを言わせていただければと思います。
私見ではございますが、2段落目、「他方、新興・融合」がこれ併存しているから問題なのかもしれないんですが、その後ろを読むと、専門が別の人と話をして成果をつくるのは難しいのというように見えます。ここはもう少し大きなチャレンジを書いてあるような場所だと思っています。新たな研究領域をつくるというのは、新規な概念やアイデアゆえに、まず、少なくとも学会コミュニティーからすぐには受け入れられないという受容性の低さ、それから新規の新しいアイデアであるがゆえに、高い評価を特に初期には受けにくいというとても大変な環境の中で、それでも継続をやることによって、改めて出てくるものだと、私が言うのもなんですけども思っております。そこが、2段落目及び3段落目では、若干、融合研究の難しさにイメージが閉じている印象がいたします。もう少しここの大変さというのを書いていただいたほうがいいのではないかと思います。
それで、とても大切なこととしては、今黄色に書いていただいている3段落目、さらに、こうした実際に新たな研究領域となり、また、それを我が国が開発・先導していくためには時間が必要なものと書いてあるんですけれども、ビッグチャレンジであるがゆえに、時間も資金も、そして一定の研究者集団も、プロセスとして、段階的に上がっていくときには絶対必要だと思います。その部分をもう少し直接的に書いていただければ真意が伝わるのかなと思いました。
以上です。よろしくお願いします。
【大野座長】 どうもありがとうございました。それでは、伊藤委員お願いします。
【伊藤委員】 ありがとうございます。科学の再興の定義からこの議論は始まって、そこから坂口、北川博士のノーベル賞などを経ながら、このような形でまとめていただき、私としては、もう内容に関しては、今日、委員の皆さんおっしゃったことは本当にごもっともと思いながら、特に内容的には私、付け加えることありません。独立性というか、自立性というのは本当に私も相当議論に参加しましたので、川合委員のおっしゃるとおりだと思います。
その上で、指標は今後非常に難しくなっていくんだろうなと。1%論文、10%論文、それが本当の日本らしさを測る指標なのかどうかというのも含めて、実はまだ私、答えがないので、ここでそれを反映させてくださいということではないんですけども、でも例えばタイムズ・ハイヤー・エデュケーションのランキングで、これは文科省の資料ですけど、トップ6.1%、1,900校ぐらいの中に、日本の大学が119校入っているんですよね。それは結構な数なんです。タイムズ・ハイヤー・エデュケーションランキング、研究ランキングなので、ある意味、大学院ランキングであるのに、その中に大学院がそれほど大きくない私立も含めて、日本の119校が入っているというのは、日本というのは平均において世界のトップを目指していき、もちろんこれからは、ウサギのように駆け抜けていく人たちが絶対に阻害されてはならないと。出る杭を打たない社会をつくっていかなきゃいけないということで、Top 1%、Top 10%、大切なんですけども、先ほどの大野座長とかのお話で広く、皆が論文を読めるようにしなければいけないというようなこともあったんですけど、アベレージでトップを目指してきた日本がうまくいっていないから、これからの時代、アベレージでトップを目指すのはイノベーションにつながらないんだろうかと。
結局、高度成長期には、文部省も、科学技術庁も、いろいろな意味でみんなでアベレージという、世界トップのアベレージということで国を引っ張ってきてくださって、設計してくださったんだけど、そのやり方がうまくいかなくなっているから、ある意味、Top 1%論文、Top 10%論文に増やすことが、それが本当に我々のイノベーションにつながるんだろうかというのが、私はまだ分からないところです。結局、日本の強みというのは、結果的に結構分厚い中産階級の中で、みんなで力を合わせてチームワークをもって進んできたんですけど、それが、その力が発揮できないまま、今の科学の弱みというのが出てきたのか、本当に科学の弱みなのかどうかも分からないんですけど、その辺のところを今後は、宮園委員の下で、受け取る側のとき、CSTIの基本計画専門調査会とかそこら辺のところでまた議論しながら考えなきゃいけないことなんだなと。
今さら第7期にいきなり大きな反映をすることはできないんですけど、そこら辺の指標の在り方というのは今後、相当考えていかなきゃいけないんだろうな。日本らしさというのが、日本の強みをどうやって示していくか、勝ち筋の指標って、勝ち筋につながるイノベーション、それから社会を求める、成功につながる指標というのは何なのかというのを随分、この会議を通して考えさせられたことであります。
以上でございます。
【大野座長】 どうもありがとうございます。これで皆さん一通り意見を出されましたね。
私からも一言申し上げたいと思います。最初に申し上げましたけども、昨日の会議の様子まで反映していただきまして、どうもありがとうございます。皆さんの論点のところをこれから少し、石川課長をはじめ、文科省の方々からのレスポンスをいただくわけですけれども、私としては、法人のガバナンスというのが間違った形で伝わっているなという印象を持っています。大学の中で法人のガバナンスと言ったときには、自分たちを好きなようにするためのロジックだというように取られることが多いんです。でも一方で、研究時間を確保して、きちんとした研究環境を整えるというのは、一研究者ではできないことなので、そこは法人がやらなければいけないことであって、そういうことも含めたガバナンス、もっと言えば、どこの大学も同じことをやっているというのは本当はおかしくて、研究大学というのは特色を持って世界と協調と競争をするわけですので、その分野をどうするのかということは、法人のガバナンスの中に入るんだと思います。
それで、ある分野を強調しようと思うと、どうしてもそこにリソースを付け加えるわけなので、そうなったときに教育の立場で大学を見ていると、全ての部局が機会均等で、学生諸君に機会を均等に提供しなければいけないという目で見ると、何であそこにこの資金をつけるのかという話になるわけですけれども、一方で、研究という意味では選ばざるを得ないところがあるんです。全部強くするということができない以上。ですので、そういう意味で、構成員も参画した高度なガバナンス、あるいは高度な判断というのが必要で、それがちゃんとできるのかということがこれから問われているんだと思います。それで、ガバナンスという言葉を、見失ったんですけども、ガバナンスという言葉を使わずに上手に書いている部分もあるなと思って見ていたんですけれども、それがどこだったかを見失ってしまいました。申し訳ありません。
