令和5年2月14日(火曜日)16時00分~18時00分
文部科学省15階科学技術・学術政策局会議室1
オンライン
千葉一裕 座長、平井良典 座長代理、石川哲也 委員、岸本喜久雄 委員、小松秀樹 委員、辻本将晴 委員、横山広美 委員
科学技術・学術政策局 研究環境課長 古田裕志、課長補佐 内野隆、課長補佐 林周平
東北大学 青木孝文 理事、量子科学技術研究開発機構 茅野政道 理事、光科学イノベーションセンター 高田昌樹 理事長
【林補佐】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、NanoTerasuの利活用の在り方に関する有識者会議を開催いたします。
事務局を担当しております文科省研究環境課の林と申します。本日も新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議システムも併用しつつ開催といたします。
なお、本会議は、傍聴者のためにYouTubeでライブ配信を行っておりまして、昨日までに130名を超える多数の御登録をいただいております。
本日の議題は、(1)NanoTerasuを核としたリサーチコンプレックスについて、(2)NanoTerasuの利活用の在り方に関する有識者会議の議論のまとめについて、(3)その他となります。
本日は、現地参加6名、オンライン参加1名の合わせて7名に御参加いただいております。荒井委員と宇治原委員は御欠席です。
今回は、議題(1)の関係で東北大学の青木理事にもオンラインで御参加いただいております。また、NanoTerasu運営会議から、茅野議長はオンラインで、高田副議長は遅れてではございますが、現地にて御出席いただく予定です。
文部科学省からは、私、林と、後ほど、研究環境課長の古田、課長補佐の内野も参加させていただきます。
それでは、会議の留意事項について説明させていただきます。議事録作成のために速記者を入れております。また、YouTubeでライブ配信をしておりますので、恐れ入りますが、御発言される前は必ず御自身のお名前を言っていただき、その後に発言をお願いいたします。オンライン参加の方への留意事項といたしましては、通信を安定させるため、御発言されるとき以外は、可能な限りマイクをミュートにしてください。また、御発言される際は、ミュートを解除してください。会議中、不具合などトラブルが発生した場合は、事前にお知らせしております事務局の電話番号にお電話いただくか、チャット機能にてお知らせいただけますと幸いでございます。
会議の留意事項については、以上となります。
次に配付資料の確認をさせていただきます。配付資料は、資料1、2と参考資料の1になります。オンライン参加の方は、Zoom上に画面共有しておりますので御覧ください。画面が見えにくい方は、適宜事前にお送りしている資料を御覧ください。会議中に御不明点がございましたら、事務局までお知らせいただくか、オンライン参加の委員の方は事務局までお電話またはチャット機能でお知らせください。
それでは、ここからの議事進行は千葉座長にお願いできますと幸いです。よろしくお願いいたします。
【千葉座長】 千葉でございます。それでは、早速ですけれども、議題(1)に入ります。前回、1月の会議におきましてエコシステムにおける東北大学の役割が大きいのではないかとの御意見をいただきました。そのような御意見を踏まえまして、今回、NanoTerasuに関連した東北大学の取組につきまして、青木理事から御説明をいただければと思います。青木先生、よろしくお願いします。
【青木理事】 千葉先生、ありがとうございます。では、共有をさせていただきます。
東北大学の青木でございます。このような場をつくっていただきまして、本当にありがとうございます。文科省の皆様、有識者会議の構成員の皆様に厚く御礼を申し上げます。リサーチコンプレックスの形成といったテーマで今日はお話を差し上げたいと思います。
2ページ目でございますが、これはいつもの体制図でございます。国の主体がQSTでございまして、東北大学は、パートナーの一員でございます。パートナー側で分担を大体半分弱しております。これには民間の企業、産業界の方が多いわけですが、また大学、国研等含めましてコアリションメンバーから建設資金を拠出していただくというような整備手法になっています。これは施設整備そのものの分担を示してございます。
なお、QSTの皆さんとは、基盤的な研究領域でも極めて活発に連携させていただいておりますが、今回は、その部分ではなくて、特にパートナー側の産業界との連携の話を中心にさせていただきたいと思います。
現在、産業界を含めて、大学、国研の皆様、全体で100社を超える方の意向の御表明をいただいているということでございますが、まず国が定義していただいているミッション、価値を振り返りますと、我が国の科学技術の進展と国際協力評価に貢献するということが、大きなミッションとして与えられております。文科省の会見におきましては、具体的なパートナー側の役割分担が述べられており、建設時の資金拠出あるいはその後の施設運用にとどまらずに、特に大学にですが、リサーチコンプレックス形成加速に向けた計画の具体化ということが言われております。
また、財務省の歳出改革部会からは、民間資金を活用した今後の施設整備運用のモデルとなり得るということを言われておりまして、政策の投資の投資対効果の高い事業と認識されています。つまり、NanoTerasuの施設整備につきましては、半分は国からいただいているものの、その周辺にリサーチコンプレックスを形成するということがもう一つのテーマとしてあがってきているということでございます。
もう少し整理しますと、NanoTerasuについては、施設整備の段階から民間の投資を呼び込むという方式で、これは類似施設の整備手法としては世界的にも稀な、非常に挑戦的な取組、ほかの国ではなかなか聞いたことがない取組ということが第1点でございます。なお、出資した企業の皆さんは、主として繰り延べ資産として利用権を確保しているということになります。
次に、この主な欠点と書いてあるところは、少し不適切な表現だったなと思って見ていたのですが、私たちにとって難しい点という意味です。運用前の施設整備段階から多大な経営努力が要るということで、東北大学も含めて営業回りをしているというようなところでございます。しかし、これも逆に考えますと、お約束いただいた企業さんは非常に多く、その中でコアリションメンバーとの長期的なエンゲージメントが期待でき、このエンゲージメントを通じた事業成長機会が得られるということが極めて大きな特徴になっています。これが施設整備側の特徴でございます。
一方、リサーチコンプレックスの形成については、まずは大学をプラットフォームとして活用するという方向であると理解しています。これも比較的野心的な取組ではないかと私どもは考えています。大学の既存アセットを最大限に活用するということが第1点。これに加え、サイエンスパークですとか大学の子会社を設置する予定でございまして、こういった新規施策を動かしていくということが極めて重要となります。
その際の課題としては、短期的には周辺のインフラ、特に情報インフラには、直近でも数億円規模がかかってまいりますが、こういったものをどう学内で措置していくか、あるいはお願いをしていくかということが出てまいります。
また、中期的にはイノベーションのエコシステムの形成促進策ということについても、いろいろ検討が必要と考えています。本日、私の唯一のメッセージとしては、リサーチコンプレックス形成に対する国の貢献の在り方についてもぜひ御議論いただけると、大学の経営者としてはうれしい、ということでお話をさせていただきます。
お時間がございませんので、飛ばしてまいりますが、5ページ目が、これはリサーチコンプレックスに関する海外の事例です。パリサクレークラスターでは、大体730億円が施設の建設費で、中央政府と地方政府が出資をしています。それだけでなく、リサーチコンプレックス形成については、大統領が4,000億円以上の投資を決定しまして、フランスの15%以上の研究を集積させています。それにより、実際に100社を超えるスタートアップを毎年生み出しているという非常に大きな取組になっております。
そこで、事業の方向性として、私どもNanoTerasuからリサーチコンプレックスへ向かって創出される価値について少し整理をいたしました。NanoTerasuのユーザー価値として、NanoTerasu等の先端設備の活用からR&Dの高度化、オープンイノベーションによる新事業の創出、さらには重要な社会課題の解決プロジェクトや外部性の高い事業の推進、そして最後にリサーチコンプレックス全体としては日本の産学の研究力向上と国際競争力の強化に資する場の形成、こういったラダー階層があると考えております。
東北大学の役割も有識者会議資料でまとめていただいております。一部、私のほうで修正させていただきましたが、考え方としては、大学はリサーチコンプレックスの形成をするということになっています。
8ページ目は、それに対してどのような大学のアセットが使えるかということです。詳細は以前、お話ししていますので省略いたしますが、サイエンスパークやこれらのアセットが使えるのではないかということで、現在、計画しているものをリストアップしております。
一番分かりやすいのは次世代放射光施設に隣接するエリアで作っているサイエンスパークでは、物理的な場としてもカーボンニュートラル時代のGX等を牽引していくことになっています。これは自己財源でやっております。現在、サイエンスパークの敷地の中に研究棟も含めて建設を進めております。将来、NanoTerasuやこういったところがフル稼働しますと、大きなデータが出てまいりますので、計測と計算の融合のDXによる課題解決を目指すサイエンスパークであると位置づけを行っております。
この図では、60ペタバイト級のデータがフル稼働した場合に出てくるということを想定しております。次の10ページですが、今の産業の現場の研究開発では試行錯誤の蓄積によって行われてことが多いわけですが、そこに計測が入ると、これがデータ化され、モデル化と予測によって計算が行われ、さらにはシミュレーションを通してフィードバックが行われる。つまり、科学と理論が生まれて研究現場にフィードバックされるということです。産業現場に対してこうした研究DXの価値を提供するという考え方でございます。
次のスライドは前回もお話がございましたので、詳細は省略いたしますが、計測データを活用したサービス事業化のイメージでございます。その次のページは、より広く捉えたところでございます。
その他も詳細は省略をさせていただきますが、大学のコアファシリティも含めて利用いただける。それだけでなく、共同研究以上の多様な産学連携メニューをものをしっかりとやっていくということがあります。現在、一番サイエンスパークにマッチする新しい取組として企業の拠点を学内に設ける仕組み「共創研究所」の制度をつくりまして、現在一気に、13拠点を超えて増えております。こういった大学の中に企業の拠点を設けて活動いただくということが、リサーチコンプレックス形成には極めて重要ということで進めてきております。その中で、産学連携が年率20%で伸びているということです。
