令和3年度 日本学術振興会の評価等に関する有識者会合(第1回) 議事録

1.日時

令和3年7月5日(月曜日)13時00分~15時00分

2.場所

オンライン会議

3.議題

  1. 今年度の有識者会合の運営について
  2. 評価項目・分担について
  3. 令和2年度業務実績に係る自己評価について
  4. その他

4.出席者

委員

植田座長、秋元委員、岡村委員、加藤委員、東嶋委員

文部科学省

杉野研究振興局長、坂本研究振興局審議官、奥野振興企画課長、吉居振興企画課課長補佐、二瓶振興企画課学術企画室室長補佐、吉田学術研究助成課企画室室長補佐、鈴木人材政策課課長補佐、福島参事官(国際戦略担当)付参事官補佐、廣瀬大学振興課課長補佐 ほか

5.議事録

【吉居課長補佐】
それでは、定刻となりましたので、ただいまから令和3年度第1回独立行政法人日本学術振興会の評価等に関する有識者会合を開催いたします。本日はお忙しいところ、御出席いただきましてありがとうございます。
私は、文部科学省研究振興局振興企画課で課長補佐をしております吉居と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、新型コロナウイルス感染症対策のため、ウェブ会議による開催としております。出席者の皆様におかれましては、発言される際にはマイクをオンにしまして、お名前の後に御発言をいただきますようお願いいたします。発言される際には、インターネット回線上でも聞き取りやすいように、はっきり、ゆっくりお話しいただければと思います。発言が終わりましたら、マイクをオフ、ミュートにしていただけますようお願いします。
また、会議資料につきましては、議事次第にございます配付資料一覧のとおりでございます。委員の先生方には事前に送付しておりますが、画面上にも共有させていただきますので、適宜御覧いただければと思います。
それでは、議事に先立ちまして、研究振興局長の杉野より一言御挨拶を申し上げます。
局長、お願いいたします。

【杉野研究振興局長】
文部科学省の杉野でございます。本日は御多忙のところ、日本学術振興会の評価に関する有識者会合に御出席いただきまして、ありがとうございました。一言御挨拶を申し上げます。
委員の先生方におかれましては、本有識者会議に御参画いただきまして、誠にありがとうございました。今年度は委員の改選がございまして、新たに2名の先生方と、継続で3名の先生方に御参加をいただいております。これから2年間お世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。
今回の年度評価におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中で、資金配分機関としての使命を果たすために、振興会が業務運営をどのように工夫し、効果的、効率的に実施されたのかという点についてぜひ把握をいただくとともに、業務の質のさらなる向上に向けて忌憚のない御助言をいただければと思っております。先生方におかれましては、評価作業で御負担をおかけしますけれども、御協力賜りますようお願いを申し上げます。
また、今日は振興会からは、理事長の里見先生をはじめ、多くの方に御出席をいただいております。ありがとうございます。自己点検評価の作業、御苦労いただいたと思います。今日は限られた時間でございますけれども、自己点検評価の内容を御説明いただきまして、委員の先生方の御質問に十分な御説明を賜れればと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上、簡単ではございますけれども、私からの御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

【吉居課長補佐】
続きまして、委員の御紹介をさせていただきます。
(委員を紹介)以上、5名の先生方が委員となります。
また、本会合には座長を置き、有識者の互選によって定めることとなっております。どなたか御推薦をいただけますでしょうか。

【秋元委員】
秋元ですけれども、よろしいでしょうか。

【吉居課長補佐】
お願いいたします。

【秋元委員】
私、昨年度も委員を務めさせていただきましたが、植田先生がこれまで座長をやっていただきましたし、日本学術振興会の実績や評価についてもよく御存じですので、ぜひ植田委員を座長として推薦させていただきたいと思います。

【吉居課長補佐】
ありがとうございます。今ほど、植田委員を推薦する御意見をいただきましたが、皆様いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【吉居課長補佐】
植田先生、よろしいでしょうか。

【植田委員】
はい、分かりました。

【吉居課長補佐】
ありがとうございます。それでは、植田委員に本会合の座長をお務めいただきたいと思います。植田委員、よろしくお願いいたします。

【植田座長】
今御紹介いただいた植田です。本有識者会合は、日本学術振興会の業務運営の改善に資するよう、文部科学大臣による業績評価に際し、その実効性を確保するための助言を行うことと理解しております。
座長として、委員の皆様とともに適切に対応していきたいと思いますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
今年もまたウェブ会議の形式でありますので、司会進行については事務局にお任せしたいと思います。それでは、本日の出席者等の確認から順に事務局よりお願いいたします。よろしくお願いします。

【吉居課長補佐】
ありがとうございます。事務局でございます。
それでは、初めに事務局の出席者を紹介させていただきます。
(事務局を紹介)
また、本日は令和2年度業務実績評価に際しまして、日本学術振興会からのヒアリングを予定しておりまして、振興会から理事長、役員等の皆様に御出席をいただいております。
(日本学術振興会役職員を紹介)
それでは、委員の先生方におかれましては、会議の議事進行において質疑応答などの際には、「手を挙げる機能」を用いまして意思表示をしていただければ、こちら事務局より指名をさせていただきます。御発言が終わりましたら、手を下げていただきますようお願いいたします。
また、本会合は、「独立行政法人日本学術振興会の評価等に関する有識者会合の公開について」に基づきまして、原則として公開とされております。事務局としましては、今回の本会合については非公開とすべき特段の事情はないと考えておりまして、委員の皆様方に御了承いただければ、本日は5名の一般傍聴登録がございますので、これ以降、入室を許可させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

【植田座長】
皆さん、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【吉居課長補佐】
ありがとうございます。それでは、これより一般傍聴者の接続を行わせていただきたいと思います。
それでは、議題1に入りたいと思います。議題1は、今年度の有識者会合の運営についてでございます。資料1を御覧ください。
1ページでございます。事務局より説明をさせていただきます。独立行政法人制度の主な仕組みといたしまして、業務の質・効率性の向上、自律的な業務運営の確保、業務の透明性の確保を図るべく、以下の取組が独立行政法人通則法に規定されているところです。
主務大臣の役割としまして、中期目標・中期計画、評価、見直し内容に係るミッションの付与です。
それから、法人の長の役割といたしまして、中期計画の策定、実績報告・自己評価を行いまして、ミッションの実現を図るということです。
真ん中に主務大臣と法人の長の関係が示してありますが、今回は赤字の部分、毎年度の取組でございます法人の長からの実績報告・自己評価に基づきまして、主務大臣が年度評価を行うというのが主な取組内容です。こちらを行うに当たりましては、一番下段に書いてありますが、プロセスを全て公表して、総務省の独立行政法人制度委員会にこれらのプロセスを点検してもらうというような過程があります。
次のページに参ります。「文部科学省所管の独立行政法人の評価に関する基準」に基づきまして、研究振興局長決定におきまして、以下の7つについて外部有識者の知見を活用しなければならないというふうに規定されております。今回は4番の太字の部分、年度評価につきまして、御助言を先生方にいただきたいと考えております。
次のページです。3ページ目、日本学術振興会の全体スケジュールでございますが、第4期の中期目標期間のうち、現在は4年目、赤線で囲っているところでして、令和3年度は年度評価を行うというのが本会議の業務の内容です。
次に参ります。具体的な進め方ですが、水色の大きな点線の枠、7月5日の月曜日が本日でして、日本学術振興会からのヒアリングを行いました後、小さい点線の中ですが、7月8日頃に事務局から各委員へ大臣評価書の案を照会させていただきます。1週間程度をもちまして、7月16日頃、それに対する先生方の意見を事務局に御提出いただきます。それを事務局のほうで整理いたしまして、7月21日頃、各委員の御意見を踏まえ反映した大臣評価書の案を送付させていただきます。その内容を踏まえまして、7月28日に第2回の有識者会合を開催させていただく予定です。そちらで大臣評価書(案)の検討・決定をいたしまして、その下段ですが、省内審査を経て、8月中旬から下旬頃に大臣に御説明をし、大臣評価書の決定と公表という予定です。
次に参ります。評価の基準ですが、2つ枠がございます。右側が項目別の評定で、項目ごとにS、A、B、C、D、5段階の評価をいただきまして、それを踏まえて一番左側の総合評定を同じ5段階で評価をいただくと。どちらもBが標準です。
次のページ、今回の評価に際しましては、新型コロナウイルス感染症の影響をどのように踏まえるかというのが一つ大きなポイントになろうかと思いますが、昨年の12月に独立行政法人評価制度委員会におきまして、部会長が以下の発言をなさっております。この方針に基づきまして、文部科学省内でも独立行政法人の評価を行うこととされておりますので、下線の部分を一読させていただきたいと思います。「主務大臣が、感染症によって予定していた業務が実施できなかったと認める場合には、評定において考慮いただくとともに、感染症が業務運営に与えた影響等の分析結果を評価書に具体的に記載いただきたい。特に、感染症の影響下でも、法人が、その使命を着実に果たしていくために工夫を凝らした、ポストコロナに向けた具体的な計画を策定したといった積極的な取組を行った場合には、役職員のモチベーション向上の観点からも、そうした取組を的確に評価することが重要である。そのような取組についても丁寧に把握し、評定において考慮いただくとともに、その根拠を具体的に記載していただきたい」ということです。このような方針を踏まえて、評価作業を行っていただきたいと思います。
議題1に関します資料の説明は以上です。本件に関して御質問、御意見等ございましたら、お知らせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【植田座長】
それでは、今までのところで御質問があれば、いただきたいと思いますが。特にございませんか。
じゃあ、少し私から言いますと、新しい委員の方もおられますが、これからヒアリングしたり説明を受けたりしますが、そこで率直に思ったことを聞いていただければいいと思うんですよね。そうすると、それを後で文科省のほうから学術振興会にちゃんと連絡をして、それについてのまた詳しい説明をされたりしますので、そういう後からつけ加わった情報も含めて後で評価していただければいいと思いますので、あまり形にとらわれないで、思ったことはすぐに聞いていただきたいというふうに思っております。