もう1点は、1%論文、10%論文というのは、これ目標じゃないですし、大学ランキングが目標じゃないのと同じように目標じゃないわけですけれども、一方で、それは我々の算出するインパクトの側面を、一側面を捉えているということで、1%、10%論文がゼロだったらば、我々はすばらしいんだと本当に言えるのかというと、そういうことでもないわけですから、それは我々の努力、コミュニティーの努力を測る一貫としては、指標として残り続けるのではないかと思っています。
もう一つ、これは上田委員がおっしゃっておられてそうだなと思うんですけど、数字を書く以上、リソースを言わなければいけないと。1円もかけずにこれだけできるのかってできないわけです。しかも、同じ資料2-1の下の四角の一番下に、財源の多様化というのが書いてあって、これ、自分で頑張ってくださいとも読めるわけですよね。だからそういうところを、そうじゃないんだというか、多様化するときには多様化できるような環境を整えると。もし規制等でできないということがあるんであれば、それをちゃんとやりますということも含めて、読み取れるように最終的にはしていきたいなと思っています。
ということで、私からは以上でございます。せっかくですので、対話をしたいと思うんですけれども、様々な御意見が出ましたし、博士の意味であるとか院生3万人とか、挑戦って2倍で挑戦なのという話もあったと思いますし、非常に多くの御意見をいただいたので、今ここで文科省側、石川課長も加えて文科省側でお答えになれることはお答えいただいて、次の最終版に反映を、会議はもうそのときは通せませんけれども反映したいと思いますので、それでは、石川課長、よろしくお願いします。
【石川研究開発戦略課長】 まず、私がお答えできるところでお答えしていきたいと思います。ほかの皆さんからも、もし補足などあればお願いいたします。
最初、御意見いただいた順番からいくと、仲先生からいただいた博士人材のところ、もともと先生もおっしゃるように人口当たりで見ると、韓国やドイツですとか、そういったところに比べると3分の1ぐらいなので、将来的には人口当たりで同じようなレベル、現状からいけば、3倍を目指したいということは理想としてはありつつも、次の5年でどこまでできるかというのを考えた際に、このぐらいというのを今、設定をしております。
千葉先生から御指摘いただいていた博士人材が重要であるということをもっといろいろ民間も含めて認識をしていきながらというところでは、一応、文章の中でも特に博士人材、例えば、本文だと21ページになりますが、丸3の優れた科学技術人材の継続的な育成、輩出というところの3行目からですけれども、「特に博士人材は、深い専門知識や国際性、課題設定・解決能力など汎用的能力を備えた高度人材であり、アカデミアのみならず、多様な場で活躍することが期待される人材」なので増やしたいという形で、表現としては入れさせていただいております。
小安先生から御指摘いただいたジャーナルに対しての集団交渉ですけれども、今まさに大学の先生方のみならず、国研も含めた形で集団交渉を、体制を整えてやっていくということを今まさにオンゴーイングでやっていると承知しています。その辺、内閣府、文科省も、その支援という形で協力させていただきながら、大学、国研の活動をうまくバックアップするという形でやらせていただいていたかと思いますので、大学だけじゃなくて、国研も今一緒になりながらやっているということは少し御報告できればと思います。
宮園先生から御指摘いただいて、ほかの先生方にも御指摘いただいていた研究時間の50%以上というところですけれども、何かこれはほかのところで既に議論があってということではございません。全体平均で見ると、記載のように30何%というのが平均なんですけれども、宮園先生から御指摘いただいたように、分野である程度見ると違っておりまして、特に先生御指摘のように、病院、医療系を持っているところの研究時間は、理工系だけで見たときよりも少なくなっています。その他の診療時間などが非常に大きくなっているという傾向があります。
また、理工系であったり保健系、医療系であったりしても、職階によってまた少し、同じアンケートの中でも研究時間のばらつきがあります。そうした中で、ここの50%という設定させていただいた、まず、提案してみたのは、総合大学なりでは、そういった大学全体、かえって分野ごとに見ると、50%というのが相当高い壁である領域も含めた、全体で見たときに50%以上というのは一つの目安としてはあるのではないかなということで書かせていただいたところでございます。
また、安田先生、御指摘いただいた共用率を20%から30%じゃなくて、もう一声というお話、ここも、5年の中でどこまでやるかというところで検討していた中で、我々も、できれば前倒しして目指せるに越したことはないんですけれども、次の5年ということで見たときに、この数字で今、設定をしたというところです。
また、科学の光と影、まさに御指摘のとおりだなと思いましたので、この辺、少し表現は工夫させていただきたいと思います。
染谷先生から御指摘いただいていた数字の根拠のところですけれども、最初の抜本的な拡充は、いろいろなところから、産業界であるとかアカデミアからも含めて様々な要望をいただいている中で、これも次の5年で見たときにという際に、まさに有識者会議でも御議論いただいたように、挑戦的なところ、新しい分野の開拓や、そもそもここにも記載させていただいているように既存の学問体系の変革に資するなど、そういったところを、まずは、集中的に増やすという方向性という意味で、まず、ここの挑戦的な課題を2倍ということで設定をしております。ここも次の5年ということで見たときにどう設定するかというところを考えながら、今ここで設定をさせていただいています。
その点と、上田会長ですとか、最後、大野先生からも御指摘いただいた目標、数字に対しての資金援助という点、なかなか数字の目標設定は難しいところありますけど、我々としては、下に書いているように、基礎研究への投資を抜本的に拡充させていきたいということで、頑張ってねということではなくてしっかりやっていきたいというつもりで、書けるところ一生懸命、そこは表現の工夫は最後、また先生と御相談させていただきながら書ければと思います。受け入れ体制も含めて。
