次世代放射光施設検討ワーキンググループ(第8回) 議事録

1.日時

平成27年3月9日(月曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 3階 特別第2会議室

3.議題

  1. 総括的議論
  2. その他

4.議事録

【高原主査】  それでは、定刻になりましたので、第8回次世代放射光施設検討ワーキンググループを開始いたします。本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。これまで7回にわたり開催してまいりました本ワーキンググループも、本日の8回目をもちまして最終回となります。本日は総括的議論となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 今回は、北川委員、小松委員、菅原委員が御欠席との連絡を受けております。

 それでは、初めに、川上局長から一言お願いいたします。よろしくお願いいたします。

【川上局長】  本日は第8回であり、総括的な議論でございます。先生方のお手元の方に報告書の素案をお配りさせていただいており、ワーキンググループとしては最終回ということでお願いしたいと思います。

 次世代の放射光施設をどうするかというのは非常に大切な課題ですが、特に再来年度は第5期の科学技術基本計画になる時期でございます。文部科学省としては、科学技術・学術審議会において在り方についての検討を頂いて、中間取りまとめをしましたが、そこでも研究基盤の重要性を一つきっちりとうたっているのに加えて、やはり国が責任を持ってやっていかなければいけないことということで、かつて第3期の科学技術基本計画のときに国家基幹技術というものを立ち上げて、その中の一つにX線自由電子レーザーを位置付けた経緯がございます。今度はコア技術として、国が自ら主体的に取り組まなければいけない重要な技術を厳選して、戦略的にやっていくということを掲げております。内容については、全政府的な観点で取りまとめをしていくべきであるということを言っており、具体的には決まっておりませんけれども、そういったようなものも含めて、まさに今、政策提案をすべき段階にありますので、ワーキンググループとしてまとめていただいたものを今後につなげていくということで努力をしていきたいと思います。

 本日、最終回ですから、集約した議論になるので、私、座っていたかったのですけれども、実は今からちょっと所用があるものですから、失礼をさせていただきます。したがって、ちょっと早手回しでございますけれども、これまでの検討についてお礼を申し上げるとともに、本日、最終回でございますので、忌たんのない御意見をどんどん出していただいて、宿題をいただければと思うわけでございます。

 そういうことで、本日、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【高原主査】  どうもありがとうございました。  それでは、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

【岡村補佐】  それでは、座って失礼いたします。お手元の資料を御確認ください。

 資料1と机上配布資料1がございますが、資料1は前回会議の議事録です。委員の先生方には既に御確認いただいているものですけれども、議事録はこれまで同様、公開資料となりますので、反映漏れなどございましたら、本日の会議終了時までに事務局までお知らせください。

 また、机上配付資料1ですが、これらは事前にメールでお送りさせていただいている報告書の素案になります。こちらについては、後ほど議題1の総括的議論の際に中身を御説明させていただきます。

 また、これまで同様、ドッジファイルの方で過去7回の会議資料、及び各施設の運転時間や人員情報を補足する日本の主な放射光施設基礎資料を御用意しておりますので、こちらも御議論に当たって御活用ください。

 何か欠落などありましたらお知らせいただければと思いますが、大丈夫でしょうか。

【高原主査】  よろしいでしょうか。

 それでは、早速ですけれども、本日の議題に入りたいと思います。冒頭にも申し上げましたが、本日はこれまでのワーキンググループでの御議論を基にした報告書について議論したいと思います。よろしくお願いいたします。

 まず、議題(1)総括的議論に入りたいと思います。机上配布資料1について、事務局より説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

【工藤室長】  それでは、説明いたしたいと思います。お手元のワーキンググループ報告書素案につきましては、先週末になりますけれども、既に委員の皆様には送付させていただいたところなので、詳しい説明という形には、重複する部分があるかと思うのですけれども、お聞きいただければと考えます。

 まず、1枚ページをめくっていただいて目次ですけれども、目次の構成は、前回、骨子案、論点整理として御議論いただいたものをベースに、再度編成して作り上げたものでございます。大きく分ければ3部構成になってございまして、最初に国内外の放射光施設に係る現状分析、真ん中には今後の放射光利用に関する基本的な考え方、最後に次世代放射光利用環境への期待と課題と、こういった構成になってございます。  では、「はじめに」を1枚飛ばしていただきまして、4ページの国内外の放射光施設に係る現状分析の方から御説明を差し上げたいと思います。ここは2部構成といたしまして、a.我が国におる放射光施設の運用経緯及び政策的位置付け、b.世界の動向と位置付けております。

 a.につきましては、もう皆様、既に御案内ですけれども、これまでの我が国の放射光施設に係る、ある種クロニクルをまとめてここに記載しております。また、4ページ目の一番後のパラグラフに我々の認識に近いものを書かせていただいております。ここを読ませていただきますと、「第4期科学技術基本計画期間までの間に継続的に整備されてきたこれらの放射光施設の総数は2015年3月現在で9を数える。これらの放射光施設は、これまで物質科学、生命科学、地球科学分野等の幅広い分野で数々の高インパクトな学術成果を生み出すとともに、創薬から新材料開発等の広範な産業利用や応用展開を通じて幅広く社会に還元され、様々な科学的・社会的課題の解決に資するイノベーションの源泉としての役割を果たしてきた」という点です。