この共創研究所のような大学内に企業の拠点を設ける新しい取組、大きなプロジェクト方式、さらには、ジョイントベンチャー方式やスタートアップを活用した事業化というところも想定しております。こういったところにも大学のアセットを活用できるのと考えている次第でございます。もし御質問等ございましたら、こちらについては具体的なデータを含めてお出しすることもできます。ディープテックが多いのですが、IPOも含めていろいろな企業が、スタートアップで動いております。こういったところをサイエンスパーク事業として、リサーチコンプレックスに提供していくということが非常に重要と考えています。
サイエンスパーク関連子会社については、現在、認可申請中でございまして、オープンな場でまだ申し上げにくいところがございます。 申し上げやすいところだけで言いますと、計測分析のコンサルティング、データ活用による課題解決の研修、多様な企業が活動しやすくなる施設等の利用サービス、その他の大学の膨大なアセットを拠点を設けていただいて利用いただくというようなところを取り組んでおります。その他にもいろいろなことを考えておりますが、申し上げられるオーソドックスに部分として、27ページには、あまり利用に慣れていない企業さんが来られたときに、大学のサイエンスパーク事業子会社がインターフェースとなってコンサルを行い、受託分析会社様、あるいは研究室の研究とつないでいく、ということを示してございます。
また、最後の国プロ等ですが、実は研究環境課の皆様に大変御指導いただきまして、いろいろな投資をやはり巻き込んでプロジェクトの獲得に取り組んでいくことが重要であるということで、たくさんの企業さんの御協力もいただきつつSIP「サーキュラーエコノミーシステムの構築」として、NanoTerasuの活用を前提としたテーマが立ち上がっております。そういうプロジェクトを我々も中心となってプロモートしていく、こういったことも重要ではないかということです。
最後にまとめますと、大学の強みは人材と研究力、課題はビジネス創出でございます。当然、共同研究ではなくて本格的な事業開発、スタートアップ等を活用した社会実装に向けた支援機能の充実ということが重要であると考えている。これが第1点です。
リサーチコンプレックスにおける研究開発から事業の創出・成長を加速させるために国のリーダーシップに基づく官民の持続的な投資、制度改革ということを一緒にやっていただくとありがたいというのは、これは率直な気持ちでございます。これもまた議論させていただければと思います。
3点目は、こういったリサーチコンプレックスにおける価値の創造は、日本全体の産学の研究力向上と国際競争力の強化に大きく貢献するということです。この会議には大学ですとか国研の皆さんもお越しになっています。そういった面を有識者会議の皆様にも御認識をいただき、ぜひとも後押しをお願いできましたら、大学の経営側としては大変ありがたいということです。
以上で終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
【千葉座長】 青木先生、どうもありがとうございました。
それでは、質疑の時間、20分ぐらいですか。15分から20分取りたいと思いますので、委員の皆様、どなたからでも結構ですので、御質問等いただければと思います。いかがでしょうか。では、どうぞ、辻本先生。
【辻本委員】 こんにちは。先生、ありがとうございました。非常にすばらしいと思ったのですけれども、特にお伺いしたいのは、言えることが少ないとおっしゃっていたので難しいかもしれないのですけれども、かなりキーになるのが、この大学子会社というところかなと思っていまして、特に事業戦略や技術戦略などの専門家を交えて商品や新規事業開発支援というところも書かれておられるのですけれども、この子会社はどういった方が担うというんですか、中に入って実際にビジネスをされる予定なのかというところのイメージだけでもいいのですけれども、この会社がかなり重要になるのではないかなと思っていまして教えていただけると。
【青木理事】 ありがとうございます。千葉先生、よろしいですか。
【千葉座長】 はい。どうぞ。青木先生、お願いします。
【青木理事】 本件、事業子会社につきましては、少し工夫が入っていまして、恐縮ですがまだ申し上げにくいところがあります。本学単独ではない形でいろいろ想定はしております。その中で、企業におられて、大学のこともよく知っているような方が中心となる予定ではおります。つまり、完全に民間でやるというわけではなく、例えば土地ですとか、施設ですとか、実験装置ですとか、大学のアセットも動員し、大学の共同研究などの仕組みも使い、あるいは他の大学とのインターフェースにもなって、参画いただく多様な大学、研究機関、場合によっては企業の方々をブリッジするような役割を果たすということです。そうなると、当然、大学と産業界の経験があって、大学のことをよく熟知しておられるような方々に参加いただき、例えばテック企業、コンサルティングの方、あるいはそれ以外の中小の小回りのきくような受託会社の方々とも、ニーズを結びつけていくような役割を果たしていただくことになります。ユーザーとして来られる、主に製造業の方が多いのですが、そういったところからのニーズをしっかりと計測ですとか、データ分析とかに結びつけていく、こういったようなイメージをしております。これが第1点なのです。
ただし、私自身は、これ単独で全部が済むとは思っていません。リサーチコンプレックス形成については、これはあくまで1つのピースであり、大学の方もいろいろなものを導入しながら、他の大学の機能すらもどんどん動員していくことが大事ではないかと思っています。つまりは、そういう機能を持っているというのが今の日本のリサーチユニバーシティの大きな特徴であり、さらに、そこには必ず学生、若い人材もいるので、展開したものを次代につなぐという機能も果たしていく必要がある。それら一部の機能として、インターフェース機能を子会社が担う。メインでは大学全体が多くの機能をプラットフォームとしてホストしていくということかと思っています。
【辻本委員】 いや、ありがとうございます。これは株式会社を予定されていますか。
【青木理事】 そうですね。はい。
【辻本委員】 なるほど。はい。分かりました。ありがとうございます。
【千葉座長】 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。どうぞ、小松委員。
【小松委員】 小松です。すばらしい構想の話、どうもありがとうございます。2点御質問があるのですが、1点は計測と計算の活用のDXということで、この9ページにありますような、例えば先端の計測の装置群というのは、もうクライオ電顕であるとか、NMRであるとか、もう持ってられると思うのですが、このデータストアみたいな、この辺はやはりいろいろ、NanoTerasuからいろいろなデータが出てきたときに、やはりそれが同時並行的にデータ活用するということが進めていければ非常にいいのかなと思うのですが、これ、時系列的にはかなりシンクロしたような形で、このデータセンターみたいなものができるという理解でよろしいのでしょうか。
【青木理事】 SACLAの例など石川先生等に御指導いただきまして伺っていくと、NanoTerasuも含めてこういったものがフル稼働しますと、大体数十ペタバイト級のデータになってくるわけですが、これはすぐにというわけではなくて、多くのビームラインが立ち上がってきますと、そういったデータになるということです。現在でも、東北大学の中に利用可能なペタバイト級のものはございますので、まずは既存のものを利用して対応するということを今のところ考えております。
ただ、それでも7本がフルスペックでフル稼働し、企業様、クライオ電顕、そういったものも含めてデータで課題解決ということになりますと、非常に大きなデータを生み出しますので、今後どうやって専用に整備していくかということは非常に大きな課題になってくると思います。
さらに、その前の段階の当面のものに関しましても、NanoTerasuとデータを連携するための情報基盤、ネットワーク等につきましては、すぐにも億単位の出資が要るのではないかと考えていまして、これはいろいろ相談しながら、いざというときは、自前ということも想定して着々と準備を進めているというところでございます。
なお、初井先生を含めてSPring-8のほうでかなりノウハウができてきておりますので、そういったものをこちら側にて勉強させていただいておりまして、活用させていただくことを想定してございます。当然、NIIのようなところもいろいろ御指導いただきます。
そういう意味では、初めの段階ではすごく大きな問題になるのではないとは思っていますが、非常に大きなデータになってきたときには、やはりそれ用のいろいろなものを用意していかなければいけないという状況でございます。
【小松委員】 ありがとうございます。すみません、もう1点、少しスペシフィックな問題なのですが、先ほどの話ですと、いろいろな企業側から、その拠点を東北大学側につくるという、どっちかというとワンウェイ的な感じなのですが、ある研究開発もすごく進んできたときに、例えば東北大学のスタッフの方、例えばポスドクであるとか、そういう方を企業にある意味長い時間、インターンシップみたいな形で来ていただいて、そこでよりスピードアップしていくという、そういうのは可能なのでしょうか。
【青木理事】 先ほど、あまりうまく言えなかったですが、当然、学生さん、あるいはスタッフ、教員も含めて、人事の交流をして、実際に一緒に研究に取組んで高度化していくことは極めて重要なテーマとして考えています。可能か可能ではないかでいいますと、今の大学は、そういうことはかなり可能な状況になっています。何か法的な規制があるとかということはございません。どちらかといいますと、本人の意向とか、チームの意向ということがございますが、積極的にやらせていただきたいというのが1つ大きなところでございます。さらに言えば、大学をプラットフォームとして使うということは、次代を担う人材がしっかり活動に参加し、産業構造の転換の中で、そういったことを経験していくということが極めて重要と思っております。よろしいでしょうか、あまり、うまく言えてないかも知れませんが。
【小松委員】 いえいえ、ありがとうございます。
【青木理事】 それは本当に大事なテーマだと思っております。子会社のところ以外の部分が、非常に大きいと理解しています。
【千葉座長】 ありがとうございます。
ほかに、いかがでしょうか。
【岸本委員】 よろしいでしょうか。
【千葉座長】 どうぞ、岸本委員。
【岸本委員】 岸本からですけれども、御説明、ありがとうございました。2つ質問なのですけれども、1つは、今日御紹介していただいたのは大学全体での取組ではないかなとお聞きしたのですけれども、この中で、このNanoTerasuに関係するところは、どのくらいにこれからなっていくでしょうか。それと、このNanoTerasuがあることによって、これがどういうふうに発展していくかという、先生の見込みみたいなことを教えていただけるとありがたいなというのが1つです。