また、上田会長から日本の強みという点で御指摘いただいています。その辺、表現として、もう少しそういったところの表現を強く出せるかどうかというのは検討したいと思います。
また、川合先生から御指摘いただいた大学の自主性という観点、今の表現がうまく記載されているかどうかはありますけど、例えば22ページで、黄色で書いているところではないんですけれども、同じ丸5の研究大学群においてはというところで書いている中で、具体的にはということで、「法人自ら」という書き方をして、少しそういった主体的にというか、自主的にということを表現してみたところでございます。
また、高橋先生から御指摘あった資料2-1の2枚目のところの専門人材の書き方、こちらは、まだ工夫したほうがいいところがあったなと、御指摘を受けて思いましたので、少しこちらの資料についても最終的なものとしては、今日の御指摘踏まえて、検討できればと思います。25ページのところの表現ぶりについても、今日の御指摘も踏まえて、改めて、もう少し直接的に書けるかどうかというところなど、工夫できるか検討したいと思います。
御質問であったり御指摘だったところで、もしかしたら拾い切れてないところもあるかもしれないですけれども、私のほうから回答できるところをお答えさせていただきました。
【淵上研究振興局長】 よろしいですか。
【大野座長】 お願いします。
【淵上研究振興局長】 研究振興局長の淵上です。御指摘いろいろありがとうございます。
まず、小安先生からAI論文の割合の関係で、本文でいうと20、21ページから22ページのところの御指摘をいただきました。私どももここに非常に悩みながら御提案をさせていただいております。AI for Scienceによる科学研究の革新という状態を何でもって捉えていくのか、これは5年後までにどういう形にするのが、我が国の科学の世界全体が、AIを用いながら革新していく状態というのを、どう見るのかというのはなかなか難しいなと思いながら、御提案させていただいております。
今現状で御提案させていただいているのは、我が国で算出されている論文の中でAIに関連するようなものの実態というのが5年後にどうなるのかと。これは世界と比べて、どれぐらいの位置にあることを求めていくのかということで、米国が今、世界5位である。恐らく、今ある米国の状態も、ある種、逃げ水のようにどんどん、どんどん伸びていくということが想定されるわけですけども、それに向かって、我々も同じ、あるいは、さらなるスピードでそこに向かって進んでいけるという状態をつくれるといいのではないかということで御提案をしております。
その中に、国際学会での御発表いただいたものも含むのがいいのではないかという御指摘でございます。御指摘ごもっともだと思いますので、しっかり考えてまいります。技術的に、どういう学会の、どういう関係の論文というものが、AIに関するものとしてうまく拾えるのかどうかと、そこは技術的に検討が必要ですので、そこはまた御相談させていただきながら検討させていただきたいと思います。
それから、先ほど御回答もありましたが、染谷先生から御指摘をいただきました、抜本的、挑戦的な状態というのがどういうことかと。挑戦的な研究の2倍というものの適切性、これで相当かという御指摘でございました。先ほども御回答申し上げたとおりでございますけども、本文でいうと20ページに記述がございます。20ページの一番下の段落の丸1で、新たな研究領域への挑戦の抜本的な拡充ということがございまして、これの3行目、2行目の後ろぐらいから、これらの一体的な支援について、科研費の倍増に産学から高い期待が寄せられていることを踏まえということがございます。
これは具体的には、経団連からも早期倍増というのが提案されておりますし、自民党のほうからも、2035年までに倍増を目指すという御指摘がございます。その全体の経費がどうなるのかというのは、まさにこれからの検討ではありますけども、例えば、2035年度までに2倍という状態を踏まえた上で、30年度までにどういう状態とするかということで、少しチャレンジングな目標として、研究課題数の倍増というのを掲げてございます。ここで何が対象になるのかということですけども、基本的に今、私どもが考えておりますのは、科研費の中では学術変革領域研究、挑戦的研究の開拓や萌芽などの件数がございますし、あるいは創発的研究事業で行っているようなものですとか、あるいはさきがけのようなもの、こういう挑戦的に行っているような件数を前提としながら、それを何とか、できるだけアクセラレートしていきたいということで、5年のうちにやれる目標として掲げさせていただいているという状況でございます。
私からは以上です。
【大野座長】 どうもありがとうございます。あと、今の議論の中のことで、西條局長、お願いします。
【西條科学技術・学術政策局長】 はい。補足というよりは、課長の期待に応えつつ、大きいところで言いますと今回、数値目標を掲げさせていただいて、これは現場でやってくれというつもりは全くございませんで、いろいろ御意見あると思いますけど、チャレンジな目標は掲げさせていただいていると思っています。逆に言うと、チャレンジな目標を掲げる以上、我々も資金的な面も含めて、しっかりと対応していく、これは我々にとっての覚悟でもあるとは考えてございますので、その辺しっかりと伝わるようには、現場の方々に、よろしくお願いしますではなくて、我々は一緒になってこの方向に向かっていこうという決意を持ってやっていきたいというところが一つございます。
あと、それぞれの数値の中でも、実はほかのいろんなプラン、例えば博士人材なんかですと博士の人材プランというのも我々、1年ほど前には出していて、それが例えば2040年をターゲットに3倍ぐらいにもっていくとかというところもございますので、あまり数値がいろいろ出てくるのもおかしい、これもかなりチャレンジなんですけど、そういうのもあるので、そこを、これを2030年にしたらどのくらいになるのかというところで設定させていただいているところもあります。