 これに加えまして、我が国の技術的な発展というものが後段に書かれています。「加えて、PF-ARにおいて開発され、SPring-8において短周期化・規格化等の技術開発が進められた真空封止めアンジュレーターの技術や知見が、その後の世界各地のいわゆる第三世代放射光源において標準装備されてきた事実にも象徴されるとおり、我が国はこれまで世界の放射光利用環境を技術的な面からけん引する役割を担ってきた」というのが現時点での我が国の放射光施設に対する認識と位置付けております。

 続きまして、b.世界の動向は、全て紹介することはないのですけれども、1つに、上から7行目ですが、「軟X線の波長領域に強みを持つ回折限界性能の中型高輝度光源(3GeV級)の開発・整備が世界各地で進められつつある。例えば、ナノメートルラジアン級のエミッタンス性能を備えた施設としては、現在、スイスのSLS、フランスのSOLEIL、英国のDiamond Light Source等の中型高輝度光源が稼働中であり、初期に建設されたこれらの施設では、現在、サブ-ナノメートルラジアン級へのアップグレード計画が進行中である」と、まず世界としての現状をここで述べさせていただいております。

 さらに、次のパラグラフに、我が国の現状と多少対比しております。「我が国ではSPring-8やPFなどこれまで我が国の放射光科学を支えてきた施設も建設から年月が経(た)ち老朽化が進んでいる中、上述の欧米の施設と比較して、これらの施設の更新・高度化計画の遅れや放射光利用に係る側面支援環境の整備、人材確保等を含む施設運営の面でも課題が浮き彫りになっていることから、今後も我が国の放射光利用環境が従来の国際優位性を維持していけるかは自明な問題ではなくなってきている」。 1ページめくっていただきます。1.の現状認識を踏まえまして、今後の放射光利用に関する基本的な考え方、いわばこのワーキンググループの一つの考え方、次世代放射光とはどうあるべきかということの答えになる部分ですけれども、ここは3パートに分けております。

 最初のパートは、国際優位性・相補性の観点です。6ページ全ては御紹介しませんけれども、最初のパラグラフの8行目「特に軟X線利用環境の面で我が国の出遅れを指摘する声は年々高まっている。現状、我が国には、計画中のものも含め、軟X線領域に強みを持つ中型高輝度光源の放射光施設が存在せず、この波長領域を重点的に利用する産業分野の研究開発等において世界と互角に競争していくための環境が整っているとは言えない状況にある」としております。

 さらに、同ページの下から7行目「ワーキンググループにおいても、PFやSPring-8の軟X線光源は、その輝度において、スウェーデンのMAX-IVや米国のNSLS-IIと比較して数十分の一から数千分の一にとどまっている点など、中型高輝度光源の不在が招く先端研究の遅れや潜在的な研究開発の機会逸失・海外流出、利便性の欠如等について強い懸念が示されており、特に産業利用に向けた放射光利用環境の面で国際的に出遅れている点が指摘された」と、国際的な競争で多少危惧がある点をここで結んでおります。

 すみません、次のページ、「世界の放射光施設」と銘打った黄色い図を載せさせていただいています。我々、水木先生の資料から頂いたものを転載させていただいたのですが、出典の方をもう一度確認させていただきたいと思いますので、その点、御承知おきください。

 もう1枚めくっていただきます。次に、b.分野固有の観点は、これまでワーキンググループの中で各先生方から、それぞれの分野に関わる放射光利用の現状と今後の課題を御紹介いただいたのですけれども、これを踏まえまして一つの方向性を探っていく部分です。ここの書き方といたしましては、冒頭から読ませていただきます。「ワーキンググループでは、物性科学、化学、構造材料科学、地球科学等の基礎科学、ナノテクノロジー等の基礎工学から、製薬・創薬、新材料開発、新エネルギー・省エネルギー、文化財、考古学、そして福島第一原子力発電所における事故収束に資する技術開発に至るまで、様々な分野における放射光の活用事例や研究開発動向に関して、各委員からのプレゼンテーションを通じて様々な現状分析や問題提起がなされるとともに、各分野における技術的課題や今後の展望等に関する論点整理が行われた」と結んでおります。

 この点についてもう一つ御紹介しますと、次のパラグラフの冒頭において、平成26年度の文部科学省の委託調査、前回のワーキンググループで東北大学から紹介いただいた次世代放射光施設に関するニーズ調査の報告からは、「放射光の利用ニーズに関しては分野特性を反映した一定の差異が認められ、そのため次世代放射光施設を含む国内の放射光利用環境の今後の在り方の検討に当たっては施設群の性能・機能に関する分野固有のニーズを適切に考慮する必要がある」と結んでおります。

 さらに、c.として分野共通・横断的な観点の方も、固有の観点と対をなす形でまとめさせていただいております。ここは読ませていただきます。「ワーキンググループでは、上述のような分野固有の利用ニーズも示された一方で、研究分野や観察対象によらず多くの分野が共通して抱える課題や次世代放射光源に向けた期待についても多くの論点が挙げられ、関連する観点の整理が行われた」。