もう一つは、国の貢献の在り方についても御検討いただきたいと書いてあったのですけれども、どういうふうなことなのかなというのが、具体的にもしあれば教えていただきたいなと思いました。
【青木理事】 実は今回ピックアップさせていただいたものは、一番上のところは別としまして、新規の概算要求を含めまして相当程度、東北大学の現在のシフトを取り出しています。
たとえば専門組織としては、放射光イノベーション・スマート研究センター、また、グリーンクロステック研究センターも放射光と連動させる目的で、今回、概算要求をしたものです。さらには、未踏スケールデータアナリティクスセンター、これもデータ分析のプロを雇う――雇うといいますか、来て活躍いただくということです。この初めの3つは、専門組織は、全て概算要求を行いまして、大学の重要な取組としてリソース投入しております。また、サイバーサイエンスセンターにつきましては、石川先生のところに御指導いただきながら、ペタバイト級のデータストアの関係の企画等を進めております。
施設設備としては、特にNanoTerasuと連動するという想定でクライオ電顕1台を独自でリースで調達をしています。こういったものがあるということです。
それから、サイエンスパーク、これもNanoTerasuを想定した上で造成を完了して動かしているところです。まずは2棟の建物を建設中です。
共創研究所も実は、そういう狙いでやっております。やはり拠点がないと動けないよね、ということで、かなりの程度つぎ込んできています。これからはスタートアップの創出、についても、今、我々の子会社が動いていますので、こういったところは一緒に企画ができると考えていますし、場合によってはストックオプション等も、サイエンスパークでうまく活用していくようなこともできるのではないかというところでございます。あと、サイエンスパーク事業子会社、御指導いただきながら一緒に進めてきているSIPなど、ここに挙げたものは、結構、NanoTerasuを想定して頑張ってはきたかなと思っています。
次に、もう1点は国の話ですが、これについては、いろいろなことが言えるのですが、1つは、リサーチコンプレックスの形成については、よろしくお願いいたします、ということです。なかなか難しいのはいろいろな役割分担もあって、直接的なところで明確なファンディングをいただけていないところは当然あるわけです。ただ、現在、研究環境課の皆様には、例えばこういうプログラムに応募してみたらどうかとか、こういう仕組みがあるとか、我々があまり思いつかないような施策を御紹介いただいておりまして、功を奏しているところがございます。そういう施策を御紹介いただく、場合によっては誘導いただくようなことをさせていただいて、あと、その先は公平の場で競争することになりますが、そういったところは非常にありがたく、重要ではないかと感じています。
【岸本委員】 分かりました。どうもありがとうございます。
【千葉座長】 よろしいでしょうか。そうしたら、青木先生、最後、私から、青木先生、大変なリーダーシップで、青木先生が東北大学全体を牽引されているという印象を、私、持っております。恐らく青木先生がやっていらっしゃるので問題ないかと思うのですけれども、私の印象としては、大学の役割が物すごく大きくなっていると思っています。それで、もちろんいろいろな施設の管理とか、そういうものもあるのですけれども、本質的には大学教員、大勢の教員をどれだけ牽引して、こういう取組に対して前向きな発想で力を尽くそうとする人がどれだけ出てくるかというところ、これは日本全国の大学の共通する問題でもあると思っています。
これをどれだけ突破できるかというのは、当然、青木先生は最大限の努力をされていると思いますけれども、そこの部分、それがあって、さらに産業界にとっての未来の姿とか、それから、実際にどういう研究をやると、どういう新しい事業が成り立っていくか。これは私の考えなのですけれども、あとは産業界、よろしくというのでは絶対にうまくいかないと思います。ですから、これは多少違っているかもしれないですけれども、東北大学としては、こういうふうにやっていくと未来がこういうふうになるんだとか、そういうものをどんどん発信していって、それで地域とか産業界を巻き込むという姿勢が必要だと思います。
ですから、この官民、地域パートナーとか、産学連携とか、産学共創は絶対に役割分担の線をはっきりするのではなくて、はっきりと私は東北大学にグイグイ押し込んでいっていただきたい。それが恐らく私は成功の道筋になるのではないかと思いますので、青木先生、それから、青木先生に続いていく人たち、そこまで見据えて連続的に発展される道を開いていっていただきたいなと思っております。私の勝手な意見で大変恐縮ですけれども、大いに期待しているということで御理解いただければと思います。
【青木理事】 先生、よろしいですか、1点だけ。
【千葉座長】 はい。どうぞ。
【青木理事】 私はちょっと広告塔みたいなところがありまして、実のところは私というより、いろいろな人間が動いています。本当に地べたを這って営業、まあ、私もやるのですけれども、ある産業界の皆様、本当に貢献いただいているパートナーの方々、たくさんおられます。そういう意味では、この場をお借りして御礼したいと思います。国ではQSTの皆さん、ちょうど今日もお話ししていましたけれども、今チームワークが上がってきています。国の代表のQSTの皆さんとPhoSICの皆さん、非常に力が出ている。
ただ、確かに大学がいろいろなところの結節点にならないとなかなか回らない事業だなということは思っていまして、先生方に御指導いただいて、ぜひとも今後、もう少し強化を図っていきたいと思っております。
また、先ほどの「人」の話ですが、実は大学の教員の皆さんには研究をしっかりやっていただく必要が、当然、ございます。役割分担と先ほどおっしゃいましたが、我々の中にいろいろな産業界ですとか、いろいろな能力のある方に入ってきていただくことは極めて大事です。私の仕事の大体4割ぐらいは人を見つけてきてお願いするという役割で、残り2割ぐらいは、実は、そこで何かトラブルが起きるので、それを解決するみたいな、そういう役割になっていまして、どちらかというとかなり泥臭い役割になっております。
ぜひとも御指導のほどお願いいたします。
【千葉座長】 いや、こちらこそ、ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。それでは、青木先生、どうもありがとうございました。
【青木理事】 では、ここで退室いたします。
【千葉座長】 はい。どうもありがとうございました。よろしくお願いします。
【青木理事】 ありがとうございました。
【千葉座長】 では、ここからの議事は古田課長、お戻りになられましたので、よろしくお願いします。
【古田課長】 すみません。午前中からお昼にかけて、まさにNanoTerasuの視察に同行しておりまして、ギリギリ、すみません、間に合わずに大変恐縮でございます。最後に千葉座長が言われたこと、私も今メモを取りましたけれども、本当にそのとおりだと思っていまして、今回はたまたまと言っては何ですけれども、文科省ですので、NanoTerasuを使って東北大学の取組をアップしているのですけれども、実は同じように宮城県というのも、当然、NanoTerasuを使っていろいろな取組をしているし、しようとしています。あと、仙台市というのもまた同じぐらいの規模でやっていて、それは当然、今後、東経連とかQST、あと文科省、国というのもこのNanoTerasuというのをやっぱり国の宝として、いろいろな形で使っていく。使うというのは悪い意味ではなくて、活用していきたいと思っております。
それでは、よろしいですか、議題の(2)移らせていただきます。第7回ですから、これまでの議論を集約させていただきまして、報告書の案をまとめてございます。研究環境課の林補佐から説明をさせていただきます。お願いします。
【林補佐】 林でございます。それでは、資料2を御覧ください。こちら、NanoTerasuの利活用の在り方に関する報告ということでございまして、前回、お示しいたしました骨子をベースに作成しているところでございます。
先に構成をお伝えいたしますと、例えば7ページなどを御覧いただければと思うのですけれども、上の部分に箱の部分として今回の報告書において伝えたいようなことのエッセンスというものを記載させていただくとともに、下側にはこれまでの会議でお示ししたりですとか、あるいは御利用いただいたスライドを載せるような形で作っておりますので、特に上の箱の部分の文章について御覧いただければと思います。また、赤字の部分につきましては、前回の有識者会議におきましていただいた意見を反映した部分となってございますので、特にそういった部分について中心的に御説明させていただければと思います。
では、また初めから御説明をさせていただきます。まず、目次、2ページ目を御覧ください。こちらは前回お示ししました骨子から赤字の部分、2-2.NanoTerasuの運営におけるパーパス及び3-3でマーケティング・ブランディング戦略というところを特に項目としては変更をしているというようなところです。
では、続きまして3ページ、4ページ目、5ページ目は概略ですので飛ばさせていただきまして、6ページ目、こちらにつきましてNanoTerasuの運営におけるパーパスというところで記載をさせていただいているところでございます。パーパス経営なども昨今注目されているところではございますが、NanoTerasuは特にあらゆる研究開発分野において学術から企業の開発に至るまで広く利用されるような研究基盤であるという点、また、サイエンスパークの中核に位置し、国と民間の主体というハイブリッドな運営という特徴を持つからこそ、所属が異なるアクターが集い、新たな価値創出に必要な機能をワンサイトで提供できるという特徴がございますので、そういった特徴を念頭に置きつつ、目指すべきビジョンを共有し、それぞれのWell-beingを目指す産学官のアクターを引き寄せ続けるような魅力的な施設であり続けるということをぜひNanoTerasuの運営主体として目指してほしいというところを記載しているところでございます。
次のページでございますけれども、こちらからは世界最高性能の光を産学官に広く提供というところでございまして、利用制度の在り方につきましては前回御議論させていただいたことに加えまして、昨今、電気代高騰などの部分もございますので、料金変更の考え方をあらかじめ整理しておくべきというところを記載させていただいてございます。
また、次のページにつきましては、こちらもずっとこの会議の当初から御指摘いただいておりましたとおり、適切な役割分担と責任の所在を明確にするということが最重要の項目であるというところを記載させていただいておりますとともに、また、マーケティングやブランディング戦略などについても、今後、連携体制を確立する必要があるということを記載させていただいているところでございます。
また、次のページにつきましては、人材の部分につきまして、特に前回も海外の部分、重要性が指摘されたところでございますので、そういった海外研究コミュニティの受入れも含めたメニューの検討・充実が必要というところを記載させていただいているところでございます。
