リサーチ・アドミニストレーター活動の強化に関する検討会(第11回)議事録

1.日時

令和2年10月1日(木曜日)16時30分~18時00分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議にて開催

3.議題

  1. ワーキンググループにおける検討状況について
  2. 今後のURAの在り方の議論を進めるにあたって
  3. 令和3年度概算要求について

4.出席者

委員

山崎議長、伊藤副議長、久保委員、小泉委員、高橋委員、古川委員、山本(進)委員、山本(貴)委員

文部科学省

文部科学省 産業連携・地域支援課 斉藤課長
文部科学省 産業連携・地域支援課 大学技術移転推進室 北野室長、原室長補佐

5.議事録

(1)ワーキンググループにおける検討状況について
ワーキンググループの山本(進)座長より、資料2に基づき、ワーキンググループの検討状況について報告があり、その内容について議論を行った。

【山崎】2.の図にある認定機関は上位団体の外にくくられているが、全体を指したものか。あるいは別に機関がある想定か。

【山本(進)】全体を指したものである。


【久保】3.(3)に最上位委員会「各団体の長・理事等で構成」とあるが、関係7団体以外も指しているか。

【山本(進)】7団体以外でもURAに関する有識者がいる場合は入って頂くことを想定している。

【久保】承知した。現段階では具体的に想定していないが将来的に対応できるように入れているという理解でよいか。

【山本(進)】ご理解のとおり。「等」とすることにより、URAに造詣の深い方々も最上位委員会に入って頂けるよう余地を残している。

【久保】7団体は有力大学が多いが、地方大学の経営者の意見はどのように取り入れることを想定されているか。

【山本(進)】そのご指摘も最上位委員会の構成を考える際に必要だと考えている。そのことも考慮して「等」を入れている。


【古川】1.(1)ワーキンググループメンバーにJSTが入っているのはなぜか。少し異質に感じられる。

【山本(進)】文科省で検討委員会を立ち上げた時に最初からJSTが入っていたので、その時から続いていると理解している。

【小泉】補足すると、JSTはPM人材の育成事業を長くやっており、広い意味で研究マネジメント人材の育成をやってきているので、その観点でワーキンググループの立ち上げ時から入って頂き一緒に議論をしてきた。

【久保】JSTは目利き研修もやっているので、その観点もあると思われる。


【伊藤】3.の認定制度の実施体制について「委員会の事務については、特定の法人が担うことが適当であり、公的な法人であることが望ましい」とあるが、上位団体では事務的な人的資源が持てないので特定の団体に委託するという理解でよいか。また、公的な「法人」とあるが、ワーキンググループのメンバーの中で法人格を持っているのはUNITTとJSTしかない。この2つのいずれかを想定しているのか、あるいはこれから法人をつくることを想定しているのか。

【山本(進)】特定の団体を名指ししてワーキンググループの資料に挙げるのは適切ではないだろうということで、こういった記載にしている。新たに法人を作ることは考えていない。

【北野】このワーキンググループでは認定制度を運用する体制がどういう形であればいいのかを議論して頂く場であって、最上位委員会を構成する団体や事務局を担う団体を決める場ではないという認識である。先ほどの久保先生のご発言にもあったように、有識者に入って頂くかということは、上位団体の中で事務局をどこに担って頂くかも含めて決めて頂くものなので、このワーキンググループでは形だけを示したとご理解頂きたい。

【小泉】7団体の中から公的な法人を選ぶとJSTしか選択肢がなくなるが、ワーキンググループの見解としてはニュートラルに公的な法人格が適切であろうというところで、必ずしも7団体から事務局を担わなくても、最上位委員会から適切な法人に事務局を依頼する案もあるのではないかと思っている。必ずしも七択ではないという点は付け加えたい。

【高橋】この認定制度は継続的に運営されてこそ意味があるという観点から、安定性と継続性のキーワードで議論されてきた。その議論が「公的」という言葉に集約されているとお考え頂きたい。7団体が当事者としてこの制度を運用するにあたり、自身の改良・改善を行いつつ、機能と しては安定性・継続性を持つという両方の観点が重要だという議論があった。