【吉居課長補佐】
事務局でございます。それでは、よろしいでしょうか。
それでは、議題の2に移ります。議題2は、評価項目と分担です。評価項目と、各委員が重点的に助言を行う項目の分担(案)につきまして御説明いたします。資料2です。
文部科学大臣決定の評価に基づく基準に基づきまして、中期目標を定めた項目を評価単位とすることになっています。グレーの網かけの部分で、1番が総合的事項、2番が世界レベルの多様な知の創造というふうに事項をまとめてあります。全体で、2ページ目もございますが、10ほどの項目にまとめてあります。それぞれの事項に対しまして、2名ずつの委員を案としまして割り当てさせていただいております。その上で、より的確な評価を実施するため、より細分化した単位で項目別評定を行うことは妨げないとされております。
また、各項目の内訳として、事業担当課も複数にまたがっていることから、資料にございます自己点検評点欄にアルファベットの小文字で記載いただいておりますが、補助評定を活用しまして、その上でグレーの部分の評定を付してあります。ちょっと資料が小さいですけれども、1の総合的事項という大きな柱に対しまして、補助評定としまして、(1)、(2)、(3)という3つの小文字のアルファベットによる評定をしております。それを総括しまして、グレーの部分ですが、1番であれば大文字のBという評価をしているところです。
担当委員の割り振りにつきましては、先生方の専門分野や担当される分量なども考慮いたしまして、事務局案として作成したものです。
評価に当たりましては、評価全体を通して御意見、御助言をいただきたいと考えておりますが、特に重点的に確認いただきたい事項につきまして、2名ずつ、できましたらこのように御担当をお願いできたらと考えております。
説明は以上でございます。本件に関しまして、御意見等ございましたらお願いいたします。よろしくお願いします。

【植田座長】
それでは、今説明があった分担の件について、皆さんの御意見をいただければありがたいと思います。今回初めての方、自分の分野、資料は送られていますけれども、それについて御意見があればいただけませんでしょうか。

【吉居課長補佐】
岡村先生、お願いいたします。

【岡村委員】
分担についての意見じゃないんですけど、この資料2の2ページ目のローマ数字2の2、3、4がバーになっているんですけど、自己評価表のほうを見ると評価がされているので、これはどういう関係でしょう。

【伊藤副理事(兼)総務部長(兼)経営企画部長】
総務部長の伊藤と申します。今先生のおっしゃったところについては、実績がないというようなところにつきましては、評価の事項としては書かせていただいているんですけれども、実際の年度における評価においてはバーということで、実績なしというような形で整理させていただいております。ただし、大項目におきましては評価する必要がありますので、実際に行った評価の小項目で採点されているもの、こういったものを基準に、大項目としての大文字の評価をさせていただいているということでございます。

【岡村委員】
そういう様式だったら分かるんですけど、ローマ数字2番の2、3、4、2の一般管理費の効率化については実績を述べられていますので、それでそれに基づいて評価もされていると。もう一つの資料3-2の実績に係る評点一覧だと、自己点検評定も外部評定も両方ついているんですね。自己評価書のほうも記載がありますので、これは実績ありなんじゃないですかね。

【吉居課長補佐】
すみません、文科省事務局です。先生、今御指摘くださいました2の部分につきましては、私ども事務局の転記のミスでございます。こちらは自己評価されておりますので、私どもでbの評定を入れるべきところ、転記を間違えまして、大変申し訳ございませんでした。

【植田座長】
それでは、ほかに質問なり御意見ありませんでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、ただいまの議論を踏まえた修正を加えていただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【植田座長】
それでは、ありがとうございました。
では、次に参りたいと思います。

【吉居課長補佐】
事務局です。それでは、議題の3に参りたいと思います。
議題3は、令和2年度の業務実績に係る自己評価についてでございます。日本学術振興会が実施しました自己評価の内容につきまして、振興会からヒアリングを行いますので、まず、資料について確認をいたします。資料3-1から3-4を御覧ください。
資料3-1は、令和2事業年度自己点検評価・外部評価についてということで、振興会の自己点検・外部評価報告書を作成した経緯の概要です。
資料3-2、令和2事業年度業務実績に係る評点一覧ということで、振興会の自己点検評価及び外部評価委員の評定を一覧にまとめたものです。
資料3-3、令和2事業年度自己点検評価・外部評価報告書ということで、その報告書の全体です。
資料3-4、令和2事業年度の自己点検評価の要旨ということで、資料3-3の要旨をまとめたものです。
これら4点の内容につきまして、この後、振興会からヒアリングを行います。資料3-2の評価項目ごとに自己点検評価により当該評定とした根拠を資料3-4を中心に御説明をいただきます。30分ほどで御説明いただきまして、その後、委員の先生方と質疑応答をさせていただきます。
それでは、本日は里見理事長に御出席をいただいておりますので、理事長より一言御挨拶をいただいた後、令和2年度業務実績と自己点検評価について、日本学術振興会より説明をお願いいたします。
まず振興会からの説明用にここで画面の切替えを行います。準備が整いましたらお願いいたします。