また、次のページは、エコシステムの設計というところでございまして、こちらは目先の顧客だけではエコシステムとしては不十分というところもございますので、顧客の先の顧客を考慮してエコシステムレベルでの設計を行っていくことが必要という形で記載をさせていただいているところでございます。
また、次のページでございますけれども、先ほど東北大学からもプレゼンをいただきましたけれども、東北大学において様々なアセット、研究ファシリティですとか、様々なイノベーションのためのメニューですとか、そういったものが集積してございますので、QSTや地域パートナーにおいても、これらの取組と有機的に連携できるような価値創出の取組を具体化することが必要であるということを書かせていただいてございます。
また、その次のページで、こちらもデータの部分がきちんと供用開始までに整理をされていないと、せっかくのデータが集められないという懸念をお示しいただきましたので、そういった部分の連携スキームにつきましては、令和7年3月の本格供用開始までに具体化していくことが必要というところを記載させていただいているところでございます。
また、その次の持続的な発展と成長という部分につきまして、まずNanoTerasuをきちんとサイエンスパークのコア・コンピタンスの1つと位置づけ、サイエンスパークにおけるサービス・価値提供の具体化を進めることが発展と成長に重要であるとともに、こういった部分、報告書の内容について、今すぐは難しい部分もございますけれども、全プレイヤーで実現を目指していくということで、エコシステムの運用状況を不断に評価し、その結果をフィードバックしていくサイクルが必要というところを記載させていただいております。
また、次のページがマーケティング・ブランディング戦略ということで、どういったふうに見せていくか、外に見せていくかも重要という指摘を前回の会議でいただいていたところでございますので、そのNanoTerasuの特性を生かしたマーケティング戦略の部分が重要であるというところ、特に仙台という立地や円形の外観を生かしたコンテンツを企画するなどNanoTerasuのブランド価値を高めることが必要という指摘がございましたので、そういったところを記載させていただいております。
また、その次のページにつきましては、戦略的な連携というところでございまして、やはりNanoTerasu、国内外に開かれた施設であるということが前提ではございますが、その上で様々な、特に特定先端大型研究施設の共用の促進法の対象となっているような施設との連携なども含めまして、具体化していくことが必要ということを記載させていただいているところでございます。
その次のページにつきましては、国プロ等の他施策との連携というところで、引き続き重要ということを記載させていただいているところでございます。
また、その次の17ページにつきましては、施設の高度化というところでございまして、前回の有識者会議におきましても、NanoTerasuだけをよくすることが重要なのではないという御指摘もございましたので、きちんと今後施設の高度化について検討を行っていく際は、ほかの国全体の量子ビーム施設の状況を踏まえつつ、検討を行っていくことが重要というところを記載させていただいているところでございます。
また、18ページ、その他留意すべき事項のところにつきましても、ESGに配慮した施設運営が必要というところを追記させていただいているところでございます。
最後に「おわりに」というところでございまして、NanoTerasuの価値が最大限発揮されるように政府においてはNanoTerasuを共用促進法の対象施設とし、産学官に広く開放すべき。また、共用促進法施行規則や基本方針の策定に当たっては、本報告書の提言等を十分に踏まえるべき。そして、適切な利用制度、運営体制、役割分担等を確保するとともに、持続的に発展・成長するために今後の継続的な検討を期待というところで、今回の関係者に求められる取組等についてまとめてございます報告書について整理してございますので、ぜひ御意見等、よろしくお願いいたします。
【古田課長】 ありがとうございます。
それでは、この報告(案)に対する議論の時間を40分程度とりたいと思います。ただいまの御説明に対して御質問、御意見などございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
私のほうからフランクというか、カジュアルに御説明しますと、とりあえずこういう形式で、多分、文科省でまとめるのは、実は珍しいです。CSTI、内閣府では最近こういった形でまとめるのが多くて、ポイントだけを上に書いて、その下には、この会議で使われた非常にキーになるような資料を参考としてつけている。当然、これまでの会議の資料も全部ホームページに載っておりますので、さらに知りたい場合はそちらを見ていただくという形で、見る方にとっても分かりやすく、我々のほうの作業としても少し合理化した形で作っております。
あと、この会議を始めたときに申し上げたとおり、石川センター長以外、実は放射光の専門家はいらっしゃらないということで、あまり細部の話を議論するというよりは、もう少し外からとか、違った見方から議論を進めてきたわけですので、そういった今後どういうことを考えないといけないのか、どういった方向で進めるべきなのか、そういったところを大所高所からコメントとして残している。これを踏まえてQSTやパートナーの方々、当然、我々も含めてですが、これらをいかに具体化していくのか。それは多分、1年、すぐできるものから1年かかるもの、5年かかるもの、あると思うのですけれども、あとお金がかかるものとか、人手がかかるもの、あると思うのですけれども、これらの方向性をやはり我々が大きな宿題として具体化していく。そのような立てつけで今回報告をまとめております。ぜひコメント、何でもいいです。時間がかなりありますのでお願いいたします。感想でも結構です。
横山先生、どうですかね。いきなり振ってしまいますが。
【横山委員】 ありがとうございます。とてもこれまでの議論が分かりやすくまとめられていて、私も文科省の資料としてこういうスタイルは大変いいなと拝見しています。今、特段、ここがちょっとというのは感じておりませんで、言葉もうまくまとめていただいたなという感じで、すみません、また気づいたら、そのとき発言させていただきます。
【古田課長】 はい。どうもありがとうございます。
では、次はどなたが。どうぞ、小松委員、お願いします。
【小松委員】 私も今、横山委員が言われたように、よく読んでみると非常によく書けているなというような、特に私がやっぱり気になるのは、7ページ目の、これは恐らく高田先生の御質問かも分からないのですが、例えば持続的な施設経営に貢献すべきって、それは当然だと思うのですが、その際に例えば電気代の高騰であるとか物価変動であるとか、いろいろ予期せぬいろいろな状況変化があったときに、整理はできるんですけれども、それに対してどういう対応をするのか、ここに書いてある内容ってまさに事業経営そのものみたいな感じがあって、特にPhoSICの場合は結構、民な感じがありますので、そうなったときに、その穴埋めというか、そういうのをどういう形でマネージされようとしているのか。
それともう一つは、今何か、百何十社かメンバーとして入られて、そこでの収入があって、それで利用料金というのが今度動き始めたら入ってくるという、それが言ってみれば収入、インカムになると思うのですけれども、それが今後、持続的にやっていく、さらには、その予期せぬ変動に対してどういう資金の回りというんですか、何かそういうのを今の時点ではやっぱり、かなり今の段階で回るぞというようものはあるのでしょうか。
【古田課長】 これはコアリションだけではなくて、QSTの共用も同じ指摘だと思います。まず、コアリションのほうで高田理事長、何か説明できることはありますか。
【高田理事長】 なかなか難しい質問でございます。これはしっかりと考えていかなければいけない。それで利用料金も変動させていくということを決めたわけでございます。それプラス、この利用だけの収入だけでいいのかというところも考えていかないといけない。定常的な収入もしくは、今度は寄附的なもの、そういったところも常に考えていかないといけないのかなと思っております。まだこれは決めたわけではないので、あくまでもここでは私見としてだけ、我々、これ、加入金だけではなくて、寄附も集めておりますので、そういったところもしっかりと補えるような仕組みにしていかないといけない。そのとおりでございます。
【古田課長】 ありがとうございます。
共用のほうはQSTの茅野理事、何か御発言いただけますでしょうか。QST、ほかの方でも結構です。服部さん、どうですか。
【服部副センター長】 では、副センター長の服部でございます。多分、茅野が、今、入ったばっかりかもしれないので、私から代わりに回答させていただきたいと思います。共用のほう、ユーザー、公平な機会を御提供して、それでもちろん、アカデミアの方、中心になろうかと思いますけれども、産業界、専科専有でお使いいただくということで、それでコアユーザーになっていただいて、それでコアリションのユーザーに、ヘビーユーザーになっていただくというふうなルートも作っていくことは重要かなと思っておりまして、そういった利用状況を見ながら、この利用制度だとか、利用料金の関係、適宜見直しながらやっていくことが重要かなと思っているところでございます。
【古田課長】 分かりました。小松委員、お願いします。
【小松委員】 この話を会社に持って帰って、ちょっと話をしてみると、これはもう企業の責任でもあるのですが、企業はいいデータを出して、それによって周りのいろいろなメンバー、ファンみたいな人が入ってくれればいいのですが、それがあまり、変な話、あんまりうまく回らなかったときに、結果的に利用料金がどんどん上がっていって、要するに負のサイクルが回り始めるという、まあ、そういう両極端な何かプラス・マイナスの部分があると思いますので、企業側も頑張りますけれども、そこのマネジメントというのは非常に大きな問題なのではないかなと、使う側からすると思っています。
【古田課長】 そうですね。はい。おっしゃるとおりだと思います。
どうぞ、千葉座長。
【千葉座長】 今のお話に関連して、私、前も申し上げたかもしれないですけれども、基本的にこの施設の維持のために利用料金を設定して、そこで回すだけの形は、原理的に私は無理だと思っています。これはいかなる装置もそうなんですけれども、例えば5億円の装置を買って、じゃあ、それ、利用料金で回そうとか、その発想では絶対に回らなくなって、利用料金が要するに高くなって、だったらやめておこう、じゃあ、誰も使わなくなったというふうになる。やはり重要なことは、そこから生み出されるもの、特に今回は産業界と一緒にということで、産業界の成果というものも、そこはかなり大きな比重を占めるだろうと思います。要するに今まで大学は産学連携で共同研究費、幾らもらいましたという話が大体多くて、大学の中でも実はそれで完結してしまうものが多いんですね。それでは全く意味がないと思います。