同じように、先ほどの研究環境のところ、安田先生からもいただきましたけど、実は右側の研究大学群では正直もう100%やってくださいということにはなります。ですので、全ての大学で本当にやらなきゃいけないかというところはあるんですが、引っ張るところはしっかり100%持っていくんですが、平均的なところで見たときに20%というところが、そこが引っ張ることによってさらに上げていく。これ、本当は倍増と確かにやりたいんです。実は、今回の第7期基本計画というのは、10年後を見据えた5年間計画なので、10年後を見据えるというところでは倍増に持っていきたいというところで設定はさせていただいているようなところでございます。
そういった形で、それから50%のところは、書き方についてはほかの先生からも御意見いただいたところであれですけど、いわゆる研究時間が少ないというものに対してどういうメッセージを送るかというところもあって、こういった形を出させていただいておりますので、ただ、それだけでというのは当然、ではないということは当然のことだと思っておりますので、そこは分かるような形、どういう形で、伝え方なのかも含めて少し考えたいとは思っております。
私からは以上です。
【大野座長】 どうもありがとうございます。千葉委員がおっしゃられたのは、私が理解した範囲では2-1、下の第7期の囲みの左側の丸3、優れた科学技術人材と書いてあるけれども、間違ったらごめんなさい、博士って技術人材だけなのかというか、科学技術にこだわらずに優れた人材、博士人材なんじゃないかと言われたんだと私は理解しました。それでいいですよね。
【千葉委員】 はい。
【西條科学技術・学術政策局長】 申し訳ありません。千葉先生の言うとおりで我々も考えていて、文科省で、まず、まとめた博士のプランにおいても、単なる研究者を生み出していくというだけではなくて、まさに課題を見つけ解決する能力というところにたけている人材であり、それは経営人材にもなっていくというところ、いわゆるキャリアパスとして非常に広げていかないといけないというところは、これはもう同じ思いでやっております。言いぶりが、この言葉でいいのかどうなのかというところは少し議論の余地はあるかと思いますけれども、方向性としてはおっしゃるとおりで、いわゆる専門性だけをもって、例えば研究開発業務に従事する。例えば民間においても研究開発業務だけに従事するわけではなくて、経営も含めて、また、逆に言うと、いわゆる売っていくような、いわゆるビジネスをやる側にもそういう方がいなきゃいけないことまで含めて、活躍の場としてはそこを広げることを前提に考えているというところは一緒ではございます。書きぶり云々について、もう少しそういうのが伝わるようにしたほうがいいというとこがあれば、考えさせていただきます。
【千葉委員】 ぜひ社会もそれを認識してほしいですし、これから大学に入っていこうとか、そういう人たちも博士像というのを、そういうものなんだと分かってもらうというのはすごく大事だと思います。
【西條科学技術・学術政策局長】 おっしゃるとおりで、私も企業に行ったときには、そういう指摘を受けること自身がおかしいんじゃないでしょうかということはよく議論させていただいておりますので、社会の中でも広がっていくところはありますけども、ちゃんとそこは言葉に出して伝わるようにしていかないといけないところもあると思いますので、その御指摘は踏まえます。座長、申し訳ありません。
【大野座長】 いえいえ、産業界と議論していても、産業界の中でも、例えばインターンシップ、今、どこまでやっているのか最近のは知らないんですけども、博士、研究インターンシップ。
【西條科学技術・学術政策局長】 はい、やっています。
【大野座長】 やっていますよね。あれは、ある経済界の方に言わせると研究を取れと。博士のインターンシップだって、博士研究インターンシップといった瞬間に、研究開発のほうだから、事業と関係ない研究開発のところに落とすという話になっちゃうんだと。だから、そういう向こうの仕組みもちゃんと理解して、第7期のすごくど真ん中の話ではないんですけれども、でも一方で、人材を育成し、産業にも資するところでは、産業に資するような人材も博士から出なければいけないので、そういう意味で、研究というのが会社のセッティングの中では、若干小さくするような意味合いがあるということです。
あと、伊藤委員が言われた大学ランキングを何らかの指標と考えるとすると、平均的というのは、すごく今、結果的に非常に日本は優れた成果を上げていると。だから、そこをどう評価して、何を変えたいのかというようなセットの仕方もあるんじゃないかということを言われたように思ったんですけど。
【伊藤委員】 ただ、それは文科省の資料では、日本の数だけ書いていて、実はそれ以外のトップ1,900にアメリカが何校入っていて、韓国が何校入っているという書かれ方はしていないので、私にはまだそこは見えていないというところで、おっしゃったとおり、研究大学としては、当然のことが1%、10%論文、それからここに書いてあるような研究大学群としてやるべきことというのは、自分たちの得意とする研究分野も、特定も含めて、それはやらないと絶対に研究で前には進めないので、それはもう全くもっておっしゃるとおりだと思います。中間層のところをどういうふうにしていくかというのは、私ども別の問題意識で話しています。
【大野座長】 でも、どこまでが研究大学かというのは、必ずしもきちっと定義が決まっているわけでもないですし、うまくいっているところはちゃんとここはいいところ、いい結果が出ているということもどこかにあるといいですよね。
【伊藤委員】 そうですね。
【大野座長】 あと、ガバナンスにこだわりますけれども、川合先生がおっしゃられたような、丸1から丸5の、5は何というところですけど、これって最終的にはガバナンスがしっかりしている研究大学ということですよね。ガバナンスで結果が出ていると。つまり、大学全体として結果を出しているものを指導、拡大したいということですね。だから、何度も言いますけど、ガバナンスと言った瞬間に耳を閉じてしまうような方々が多いと。だから何か言い方を工夫しなければいけないなと、真意が通じる、届くような形でしゃべらないといけないなと思っています。
ほかにいかがでしょうか。失礼しました、川合委員。
【川合委員】 石川課長からさっき説明いただいたところで、そこを私、まだ読み込みがちゃんとできていないので、私が質問するのは萎縮しながらなんですけど、22ページの2の丸5のところですと言われたのでそこを読みますと、先ほどの資料2-1の1ページ目の右下に書いてあることが文章になっていますので、場所は確認しました。