【里見理事長】
日本学術振興会の理事長の里見でございます。自己評価についての説明に当たりまして、委員の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
日本学術振興会は、我が国の学術の振興を担う唯一のファンディングエージェンシーとして、科研費をはじめとする学術研究の助成、特別研究員事業などによる若手研究者の養成、学術の国際交流の推進、大学改革や大学のグローバル化の支援など、多岐にわたる事業を実施し、研究者の活動を安定的、継続的に支援してまいりました。
今年度は、平成30年度から始まった5年の中期目標期間の4年目に当たり、引き続き、5つの柱を基盤に、学術振興に不可欠な諸事業を積極的に実施しているところでございます。
一方、令和元年12月、中国の湖北省武漢市において確認されて以降、世界的に急速な広がりを見せた新型コロナウイルス感染症、COVID-19により、我が国は社会的、経済的に大きな影響を受けております。新型コロナウイルス感染症の影響は、学術研究の現場にも及んでおります。研究体制の縮小や知見交換の停滞といった様々な影響が出ているとの声が聞かれております。そのような状況を踏まえまして、本会では、職員が一丸となって、各事業について、可能な限り研究活動への影響を低減する措置を講じるとともに、制度改善も着実に進めるなど、研究者に寄り添った柔軟な対応を実施しております。
近年、我が国の研究力の低下が懸念されておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響下においても、研究者がその自由な発想により挑戦的な課題に打ち込むことができるよう、引き続き国を挙げて取り組むことが重要と考えております。本会としましても、引き続き、知の開拓に果敢に挑戦する研究者を支えるという使命をしっかりと果たしてまいる所存でございます。
委員の先生方からいただく貴重な御意見や御指南、御指摘については、事業のさらなる質の向上や業務運営の効率化に積極的に役立ててまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上、簡単ではございますが、私からの挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