私は、産業界と大学がやるときは、産業界が事業税をどれだけ支払えるぐらいの利益を上げたか。あるいは社会的な価値を出したか。一番分かりやすいのは、私は税金だと思っています。というのは、これ、税金で成り立っている部分がかなりありますので、そこにつながっている道筋とその評価方法を明らかにしていくという、今まで視点がそこまで及んでいなかったものをもっと明確にしていくことによって、実際、これだけのお金が国には戻ったなとか、さらに広く言うと、社会保障費の低減というような、税金を税収幾らではなくて、税金の支出がどれだけ減るかというところの効果、これはきっと出ると私は思っているんです。ですから、そういうところもきちんと算定して、結局、最終的にはこれで国力がこれだけ増していったという評価基準も入れないと、この取組そのものが何か狭い視野のところで、ほら、赤字じゃないかとか、そういうふうになりかねない。そうならないようにするということを、かなり工夫が必要かなと思います。
【古田課長】 分かりました。すぐにできるものではありませんけれども、前から同じことを言われておりまして、我々のほうとしても、本当に何とかしていきたいと思っています。今の関連で、ぜひ辻本先生からもお願いしたいのですけれども。
【辻本委員】 はい。そのとおりだと思いますけれども、私の所属する大学でも、その大学がしてきたことの効果というのを測定する取組をいろいろやっていまして、基本的に乗数効果というのが働きますので、インパクトが拡大していくわけですね。プラスに拡大するので、先ほどおっしゃったような、その先の効果まで見た上で、全体としてどういう効果を大学がもたらしたかというような見方をしようとしています。それと同様の見方というのは必要かなと思います。このNanoTerasuに限って見てもですね。なので、かなり広い範囲で、それこそエコシステム全体を見て評価すべきかなと。
そのときにポイントになるのは、さっき千葉先生もおっしゃいましたけれども、マーケットとの接続だと思うんですね。市場につながって、どの段階でつながって売り上げに転換されているかというところまで、時間はかなりかかると思うのですけれども、見ていくというのはすごい大事だと思うんですよ。さらにはマーケットに誰がどういう戦略でつなげていくのかというのを誰が担っていくのか、少なくとも直接担わないかもしれませんけれども、企業の人たちと一緒になって話をして、NanoTerasuはこういうことを提供するから、企業はこういうマーケティング戦略で市場にアクセスしていくというところをサポートするというのが、東北大と一緒にですね。そういう機能がNanoTerasuにあったほうがというか、ないと、うまくつながっていかないのだろうなと。
その観点で私が今気になっているのは、戦略企画広報のところの機能の設計が、さっきの東北大学の子会社が、多分、かなり大事な役割を果たすと思うんですよ。私で言うところのオーケストレーションなんですけれども、NanoTerasuでも、PhoSICもそうかもしれませんけれども、その全体を見た上で、そういう調整というか、オーケストレーションしていくような部門と専門性というのは必要ではないかなと思っていまして、戦略企画広報が、何となく今、広報、いわゆる広報だけになっている気がするんですよ。
広報って、経営学的にはマーケティングって一番大事なところで、マーケットにつないで本当にマーケットからリターンを回収するというのがマーケティングなので、それが極めて戦略企画的に、マーケティング的に非常に重要で、その機能が明示的に配置されるような工夫がなされると、全体が統合できていいのではないかなと。じゃないと、ばらばらになってしまって、結局、局所ではいろいろつながっているんですけれども、全体として大事なディレクションがなされないままに流れていくという気が、少し懸念があって、私は、そういう機能がガバナンスの中に必要ではないかなと思っています。
【古田課長】 ありがとうございます。
少し言葉は違うと思うのですけれども、私から見るとかなり似たようなことを言われたのかなと思いますけれども、高田理事長、何か今お答えできますか。
【高田理事長】 非常に重要なポイントを指摘いただいたと思います。ただ、企業から、それがどれだけの効果、市場効果を生んだかということを言ってもらうことはなかなか難しい。SPring-8で経験したことでございますけれども、私が立ち上げた産学連合体での成果をどう評価するかという議論がありました。論文数とか特許数の話だけではなくて、どういう製品が出て、その製品が例えば経済効果としてどれだけ生み出したかというのを試算するのが難しかった。私のほうで勝手に試算をしたと。
たとえば、エコタイヤですね。6%燃費低減、そうした統計から取って勝手に試算をして8,000億とか、そういうような話を出しました。そういったところをしっかりとシンクタンク的にやるところを、我々、やはりちゃんと作っていかないといけないのかなと。企業に聞いても、それは教えてもらえないのは当たり前のことなので、今、御指摘の点は、しっかりと考えていくべきかなと。その上で国と話をしていくのかなと思いました。本当にありがとうございます。
【古田課長】 ありがとうございます。
ほかの点で何かぜひございましたら、お願いします。平井座長代理。
【平井座長代理】 平井でございます。民間企業の経営をやっている立場として見ると、最初の会合でときからお話ししたと思いますが、経営主体がどうあるべきかというところは非常にポイントになると考えています。今回は多岐にわたる組織が参加するということと、今回パーパスという形でまとめていただきすっきりした点ですが、ここの最後に書かれているNanoTerasuの運営主体がどういうことを目指すかということです。今高田先生からお話があったように営利団体ではありませんが、一種の営利団体のようなガバナンスというのは必要だと思います。そうなると何をキーパフォーマンスインデックスとして設定しておくかということがガバナンスを考える上での1つのポイントになるのではないかと思います。キーパフォーマンスインデックスは、事前に設定して、何か変化があれば途中で変えればいいです。何を目指しているかということを表すためのインデックスがあると、その後のPR等にも使えると思いますし、民間企業が参画しようとするときに入りやすいです。
【古田課長】 分かります。政府だと少し違うかもしれません。KPIという言い方をしていて、税金の事業に関してはですね。確かにそういうインデックスというのは、少し前に実は議論、別の話としてしたのですけれども、なかなかシャープなものが出てこなかったんですけれども、また改めて考えてみたいと思います。ありがとうございます。
【平井座長代理】 どれぐらいの団体が参加の意思を示しているか、実際参加されているかというのは当然ながら量的なインデックスといえますが、おそらく質的なインデックスのほうがすごく難しいと思います。しかし、例えば何らかのパブリッシュされたペーパーの数でもいいですし、当然ながら、民間企業から見るとパテントがどれだけイシューされているかというのも多分大事なインデックスでしょう。何かそういうことが事前に決まっているといいかなと思います。
【古田課長】 分かりました。ありがとうございます。
石川先生、どうですか、今の関連でも結構ですし、また別の話でも結構ですが。
【石川委員】 まず、とてもつまらないところからですが、6ページのパーパスのところに、あらゆる研究開発分野と書いてありますが、この「あらゆる」というのは、何かどこかで突っ込まれるような気がして、「広い」とか何か、もう少し抑えた書き方のほうがいいかなと思いました。例えば素粒子分野などは多分枠外ですよね。
【古田課長】 なるほど。はい。そこは工夫できますか。
【林補佐】 書き方は検討させていただきます。
【古田課長】 はい。
【石川委員】 そういう意味で、先ほどから議論になっている料金変更の考え方をあらかじめ整理しておくべき、これは全くもっておっしゃるとおりなのですが、多分、各施設で抱えているというか、つながる産業界というのがいろいろとかぶるところもあるけれども、違うところに行く。そうすると、例えばJ-PARC、SPring-8、SACLA、NanoTerasuで、もちろんあるところ重なるのだけれども、違うところを向いていて、その大きさがどうなっているかということを考えると、いろいろな議論が出てくると思うんですね。そのときにこのNanoTerasuだけに限って、こういうことをやっておくのがいいのか。それとも共用施設全般にわたって何か平準化するというか、あるとき、例えばどこかに偏って動いてしまったときに、ほかのものを助けに行く仕組みみたいなものというのは何かあったほうがいいのではないかという気がしております。
【古田課長】 助けに行くというのをもう少し具体的に。
【石川委員】 例えば産業規模が、ある意味で違うところがくっついているわけですよね。そういうときにNanoTerasuで閉じてしまうと。
【古田課長】 ああ、なるほど。分かりました。助けに行くんですね。分かりました。だから、大規模のこういった公的な研究施設、横断的な……。
【石川委員】 何か仕組みがあると。
【古田課長】 その仕組みというんですかね。
【石川委員】 はい。
【古田課長】 ああ、そういうことですね。同様な大型研究施設の横の連携と受け止めました。すみません、お待たせしました。横山先生、お願いします。
【横山委員】 同じように私も、右下のほうは従来的な印象を受けていたのですけれども、これだけ大きな施設ですので、複合的な、多義的な要素が重なり合いながら展開していくのかなと思っております。産業界の掘り起こしなど、そのエコシステム的な要素と教育的な要素に加えて、初期段階に極めて重要だと思っているのが、最初の目玉となる研究成果が何なのかという点です。これが広くアナウンスされないと、科学技術の非常に重要なフラッグシップ的な施設であるという認知が国の中で広がらないと思うので、目玉となる研究成果をプッシュするのはどこなのかというようなことも極めて重要だと思うんですね。
社会との関わりをコミュニケーションしていく母体というのは、その目的が多層的であって構わないと思うのですが、そこの漏れがないか。どこが引っ張っているのかというのが、事前に分担を明らかにしておく必要があると思うんですね。上のほうに体制構築と人材の確保が必要というところに、その分担をはっきりさせておくことということが一言入っておくと、そういう意図が伝わって、これ以降、皆さんのほうで分担意識が、あるいは共同意識が高まるかなと思いまして、その点だけ少し追加しておきたいなと思った次第です。お願いいたします。
【古田課長】 林さん、どうですか、その点は。
【林補佐】 すみません、念のための確認ですけれども、NanoTerasuの部分、複合的、多義的な要素がございますので、そういった中で何か分担がはっきりしていない結果、漏れてしまっていて、その部分の周知広報みたいな部分ができないところがあるとまずいということで、そういった意味からきちんと分担をさせつつ、ある意味、網羅的に対応ができるような体制にしたほうがいいという御趣旨でしたでしょうか。