それで、これをどうやって確立していくのかなというところに、24ページの実現に向けた前提というのがあって、ここでループしてしまうんです。実現に向けた前提のところをずっと見ていくと、黄色いところですが、研究機関に対する負担が現場に偏らないようにするためにも、丸5で挙げた組織の実現が重要であると言えるといって、ここに戻ってくるんです。だから、ここを先に進めていないような気がして。
それから、自立的な研究機関をちゃんとつくるという私たちが議論していた中に、一つ一つ、一々申請するのではなく、まとめて大学のアイデンティティーを認めた上で、私たちはこういうプライオリティーで施策をやりますと宣言したところに、毎回申請するんじゃなくて、まとめて何かできるようなシステムはないでしょうかということを、私、多分3回ぐらい同じ意見を言い続けたんですけど、それはどこにも読めないので、採用されなかったと思って見ているんですけど、そういうことを実現するための、すぐにできるかどうかは分からないんですけど、方向性として、大学や研究機関そのものの機関のアイデンティティーを認める形で、予算の申請の仕方とリンクできるような可能性を探っていただけたらなとずっと思ってはいるんですけど、そういうのはどのようにお考えなのか、ここには一言も出てこないので聞きたいなと思います。
【大野座長】 どうですか。
【石川研究開発戦略課長】 川合先生、ありがとうございます。これまで川合先生からいろいろ御指摘をいただいてきていることは重々承知して、例えば、先ほどの22ページとは違って、一つは26ページのところですけれども、ここが全部というわけではないんですが、競争的研究費制度、公募を行うものについては、もう少し、ほかのやり方も含めて、新たな資源配分の方法についても検討しましょうということを書かせていただいた部分があるというのと、あとは、少し後ろになりますが、36ページのところなどには、そこの黄色のところは、例えば、大学の財務管理状況等を踏まえて、費目間流用の拡大を検討するだとか、事前の届出の求めは不要にするとか、少し組織としての機能強化にインセンティブの付与の検討も考えられるということは、ここに入れております。
少し先ほどの22ページのところの丸5からいくと、さらに具体的な詳細のほうのページになりますけれども、こういった記載はさせていただいております。
【川合委員】 間接経費に関しては、最初に間接経費を入れたときに、当面は30%とすると。だけど、これは随時見直すとはっきり書かれているんです。それが書かれているにもかかわらず、30%でずっとこれで当たり前の数字だとされて、この数字を変えることによって、もう少し合理的に動かせるものがあると考えて、多分言っていること、現場のことを知っている先生たちは分かってくれると思うんですけど、そこをいじることができない数字ではないはずなので、まして、申請大学によって、パーセンテージは今、民間の企業からの間接経費に関しては、皆変えていて、大阪大学なんかはたしか40とか50%にしていたと思うし、農工大も変えていましたかね。
【千葉委員】 40までは。
【川合委員】 それを公的資金に関しては、そういうことが全くできないというのも不思議な気がしています。
そこをちゃんと何が間接経費と言われているのか、間接経費という言い方をすると、その事業をやるために、アディショナルに必要になるものということで範囲が限定されちゃうんですけど、事業を運営するために、期間そのものが準備金も含めて投資しているものの金額を考えるという、アメリカで言ったらオーバーヘッドという言い方をして、それぞれの大学で必要経費をちゃんと計算して、自分たちはこのぐらいのパーセンテージとして動かすということを宣言できないわけはないと思うんです。
それが理にかなわなければ却下することもあるかもしれませんけど、そうやると、自分たちがうまく投資を回して、一定の実力をつけている人たちが外部資金を取ってくれば、おのずと取った中に投資した分がリターンで戻ってくるようなものが、エコシステムとして入り込むので、私から見ると論理的な回し方ではないかと思うんです。別々に全部やるよりは効率がよさそうに思うので、少し検討していただけないかなということで。
【石川研究開発戦略課長】 ありがとうございます。
【川合委員】 やり方については、多分相当な検討が要るので、すぐ来年からの第7期基本計画の中に入れられるかどうかは分からないというお答えはあってもしようがないと思っているんですけど。
【石川研究開発戦略課長】 そういう意味では、36ページのところでは、費目間流用ですとか、まさに御指摘いただいた間接経費の30%も含めて、組織としての機能強化に対してインセンティブになるような付与を検討することは考えられるということで、今後の検討課題という趣旨でここに記載をさせていただいています。
【川合委員】 もう少し明確に書いていただいて。いや、すぐの課題と、それから長期的に検討すべき課題もここに入れておくと伝達されますよね。毎回同じことを繰り返す必要はなくなるので。
【西條科学技術・学術政策局長】 間接経費のお話は前回も出て、今回少し付け加えさせていただいているところがございます。千葉先生からも前回、お話もいただいて、公的資金のほうの入れ方としては、今は30%という感じで。
【川合委員】 当面と書いてあるので。
【西條科学技術・学術政策局長】 分かります。あと、民間から取るのは、逆に言うと数字が走ると数字のパーセントで、それでみんな納めればいいじゃないかとなっちゃうところもあって、逆に言うと、民間からは先生がおっしゃるとおり、本当に魅力を感じるんだったら、相当取ってもおかしくないというところが、それをやられているところもあれば、もう数字が決まっているから、その数字でやってしまうというところもあって、だから、その辺は当然議論が必要だと思っていますけれども、少しまだこれが足りないところがあるようなので、そこの部分は引き取らせていただいて。
【小安顧問】 39ページにも書いてあります。
【石川課長】 そうですね、39ページには、民間との共同研究の文脈で書かせていただいています。御指摘ありがとうございます。
【川合委員】 すみません、今の間接経費の考え方って、最初の頃よりは少し広がっていると思うんですけど、実際に申請されているプログラムを実行するのに必要な経費となっているはずです。そうすると、もう少し広く次の者に対する投資をするとか、そういうところまで、多分使えないですよね。それ、もう変わっている?