【吉居課長補佐】
ありがとうございました。それでは、先﨑理事、お願いいたします。

【先﨑理事】
ただいま御紹介いただきました日本学術振興会の先﨑でございます。私のほうから、日本学術振興会令和2事業年度自己評価について御説明させていただきたいと思います。
まず、資料3-1を御覧いただきたいと思います。当会における評価のプロセスについて簡単に御説明させていただきます。
まず、資料3-1の1、自己点検評価でございます。これは、里見理事長をヘッドといたしまして、計画・評価委員会というのを開いて自己評価をさせていただいたということです。
それから、その次に、2ポツとして外部評価がございます。JSPSにおきましては、JSPSとして外部評価をお願いしているところでございます。外部評価委員の名簿を下につけております。御覧のとおりでございまして、5月から6月にかけて、3回御審議をいただいております。これらを踏まえまして、6月30日に当会としての自己点検評価・外部評価報告書を文部科学大臣に御提出させていただいたところでございます。
続きまして、今回の令和2事業年度の自己点検評価についての考え方を御説明させていただきたいと思います。御承知のように、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症が突如猛威を振るった1年でございました。我が国におきましても、社会的、経済的に大きな影響を受けたところでございます。特に昨年4月の緊急事態宣言の発令以降、学術現場はもちろんのこと、私どもの業務においても、大きな出勤抑制がかかるなどの影響を受けた大変苦しい、厳しい1年であったわけでございます。この辺りを法人評価としてどのように扱うのかということでございますが、恐縮でございます、資料3-3、分厚い資料をおめくりいただきまして、表紙をめくってもう一枚おめくりいただきますと、「令和2事業年度自己点検評価における新型コロナウイルス感染症対応の評定の考え方について」という、私どもの計画・評価委員会の決定というものをつけた資料がございます。このうち、1ポツの背景の2つ目の丸、ここに、先ほど文部科学省の吉居補佐様から読み上げていただいた大本になります総務省の独立行政法人評価制度委員会の評価部会長の発言を載せております。繰り返して朗読はしませんけれども、こういった観点を踏まえまして、私どもとしても内部評価をさせていただいたということでございます。
さらにもう一枚か二枚めくっていただきますと、私どもの外部評価委員会の決定というのが出てまいります。この外部評価委員会の決定は、ほとんど例年どおりなんですけれども、1点だけ、下に2ページというふうについているかと思いますが、そこの上から2パラ、Dというもののその次に、なお書きというのが入っております。なお、予測し難い外部要因により業務が計画的に実施できなかった場合、当該外部要因に対して当該法人が自主的な努力を行っていた場合には、業務実績等を総合的に勘案し、評定において考慮するものとする。外部委員の先生方におかれましても、この未曽有の事態をどのように法人評価に反映するのかという御議論をいただいておりまして、このような基準が加わっているということでございます。この点、あらかじめ御承知おきをいただければと思います。
続きまして、資料3-2を御覧いただきたいと思います。令和2事業年度業務実績に係る自己点検・外部評価評定一覧というものでございます。当会では、先ほど御紹介いただきましたように、中期目標に定められた項目ごとに自己評価を行っておりますが、このうちローマ数字の1、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項、これは当会の業務の中核をなすものでございますけれども、この各項目につきましては、評定の参考とするために補助評価単位というものを設けております。算用数字の1から7まででございます。このうち、令和2事業年度につきましては、2、3、4につきましてA評価、1、5、6、7につきましてB評価、また、管理運営事項に関しますローマ数字2、3、4につきましては、いずれもB評価ということにしております。
それぞれの評価の概要について御説明をさせていただきたいと思います。恐縮でございます、資料3-4「令和2事業年度事業実績に関する自己点検評価の要旨」、パワーポイントのものですけれども、これに沿って御説明させていただきたいと思います。
まず、表紙を御覧いただきますと、それぞれに目次のページ数がついておりますが、このページの部分がそれぞれの項目のサマリーが頭についております。時間も30分と限られておりますので、それぞれの項目、サマリーに沿って私のほうから補足説明をさせていただきたいと思います。
まず、1枚おめくりいただきまして、1ページ、総合的事項でございます。総合的事項という字の下に、これは全ての資料がこうですけれども、補助評価項目を書かせていただいております。総合的事項は(1)から(3)まで、いずれもb評定とした上で、全体の評定もBというふうにしております。
まず、(1)研究者等の意見を取り入れた業務運営につきましては、評議員会、学術顧問の方々と意見交換を通じて、研究者の意見を取り入れる機会を確保しながら業務運営を行っているところでございます。
(2)第一線級の研究者の配置による審査・評価機能の強化でございますけれども、当会には学術システム研究センターという中核となるセンターがございまして、そこの9つの専門調査班に各分野の第一線級の多様な研究者を研究員として配置して、科研費をはじめとする各種事業の審査委員の選考でありますとか、公募要領、審査方針への提案・助言・検証等を行っております。リモート体制を整備し、業務を遅滞なく実施できたということで、このセンターに有識者から構成される運営委員会というのがございますが、この運営委員会におきましても、高い評価をいただいたところでございます。
(3)学術研究の多様性の確保等についてでございます。評議員会からは、学術研究の多様性の確保を踏まえた当会の業務運営については、良好という御意見を常々いただいております。引き続き取組を進めてまいりたいと思います。中でも、男女共同参画については、令和2年3月に男女共同参画推進基本指針というのを定めておりまして、研究とライフイベントの両立を支援するための関連情報の発信など、新規にウェブサイトを構築して取組を進めているところでございます。
続きまして、恐縮ですが、5ページをお開きいただきたいと思います。5ページ、算用数字の2、世界レベルの多様な知の創造、このパートは、当会のいわゆる研究支援業務に関する部分でございます。研究支援業務は、学術の振興を目的とする当ファンディングエージェンシーにおける根幹をなすものでございます。毎年9万件から10万件来ます研究課題の中から、極めて効果的かつ効率的に公正性・透明性を確保した審査を行って、優れた研究課題を選定申し上げる必要があることから重要度・難易度ともに高いものとして設定されております。補助評価項目につきましては、御案内の(1)から(3)まで、全体としての評定はAとさせていただいております。
まず、(1)科学研究費助成事業の充実・強化に資する取組の推進でございます。科研費事業の審査・評価を適切に行うということはもちろんございますけれども、新型コロナ感染症の影響を勘案して、研究遂行が困難となった研究者や研究機関に向けて、各種の申請期限の延伸や研究期間の延長、もしくは再延長といった特例措置なども可能な限りの柔軟な対応を行ってまいりました。科研費の審査というのは従来、7,000人以上のレフェリーにお集まりをいただき、無数の対面形式の会議を開きまして審査を行っているわけでございますけれども、緊急事態宣言の発令ということで、急遽オンライン形式の体制整備を行いました。レフェリーの先生方にも、接続テストというのを何回もやらせていただいて、何とか審査体制を整えたところでございます。当会の職員におきましても、当時は厳しい出勤抑制がかかっておりましたが、約5か月間という短期間で9万件以上に上る膨大な応募課題の選定作業を予定どおり完了することができました。
また当然、繰越し申請の類い、例年1万件ぐらい寄せられますが、令和2事業年度は2万件来たところでございます。これらにつきましても滞りなく終えるということで、研究現場における研究活動の遅滞を回避できたということは、計画を上回る実績だったというふうに考えております。外部評価委員の先生方からも、おおむねそういった評価をいただいているということもございまして、補助評価項目につきましては、sとさせていただいております。
次に、(2)研究の国際化と国際的な共同研究等の推進でございます。2ポツに国際的な共同研究の推進というところで、リードエージェンシー方式というのが出てまいります。通常であれば、例えば二国間の国際共同研究であれば、それぞれの国のファンディングエージェンシーにそれぞれの国の研究者が計画調書を出して、それぞれ審査して、その上で、FA同士ですり合わせをするというのがオープンな共同研究のスタイルだと思いますが、リードエージェンシーの場合は、それぞれのファンディングエージェンシーを相互に信頼して、ある年であれば、どちらかの国のファンディングエージェンシーに、2か国の研究者が計画調書を出す。そして、その1つのFAが審査をして内定を出し、他方のFAはその決定を信用するということで、業務の効率化、また決定までの審査期間の短縮などを図ることができるというものでございまして、JSPSは最近これに力を入れているところでございます。コロナ禍ではございましたけれども、令和2事業年度は、英国のUKRIとの間で、令和3年度の募集要項の合意に至ったところでございます。
そのほかにも、二国間交流事業や研究拠点形成事業などにおいても、滞りなく事業を行っているということで、補助評価項目につきましては、aとさせていただいております。
続きまして、(3)学術の応用に関する研究等の実施でございます。1ポツ、課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業というのがございます。領域開拓、実社会対応、グローバル展開といったようなテーマに基づいて応募をいただいて審査をするということでございますけれども、これもネット対応、インターネットなどを活用した事業の展開をすることができました。
また、人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進事業、人文社会、人社のデータアーカイブをつくっていこうという事業でございます。これらは国立情報学研究所などとの緊密な連携を図って事業を実施したところです。
以上を踏まえて、この補助評価項目につきましては、bとさせていただいております。
続きまして、恐縮です、13ページを御覧いただきたいと思います。算用数字の3、知の開拓に挑戦する次世代の研究者の養成でございます。この項目は若手の研究者が自立して研究に専念できるような御支援を申し上げるということ、それから国際的な研さんの機会を提供するということを目標としております。先ほどの2ポツの研究支援業務と並んで、当会の根幹をなす事業ということでございまして、重要度が高い業務として設定されております。補助評価項目につきましては、書かれておりますように(1)から(4)までとなっておりまして、全体の評定をAとさせていただいております。
まず、(1)自立して研究に専念できる環境の確保についてでございます。この事業も新型コロナの影響を非常に強く受けたということもございまして、研究現場の状況をきめ細かく把握させていただきまして、採用期間の中断・延長や採用開始時期の延期など、あらゆる特例措置を積極的に講じたつもりでございます。特に黒丸の1つ目、特別研究員につきましては、申請数が1.1万人以上となっておりまして、その審査に係る業務も膨大な量だったわけでございますけれども、申請書類の提出期限を延長したり、審査方法に工夫を講ずるなどをしまして、例年同様、9月に採用内定者の決定と本人への開示を行うことができました。こうした取組につきましては、外部評価委員の皆様からも高い評価をいただいております。
また、令和2事業年度は、コロナ対応だけではなくて、特別研究員制度の改善も進めたところでございます。3つ目の黒丸にございますように、特別研究員の研究専念義務に関連して、研究課題の遂行に支障が生じない限り、報酬を伴う活動における職種制限は設けないということにいたしました。これも日頃から研究者の方々から御指摘いただいていたことでございますけれども、採用者の活動の幅、自由度を確保いたしました。またもう一つ、傷害保険への一括加入、これも御指摘が多かったことでございますけれども、それを実現するなど、研究者のニーズを踏まえた各種改善措置を行っております。
以上を踏まえまして、補助評価項目につきましては、s評価とさせていただいております。
続きまして、14ページを御覧いただきたいと思います。
(2)国際舞台で活躍する研究者の養成でございます。これも、新型コロナの影響を強く受けた事業でございますけれども、その状況下にあっても、採用開始時期の延期や採用期間の延長など、アカデミアの立場に沿った柔軟な特例措置を講じてまいりました。さらに海外特別研究員につきましても、特別研究員制度、先ほど申し上げたのと同様に、報酬制限の緩和等の制度改善を行ったこと、これは計画を上回る実績と捉えております。
以上を踏まえまして、補助評価項目につきましては、aとさせていただいております。