【横山委員】 はい。そうですね。子会社が担うところであるとか、あるいは東北大学さんにお願いするところであるとか、あるいはPhoSICさんがやるべきコミュニケーションの担当、どこの範疇なのかみたいなのが次の段階で明らかになるように、我々はそれを後押しできるように、その分担などを戦略の多層性に留意しながら構築していただくことというような、そういうニュアンスが出るといいかなと思った次第です。今まとめていただいたとおりで結構だと思います。
【林補佐】 ありがとうございます。では、そのように修正させていただきます。
【古田課長】 ありがとうございます。
何か私の認識だと、この8ページ、2で適切な管理運営の在り方と役割分担ということで、複数の主体が運用に関わることから、QST及びパートナー間において適切な役割分担と責任の所在を明確にした上で、これ、「最重要項目」と書いてありますけれども、安全管理、情報セキュリティ、マーケティング、ブランディング戦略などについて、経営上の観点も含めた一元的な対応を行えるよう、連携体制を確立する必要、これは岸本先生が書面で、初回、言われた話からだんだん広がってきている話だと思うのですけれども、今、この連携体制がまだできておりません。
ただ、これは作る必要があるということは、我々も重々承知をしていて、先ほどから言われていますような、そういったマーケティングとか経営上の観点とか、今言われたような戦略企画広報ですか、そういったことをやはりこのタスクを振る司令塔のような方がいる必要があるだろうし、正直言って、今、私も含めてNanoTerasuに関わっている者でマーケティングとか、ブランディング戦略をやれる人、いません。東北大学も含めていません。なので、そういった方をちゃんとチームに入れるというところからまず始めないといかんのかなと思っています。私もその意識で、実はこのメンバーを集めたというところもありまして、今後、必ず具体化をしていかなければいけないと思っています。
どうぞ。
【横山委員】 ありがとうございます。こちらのページもありましたね。失礼しました。ありがとうございます。
【古田課長】 ありがとうございます。
どうですか、あと、もう二回り目になりますか。どうぞ、岸本先生、お願いします。
【岸本委員】 少し細かくなるかもしれないのですけれども、今、8ページのところがありましたけれども、3行目ですか、最重要項目と書いてあるのですけれども、これ、最重要項目って、これを位置づけてしまって分かりますかね。鍵括弧があって、これ、書く必要あるのかなと。
【古田課長】 ああ、これは書き方の問題かな。林さん、どうですか、これ。
【林補佐】 そうですね。我々としましても、きちんと責任の所在を明確にする部分が。
【岸本委員】 目指すものを最重要項目と捉えてとかって書かないと、これ、どこを最重要項目にしているのか読みにくいのではないかなと思った。テクニカルなことで。
【林補佐】 ありがとうございます。書き方を工夫させていただいて、この部分、例えば適切な役割分担と責任の所在を明確にした上で・・・体制を確立することが最重要項目みたいな形で。
【岸本委員】 そうそう。少し細かくなり過ぎてすみませんけれども、あと、11ページのところは、それぞれのすることについて書いてあるのですけれども、これ、集積で止まっているのですけれども、もう実際にできているからいいのか分からないですけれども、役割としては、東北大学は集積させて何をするのかなというのが、後でサイエンスパークというのが出てくるんですけれども、このサイエンスパークというのが、こういう集積させたものをサイエンスパークと呼ぶんですかね。
13ページのところに急にサイエンスパークって出てくるんですね。12ページに絵があるんですけれども、「NanoTerasuをサイエンスパークのコア・コンピタンスのひとつと位置づけ」と書いてあるんだけれども、サイエンスパークが出てきているのが12ページで、絵でしか出てきていないんですね。言いたいことは、エコシステムの在り方で、こういうイノベーションを駆動できるようなサービスを集積させるのとサイエンスパークがつながっているのか、つながっていないのか。少しその辺りを整理したほうがいいかなと思いました。
【古田課長】 林さん、どうですか。
【林補佐】 ありがとうございます。すみません、まず11ページの部分が集積で終わっているというのが、何かを求めているというよりも、まず、その前提として東北大学が、アセットが集積されている状態になるので、それをきちんと認識した上でQST地域パートナーは、じゃあ、その集積されているものとどういった連携が必要かというところを具体化することが必要という趣旨で、こういった。
【岸本委員】 もうできているという認識、東北大学は全てが整っているという認識なのか、これを充実させるとかだったら、まだこれから取り組まなければいけないところなのか、現状認識なのかによるんですけれども、何か今日の話だと、まだまだここのところ、手を入れていかなければいけないので、東北大学は、この集積を進めるとかというふうにしておいたほうが、現在進行形のほうがいい。こちらからだと提言みたいになるのかなと思いました。
【林補佐】 ありがとうございます。おっしゃるとおり、まだこれからもどんどん、青木先生もおっしゃっていましたけれども、進めている途中かと思いますので、集積を進めるというような形にさせていただこうと思います。
【岸本委員】 それと、最後にですけれども、先ほど来、話をしていたKPIを決めて動かすとかということについて、この中でどこに入れようかなと見ていたんですけれども、なかなかこれ、すぐに入りにくいとすると、「おわりに」のところに入れられないかなと。持続的に発展・成長するために、何々をするなど今後の継続的な検討を期待するとかということで、成長するためにちゃんと評価システムを作るとか、価値を外に出すとかということについては、まだここではそんなに細かく検討していなかったので、そういうことを最後に入れておいたらどうかなと思いました。
【林補佐】 ありがとうございます。そういった意味で言うと、13ページに「エコシステムの運用状況を不断に評価し」と記載しているところなのですけれども、おっしゃるとおり、では、どういったKPIみたいなところ――どういったKPIまでは当然まだ検討は難しいところではあるのですが、その評価指標を設定しみたいな。
【岸本委員】 はい。そして、1つは、このエコシステムとして、このチームの人たちが発展させるのもそうだけれども、それを周りから見ていて、それが適切なのかどうかというのを見ていかなければいけないと。国のものなので、それについては、このエコシステムを運用する側というよりも、もう少し外にいる側なので、それについては、ここに書き込めないかなと思ったので、最後に何か書いたほうがいいかなと思いました。
【林補佐】 ありがとうございます。そういった意味で言うと、おっしゃるとおり最後の部分で、何かしら、きちんと適切に評価が、ある意味外部から見える化することによって、そのNanoTerasuを使っていただきやすいようにするというような趣旨の何かしらの追記は検討しようと思います。
【岸本委員】 はい。というふうに入れておくと、今の議論とつながるのかなと思いましたので。
以上です。
【古田課長】 ありがとうございます。
ほか、どうでしょうかね。ぜひ二回り目というか。どうぞ、辻本先生、お願いします。
【辻本委員】 平井先生がおっしゃっていたKPIの話は私も気になって、関連するところとして8ページの資料のところにエコシステム評価指標候補例というのがあるんですね。エコシステムが作り出す主な価値とアウトカムの指標とアウトプットの指標の候補例というのが出ていまして、この辺りがすごく関連するのかなと思って見ていて、これはこれで非常に大事だと思いますけれども、抜けているなと思ったのが、新産業創出って、よく言われるかもしれないけれども、真面目に書いておいたほうがいいのではないかなと思っています。
もちろん、新製品もありなのですけれども、既存産業分類に入らないというところがこのNanoTerasuのかなり特徴的な光景になると思うんですね。その経済規模がどうかというのは、それは先ほどの質的なものでいいと思っていて、しょせん現実には分からないので。ですけれども、新しい産業カテゴリーとか、新しい産業の創出につながっているというのが、それ自体が大きな価値だと思うので、そこは、私は、この表に書くというよりは、生み出す価値のところのどこかに入れるべきかなと。それに関しては誰も見たことがないので、指標とかは難しいと思うんですよ。だけど、そういう事例が出てきたというだけでも、1例でもインパクトがあると思っています。
それに関連して、私はスタートアップ、創出するプラットフォーム事業をやっているので、そういう観点が若干、あまりよい表現ではないかもしれないですけれども、先ほど横山委員がおっしゃっていたことに関連してなのですけれども、数字の積み上げというのも大事かもしれないのですけれども、インパクトってすごい大事だと思うんですよ。例えば東大のスタートアップで言うとPeptiDreamとか、うちの東工大で言うと、つばめBHBとか、Spiberとか、慶應のやつ、ありますよね。あれは1社1社、もちろん経済価値はあるんですけれども、インパクトが大きいですよね。
今までなかった新しい産業を作り出したとか、物質を作り出したとか、それから、人類が何も知らなかったことをベースにしているとか、そういったようなスタートアップの中で、数も大事なんですけれども、インパクトがあるものが出てくるというのはすごい大事で、そういうインパクトがあるものも評価の指標に入れるべきだと思いますし、マーケティング戦略的には、そういうものを意図的に作り込んでいくというか、作っていくというか、いろいろなところとつき合う中で、この可能性があるなと。新産業の部分とスタートアップのインパクトの部分で可能性があるなというところには、戦略的にリソースを割り振って、NanoTerasuとしてのスター事例にしていくということが有効なのではないかなと思います。そういうことをいささか作為的に聞こえるかもしれないですけれども、すごく大事なことではないかと思います。
【古田課長】 ありがとうございます。これは8ページの右下の表、QSTの服部さんですかね、これ、作られたのは。服部さん、何かコメント、お願いできますか。
【服部副センター長】 これは評価指標の事例として出させていただいて、まさに辻本先生がおっしゃったとおり、ブランディングの関係で作為的というふうに御表現なさったかもしれませんけれども、まさにそういったことの仕掛けを入れていくということは非常に重要かなと思っておりますし、先ほど課長からも御指摘がありましたとおり、戦略企画広報の中で、そういう人材を入れていく。そういったことで研究開発部門とこういう広報の部門の連携をしていくというふうなこと、スター事例とかのことも踏まえた上で、そういったことを考えていくといったことは、施設の運営上、非常に重要な視点であると我々自身、頭では分かっても、それがまだ体として実際に具現化できていない部分がありますので、そういった準備、引き続き御指摘を踏まえて進めていければいいかなと考えております。ありがとうございます。
【古田課長】 ありがとうございます。