 1枚めくっていただきますと、冒頭からまとめになっております。「総論としては、近年の産業利用ニーズの高まり等を背景に、研究対象物に関しては理想化・単純化されたモデル系から非平衡・非均質・ランダム系、アモルファス系への拡張が近年特に重要性を増していること、また、研究様式としてin Situ/オペランド観測手段の高度化が分野横断的な観点から強く求められること等について現状認識の共有がなされたと」としています。

 1つパラグラフを飛ばしていただいて、真ん中のパラグラフにもう一つ御紹介しておきたいところがあります。「これらの課題に対応していくための研究手段として、物資機能を支配する電子状態の直接観測を可能とする高時間分解能・高空間分解能・高エネルギー分解能や、より高輝度、コヒーレントな放射光が有効であり、そのための技術開発と利用環境整備に大きな期待が寄せられている」としております。

 そして、続くパラグラフで、今後の放射光施設の在り方をもう一つ紹介いたしますと、「今後の研究の流れは大域的な領域からより局所的な領域へ、また静的な領域から動的な領域へと重点を移していくことが見込まれる。その結果、局所ナノ領域でのダイナミクス研究が今後の重要な研究分野の一つとなることが想定されるため、研究手法としてはナノ空間領域で不均一かつダイナミックな構造の観察、物質内素励起と光の微小相互作用の観察、時間分解・空間分解の複合実験やデバイス動作中のオペランド観察等が必要となる」とまとめております。

 1枚めくっていただきます。ここまで来たときに、次のd.次世代放射光源に期待する技術的性能という部分で、次世代放射光の在り方をまとめた書き方をしております。まず、ここで最初に述べさせていただくのは、「これまで見てきたとおり、引き続き我が国が放射光科学の推進を通じてイノベーション創出に向けた学術界及び産業界の研究開発を支えていくためには、幅広い波長領域(硬X線~軟X線)において回折限界性能をカバーする高輝度安定コヒーレント光源の利用環境を整備していくことが必要不可欠と言える」というように今後の方針を結んでおります。

 続く3つの観点ですけれども、前回のワーキンググループで論点整理の際に御紹介いただいたものが、ここでまた述べられています。3点議論すべき点として言っているのは、(1)として、特定の波長領域における観察・観測対象・手法に特化した施設性能とすべきか、あるいは全ての領域について同程度に可能な設計とすべきか。(2)として、電子ビームのエミッタンスはどの程度まで下げることを目指すべきか。特に、得意とする波長領域と同程度のエミッタンスが必要か。(3)として、ビーム供給に係る安定性を多少犠牲にすることがあっても、先鋭的な光源を目指すべきか。

 こういった御議論を頂いたのですけれども、この論点についての答えといたしましては、その下に簡単に結んでいます。「これらの論点については……一律の方針を示すことは適切や現実性を欠くものと言える」としております。

 もう一枚おめくりいただくと、3.次世代放射光利用環境への期待と課題といたしまして、先ほど前段の方で、放射光光源の一つの方向性として各波長領域における回折限界性能をカバーするものを求めていく。しかしながら、それらを一つの施設で実現していくのは困難、しからば、どういうような利用環境を整備していくことが求められるかというのが、このパートの最後の結びになります。若干触れさせていただきます。上から4行目のところ、「種々の放射光施設性能の指標には相互に関連付いたものが多く、その全てに最高水準・最高性能を求めることは要素間に内在する技術使用のトレードオフや物理的限界が現実的でなく、しばしば矛盾した要請ともなることに留意が必要である」。

 こうした上で、次にa.のパートに入ります。このパラグラフの上から6行目「単一の施設において全ての先鋭的性能を持たせることを目指すのではなく、むしろ個々の施設の特徴を際立たせた上で、複数施設間で効果的なアライアンス形成につなげていくことにより、オールジャパンの文脈で放射光利用環境の戦略的な整備を目指すことである。その際、高エネルギーの回折限界光源が本質的に必要とされる先端的研究開発と、既存の低~中エネルギーX線光源性能で十分に対応可能な研究開発とを、科学的・政策的観点からも区別した上で、我が国総体として中長期的な視座から放射光施設群のグランドデザインを検討すべきである」としております。

 その先、2行ほど飛ばせていただきまして「戦略的に階層化された分散型の次世代放射光プラットフォーム構築を図ることで、国全体として幅広い波長領域・利用者層・利用形態をカバーする運用形態を確立すべきである」。

 そして、12ページの最後のパラグラフで、「現状我が国の放射光ポートフォリオから欠落しており、かつ今後の整備が強く求められる次世代光源としては、先端大型放射光施設の高度化計画で想定されている高エネルギー領域の回折限界光源や、比較的低エネルギーX線領域までを広くカバーする中型高輝度光源がその有力な候補となり得る」。次世代放射光として整備すべきものについては、再びここで波長領域ごとの回折限界光源の話をさせていただいております。