次に、(3)研究者の顕彰・研さん機会の提供についてでございます。日本学術振興会賞、これは若手を対象とした、45歳未満を対象とした賞でございます。また育志賞、院生などを対象にした賞でございます。こうしたものをはじめ、第36回になります国際生物学賞等の各顕彰について着実に実施をいたしました。
また、国際的な研さん機会の提供といたしましては、コロナの影響下ではありましたが、何とかできないかということで、国内外の関係機関と協議を重ねた結果、ノーベル賞受賞者との交流を図るHOPEミーティング、ノーベル・プライズ・ダイアログにつきましては開催延期ということになりましたけれども、先端科学シンポジウムにつきましては、オンラインを活用した初めての公開シンポジウムを開催するということができました。
また、リンダウ・ノーベル賞受賞者会議というのがございまして、そこに派遣をするという事業があるんですが、残念ながら主催者のリンダウ協議会のほうが、この会議開催延期ということを決定いたしましたので、新たな広報リーフレットを私どもとして作成するなど、ポストコロナを見据えた事業の展開を行うことができたかと思います。
以上を踏まえ、補助評価項目につきましては、bとさせていただいております。
次に、(4)研究者のキャリアパスの提示でございます。文部科学省の補助金事業でございます卓越研究員事業におきまして、審査体制を整備して審査を適正に行うということを円滑に実施できたと思っております。また、卓越研究員の追跡調査の結果なども取りまとめて文部科学省にお示しするなど、制度改善に資する情報なども提供できたと思っております。
以上を踏まえ、この補助評価項目につきましては、bとさせていただいております。
続きまして、26ページでございます。算用数字の4でございます。大学等の強みを生かした教育研究機能の強化ということです。この項目は、大学等における教育研究拠点の形成やグローバル化の取組を支援するということを目標としております。雑駁に言えば、国が実施する事業における審査・評価部分を委託いただいて実施するものということでございます。補助評価項目(1)から(3)まででございまして、全体の評定はAとさせていただいております。
まず、(1)世界最高水準の研究拠点の形成促進でございます。ちょっと分かりにくくて恐縮ですが、この1ポツはWPI事業のことを指しております。WPI事業におきましても、積極的にオンラインを取り入れるなど、工夫を重ねて着実に実施をさせていただきました。
また、2ポツ、これはWPIのアウトリーチのことを指しておりますけれども、これとは別に、スーパーサイエンスハイスクール事業という理科系を目指す高校生を対象とした事業がございますが、そこの生徒研究発表会というのがございまして、そこにWPIのブース展示をして広報・周知を図っているところなんですが、残念ながらスーパーサイエンスハイスクールのほうが今回中止になってしまったということもあって、例年に比べて広報機会が減少するというようなことがあっちゃいけないということで、JSPS独自に初めてオンラインイベントというものを企画・開催して、さらに、あわせてウェブページのコンテンツの入替えなども行ったところ、アクセス数が倍増したということでございました。
これらの取組につきましては、文部科学省におきましても高い評価をいただきまして、令和2年度のWPIの外部評価というので、例年いつもB評価をいただいているんですが、令和2事業年度はA評価をいただいているところです。
以上を踏まえ、この補助評価項目につきましては、aとさせていただいております。
続きまして、(2)大学教育改革の支援でございます。コロナ禍におきましても、28回の評価・審査を実施することができました。2つ目の丸、卓越大学院プログラムや、3つ目の丸、大学教育再生加速プログラムなどにおいて、大学の学部や大学院の教育改革を支援するという国の事業の審査・評価を行うことができました。
また、3つ目の丸、これは補助事業が終了いたします大学教育再生加速プログラム及び地(知)の拠点大学による地方創生推進事業におきましては、合計で119の選定プログラム全てについて事後評価を行いました。この事後評価において明らかになった各大学の先駆的な取組につきましては、各大学への普及促進に役立てていただくための横展開、周知を図ったところでございます。
以上を踏まえて、この補助評価項目につきましては、aとさせていただいております。
次に、(3)大学のグローバル化の支援、こちらも23回の評価・審査を行うことができました。大学の世界展開力強化事業、スーパーグローバル大学創成支援事業など、大学のグローバル化を支援する国の事業に係る審査・評価を着実に実施させていただきました。
以上、(1)から(3)いずれの業務におきましても、新型コロナの影響を受けて大学の負担に配慮しながら、オンラインによる現地調査・面接を実施するというようなこともあって、ポストコロナにもつながる取組をすることができたかというふうに考えております。
以上を踏まえて、この補助評価項目につきましては、aとさせていただいております。
続けて、32ページを御覧いただきたいと思います。算用数字の5でございます。強固な国際研究基盤の構築、この項目は、国際競争が激しさを増す中で、我が国の研究者が学術研究をリード、プレゼンスを高めていくことができるように国際研究基盤を構築するということを目標としております。多様な国内外の関係者の理解を得ながら実施することが不可欠ということから、難易度の高い業務として設定されております。
補助評価項目につきましては、御案内のように(1)から(4)まで、いずれもb評定とさせていただいた上で、全体の評定もBとさせていただいております。
まず、(1)事業の国際化と戦略的展開についてでございます。JSPSの各種事業を通じた国際的な活動、海外の動向などについて、有識者から成る国際事業委員会の先生方と意見交換をさせていただいております。また、当会が行う国際的な取組について、リーフレットや動画の作成を行うなど、国内外への積極的な情報発信に取り組んでいるところでございます。
(2)諸外国の学術振興機関との協働でございます。各国の学術振興機関の長、我が国であれば、JSPS里見理事長ということになりますが、グローバルリサーチカウンシルというのを構成しております。その中のガバニングボードにも理事長は参加をしておりますけれども、このガバニングボードを中心に、オンラインでの交流を積極的に実施するということで、コロナ禍ではございますけれども、パートナーシップの強化を図ることができたかと思います。また、日中韓の研究支援事業につきましても、着実に実施をしております。
(3)在外研究者コミュニティの形成と協働でございます。当会の事業を経験した、外国人研究者から成る、帰国された先生方の中で同窓会というものを形成していただいておりますが、彼らが主催するオンラインシンポジウムの御支援をさせていただいております。また、外国人研究者の再招へい事業におきましても、来日期限の延期などの柔軟な措置を取ったところでございます。
また、これとは別に、ネット事業に関連いたしまして、当会ではJSPS-Netというネット事業がございます。国境を越えた研究者同士のネットワーク形成の支援を目的としたものでございますが、このネットにつきましても、ユーザー目線に立った機能の改善というのを行ったところでございます。
次に、(4)海外研究連絡センター等の展開でございます。当会は、世界9か国10か所に海外研究連絡センターを設置しております。海外の学術振興機関等との連携協力を図るという目的で、現地の学術振興機関と共催でシンポジウムを開催するなどの取組を通じて、ネットワークの構築に取り組んできたところでございます。オンラインのイベントなどについてもいち早く環境整備を行うなど、コロナ禍でも業務をさせていただいたところでございます。
続きまして、38ページを御覧いただきたいと思います。算用数字の6、総合的な学術情報分析基盤の構築でございます。JSPSの諸事業等に関する情報を、事業の枠を超えて総合的に分析・活用する基盤を構築することを目標としております。補助評価項目は(1)から(3)までございまして、いずれもb評価とした上で、全体の評定をBとしております。
(1)情報の一元的な集積・管理につきましては、情報の互換性を高め、組織全体で総合的に活用できる環境を整えるために、情報セキュリティ方策やシステム仕様の作成を進めるとともに、各部署に実態把握のためのヒアリングなどもさせていただいております。
(2)総合的な学術情報分析の推進でございます。当会には学術情報分析センターというのがございまして、そこで様々な研究を行っておりますけれども、各部署から各事業の改善や高度化に向けた検討に資する調査・分析というものをこのセンターを中心に行っているわけですけれども、その成果につきましては、JSPSのレポートを通じて公表しております。社会一般への普及にもつながっているものと考えています。
(3)学術動向に関する調査研究の推進、これは学術システム研究センターの研究員の方々に調査研究をしていただいておりますけれども、その成果については、各種審査・評価業務、例えば科研費の審査区分表の見直しでありますとか、あるいは各種審査委員の選考の基礎データとして役立っているところでございます。また、その内容につきましては、ウェブサイトを通じて公開もしているところでございます。
続きまして、42ページでございます。42ページ、横断的事項です。この項目は、情報発信や社会との連携などの横断的な取組を行うことを目標としています。補助評価項目は(1)から(5)までございまして、いずれもbとさせていただいた上で、全体の評点をBとさせていただいております。
ちょっと時間がないものですから、幾つかの例を挙げさせていただきますと、例えば(1)電子申請等の推進でございます。電子申請システムの整備により多くの手続の電子化を進めております。新型コロナウイルス感染症の影響により、当会の多くの事業が、研究現場への配慮から申請手続の変更となったところですが、それらに伴うシステム改修も迅速に対応したところです。これらの取組は、実はコロナ前から着実に進められているところでございまして、例えば科研費であれば、令和2年度においては押印を全廃する、またペーパーレス化というものについて前々から取り組んでおりまして、令和2事業年度においてほぼ完成し、今回の評価の対象ではございませんけれども、令和3年度には完全に完成しているということでございます。
また、(2)情報発信の充実でございます。各種イベントが中止になりましたけれども、ホームページへのアクセス数、そういうこともあって前年度より減少しておるんですが、新型コロナウイルス関連の情報をホームページ上で、迅速かつ分かりやすいものに変えるなどの取組も進めてきたところでございます。以上、ローマ数字1の内容でございました。
続いて、管理運営事項についてでございます。ローマ数字の2、業務運営の効率化に関する事項。この項目は、法人全体としての機能的・効率的な体制整備、業務運営の見直しを目標とするものでございます。B評価とさせていただいております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するために、在宅勤務や時差出勤の実施などをしながら、理事長のリーダーシップの下で各関係機関との連携を図っていく、そういった取組を進めてきたところでございます。
また、一般管理費の効率化についてでございますけれども、人件費、公租・公課、建物借料以外の管理費につきましては、国から一律に効率化係数というのを毎年度かけられております。一般管理費については3%、その他の業務につきましては1%。JSPSにおきましては、合計2億5,400万円の削減が行われているわけですけれども、逆に当会の事業が評価されて、財政当局あるいは文部科学省から3億2,200万円ほどが交付されているということでございます。
続きまして、ローマ数字の3、財務内容の改善に関する事項でございます。この項目は、予算の効率的な執行と適正な財務管理の実現を目指すものでございます。当会におきましては、未執行額による利益剰余金が発生しております。主要なものは、特別研究員の方々、一度決定した後に就職先が決まるというようなことで、その執行ができなくなるというようなことが主な要因でございます。
また、実物資産及び金融資産につきましては、必要最低限の規模の内容であると思っております。短期借入れはございません。重要な財産処分の計画もございません。
それから、ローマ数字の4、52ページでございます。この項目は、理事長のマネジメント強化を目標とするものでございまして、B評価とさせていただいております。内部統制に関しては、研修の実施に加えまして、内部監査、監事監査及び会計監査人による法定監査などのチェック体制を実施しております。さらに、情報セキュリティへの対応や人事に関しても、必要な研修を行うなどの業務を進めているところです。
施設・設備に関する計画はなく、中期目標を超える債務負担もございません。また、前期積立金の取崩しにつきましては、令和3年度に完了する予定でございます。
以上、駆け足で恐縮でございました。説明とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【吉居課長補佐】
御説明ありがとうございました。
それでは、ただいまの振興会からの御説明につきまして、委員の先生方、御意見、御質問等ございましたら、「手を挙げる」機能によりまして、よろしくお願いいたします。
岡村委員、お願いいたします。