【山崎】認定制度という性格からして、客観性は必要であろう。ほとんどの認定対象者がRA協議会に加入していて、RA協議会自体で認定を行うとなると、外部から内輪でやっているように見られかねない。そこにどうやって客観性や公益性を雰囲気として作り上げるかが重要なポイントだと考える。ワーキンググループではその点も議論がなされたのであろう。

【山本(進)】そのポイントは利益相反の観点からも気を付けるべきだと考えている。

【山崎】外部から関係団体が全部を取り仕切っているとみられるのは危険。関係団体はコントリビュートすべきと思うが、全てを自分たちでやってしまうのは少し違うと思う。

山崎議長より、ワーキンググループからの検討結果の報告を踏まえ、概ね上位団体の体制や関係団体との協力関係等全体像が整理されている一方で、これ以上詳細に議論をすることは実際に上位団体が出来た後の活動を拘束することになるので、ここでワーキンググループの活動を終了し、今後は検討会で議論を進めていく旨の提案があり、これを承認した。


(2)今後のURAの在り方の議論を進めるにあたって
事務局から、資料2の後半に基づき、各団体からURAの在り方について様々な意見が出ている状況について説明を行った。その上で、URAが日本の大学等の研究力向上に資するために、他にどのような施策が必要なのか、まずはURAをとりまく課題や懸念事項等幅広くご意見を頂きたい旨の説明が有り、議論を行った。また、小泉委員より参考資料4について、研究大学コンソーシアムでの議論における5つの観点の説明があった。

【小泉】研究大学コンソーシアムの中では大学の立場から議論を行っているが、今後は7団体の様々な立場から、質保証されたURAを日本の大学や研究機関における研究力強化の中でいかに活用していくかを議論していきたい。

【山本(進)】研究大学コンソーシアムにおける議論で最も重要視したのは「内在化」の論点。大学によっては研究大学強化促進事業が終わった2022年の後はどうするのかという議論もある。ただし、URAは1,000名を超える規模になってきており、とある事務局の職員にアンケートや話をすると、URAのような能力を持ちたい事務職員もいるということで、ポテンシャルとしてはかなりあるのだと想定している。小泉委員のご発言にもあったように、7団体が協力して日本におけるURA制度を継続・改善させていくことが重要だと考えている。

【山本(貴)】UNITTではATTPという団体でRTTPという技術移転のプロフェッショナルの認定を行っているが、ATTPの中ではRTTPの定義づけについて深く議論がされている。URAはそれよりも概念が広く、公的資金獲得や知的財産、ベンチャー設立など議論が多岐に渡る。そういう定義づけについて、ATTPで議論された内容はWEBに公開されているので、参考にしてはどうか。

【山崎】金沢大学の受託事業で試行を行っているが、認定専門URAの専門分野を5つに定めて定義づけした。しかし、その定義づけが十分かどうかは、制度開始の時点で説明や議論が必要になってくるであろう。

【山本(貴)】各大学で受け入れられるかどうかの、大学としての議論も必要であろうが、キャリアパスの観点では大学横断的な議論も必要だと思われる。また、RTTPは認定をいつまで継続するのかという議論も行っている。URAはこれから認定制度を開始する段階だが、後々にはそういった議論も生まれてくるのではないか。

【山崎】現段階では更新制に議論が落ち着いていて、仮に5年更新とした場合、その更新の仕組みをどうするかという点を議論している最中だとご理解頂きたい。

【山本(進)】諸外国のことを考えると定義づけは重要だと認識している。一方で定義づけの議論だけではなかなか進まないので、ある程度ラフな形にしておいて多様性を認めつつ進めていきたいと考えている。URAの理解はこれまでの10年間で非常に進んだが、運営費交付金で雇用することに抵抗があるケースもまだ存在する。


【高橋】URAの関連団体が複数存在していてまとまっていないという指摘については、アメリカ以外のOECD先進諸国の状況は概ね同様である。この状況を多様性とポジティブに捉えて、大学の経営層にURAの必要性をアピールしていくことが今後の課題であるし、大学生え抜きの人材ではないURAに信頼性を付与するという観点から、認定制度の検討において「公的」という文言が使用されていると認識している。


その他
(1)令和3年度概算要求について
事務局より、資料3に基づき、令和3年度概算要求の内容について説明した。
 

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科学技術・学術政策局 産業連携・地域支援課 大学技術移転推進室

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