 更に付け加える観点として、真ん中のパラグラフで「施設レベルの議論にとどまらず、各施設のビームラインについても、その科学的・政策的位置付けや利用に係る学術利用と産業利用の棲(す)み分け・役割分担を明確化することで、よりユーザーフレンドリーかつ円滑な放射光プラットフォームの運営につながるほか、プラットフォームを構成する施設間のアライアンス強化につながるものと期待される」と述べさせていただいております。

 続きまして、b.運営面の課題についても御議論いただきましたので、ここについても触れさせていただきますと、冒頭から「光源やエンドステーションといったハードウェアの側面に加え、施設(群)の運用や利用全般に係る利便性・効率性等のソフト面の在り方についても併せて検討していくことが重要である」として、2行飛ばして「ワーキンググループでは、特に利用環境の面で、放射光が常時利用可能な環境の整備、遠隔・自動測定システムなどユーザー支援メニューの充実等の必要性が指摘された」としております。

 1枚おめくりいただきまして、あと2点ほど指摘している点をここに述べさせていただいています。最初のパラグラフに加えて、「次世代放射光プラットフォームの整備に当たっては、分野融合・学際性の観点も重要である。交通の利便性、企業や大学等の研究環境との隣接性、地勢的観点といった立地の面や分野を超えて一流の研究者・技術者が集まる頭脳循環の拠点としての機能も期待される」ということ。

 次のパラグラフに飛んでいただきまして「ワーキンググループでは、放射光利用環境の整備や放射光科学の推進に係る人材養成の在り方についても論点が整理された。特にビームラインサイエンティスト、コーディネーター、アドミニストレーター等の専門人材による柔軟な対応を可能とするための体制構築が重要である」という点についても触れさせていただいております。

 この報告書の一番後のパラグラフは簡単に結びになっているのですけれども、実は作りといたしまして、3ページに「はじめに」というパラグラフを設けてございます。まだ整理すべき論点、今日、総合的討論において出てきたことを踏まえて、恐らく最後のパラグラフを拡張するようなものなると思うのですけれども、「まとめ」というパラグラフを最後に付けさせていただきたいと思います。

 あと、簡単に御紹介いたしますと、参考資料1としてワーキンググループ設置についての紙と、参考資料2として委員の名簿、参考資料3としてこれまでの検討結果と開催状況を付けさせていただいております。以上です。

【高原主査】  ありがとうございました。

 それでは、ただいま事務局より説明のありました報告書について議論を行いたいと思います。本報告書は3つの節から成り立っておりますので、節ごとに20分程度ずつ議論を行い、最後に20分間、全体を通じた議論を行いたいと思います。

 それでは、まず第1節、4ページ、5ページ、国内外の放射光施設に係る現状分析について御意見等をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

【尾嶋委員】  すみません、1点。

【高原主査】  はい。

【尾嶋委員】  個別の話は幾つかあるのですが、一つ感想を述べさせていただきたいと思います。7回の議論を非常によくまとめていただいているとは思うのですが、私はこのワーキンググループに参加したときに、このワーキンググループで、オールジャパンとして、日本の放射光はどうあるべきかというまとめといいますか、提言をびしっと出すのが目的かなと思って参加した次第です。

 何回かいろいろな発表を聞いていましても、現在、日本の置かれている状況として、特に軟X線部分の光源がないために非常にまずい状況になっている。ここに書かれておりますけれども、そこを何とかしないといけないという発表がほとんどだったのではないかと私は認識しております。その点で、やはり最後に、4.まとめと提言という章を設けて、数行で結構ですので、やはり3GeVクラスの次世代光源が絶対必要であるという強いメッセージを打ち出す必要があるのではないかと非常に強く思っております。

 先ほども川上局長が、第5期の国家戦略コア技術で政策提案を是非やってほしい、やりたいとおっしゃっていたと思うのですけれども、その材料にこれがなるわけです。正直言って、先週、送られてきたこの文章を読むと、「検討する必要がある」という表現が多く、核心の周りをぐるぐる回っている、という感じになっていると私は強く思っています。是非今日は、最後に4.まとめと提言をびしっと入れるべきである、という議論の方向に持っていっていただきたいと思っております。以上です。

【高原主査】  ありがとうございました。

 その辺りを、総括的議論というところでもう一回議論したいと思います。全体を聞いていただいて、その部分ももう一度、今、4.がございませんので、そこが最後にまとめていく部分だと思います。

 1.現状分析につきまして、ほかに何かございませんか。はい、どうぞ。

【北岡委員】  1.の下の方に、4ページの下ですか、まさに日本の技術は非常にすばらしくて、放射光施設の高度化、PF-AR云々(うんぬん)、真空封止めアンジュレーターの技術や知見が、その後の世界各地のいわゆる第三世代光源において標準装備されていると。日本の技術はそれだけ先進性があって、第三世代光源につながるようになっていたのに、6ページの下の方にあるように非常に後れを取ってしまったというのは、そもそも当時の、今後の将来構造というか将来構想という点で、いわゆる施設面での技術発展と、それからユーザーの学術、あるいは産業についてのニーズと、行政側のこの先これをどうして生かしていくのかということに関して、最後の方に書かれていますけれども、産学官の協働、新しいプラットフォームを作るために必要だと。それは事実関係で、なぜ技術的にはすばらしかった、日本はいつもそうであり、技術的には非常にすばらしいのだけれども、それをインテグレーションして、全体を俯瞰(ふかん)しながら将来構想を10年、20年のスパン、あるいはいろいろな形でやっていくようなことは今までなくて、この委員会が初めてです。