【岡村委員】
いきなりで申し訳ないんですけど、この評価表の1番の「総合的事項」という表題がありますけれども、今回これが送られてきて最初に見たときの印象として、総合的評価がBなんだと。あれ?今年は下がるのかなみたいな印象を受けました。たしか去年もやっぱり同じような印象を受けまして、総合的と言っちゃうと、全体を見てどうだ、全体感というものを結構意識させてしまう。実際にこの総合的事項の中身を見ると、研究者の意見を取り入れたかとか、第一線の研究者による審査をしたかとか、学術研究の多様性を確保しているかとか、要するに基本的なことを言っているわけですよね。組織運営のための基礎となる部分について評価していると。だから、総合的というよりも、基本的事項とか基礎的事項とか、あるいは一般的事項とか、こういう表題のほうが誤解を与えないんじゃないかと思うんですよね。総合的と言うと、やっぱり全体をまとめてどうだという話になって、それがいきなりB評価になると、後の事項でいくらAがついても、これどうなっているのという感じが。外から見るとそういう感じを受けます。その辺はいかがでしょうか。

【伊藤副理事(兼)総務部長(兼)経営企画部長】
総務部長の伊藤です。御意見ありがとうございます。
この辺につきましては、文科省側の中期目標とか中期計画とか、そういった事項を踏まえて、その構成に沿って評価もさせていただいているところでございます。したがいまして、目標とかを定めていくに当たって、文科省側のほうで定めていくというところもございまして、この辺、独法全般との関わりの中で、またいろいろと記載ぶりなんかは考えていくことにはなると思いますけれども、そういった御意見があったということは、文科省側として出ておられるわけでもございますので、その辺のところについては我々だけでどうこうできるものではないということだけは御認識いただければと思います。

【吉居課長補佐】
文科省の事務局です。御意見ありがとうございます。
御指摘いただきました一番最初の「総合的事項」という言葉につきましては、こちらから設定しております中期目標の柱立ての事項としてそういう名前を用いておりますので、先生がおっしゃったことは全くごもっともだと思うんですが、こちら側からの設定でそういうふうにしておりますので、今後の課題とさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

【岡村委員】
これは文科省側で変更の可能性はあるんですか。

【吉居課長補佐】
現段階では何とも申せませんけれども、担当部署のほうにはそういう印象を与えかねない、そういった表現だというふうには伝えて、今後そういう課題と認識しまして少し議論をさせていただければと思います。

【岡村委員】
この小項目の(1)から(3)って、これは重要なことなんですけど、ずっと振興会さんが前からやってきたことで、そんな簡単に120%なんていうことはできない項目だと思うんですね。そうすると、ずっと標準的にやっていますという評価になって、例えば名称を変える、あるいは項目の中に延ばすことが可能なというか、やりやすい項目を入れ込むとか何か工夫しないと、これ、やっぱり全体的に何かアンバランスに見えますよね。

【吉居課長補佐】
事務局です。ありがとうございます。今後検討させていただきたいと思います。
東嶋委員、お願いいたします。

【東嶋委員】
ありがとうございます。1点、御質問させていただきたいんですけれども、項目3の(1)につきまして、小項目でs評価をおつけになっていて、今伺ったところで聞き漏らしていたら恐縮ですけれども、特別研究員制度の運用改善ということを例に挙げていらっしゃったんですが、そこのところちょっとよく把握できなかったので、sとされた理由について、もう一度具体的な内容を教えていただけますと助かります。

【河野人材育成事業部長(兼)研究事業部長】
研究事業部長の河野と申します。ただいまの東嶋委員から御指摘のありました件でございます。こちらから用意しました資料15ページ、3の(1)のところでございます。特別研究員事業は、日本学術振興会の若手研究者の養成事業として中心となる事業でございます。我が国の優れた研究者を養成するというところで、振興会としても力を入れているところでございます。
これまでの評価につきましては、自己点検、外部評価を含め、a評価というところでございました。R2年度はsとしてございます。その主な理由としましては、特別研究員事業につきましては、1点御説明しますと、特別研究員の選考に当たっては、かなりコロナの影響がございましたが、決められた期間において確実に採用者を決定しました。1万1,000人を超える申請者というところでございましたが、通常、特別研究員の選考に当たっては、人物評価という観点から面接審査を取り入れてございました。ただ、このようなコロナ禍で、直接ヒアリングができなかったところでございますが、確実に採用者を決定するというところを検討しまして、書面審査、合議審査を行い、滞りなく採用者を決定したというようなところでございます。
また、特別研究員につきましては、コロナ禍において、例えば海外に行くような研究ができないこと等により、学位の取得が遅れるなど、数々の困難な状況が発生しました。その一つ一つに、かなり丁寧にこちらの振興会としても対応したというふうに思っております。実際の特別研究員の採用者は5,000人以上いらっしゃいますが、そういった方々に対して、例えば採用期間の延長とか、申請書の提出期限の延期など、いろいろな公募時点からの変更等に対応したと。そういった点を含めて、今回は日本学術振興会として、s評価ということで評価をしてございます。
簡単ではございますが、以上のようなところでございます。

【東嶋委員】
ありがとうございました。今の御説明ですと、コロナ禍にもかかわらず、しっかり計画どおりに着実に遂行されたということなんですが、私の聞き間違いだったら恐縮ですが、先ほどの御説明では、特別研究員制度の運用改善ということをおっしゃったようにメモしているんですが、それはいかがですか。さらにその計画以上に、コロナ禍においても何か今後の対応について改善されたところがあるということでいらっしゃいますよね。こちらのページで……。

【河野人材育成事業部長(兼)研究事業部長】
ただいまの件でございますが、例えば制度運用ということで、特別研究員には研究専念義務がありますので、基本的にアルバイト等をあまり推奨していなかったというところがございます。ただ、例えば非常勤講師とか、そういった自らの将来に直接資するようなものについては、ある程度制限をしながら可能としておったところでございますが、そうしたものだけでなく、御自身の経験になるというような観点も含めて制度改善を昨年度、これはコロナとは関係なく行ってござい ます。そういう点からも、特別研究員についてはsというところでございます。

【東嶋委員】
分かりました。ありがとうございました。

【吉居課長補佐】
それでは、加藤委員、お願いいたします。

【加藤委員】
お茶の水女子大学の加藤でございます。ちょっと細かいことで恐縮なんですけれども、26ページのところで、SSH事業がコロナで中止になったので、JSPSがオンラインイベントなどを企画したという御説明があったんですが、私の記憶に間違いがなければ、SSHというのはJSTが中心となってやられている事業だと思いますが、JSTとともに何か新しい対応をしたということなんでしょうか。それともJSPSが独自にやられたものなんでしょうか。この辺がちょっとよく分からなかったので教えていただきたく思います。よろしくお願いいたします。

【伊藤副理事(兼)総務部長(兼)経営企画部長】
総務と経営企画部長の両方を担当しています伊藤と申します。先ほども理事の先﨑のほうから御説明がありましたけれども、スーパーサイエンスハイスクールにつきましては、おっしゃるとおりでございます。シンポジウム自身が今回のところについては中止となってございます。それで、シンポジウムのほうでJSPSではブース出展をこれまでそこでさせていただいております。せっかくの機会でもございますので、JSPS側の研究内容なんかにつきましてもいろいろと御説明させていただく機会を設けているということでございますけれども、今回そこが中止になったということで、振興会自らオンラインイベントを企画・開催させていただいて、代替措置としてさせていただいたということでございます。

