卓越研究員制度検討委員会(第2回) 議事要旨

1.日時

平成27年2月27日(金曜日)16時~18時30分

2.場所

文部科学省東館15階科学技術・学術政策局第1会議室

3.議題

  1. 卓越研究員制度の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

五神主査、相田委員、大槻委員、大場委員、金山委員、川端委員、國領委員、古屋委員、村瀬委員、森迫委員

文部科学省

川上科学技術・学術政策局長、村田科学技術・学術総括官、片岡人材政策課長、和田人材政策推進室長、近藤人材政策推進室室長補佐

5.議事要旨

○事務局より資料1、各委員より資料2から資料4について、それぞれ説明が行われ、その後意見交換が行われた。
○次に、事務局より、資料5に基づき、卓越研究員制度の在り方を検討するためのたたき台としての骨子案について説明が行われ、その後意見交換が行われた。

【主な意見】
(大学・独法における研究者を取り巻く状況について)
○京都工芸繊維大学においては、教授割合が高く、助教割合が小さくなった結果、研究力が低下。昨年10月の学長裁定に基づき、若手研究者比率と女性研究者比率の改善のため、5年後にポストを用意できる部門として8分野に絞って、一括公募を実施。多数のポストを同時に公募することにより、従来よりも多数の応募者があり、より優秀な若手研究者を採用できた。
○退職により空席になった場合は学長裁量枠に組み入れること等により、今後の新規採用においては、より戦略的に研究分野を選択して公募を実施することも可能になるのではないかと考えている。
○理研においては、昭和61年に任期付採用をスタートしており、いまや9割が任期付であり、定年制ポストは減少。今後、無期転換制度の導入に伴い、採用から10年以内の判断が必要になる。原則4~5年程度で無期転換するかどうか判断することが必要と考えているが、その割合については、今後早急な検討が必要。
○産総研においては、パーマネント職が多く、単なる任期付き研究員は少ない。一方で、運営費交付金が漸減する中で、20-30代の若手研究職員の減少・研究職員のシニア化が課題。
○産総研では、任期付き(テニュアトラック)の後に、結果的に産総研でのパーマネント職に移行する割合は95%となっている。移行する割合を下げてしまうと、テニュアトラックの後が見通すことができず、結果として、メンタルの問題、任期付きであることの不安感が生じてしまうため、産総研のテニュアトラックでは、このように高い割合を保っている。

(民間企業における博士号取得者の活躍について)
○卓越研究員制度の検討に当たって、民間企業に期待されることとしては、キャリアパスの受け皿であろう。一方で、これまでのキャリア採用は海外での研究の研究者を多く採用している。
○卒業までに博士号がとれない学生が増えている印象があり、日本の博士号取得者の新卒がすべて即戦力となるわけではない。
○博士号取得者に修士卒・学部卒と同じタイミングで就活させている実情が問題。また、博士号を取得できなくても採用するのは多くの企業が新卒一律採用にこだわっている結果だと思う。
○新卒にこだわらない文化が必要。博士号取得者やポスドクとして様々な機関を経験した研究者については、キャリア採用の枠を増やして対応すべき。

(骨子案について)
○我が国全体としてどの程度の規模感でやるのかを前提条件として共有する必要がある。
○卓越研究員の選定の審査の主体については、国又は中立的な公的機関のみで実施するのか、引き続き議論が必要。
○卓越研究員制度において、再チャレンジができる仕組みを内在化する必要がある。
○若手がPIになるためのキャリアパスが安定化する仕組みを構築し、機関を超えて安定かつ流動性のあるポストとして年俸制(無期)を導入し、対象者は、テニュアトラックからテニュアになる研究者とすべき。
○卓越研究員制度の肝は、産学官の各機関が採用のタイミングを合わせてマッチングすることではないか。大学等の受け入れ機関は、卓越研究員を受け入れる環境を提示する必要がある。
○日本はテニュア後の流動性が少ない。卓越研究員制度によって、全体の流動性向上にもつながることが望ましい。
○方向性は骨子案のとおりだが、本日の議論を踏まえて、実装できるようなオプションをいくつか示して更に議論を深める必要がある。

(以上)

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