 要するに、日本の大型施設に関して、いろいろな技術があって発展してきて、それを提供したと。そういう貢献はいいと思うのですけれども、それを踏まえて5年、10年後に、こういう施設をある程度計画的に取り組んでいくようなグランドデザインをやってこなかったということもあって、まさに今回、世界から後れを取っているので、これはいかんと。私は、正直、ここに書かれていることは非常にすばらしくて、よくまとめられていると思いますし、この委員会は全くの部外者ですけれども、まさに産業界の方々とか、異分野のいろいろな状況を聞いて非常に面白かったし、よかったと思っていますけれども、やはり全体の、産学官協働と今頃言っているのは遅いような気もするのですけれども、何でそういうことになったのか。日本は、これに限らず、技術はすばらしいけれども、システム化するなり、インテグレートするのは非常に不得意なところがあって、このままではまた後れを取るのではないかという気がする。

 最初の方に視点が書かれてあったので、そういうことも踏まえて、今回この委員会で、これではいかんということで新しいグランドデザインを立てて、産学官、まさにオールジャパンで、日本の科学技術と学術の発展のために、こういうことを一堂に協力してやりましょうということでまとめられていていいと思うのですけれども、ちょっとその辺のところ、最初の点で気になったので御意見申し上げた次第です。

【高原主査】  そこは最後の議論になるかと思いますので、まず1番のところから行って、最後のときにもう一度やりたいと思います。
 施設の方から、現状分析に関して何かございますか。小杉先生、お願いいたします。

【小杉施設長】  世界の動向のところですけれども、最初の7行目「軟X線の波長領域に強みを持つ回折限界性能の中型高輝度光源(3GeV級)の開発・整備」の後に続いているところが何となくおかしくて、「ナノメートルラジアン級のエミッタンス性能を備えた施設」というのは、「軟X線に強みを持つ」という中での「例えば」の話ですよね。しかし、スイスは3GeV級ではなくて2GeV級で、同じ2GeV級のALS、BESSY-II、ELETTRAと同様に基本的に軟X線に力を入れています。また、3GeV級のSOLEILは軟X線、硬X線でバランスを取っていますが、3GeV級の英国のDiamond Light Sourceはほとんど硬X線の方で軟X線は力を入れてないです。

 その後に続いている「初期に建設されたこれらの施設」というのも変で、違う施設のことですかね。フランスはオルセーとか小さなリング、あるいは英国はダーズベリーのことを言っているのか、よく分からない文脈になっているような感じがします。この辺、直す必要があると思います。

【高原主査】  ありがとうございました。

 そちらは、情報をベースにもう一度こちらで整理をさせていただくということで、修正した部分はまたお回ししますので、それでチェックしていただければ。

【小杉施設長】  大きな流れとしては、2GeV級で軟X線のリングというのは4つの施設があって、更に回折限界を目指すというところで2GeVではなくて3GeVを選択して、輝度を上げて、更に進んでいるというのが世界の流れだと思うので、そこをはっきり書いていただくとよいと思います。そういう意味では、Diamond Light Sourceというのは全然違う位置付けなので、修正いただきたいと思います。

【高原主査】  ありがとうございました。

 それでは、ほかにございますか。

【櫻井委員】  最後のところ「我が国の放射光利用環境が従来の国際優位性を維持していけるかは自明な問題ではなくなってきている」で終わっていますけれども、最後に一言、放射光研究と材料開発は非常に密接な結び付きがあり、現在、我が国が優位に立っている材料開発の分野でも放射光の後れが、材料開発の先進性、競争力に問題があるというような文章を付けた方がいいと思います。放射光が後れているのは別にかまわないと言われたら終わりですので、最後、いわゆる材料開発というようなところが要ると思います。以上です。

【高原主査】  ほかにございますか。

 では、1.につきましてまたコメントがあれば、後ほどメール等でも構いませんので御意見いただければと思います。

【石川センター長】  すみません。村上先生にお聞きした方がいいと思うのですが、「PF-AF」と書いてあるのは、多分、違いますよね。

【村上副所長】  すみません、私が指摘すべきでした。「PF-AR」です。これは細かいことを言わせていただくと、あそこでアドバスト・リングというのも、実はそのときにはアキュミュレート・リングですが、それは事務局も分かっていて書いておられると思うので、すみません「AR」だけ修正ください。

【高原主査】  ありがとうございます。

 あと、幾つか細かい修正あるかもしれませんけれども、御指摘をよろしくお願いいたします。

 それでは、続きまして第2節、今後の放射光利用に関する基本的な考え方について御意見をお願いいたします。a.国際優位性・相補性の観点、b.分野固有の観点、b.分野共通・横断的な観点、d.次世代放射光光源に期待される技術的な性能ということで、節の中をまた細かく分けておりますけれども、御意見あればお願いいたします。先ほどの産業利用の観点などもここに書かれていますけれども、先ほどの1.の最後にも書いていた方がより重要性が強調できるかもしれませんけれども、何かございますか。