【井上科学技術・学術総括官】 多分その運用がうまく伝わっていないところはしっかり。
【川合委員】 すみません、私だけが遅れている可能性もあるんです。
【井上科学技術・学術総括官】 いや、でも先生が思っているということは、きっとほかにもそう思っていらっしゃる方がいるという可能性があるんだと思うので、そういうのはしっかり伝えるように、我々のほうでやっていければと思います。
【川合委員】 定額では動かない。
【井上科学技術・学術総括官】 具体的に、こういうことできますよというのを。
【川合委員】 ただ、できたとしても3割だと足りない。
【井上科学技術・学術総括官】 それがさっきの話ですね。
【川合委員】 はい。
【大野座長】 価値をどのように認めていただくのかというところと、その価値を生み出すための費用というのをどう考えるかということで、引き取っていただいて、黄色のところを、今の黄色のところも含めて、次のバージョンにしていけたらなと思います。ありがとうございます。
非常に重要な、研究の価値というのをどう表現し、それを対価として頂戴するかというところになるんだと思いますので、ぜひそこは検討していただきたいと思いますし、先ほどの話で、前の話で言えば、新しく参画する人たちにとってフェアだという申請書の要求の仕方も重要ですけれども、そのおかげでどんなことでも、フェアネスということに関してどんなに時間を使ってもいいんだということでもないわけなので、そういうバランスの考え方というのは極めて重要だと思います。大学の中でも、ちゃんと開かれていなければいけないので、これだけの様式でみんな書いてもらわなきゃいけないという文化があるんです。それでも、毎日顔を合わせていて分かっているじゃないかといっても、なかなかそうならないところもあって、そういうフェアということを様式で表現して、時間をみんなで使うことによってフェアだと納得するという文化を少し変えていけると時間ももっと出てくるのかなと思います。それはガバナンスの中の一環だと思いますけど。
【川合委員】 もう一つ、小さいことで聞きたいことがあるんですが、よろしいでしょうか。さっきの装置の設備の共用についてのところなんですけど、これ、まとめて研究設備の共用化率と書かれちゃっているんですけど、研究設備って共用できるタイプのものと、例えば電子顕微鏡であっても、人と一緒に共用できないようなものもあるんです。だから、これは共用可能なものの共用化率としておかないと間違ったメッセージが行くような気がしているんですけど、その辺はどのように見ているんでしょうか。それから、今現状の共用化率と言ったときの母数は何か規定されているんですか。
【馬場参事官(研究環境担当)】 もともとの現状の20%程度の数字の根拠は、e-CSTIで内閣府のほうで分析したものを基に記載しています。今回、提言が出た上で、改めて分母や分子を定義していく必要があります。大学によっては、設備の数ではなく、購入ベースで、例えば共有を図っていただいて算出することによって、ある意味、消耗品的な安いものも、いちいち共有する必要のないものもあればという考え方もあるので、もう少し定義を含めて誤解のないようにしていきたいと思います。
【大野座長】 ほかにいかがでしょうか。安田委員。
【安田委員】 ありがとうございます。優れた科学技術人材の継続的な育成というところの中で、ぜひとも検討していただきたいなと思っていたことがあります。博士を持っている専門人材が、省庁とかで国際条約とかの交渉に当たる人の人材のポジションというのが今ない状態で、若手の研究者とか不安定な人が毎回、CITESやCOPを含めた条約の対応に当たっております。官僚側も3年交代で人が変わる中、歴史的な経緯から全部勉強して、一生懸命、省庁の方に継続的に助言をしながら取りまとめたりとかしているという現状があります。これらの対応は、事前の水面下のやり取りも含め、各問題を追うだけでも大変で、結果として、日本にとって有益ではない条約とかそういうのが取り交わされてしまうという現状が現場で起きていると思います。
海外とかだとそういう専門研究人材というのが、省庁とかでちゃんとしたポジションとして、それを専門としてできる人がいるというところとかがあるそうです。まさにハイブリッド人材なんですけれども、省庁での考え方、アカデミアでの考え方、両方を理解したハイブリッド人材のような博士人材をちゃんと育てながらも活躍してもらって、国益にもなるとよいと思いました。そのために、博士の進路の拡大という意味でも是非そうしたポジションを大学や省庁に作っていただけたらと思います。現在、こうした役割を担う若手研究者は、キャリアパスを作っていくことが大変で、苦しんでいるというような状況とかも見ております。彼ら彼女らに安定したポジションを用意することで、博士人材をきちんと国として生かしていくということをぜひアピールをしていただけたらと思います。
あと、間接経費のお話、私ももっともだと思うというのと同時に、今、基盤経費は手元に来るのがちょうど3割減ぐらいのお金で、間接経費と同じくらいの割合ですよね。もし間接経費が50%になった場合、充足率が50%になってしまうということだけはないとよいなと思いました。それは切れないパイを切る話になってくるので、お金を取ってくるのは大変だと思うんですけれども、そこのところだけ気になりました。でもありがとうございます。
【川合委員】 それ関係ないと思います。
【大野座長】 人材がいるのに活用できないというのも課題ですし、あと、昨日の科学技術・学術審議会でもユネスコの話が出ましたけれども、拠出金に対応して、ちゃんとその責任を果たしているのかというのは可視化されてないと思うんです。そういう文科省関係だけではなくて、政府全体のそういう拠出金と、拠出金だけじゃないんですけども、対応した人材をちゃんと供給する体制になっていて、そこにちゃんとはまっているのかということも大事ですし、国営企業、ちゃんとそういうところに行って、主張できる人たちが十分な専門性を持っているのかどうかということも重要ですから、それは人材育成という意味では、文科省のドメインがぴったりだと思いますし、ぜひ補正でも何でも取ってきていただいて、育てるようにしていただけたらなと思いますけれども、何かありますか。