【辻本委員】 もう1点いいですか。
【古田課長】 はい。お願いします。
【辻本委員】 岸本先生の話を聞いていて思ったのですけれども、東北大学の資料でパリのサクレークラスターの話があって、これもリサーチコンプレックスと書いてあるんですけれども、何度もフレンチシリコンバレーにすると宣言されていると。毎年100のスタートアップが出てきて、周辺にスタートアップが集まっているというところを強調していると思うのですけれども、今回のこのNanoTerasuのリサーチコンプレックスというのは、そのスタートアップのところを結構強調しているのか。それはそうではなくて、スタートアップも一部だけれども、大企業も集積しとか、それ以外の研究所とかも集積しというイメージなのか、そこが分からなくなったんですけれども、どっちでしょうか。
【古田課長】 高田先生、答えられますか。
【高田理事長】 目指しているものは、やはり大企業の研究拠点も、そういう新しい分野が出てきて、入ってくるというのはもちろん目指しております。ただ、そこと間をつなぐものというものが絶対に必要になってくる。そこにいろいろな事業が生まれてくる。それがスタートアップである。もちろん、そのスタートアップから、またそれが大きくなってというのもあると思いますけれども、それはまた生産のところ、生産拠点も呼び込んでくるというような形。
では、なぜそういうものが生まれる可能性があるかというと、この放射光というのはいろいろな分野が集まってくると、いろいろな分業が生まれてくる。イノベーションするということは分業が生まれてくるということ。ですから、垂直統合型のそういうものから、この水平分業型のほうへ移っていく可能性がある。そうすると、今度は裾野が広がるので地域の中小企業とか、そういったところともうまくつながっていく。これは私自身の考えですけれども、それが官民地域パートナーシップの将来のあるべき、目指したい世界だと私自身は思っています。
【古田課長】 ありがとうございます。
今日、オンラインですが、QSTの茅野理事、どうでしょうか。今お話を聞いていた中で、どの点でも結構なのですけれども。
【茅野理事】 ありがとうございます。今までお話を聞かせていただいて、ガバナンスの部分、ここをこれから、あと1年後に運用を開始するわけですけれども、この部分をどう作っていくかというところは非常に大事だなと思いました。評価のところなのですけれども、これ、共用のサイエンスという面での評価という、サイエンスをどれだけ底上げしたかという評価というのは、それなりに今まであったと思うのですけれども、民間の業者の方に入っていただいて使ったときに、一体、それが製品化されて売り出されたときに、それにNanoTerasuがどれぐらい貢献しているのか、NanoTerasuの成果だけで物が売り出されているということではないと思いますので、そこの評価が難しいなというような印象がありました。
あとはやっぱり、スタートアップの部分、高田理事長からもお話があったのですけれども、そういうところの人たちができるだけ使いやすい形をとるというのも重要なポイントだろうなと思います。
以上です。
【古田課長】 ありがとうございます。
どうしましょうか。あと、時間としては、あと数分になりますけれども、もう一回りありますでしょうか。宇治原先生が結局、間に合わなかった。宇治原先生、入っていませんよね。
【林補佐】 入っていないです。
【古田課長】 最後にコメントいただこうと思ったのですが、間に合っていないようですので、報告書のまとめに入ってしまいますが、よろしいでしょうか。どなたか何かありますか、大丈夫ですか。では、変更点を林補佐、まとめて説明していただけますか。まだこれから考えるところでも結構です。
【林補佐】 まずは石川先生から御指摘がございました、「あらゆる」が広いというところに始まりまして、14ページの部分につきましては、横山先生から御指摘のありました分担をきちんとすることで多義性に留意しながら、多層性に留意しながらきちんと広報ができるようにしていくという部分と、すみません、少し戻ってしまいますけれども、11ページの部分につきまして、東北大学の部分につきまして集積を進めるという部分につきましてと、あと岸本委員から御指摘がありましたとおり、19ページの部分につきまして評価システム、評価が外部から見えることによって、その外部の、それこそ企業も使いやすいようにしていくといったような部分の追記を検討していくというようなところを主に修正をさせていただければと考えてございます。
【古田課長】 あと、8ページの最重要項目の書き方ですね。
【林補佐】 そうですね。失礼しました。
【古田課長】 これを文章の中に入れ込むというのがあったと思います。あとは、大丈夫かな。多分、今全てコメントを入れられませんので、この報告書に入れるべきところは入れますが、あとは議事録という形で残させていただいて、我々含めて関係者が今後参照させていただくという形にさせていただきたいと思います。よろしければ、この報告書の修正については、最終的には座長に相談の上、会議として決定させていただきたいと思います。御異議はございませんでしょうか。よろしいですね。ありがとうございます。それでは、決定版の報告書につきましては、委員の皆様へメールで報告するとともに、文科省のホームページにて公開をさせていただきます。
それでは、最後の議題(3)に移りたいと思います。前回の会議でも御案内させていただきました3月18日、土曜日に開催予定のNanoTerasuオープンデイについて御説明をさせていただきたいと思います。これは私から説明することになっていますので、資料の3を御覧いただきたいと思います。「初めての一般公開!NanoTerasuを見にきてね!」ということであります。どちらかというと、今日、YouTubeで見ていただいている方向けにアナウンスをさせていただいております。私も今日の午前中も行きましたし、もう十数回行っておりますが、本当に毎回、すばらしい施設だなと思いますし、ここでいろいろな科学だけではなく、産業、あといろいろなインキュベーションというか、人の交流も含めて、これからいろいろなことがここで行われるんだろうなという何かワクワク感を持ちます。
今回、3月18日の土曜日にこの青山キャンパスの次世代放射光施設で、オープンデイということで、一般の方の視察を受け付ける機会を設けました。全体で90名程度ということで、今回、キャパシティがあまりないので制限させていただいておりますが、ぜひ申込みをしていただきたいと思っております。当然、今回で終わりというわけではなくて、来年度も同じような形で一般の方々向けのこういった視察の機会を提供していきたいと思っておりますし、あと個別に、当然、そういったコアリションに関心がある企業の方とか、当然、共用で使いたいと思われている大学、アカデミアの方の視察も歓迎しておりますので、QST、文科省、PhoSIC、どちらでも結構ですが、ぜひお声がけをいただければ、セッティングをさせていただきたいと思っております。
NanoTerasuオープンデイの開催については、御案内は以上となります。
続きまして、本日で最終回となりますので、委員の皆様と運営会議の幹部からそれぞれ2分程度ずつ、会議を通しての御感想やNanoTerasuに対するメッセージをいただければありがたいと思っております。初めに運営会議側ということで、よろしいですかね。高田副議長、高田理事長からお願いをしたいと思います。簡潔に一、二分でお願いいたします。
【高田理事長】 いろいろと御意見、そしてアドバイスをいただけて非常によかったと思っております。また、企業等もこの有識者会議、YouTubeで見ているということで、いろいろと反響も聞いております。そのことがさらに1つの広報的な役割も果たしているなということでも、こういう会を設定いただき、誠にありがとうございました。いただいたアドバイス、意見を基に我々これからも頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【古田課長】 ありがとうございます。
続きまして、茅野議長、お願いします。QST、茅野理事、お願いします。
【茅野理事】 茅野でございます。有識者会議の委員の皆様には、長期にわたってNanoTerasuの今後の在り方、御議論いただきまして、誠にありがとうございました。我々にとっても様々な分野の方から有益な御意見をいただけたことは、本当に貴重な機会になりましたし、同時に我々も御説明資料、いろいろ作成していく中で様々なことを考える機会が得られまして、有識者会議に参加する以前に比べますと、運用についていろいろなことが整理できているなと思っております。
官民地域パートナーシップというのは、格好いいんですけれども、全体がウィン・ウィンの状態で運用されていくというのは、正直なかなか難しいことだなと思っているのですが、東北大学さんやユーザーさんも含めまして全体をうまく回していくエコシステムというものも何となくイメージできるようになってきたなと思っています。あと1年でNanoTerasu、完成して運用に入るわけですけれども、この間の議論ですとか、今後まとめられる報告書など踏まえまして、運用体制の詳細設計を行っていきますので、引き続きの御支援をいただければ幸いでございます。
以上です。
【古田課長】 ありがとうございます。
それでは、委員の皆様からお言葉をいただきたいと思います。座長と座長代理は最後とさせていただきます。五十音順で、まず、石川委員、お願いいたします。
【石川委員】 NanoTerasu建設にはいろいろな形で関わらせていただいて、大丈夫かなと思っていたところがかなりあったのですが、この有識者会議でいろいろ御意見をいただいて、かなりしっかりした方向になってきたのかなという感じがしております。NanoTerasu、私の発言の端々に出したのですが、これ、日本全体を見たときの1つの、青木先生もおっしゃっていたパーツでございまして、これ、全体をどうやってつなげていくかというところが、多分、これから非常に大切な話になってくると思いますので、ぜひその辺りも今後引き続き御議論いただけたらと思っております。
以上でございます。
【古田課長】 ありがとうございます。
続いて岸本委員、お願いします。
【岸本委員】 ありがとうございます。私は文科省の研究基盤部会の委員として、今回、参加させていただきまして、いろいろ勉強させていただきました。研究基盤部会では、まさにこういった世界最先端の機器と、あとは大学の中ではなかなか買えないような機器、その1つ外側の機器になりますし、さらに外側には大学の機器の共用化ということで、そういったプロジェクトを進めてきていて、まさにこのNanoTerasuというのは、その中心にある大型機器、世界有数の機器で、それも新しい姿で立ち上げるということで、どういうふうに運営していくのかということに関して、少しでも貢献できるようなことができたらうれしいと思いましたし、関係の皆様が非常に一生懸命やられている姿も見ることができましたし、施設も見ることができましたので、本当にこれが稼働したらワクワクするような研究成果が出てくることをまさに期待して、この後は応援団としていろいろな形でサポートできるところはサポートできるようにしていきたいなと思っております。