 佐野委員、お願いします。

【佐野委員】  すみません。意見といいますか、ちょっと質問ですが、10ページ目の下から7行目に「創薬(製薬業界)の研究開発の場面では軟X線に対するニーズはそれほど高くなく」とあるのですが、これはこのとおりという認識でよろしいのでしょうか。

【高原主査】  創薬の方から。いかがでしょうか。

【上村委員】  全くないわけではないのですけれども、今のところはやはり硬X線が強いということでいいと思います。全くないということではないようです。ただ、日々の業務はやはり時間との競争なので、今のところは圧倒的に硬X線を使っているということです。

【佐野委員】  少なくとも直接的に軟X線で高輝度のものが出れば、そちらも使うと。

【上村委員】  そうですね。アカデミックで、ちゃんと利用が開けていけば、多分、どんどん応用には行くと思うのですけれども、アプリケーションというのはやはり製品につながらないと、なかなか使うというところにも行かないので、今のところは硬X線の需要が大きいと思います。

【高原主査】  あと元素とか、そういうスペシフィックなものが出てくれば、また要求が出てくるかもしれないですね。

【上村委員】  もちろん。

【高原主査】  曽我委員、いかがでしょう。

【曽我委員】  全く同じ認識です。やはり我々としては、今のところ、硬X線を主に使っているということです。

【高原主査】  ありがとうございました。

 ほかにございませんか。

【北岡委員】  いいですか。

【高原主査】  北岡先生。

【北岡委員】  9ページの上の方に、「総論としては、近年の産業利用ニーズの高まり等を背景に……理想化・単純化されたモデル」ということが書いてあります。これは、産業利用ニーズの高まり等もあるのだけれども、やはり複合、学際、複雑系の学術の進展、あるいは発展ということがあって、特にここに書かれているのは、物質形態として周期系ではなくて非周期系、不均質というのは非常に重要で、新しく役に立つというキーワードになっているのですけれども、現実にはやはり物理、化学、生物という非周期系かつ分子の数が多くなり、原子の数が多くなっていったときに、階層をつなぐときの研究というのは非常に重要で、それも非平衡、非周期、不均質がキーワードになっているので、やはり学術の発展に関してのニーズというか、必要性というのはやはりあるので、その辺のところを一言、二言書いてもらった方がいいのではないですか。

【高原主査】  ですから、産業利用と、それから学術、複雑系の話はいろいろな表現の仕方があるかと思うのですけれども、その辺りを入れるということですね。

【北岡委員】  それは必要でしょう。これから新しい時代には絶対要りますよね。

【高原主査】  はい、ありがとうございます。

 ほかにございませんかございませんか。小杉先生、お願いします。

【小杉施設長】  10ページの次世代放射光光源に期待される技術的性能の3行目のところで、「幅広い波長領域(硬X線~軟X線)において回折限界性能をカバーする」というのはちょっと言い過ぎで、少なくとも硬X線で回折限界は無理ですが、軟X線は回折限界を目指しているわけなので、ここはむしろ「回折限界性能をカバーする」というのは削除して「高輝度安定コヒーレント光源」だけ残せばいいのではないかと思います。次の節のところでまた回折限界に関するコメントはいたしたいと思います。

【高原主査】  ありがとうございました。

 ほかにございませんか。櫻井先生。

【櫻井委員】  11ページの2.の最後のところですけれども、これは私だけかもしれませんけれども、「単純な結論には至らなかった」で終わるのは何となく、何も結論がなかったような印象があります。ですから、ちょっとこれは、3.の方に分散型放射光プラットフォームの考え方と書いてありますけれども、そのことの前振りかと思いますけれども、ここはもう少し別の表現をした方がいいと思います。すみません、細かいことで。

【高原主査】  はい、分かりました。ありがとうございます。

 ほかにございませんか。内海先生、お願いします。

【内海委員】  同様のコメントですが、目次の書きぶりからすると、やはり今、議論されている2.のところで、具体的なスペックに関しては一定の結論めいたものを書くべきだろうと思うのです。1.の現状分析のところで、軟X線がない、軟X線がないという書き方をしていて、それは全然構わないのですけれども、ただ議論として、軟X線が決定的に足りないのは事実だけれども、硬X線もいりますというのが全体の議論だったように思うのです。その意味では、ちょうどそこのことが書いてあるのは、12ページの一番下の行から13ページの2行のところ「先端大型放射光施設の高度化計画が想定されている高エネルギー領域の回折限界光源や、比較的低エネルギーX線領域までを広くカバーする中型高輝度光源がその有力な候補となり得る」と、これが多分、今回のスペックとしての皆さんの共通認識ではないかと、読んでいて感じました。2.の「結論には至らなかった」というよりも、そういうことを総括するとこういうことではないかという気がします。私はそういう感想を持ちましたけれども、委員の先生方はいかがでしょうか。