【西條科学技術・学術政策局長】 行政と研究の接点をうまくつくって、EBPMができたときに、特にビジネスベースでやるというときに、行政だけじゃ回らないところもあって、研究者の方々、接点がなかなか少ないというところがあって、10年前からSciREXという形で、研究者と行政が行政課題に、これは国際だけじゃないんですけど、課題に対して、研究者と一緒になってやっていく仕組みで、そこはおっしゃるとおり、行政のほうは人が変わったりするんですけれども、研究者側のほうにも蓄積があって、それが国全体としては回していけるという仕組みはつくろうと、いろいろ努力はしてきているとこあります。
これ自身もプログラムは今年で終わってしまうので、また、この後、やり方自身は重要だと思っていますので、新しいプログラムとして今後どういうものをつくって、これは文科省だけじゃなくて、ほかの役所でも使えるようにということで始めて、拠点は幾つかつくっているんですけれども、そこをもう少しどう活性化していくかというところは少し考えさせていただきたいと思います。
非常に重要な視点ですし、我々の人事制度のところでというところもありますので、今、結構ドクター人材は採っていて、逆に言うとそういう人たちがどう活躍できるかという意味でも、そういった連携をうまく政策検討、一緒になって政策系のポストも用意して回すようなところもやらせてはいただいているんですが、まだ試行段階でもあるので、その辺はこの先、政策を考える上でも非常に重要だと考えていますので、また議論は進めていきたいと思っております。
【大野座長】 CSTIでもそういう議論って、それに類する議論はよくされているので、司令塔機能の強化という意味でも、宮園先生のこれからに
。
【宮園委員】 はい。
【大野座長】 もちろん伊藤先生もこれから含めて期待できればなと思います。そういうところはなかなか国として、まだ形をうまくつくれていないんじゃないかと。どうもありがとうございます。仲委員。
【仲委員】 ありがとうございます。今との重なりなんですけれども、博士人材については、報告書の提案、提言の中にも、基礎科学に対する投資とあるので、投資のリターンはまさに博士人材と言ってもいいんじゃないかなと思うところです。ですので、省庁や企業が科学というところに投資をするのであれば、そのリターンとしては、そういう研究にいそしんだ、知識ある、スキルある大学院生がまた、その省庁とか企業に戻ってくるというのを強調するというのもあるかなと思いました。
あと2つ言いたいんですけれども、一つは、先ほど出てきました、伊藤委員もおっしゃったようなアベレージとしての強みといいますか、そこなんですけれども、考えてみますと、日本の国民の識字率というのはもう99.9%という、世界を見ても高い率にあるし、また、子供たちのPISAなどのああいう成績も高いし、しかも、人口の半分以上は大学に進学するというところですので、これってもう相当な強みかなと思うところです。
ですので、誰でもが少しの支援で研究者になれるような状態に今あるのかなと思う。研究者といえばPIということにならなくても、例えばデータを収集するとか分析するとか、あるいは研究機材をつくる領域であるとか、あるいは研究者の時間をつくるための支援をする、そういう人材であるとか、もう容易に、そういう研究関連の領域に引き込める方たちというのが多いんじゃないかなと思うところです。ですので、識字率とか子供たちの学力であるとか、大学に入る人たちのモチベーションを下げないということは、ずっと維持していかなくちゃいけないところなのかなというふうに思いました。
これが2つ目で、あと3つ目なんですけど、話が変わって、2-1の研究環境の刷新というところで、共用化率が今議論になっていましたけれども、もう一つ老朽化している機材をよりよくする、刷新するという話があったと思うんです。あれはどのように、やはり3割くらいは古くなっているものを変えるということになるのか、ここはもうちょっといけるのかというようなことを伺いたいと思いました。
【大野座長】 今、答えられますか。ぜひ、骨董品を共有してもなかなかいいことはない。
【馬場参事官(研究環境担当)】 ありがとうございます。御指摘のとおりで、我々は問題意識を持っていて、先程の共用化率もそうなんですけど、研究大学としてしっかり設備を管理していかないといけないと考えています。やはり現場に行くと、博士課程の学生だったり、ポスドクが古い骨董品の管理に追われてしまうことになると、魅力的な研究環境にはならないので、そこは基盤的経費を含めて、しっかりと設備を整備していただいて、もう一つ問題意識をいうと、そこに海外製品だけではなくて、しっかり国内機器を開発できるようにしていかないと、持続的な仕組みにはなり得ないのかなと思っています。ぜひ企業の方とも組みながら、大学に新しい設備がある意味、デモ機として入って、一緒に技術開発できるような仕組みを考えていけると、この機会にいいかなと思っております。ありがとうございます。
【仲委員】 ありがとうございます。本当にそうですね。そうなれば研究産業というのがより活性化して、ウィン・ウィンになるんじゃないかなと思いました。ありがとうございます。
【大野座長】 ほかにいかがでしょうか。川合委員。
【川合委員】 先ほどから話題になっている博士号取得者の割合の話なんですけど、ちょうど今、参考資料のデータ集が配られていて、そこの26ページのところに、まさにその資料があるんです。第7期科学技術・イノベーション基本計画だから、科学技術しか入らないんですかね。日本の博士人材の少なさの特徴的なところがここに書かれていて、自然科学関係も確かに多くはないんですけど、社会科学とかそちら博士人材の数が極端に少なくて、これが全体の数の少ない大きな原因になっているんです。
今、科学技術・イノベーション基本計画の中で、さっきの博士人材何万人とか言ってるんだけど、こういう中身の話を少し見ていくと、単にこれ比例させて大きくするだけが意味のあることとも思えないんですけど、科学技術・イノベーション基本計画というところは、科学技術・自然科学だけしか議論できないんですか。違いますよね。
【西條科学技術・学術政策局長】 人文社会、入っています。
【川合委員】 そうしたら、社会科学に対するエンカレッジメントをもう少しはっきりと出してもいいような気がします。
【西條科学技術・学術政策局長】 昨日の科学審でもそれは御指摘も受けていて、人文社会、また総合知につながっていくというところもあるので、そこはしっかりということで、今回も少し記述は増やさせて対応させていただいて。