以上です。
【古田課長】 どうもありがとうございました。
続きまして、小松委員、お願いいたします。
【小松委員】 参加させていただいて、どうもありがとうございます。当初、古田課長から有識者メンバー会議の要請を受けたときに、結構、気楽にいいですよと受けたんですけれども、メンバーリストを見てびびってしまって、ちょっと尻込みしたのですが、その分、いろいろな方のいろいろな御専門分野の話を1つの議題に対してお聞きすることができて、私自身も非常によく勉強になりました。
先ほど茅野理事が言われたように、やはり私的には報告としてはこれでいいかも分からないですけれども、今後、それをどうガバナンスの体制を作って、それをシステム設計していくのかというのは、非常に気になるところでありますので、それは今後、有識者会議の元メンバーということでしっかり見ていければいいかなと思っています。ただ、今後は、今度は使う側として積極的に使っていって、いい成果を出せるような形でスタッフのお尻を叩いていい成果を出していく役割に徹していきたいなと思っています。どうもありがとうございました。
【古田課長】 どうもありがとうございます。
辻本委員、お願いします。
【辻本委員】 エコシステムの設計、実装ということで呼んでいただいて、私なりに取り組んだつもりでして、非常に勉強になりました。ありがとうございました。最近、民間の大企業とか内閣府のSIPとか経産省とか、いろいろなところからこの同じことで相談されることが多いです。その中で具体的に取り組んでいっていただいたNanoTerasuというのは非常に先進的だったかなと思っています。一方で少し反省もありまして、具体的に十分に明確な形にできなかったなと思っていまして、これは一朝一夕にできるようなものではないと思うのですけれども、ずっと考え続けなければいけないなと思っているところですので、やっていきたいと思っています。
そういう意味では、一番大事なところというのは、どのレベルでエコシステムを捉えて、誰がオーケストレーションして、実際にどういうふうにして評価、モニタリングして、フィードバックしていくのか、それを回していくことだと思うんですね。その中で一番大事かと思うポイントは、その評価のところ、やっぱり皆さん気にされていると思うのですけれども、サイエンスの評価とプロフィットの評価で、明確だけれども、間のつなぐところの評価というのもちゃんと見ていくし、体制も整備していこうということが大事だと思うんですね。
科学は徹底的に科学するべきだと思うのですけれども、つなぐところというのは、それ自体がプロフィットを作るわけではないと思うのですけれども、プロフィットを作るところに渡せたかどうかで評価すべきかなと私は思っていて、大学の役割は、そこまでだと思っていまして、NanoTerasuもそうかなと思っていて、そこから先のインパクトというのは、いろいろなことで、産業的な文脈、絡むと思うので、ただ、そこで新産業をつくることに貢献するという、この姿勢と工夫と努力が大学にも求められていると思いますし、NanoTerasuにも、東北大学にも必要なのかなと思っている。人ごとではないので、一緒に頑張っていきたいなと思っております。ありがとうございます。
【古田課長】 どうもありがとうございます。
では、オンラインで参加の横山委員、お願いします。
【横山委員】 オンライン参加が多くなってしまって大変失礼いたしました。私もこの会を通じて多くを学ばせていただきました。何か未来を感じる会だなと思いまして、楽しく参加させていただきました。文科省では、20年前にJ-PARCの共用法を当てるところに参加してから、長く、ビックプロジェクトを中心に拝見しています。日本だけではなく世界中の大型施設が、これ以上大型化できないという、その行き詰まりを感じる中で、新たな大型施設の在り方を示すような議論を皆さんでしてきたことは大変うれしく思っています。NanoTerasuはもちろん、今後のビックサイエンス全体にわたる非常に先進的な議論をされたのではないかなとうれしく思っております。
あと、事務局から届くメールが元気で楽しくて、とても明るい雰囲気に満ちていたのも特徴的でした。ぜひ来年の稼働を楽しみにしておりますので、引き続き応援してまいりたいと思います。ありがとうございました。
【古田課長】 どうもありがとうございます。
それでは、平井座長代理、お願いいたします。
【平井座長代理】 最初、参加するときには放射光施設というものに全く関与したことがない私が座長代理という非常に大役で何ができるかなと思いましたが、実際の民間企業の経営者としての経営視点という観点で貢献できるのではないかと思い参加しました。ただ、回が進むにつれ、そして実際見学に行って、だんだんとこういうことを狙うんだなというところが理解され、自分の中でも消化されつつあり、ちょうど大分分かったところで最終回になったのが非常に寂しく感じています。一言だけ申し上げると、今日のこのオープンデイの資料の後ろの写真で、紅葉に包まれたNanoTerasuが映っていますが、実際見たときもそうでしたが、研究施設はどちらかというと過去は灰色の建物が多かったんですね。
施設がきれいだというのはすごく大事で、イノベーションを生み出す、人間の頭を刺激するときにやっぱりきれいな場所でやらないといけないということを私は信念として持っています。一昨年、AGCで新しい研究所を横浜でスタートしましたが、これだけのものを造ったんだから、研究者はちゃんと頭使えということで、そういうものを造りました。今回は、それに加えて周りがまさに東北大学と完全に隣接していて一体化されているので、今日お話しいただいたリサーチコンプレックスのところもすごく期待しています。これからは民間企業の経営の立場から、参加者として関与できればなと思っておりますし、今回はこのNanoTerasuを中心としたこのアクティビティが新しいイノベーションを生む1つのハブになるといいなと思い期待しております。
【古田課長】 どうもありがとうございます。
最後に千葉座長、お願いします。
【千葉座長】 千葉でございます。今回、座長ということで大変な役目を背負わせていただいて、皆様の御期待にあまり添えなかったのではないかと思っておりますけれども、この意見交換、有識者の意見交換を通じて、やはり私は皆様と同じように日本の未来を感じましたし、未来を創らなければいけないと思ってまいりました。
特に大学、あるいは研究機関が基礎研究をしっかりやったものが企業としっかりつながって、そして企業が大きな成果を出すという、このつながりのところが日本は何十年やってもなかなかうまくいかなかった。そこに対しての大きな挑戦であると感じてまいりました。今回、有識者の皆様、各方面の先頭に立っておられる方が集まってくださったことによって、非常にこの多岐にわたる、かなり斬新な御意見を、忌憚のない御意見をお出しいただけたと思っておりまして、これは本当に物事を成功させる上ではすごく大事なことだなと改めて感じました。
この議論を、私は大学の人間なので、できれば日本中の大学にもっともっと浸透させたい。それから、大学がここまで考えているのだということを産業界の方にも御理解いただいた上で、産業界もまた新たな考え方に変わっていっていただきたい。そういう非常に日本全体を挙げての大きな一歩を踏み出せているのではないかなと私思っております。この場をお借りしまして皆様の御協力に改めて感謝を申し上げます。どうもありがとうございました。
【古田課長】 それでは、宇治原先生、まだ入っていないですね。残念ながら、委員の先生方からの挨拶は以上となりまして、実は最後に局長の柿田からの御挨拶だったんですけれども、結局、間に合わずということで、僣越ながら私のほうで代わりに役所側の挨拶をさせていただきたいと思います。
昨年の5月か6月にこういった会をやりたいということで、メンバーを私なりに探しまして、直接アプローチをさせていただいて、参加をしていただきまして、誠にありがとうございました。当初、年内に5回というふうに思っていたんですけれども、予想していた以上に盛り上がったというか、論点が非常に深くありまして、7回ということで2月までやらせていただきました。本当に最後までおつき合いいただきまして、誠にありがとうございます。
NanoTerasuですけれども、私もいろいろな仕事をやってきていますが、実は――実はというか、私、非常にいいプロジェクトだと思っていまして、結構、なかなかない筋のいいプロジェクトだと思います。と言うと、筋の悪いのが何かいっぱいあるように思ってしまうかもしれませんけれども、私、本当に、今日の議論でもいろいろと不安というか、いろいろな注意点をいただくんですけれども、我々――我々って、文科省、QST、パートナー側なんですけれども、皆さん、我々で力を合わせて前向きに考えていけば、全てこなせると思っています。
かなり前のめりに言うと、私は成功するに違いないと思っています。これは多分、当然、私もだし、今日いるメンバーも皆さん、代わっていってしまうんですけれども、このプロジェクト、非常に筋がいいですし、今日、こういった形でいろいろな宿題事項、結構、大きい宿題が多いんですけれども、残していただいたので、やはりこれは代が代わっても皆さんでうまくこなしていきますし、官民地域パートナーシップ、それは官のいいところと民のいいところと地域のいいところのいいとこ取りのプロジェクトだと思うんですね。だから、官でできるけれども官の弱いところ、学でできるけれども学のできないところ、産も同じようにあります。
そういったところをみんな強いところとか、できるところがうまく対応して、このプロジェクト全体としては回ってきていると思います。私もこの1年半、直接担当させていただいて、本当にそのように考えています。困ったときには地方自治体が、仙台市や宮城県が本当に前に出ていろいろと助けてくれますし、当然、企業の方もいろいろな形で助けてくれる。こういったのは、実は文科省のプロジェクトでなかなかなくて、そういったことからも私はこのプロジェクトは将来にわたって上手くいくと思っております。
すみません、最後になりましたけれども、今後も引き続きNanoTerasuに関心を持っていただきまして、あといろいろな形で結構ですので、側面的な支援でも結構ですので、引き続き御支援をよろしくお願いしたいと思っております。以上であります。本当にどうもありがとうございました。
それでは、最後に、また最後、私から事務連絡で恐縮なのですけれども、それでは、本日の会議の議事録につきましては、作成次第、委員の皆様にメールにて確認いただき、文科省のウェブサイトに掲載させていただきます。本日の配付資料につきましても、後日、文科省ウェブサイトに公開いたします。以上でございます。
そのほか、委員の皆様から御意見等ございますでしょうか。特になければ、本日の議題は以上となります。これをもちまして、第7回NanoTerasu(次世代放射光施設)の利活用の在り方に関する有識者会議を閉会いたします。7回、どうもありがとうございました。
―― 了 ――
<担当>
科学技術・学術政策局
研究環境課 内野、佐々木
電話:03-6734-4098(直通)
Eメール:research-env@mext.go.jp