【高原主査】  ここは非常に読んでいて、ちょっと最後が尻切れといいますか、その辺りを補足させていただきたいと思います。

【工藤室長】  若干補足させていただきますと、今のところを2.の最後に入れてくると、恐らく座りが、基本的に見えやすくなるとは思うのですけれども、もともとその考え方を踏まえた部分を10ページのd.の最初のパラグラフに少し導入として、今、小杉先生からコメントあったところですが、ここは一つの結論を得た上で、まだ議論が尽くされていないというつながり方をしています。もちろん先生の御指摘のとおり、最後の項の「単純な結論に至らなかった」を置き換える形で、複数の議論があったけれども、こういう形で物がまとめられるというのを再掲するのもよろしいのではないかと思いました。すみません。

【高原主査】  ありがとうございました。ほかにございませんか。

【尾嶋委員】  すみません。非常に細かいところですが、9ページの真ん中辺で「高空間分解能(10nm以下)・高エネルギー分解能(0.1eV以下)」と。0.1eV以下というのはそんな高エネルギー分解能ではないので、これは間違えではないかと思うのですが。10MeVとか、ちょっと確認をして。

【高原主査】  ここの部分は確認して、後で修正させていただきます。

 ほかに何かお気付きの点、ございますか。最後にまた全体にわたっては議論していきますので、そこでもう一度戻っていっても構いませんので、先に進ませていただいて、最後にもう一度、全体のバランスを見ながらやりたいと思います。

 続きまして、第3節、次世代放射光利用環境への期待と課題について、御意見をお願いいたします。よろしくお願いいたします。小杉先生、お願いいたします。

【小杉施設長】  先ほど内海委員が言われた高エネルギー領域、12ページから13ページにかけてのところですけれども、高エネルギー領域というのが何GeVクラスなのか、ちょっと分からないところがありますけれど、例えばSPring-8II計画などを視野に入れて言っているのであれば、高エネルギー領域の回折限界光源というのはちょっと言い過ぎのような気がします。その後に続く「比較的低エネルギーX線領域までを広くカバーする中型高輝度光源」というのが3GeVクラスの話だとすると、こちらの方こそ回折限界のはずです。12ページから13ページにかけてのところからは、高エネルギー領域の回折限界光源に対して中型が劣るようなイメージを受けるので、硬X線と軟X線の2つの光源が要るとは読み取れない気がします。

 それと同じようなことが11ページの下3行のところにありまして、「高エネルギーの回折限界光源が本質的に必要とされる」、こちらは先端的と言いながら、その後に「既存の低~中エネルギーX線光源性能で十分に対応可能」と書かれていて、3GeVクラスが高エネルギー側なのか、比較的低エネルギー側なのか、混乱してしまうと思います。

 この辺りに関して施設側の方から、書きぶりも含めまして、何かコメント、御意見等ございますか。もうちょっと明確に区別して書いた方がよろしいでしょうか。

【工藤室長】  そうですね。小杉先生の御指摘のとおり、ここの考え方はまさに高エネルギー、軟Xと硬Xというイメージで書いてはおりますが、これまでの議論の中で、特定施設の計画や構想の是非を議論してきたわけではないのでこのように書かせていただきました。

【小杉施設長】  ええ。ただ、イメージとしてちょっと。

【工藤室長】  そういう意味で、その辺のイメージを抽出した書きぶり、統一した表現を施設と相談させていただければと思います。あくまでも我々が申し上げているのは、全体のトーンとしては、今、日本のポートフォリオの中で足りないと考えられているのは軟X線領域と、それから硬X線領域は今後、開発が必要という部分はございますけれども、両者が足りないということを表現するに当たり、明示的に何か特定の計画というように言い得るものが今のところないので、そこは技術的表現で何とかイメージが湧くものを書き込むという趣旨となります。

【高原主査】  ありがとうございます。

 ほかに、第3節に関しましてコメント等ございますか。上村委員、お願いいたします。

【上村委員】  私のこだわりかもしれないのですけれども、現実的にはそのものずばりなんですけれども、「オールジャパン」というのが何かちょっと軽い感じがするのですよね。みんなが言っているから。何かひと工夫ないですかね。結局、施設を横串で、しかも産学官も横串で、いわゆる縦割りではなくて横串というところを、みんながオールジャパンと言うと何となく軽くなってしまって、かといって対案がないのですけれども、何かあるといいかなと思ったのですが。

【高原主査】  こちらの表現も検討させていただきます。

【上村委員】  すみません。

【高原主査】  ほかに何か御質問等ございますか。今回、かなりコンパクトにまとめておりますので、一部言葉が足りない部分があるかもしれませんけれども、その辺りも含めまして表現に誤解がないようにしたいと思いますので、こちらでコメント等いただければと思います。

【石川センター長】  1つよろしいですか。

【高原主査】  石川先生、お願いします。

【石川センター長】  10ページの一番後、「余りにエミッタンスの低い高輝度光源の使用は……」というところは、昔からずっと議論があるところでございますけれども、エミッタンスというのは角度と大きさの掛け算でございますので、例えば非常に大きい光源で平行ビームだと低エミッタンスになるわけです。SPring-8におきましても、大阪大学のビームラインというのは非常に平行ビームを作って、格子定数の大きなたんぱくに対応しています。共用ビームライン41番とか理研の32番は、それをフォーカスして、小さいタンパク結晶を測るということですので、この低エミッタンスが生体試料の侵襲・破壊等につながるというのは一般的には言えないことでございまして、ここはちょっと書き方を工夫しないと、何となくサイエンティフィックに間違ったことを言っているという感じがいたします。