【大野座長】 ということで、昨日の議論を反映していただいたということですね。
【西條科学技術・学術政策局長】 はい。
【大野座長】 ありがとうございます。
【川合委員】 それと、もう1個だけ聞いていいですか。
【大野座長】 はい。
【川合委員】 すみません、研究費のGDP比か何かのやつが、どこかに表があったと思うんですけど、日本の対GDP比率って、数値が大きくみえるんですけど、研究費総額というのは、公的資金で入れられている金額だけじゃなくて、民間の中で民間に使われているものも全部入っていますよね。前の学長さん、ピーター・グルースが講演されたときに指摘していたんですけど、民間のやつを入れて企画していると、民間のは民間の中だけ回っていて、公的な資金からすると、日本は実はもっとずっと少ないはずなので、実態がこういう形だと見えないんじゃないかというお話を何度もされていたんです。
私も数値を見ると、ここで出ている科学技術予算、全体の予算の中の多分七、八割は民間の中で回っているお金であって、実際に私たちが肌で感じている科学技術予算というのはこの中の本当に一部なはずなので、表を見せるときにこれ、ミスリードじゃないかなと思うんですけど、いかがでございましょう。
【西條科学技術・学術政策局長】 13ページの右側の対GDP比の科学技術予算というのは、これ国の予算でございます。ただ、1ページめくっていただきますと、14ページにありますように、いわゆる最近、補正予算で基金とかが大量に計上されているので、それで急に、13ページのグラフを見ていただくと、19年以降急に上がっているんですよね。ですので、ミスリードという意味では、そういった積み上げたものまでが単年度で出ているというところがございます。
そこは本文では、そこの注意は一応書いてはあるような形にしているので、これだけを見せると、例えばお隣の役所からは、「もう十分だろう」というお話になってしまうところがあって、一方で、ここに入れていたんだっけ。
【赤池科学技術・学術政策研究所総務研究官】 前のページの12ページ。こちらが受け取ったほうのお金です。
【西條科学技術・学術政策局長】 そうです。大学部門で研究費開発というのを見ると、日本は低迷している状態になるというところなので、いろんなデータの取り方によってとか、使われ方があるので、そこは気をつけて御説明できるようにしたいと思います。
【川合委員】 よろしくお願いします。
【大野座長】 皆さんに使っていただいている予算、お金が極めて重要なので、積んで後で使うことになっているのは、今はすぐに入らないという意味で、12ページの左側が大事だということですね。
【西條科学技術・学術政策局長】 はい。
【大野座長】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。もし御意見がないようでしたら、これで意見交換を終了したいと思いますけど、よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございます。
貴重な御意見を皆様からいただきました。御指摘いただいた箇所についての反映は、座長一任とさせていただいて、提言案としては御承認いただいたということにさせていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
(「異議なし」の声あり)
【大野座長】 どうもありがとうございました。それでは、反映したものを改めて皆様と共有したいと思います。
では、事務局から今後の取扱いなどの御説明をお願いします。
【石川研究開発戦略課長】 本日、御議論ありがとうございました。提言につきましては、今、大野座長からございましたように、座長とも相談させていただいて、修文したものを各委員の先生方に共有させていただいた上で、案を取ったものとして、ホームページ上でも公表できるように進めさせていただきたいと思います。
事務局からは以上でございます。
【大野座長】 どうもありがとうございます。
それでは、最後に、西條局長から一言いただきたいと思います。
【西條科学技術・学術政策局長】 本日は、御議論どうもありがとうございました。この会合、今日で主査一任ということをいただきまして、本当にありがとうございます。
2か月半という短い期間の中でかなり重い課題を、最初は科学の今日的な意味合い、基礎研究がなぜ重要なのかというところから始まって、じゃあ目指すものは何なのか、そして何をやっていかなきゃいけないのか、かなり深い議論を本当にしていただいたと思っております。我々、今回の提言を踏まえまして、今度は第7期の基本計画、皆様、先生のところにお持ちして、全体として基本計画をしっかりつくり上げてまいります。
それで、先ほども御指摘あったように、それをまさにどう実行していくのか。これは本当に先ほど御意見いただきましたように、現場に任せるのではなくて、我々もしっかりと責任を持って、これが実行されるように、この5年間、次の5年間が非常に重要な時間だと思っていますので、そこに向けてしっかりと文部科学省としても、これは政府全体としてもですが、文部科学省としてもしっかり取り組んでまいりたいと思います。
本当に短い時間でいろいろ御負担もかけたところがございますけれども、これが最終的に5年後に振り返って、また、10年後を見たときにいい議論であったということになるように、我々も責任を持って取り組んでいきたいと思いますので、また、引き続き御支援のほどいただければと思っていますが、本当にどうもありがとうございました。
【大野座長】 本日を含めて、これまで5回会議を開催しました。短期間にもかかわらず、提言をまとめることができました。皆様、どうもありがとうございます。委員の皆様、本当に御尽力いただきまして、ありがとうございます。また、これを全部、事務局として取り仕切っていただいた文部科学省の皆様にも感謝申し上げます。
今お話があったように、成長戦略としても科学というのは極めて重要なので、これをぜひ形のある、実りのある形に一緒にしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
それでは、これで閉じたいと思います。どうもありがとうございました。
―― 了 ――
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