【加藤委員】
御説明ありがとうございました。若い人材を育てるのは大変よろしいかと思います。どうもありがとうございました。

【秋元委員】
すみません、秋元ですけれども、よろしいでしょうか。

【吉居課長補佐】
秋元先生、お願いいたします。

【秋元委員】
科研費の部分なんですけれども、基本的に全部オンラインで最終審査までやったというのは物すごく大変だったんだろうなというふうにとてもよく分かりまして、こういう評価になったというのもよく分かるんですけれども、その上で、オンラインでできたということもそうなんですけど、今後のことも含めて考えて、逆にオンラインにすることによって、むしろこれまでとは違った業務の効率化と言ったらいいのか、負担の軽減と言ったらいいのか、そういったようなこともいろいろあるかと思うんですけれども、何かその辺りの議論というのがなされていれば御紹介いただければと思うんですが。

【河野人材育成事業部長(兼)研究事業部長】
研究事業部長の河野でございます。ただいまの秋元委員からの御質問の件について回答させていただきます。
科研費につきましては、10万件近くの申請をオンラインでやるということで、非常に困難であったというところでしたが、先ほどの説明のとおり、こちらのほうもある意味、日本の研究を止めることなく審査を確実に実施し、採用を進めたというところでございます。こちらのほうでオンラインの審査ができたというところはよかったとは思うんですが、そういったところでのメリットというか、審査委員の方々が出張等することなく、御自身の研究室、またはしっかりとセキュリティをキープした上での審査に参加できたというところ、日程の確保がある程度できたというところがメリットかとは思います。
逆に、審査を行った上でのデメリットというか、そういった点としては、近くで直接対面で審査員同士が合議をするという機会がなかったというところが少し審査に影響というのは、今後こちらとしても十分検証しなくてはいけないかなというふうに思っております。直接ヒアリング審査を行う課題もあったわけですが、その中でも説明者側、申請者側の思いというか、そういったところはオンラインで十分なやり取りができたか、そういったところも気にはなっているところでございます。そういったオンラインでのメリット・デメリットを踏まえまして、引き続き今年度の状況、コロナの状況にもよりますけれども、翌年度以降は審査のほうに活用・検討させていただきたいと思っております。
以上です。

【秋元委員】
どうもありがとうございました。

【吉居課長補佐】
植田座長、お願いいたします。

【植田座長】
植田です。今年度の大きな問題は新型コロナ対応だったわけです。このためには、JSPSが従来のルールに従っているだけではなくて、現場の研究者の現状をどういうふうに把握して、どうやって対応するかということで、非常に大きな創意工夫が必要だったと思うんです。外部評価の報告書を見させていただいても、日頃、与えられた予算の配分をしているだけだというふうに外から見られている場合もあるんですけれども、それだけではなくて、実際に学術研究を研究者と一緒になって支えているんだということを如実に示しているすごくいい活動だったと思います。
この評価書は、どうしても従来の形になっているからそこだけを抽出できないんですが、この部分を抽出して特記事項として評価するようなことはできないんでしょうか。もっとリアリティのあるような個別例を出さないと、単にうまくいきましたという話ではあまり現状が見えない。もっとリアリティを高めるための、アペンディクスというか附属資料をつけてもいいんじゃないかというふうに感じました。
新型コロナが災難であったことは事実なんですけれども、反面、日頃見逃している研究者サポートの問題点を顕在化してくれているんですよね。ですから、この機会に臨機応変に対応せざるを得なかった問題についても、それを整理して、改善点を制度に反映させるというところまでは持っていかないといけないわけです。そういう教訓的なものを全部ここに残していくということは非常に重要な気がするんですが、そういうものをつけることはできないんでしょうか。これは文科省側の問題かも分かりませんが。

【吉居課長補佐】
文科省の事務局でございます。ありがとうございます。大臣の評価書自体は文科省全体でフォーマットが決まっておりますので、その中に差し込むというのはちょっと難しいですが、それの補足といいますか、補助資料ということでそういったものを添付してまとめるようには私どもも調整してぜひやりたいと思いますので、検討させていただきたいと思います。

【植田座長】
よろしくお願いします。それでないと、コロナが関係してやりましたということがあっちこっちにばらばらに記述されちゃうんですよね。それらは全体として1つのシステムで対応しましたということにしないといけないような気がするんです。よろしくお願いします。

【先﨑理事】
先﨑でございます。1点補足させていただきたいと思います。
私どものほうから提出させていただいております事業報告書におきましては、今委員から御指摘いただいたような、コロナに対する対応のリストというものをつけさせていただいております。そこを見ていただいてクリックすると、サイトに飛べるようにするというような工夫を当会としてはさせていただいているところでございます。

【植田座長】
分かりました。ただ、もっとアピールしてもよいと思います。

【吉居課長補佐】
岡村委員、お願いいたします。

【岡村委員】
全体のこの評価書を見ていると、例えば2では世界レベルとか、3では国際舞台とか、あるいは5では国際化とか諸外国との協働とか、要はグローバルとか世界共同とか、世界に目を向けて研究を後押ししていくということだと思うんですけど、前回もちょっと書かせていただきましたけど、そういう割には、評議員とか学術顧問とか運営委員会とか、あるいは外部評価委員とか、こういうところに外国の方が1人もいらっしゃらない。そういう視点というか、そういう目は必要ないんですかね。今どこの企業とか団体も、そういう形で外国人を役員に入れるとか、積極的にかなりやっている部分があると思うんですけど、特にグローバル企業ですね。振興会さんでは、そういうところというのはどうお考えなんでしょうか。

【先﨑理事】
先﨑でございます。外部評価委員なり顧問の方々なりに海外の方を入れるという考え方、それは確かにお考えとしてあると思います。私どもとしても、様々な関係者の御意見を踏まえて、その点、考えていきたいというふうに思っております。

【岡村委員】
そうすると、今後入る可能性もあるということでよろしいんですね。

【先﨑理事】
考えさせていただきたいと思います。

【岡村委員】
研究者レベルでは、すごく外国の人たちとの交流は進んでいると思うんですけど、やっぱり組織として方向性を動かすには、中枢のところにそういう方もいらっしゃらないとなかなか難しいんじゃないかと思っています。

【吉居課長補佐】
事務局でございます。植田先生、挙手のボタンが押されているようですが、御意見でございますでしょうか。

【植田座長】
押しっ放しでした。

【吉居課長補佐】
岡村先生、お願いいたします。

【岡村委員】
ちょっと細かいところなんですけど、去年もこだわったのでもう一回聞かせていただきます。要旨の46ページ、一般管理費の削減のところですけれども、まず、削減の対象とした一般管理費は幾らぐらいでしたか。
それから、また「既定予算に対して」という表現になっていますけど、やはり前期の予算と比べているんですか。
それから、50ページ、当期純利益の発生要因、先ほど、決まっていた方が就職したのでというようなことが一部出ましたけど、こういう自己評価書に、やむを得ない理由でとかというのはちょっとそぐわないような気がします。どういう理由でというのをある程度具体的に書いて、それに対して外部評価委員の方たちがやむを得ないなと思うのはいいんですけど、自分からやむを得ないというのは、なかなかこういう報告書にはそぐわないと思います。
あと、その中で返還金があったということですが、これはどういう事情なんでしょうか。
以上、2点、お願いします。

【田上会計課長】
日本学術振興会の会計課長をしております田上と申す者でございます。冒頭では御挨拶しておりませんが、同席しております。
この一般管理費の対象経費ですけれども、一般管理費の部分が、対象経費が5,600万円、それから、その他業務経費の部分が252億2,000万円というふうになっておりまして、合計で252億7600万円になっています。それぞれ、一般管理費において3%の効率化係数、それから、その他業務経費に1%をかけまして、合計でおおむね2億5,400万円が効率化で削減となっております。
それから、先ほど……。

【植田座長】
すみません、ちょっと聞き取りづらいんですけど。

【田上会計課長】
失礼しました。もう一度申し上げます。効率化係数の対象経費ですけれども、一般管理費が5,600万円、それから、その他業務経費につきましては252億2,000万円というふうになっておりまして、これにそれぞれ3%と1%の係数を掛けますと、合計で、効率化した額が2億5,400万円というふうになっております。
それと、先ほどやむを得ない事情でという、そういった表現はよろしくないという御指摘がありました。承りたいと思います。
すみません、あともう一点、何でしたでしょうか。申し訳ないんですけど。

【岡村委員】
最初のほうですけど、削減対象は全部で2億5,400万円ということで、それに対して3%と1%の削減をしたということですか。

【伊藤副理事(兼)総務部長(兼)経営企画部長】
すみません、全体に3%や1%をかけて2億5,000万強を削減といいますか、効率化を図ったということでございます。

【岡村委員】
2億5,000万円を削減したということですか。

【田上会計課長】
予算の組立て上、2億5,400万円を効率化して削減したということになっております。

【岡村委員】
去年は対象が5,500万くらいで、削減が100万円とかそんなもんだったんですけど、大幅に増やしたということでよろしいんですね。

【伊藤副理事(兼)総務部長(兼)経営企画部長】
恐らく、昨年お話しさせていただいたのは、一般管理費のところで五千数百万ということだと思います。今説明させていただいたのは、一般管理費に加えて、その他の業務経費も加えたところで、結果としては2億5,000万強という効率化を図ったということです。

【岡村委員】
あと、既定予算というのは、これは前期の予算ですか。

【伊藤副理事(兼)総務部長(兼)経営企画部長】
すみません、ここのところについては、もう一回改めて整理しまして、もう一回そちらのほうに後ほど御説明させていただければと思います。

【岡村委員】
あと、50ページの返還金というのはどういう状況なんですか。

【岡村委員】
返還金。当期純利益が発生した要因としてやむを得ない理由という、やむを得ず発生した未執行額等と過年度事業の返還金と書いてあるんですけど、過年度事業の返還金というのはどういうものですか。

【田上会計課長】
例えば特別研究員の方が就職したりということで、資格を返上するといったことで経費の返還があるというところがございますので、そういったことです。

【岡村委員】
これも未執行額と同じような理由で、その対象の方が、研究が途中で終わったので返還金が来たと、そういう意味でよろしいですか。

【田上会計課長】
はい。そのとおりです。

【吉居課長補佐】
岡村先生、よろしいでしょうか。

【岡村委員】
はい、分かりました。

【吉居課長補佐】
うまくお答えできなかった部分につきましては、何らかの形で回答させていただきたいと思います。
それでは、ほかの委員の方から、どなたか意見ございますでしょうか。
東嶋委員、お願いいたします。

【東嶋委員】
ありがとうございます。今岡村委員から幾つか御質問あられて、それで感じたんですけれども、外部評価委員の中にこういった会計とか監査の専門の方が、今肩書を拝見しただけではいらっしゃらないように感じているんですが、そうしますと、外部評価委員の評価というのは主に学術の研究費の配分などに関する業務のことかと思われます。それで、こういった財務内容とか会計のことに関しては、ほかの研究所の評価なんかでは、監査役の方とか監事の方とかが報告される例があるんですけれども、ちょっとそういうふうに一言、こういった点が改善点だとか、こういった点が問題があったとか、おっしゃっていただければ分かりやすいのかなと思ったんですが、いかがでしょうか。

【先﨑理事】
理事の先﨑です。御指摘ありがとうございます。確かに御指摘のところ、私どもも思い当たるところがございます。外部評価はほかの独法でもおやりになっておりますけれども、その辺りを踏まえて、私どもとしても外部評価の在り方を考えていきたいと思います。ありがとうございます。

【東嶋委員】
ありがとうございます。

【吉居課長補佐】
それでは、いかがでございましょうか。
岡村委員、お願いいたします。

【岡村委員】
度々すみません。1つ確認させてください。52ページで、情報セキュリティについて述べられていますけれども、振興会さんの中には情報セキュリティとか、情報、コンピューター関係ですね、こういうものを専門に扱う部署というのはあるんでしょうか。

【伊藤副理事(兼)総務部長(兼)経営企画部長】
経営企画部長の伊藤ですけれども、情報セキュリティ、または情報システムの整備とかそういったところについては、情報企画課という課がございまして、そちらのほうでそういったところを統括的、専門的に対応しております。

【岡村委員】
そうすると、システムの新しい構築とか、保守とか、セキュリティとか、あるいは職員に対する教育とか、こういうのはそこで総括しているということでよろしいですか。

【伊藤副理事(兼)総務部長(兼)経営企画部長】
おっしゃるとおりでございます。

【岡村委員】
分かりました。

【吉居課長補佐】
事務局でございます。ほかにいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
それでは、植田座長、意見が大体出たようでございますので、ヒアリングは以上とさせていただきたいと存じますが、いかがでございましょうか。

【植田座長】
結構だと思います。よろしくお願いします。

【吉居課長補佐】
ありがとうございます。
それでは、令和2年度業務実績に係る自己点検評価に係るヒアリングは、以上にて終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。
それでは、最後、議題の4でございます。その他ですが、今後のスケジュールにつきまして、改めて確認をさせていただきたいと思います。
本日ヒアリングしました状況も踏まえまして、今週8日の木曜日をめどに、文部科学大臣による評価の事務局案を示した評価書を委員の皆様にお送りさせていただきます。委員の先生方におかれましては、当該案を御確認いただきまして、評価項目についてこういった観点からも評価できる、あるいはこういった課題があり、今後の業務運営の改善が求められるといったような御意見、御助言等を事務局までお寄せいただきたいと思います。
お忙しいところ恐れ入りますが、7月16日の金曜日までに御連絡をいただきたいと思います。その回答をお送りいただくまでに、事務的に確認をしたいというようなことがございましたら、適宜事務局のほうにお送りいただければ、16日前にできるだけ早く先生方に回答を差し上げるようにしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
その後、いただきました御意見を取りまとめの上、次回の有識者会合におきまして、令和2年度業務実績に係る大臣評価書(案)を決定したいと考えております。
次回の会合につきましては、7月28日水曜日、13時から15時の予定で、本日と同様にウェブ会議による開催を予定しております。
事務局からは以上になります。最後に植田座長から、よろしくお願いいたします。

【植田座長】
新しい委員の方もおられますので、この有識者会議がこれまでやってきたことのやり方を少し御説明します。
今回のヒアリングとか個々の議論を含めて、事務局案をつくっていただきます。皆さんにそれに対するコメントとか、さらにプラスアルファを書いていただくんですが、意見がそのまますぐに案に入ってしまうとなるとなかなか敷居が高くなりがちです。それよりはもっと敷居を低くして自由に意見を出していただくほうがいいだろうというふうに運営をしてきました。それの中身によっては、それは事務局案の中に組み込むものもありますし、これはそのまま学術振興会に意見として出して、将来の改善に役に立ててもらえれば構わないと、別に案の中に入らなくてもいいと、それは適当に振り分けてもらうということも含めて、次の会議で議論をするというふうにしてまいりました。ですから、むしろあまりこれはかちっと決めないといけないということじゃなくて、自由な発想の意見を出していただくようにお願いをしたいというふうに思っております。
本日のヒアリングに御協力いただいた日本学術振興会の皆様におかれましては、非常に長時間ありがとうございました。
それでは、これで今回の会議を終了したいと思います。次回までに皆さんにはたくさんやっていただくことがありますけれども、委員の方たちにはよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。

【吉居課長補佐】
ありがとうございました。では、以上で終了とさせていただきます。

―― 了 ――

 

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