【高原主査】  ありがとうございました。こちらもちょっと検討させていただきます。

 ほかにございませんか。小杉先生、お願いいたします。

【小杉施設長】  12ページの文章のところの2行目「必ずしも回折限界性能を求める必要のない研究・産業課題については」と書かれているのですけれども、全体を読めば産業課題というのは必ずしも回折限界光源が必要のないものが多いとは書いていなくて、日本は非常に後れていて、回折限界光源は必要で、産業も応用も後れているという書き方をされているのですが、ここだけ読むと、何となく産業課題というのは回折限界性能を求めないものが多いのかなと読み取れるので、ここは産業課題とあえて書かなくてもいいのではないかという気がしました。

 それから、違うことでもよろしいですか。

【高原主査】  はい、どうぞ。よろしくお願いいたします。

【小杉施設長】  14ページの下から2つ目のパラグラフの最後ですけれども、「古くなった施設を学生教育等の人材育成のために利用する仕組み」というのは、果たして教育になるのか。軟X線の場合は例えばエネルギー分解能が悪いような装置を使って実験しても見えるものが見えないです。最先端の装置を使うと2つの異なる化学状態が分離できたりするのですけれども、中途半端な装置を使うと分離もできなくて、それで教育になるのかという観点があるので、最後の方で目立つので、余り書かなくてもいいのではないかと思いました。以上です。

【高原主査】  分かりました。確かにそうですね。では櫻井先生、お願いいたします。

【櫻井委員】  同じパラグラフですけれども、放射光の技術者、研究者の人材育成という観点をちょっと入れていただきたいと思います。ここには専門人材による柔軟な対応とありますけれども、先ほどの古い装置云々(うんぬん)が抜けてしまいますと、人材育成が全くなくなってしまいますので、放射光の人材を育成するというところを入れていただきたいと思います。

【石川センター長】  すみません、よろしいでしょうか。

【高原主査】  お願いいたします。

【石川センター長】  米国の例でございますと、米国の放射光の人材を非常に出しているのは、コーネルのCHESSという装置がございます。例えば、APSとかALSは非常にユーザーがたくさんいて、どんどんデータは出すのだけれども、そこでじっくり考えることができないという話がございます。コーネルは非常に古い装置でございますけれども、そういうところで学生がじっくりと何かをやって育っていくというのは実例としてあるので、ここの古くなった装置、施設をそういうように使うというのは、私はあると思っています。

【高原主査】  ありがとうございます。こちらも表現の問題になりますかね。

【小杉施設長】  どういう活用をするかですよね。

【杉山委員】  同じような観点ですけれども、14ページの人材に関するところですが、特にビームラインサイエンティスト、コーディネーター、アドミニストレーター等と3つ並べて書かれているのですが、ビームラインサイエンティストについては何かキャリアパスとして、いろいろなビームラインを経験的に生かしてやるとか、そういった案も出されていましたし、コーディネーターに関しましては、全く放射光を知らない、だけど使ってみたいという本当に初歩の方々もいらっしゃるので、そういう意味では研究をコーディネートする人という割と具体的な議論もありましたので、少し加えてみてはどうかと思います。以上です。

【高原主査】  ありがとうございます。

 尾嶋先生、お願いいたします。

【尾嶋委員】  これは文章が非常に多い。表が1枚、光源の表しかない。やはり放射光が挑むべき科学技術という点で、水木先生がプレゼンで示されたこういう絵、特に高輝度放射光ではどういう分野に波及できるのかというような絵が1枚あった方が分かりやすいと思っております。産業利用も入っておりますので。この絵だけでいいかどうかは精査していただくとして。

【高原主査】  これは報告書の最後に……。

【岡村補佐】  この報告書の取りまとめについて、御説明を後ほど予定しておりましたが、今、簡単に触れさせていただくと、先ほど室長から御説明差し上げた素案に加えて、これまでプレゼンテーションで使用されたパワーポイント資料の一部を末尾に付録のような形で付けさせていただいて製本するという形式を考えております。具体的なパワーポイント資料の中身としては、初回に施設側のオブザーバーの方からSPring-8、フォトンファクトリーの御説明がありましたので、その一部ですとか、あるいは文部科学省の方からも我が国の放射光利用の経緯等についてのプレゼンがございましたので、その一部。今、御指摘のありましたように、各委員のプレゼンテーション資料の中からも是非こういったスライドを報告書中で使わせていただきたいというところは、今の御指摘も踏まえて個別に御相談させていただいて、しかるべきところに使わせていただければと思っております。本日の議論も踏まえた上で、どなたの、どのプレゼンテーションの資料を使わせていただきたいということについては、まだ御相談させてください。

【水木委員】  よろしいですか。

【高原主査】  はい、水木先生。

【水木委員】  また戻ってしまって申し訳ないのですけれども、教育のところで、今回のワーキンググループで余り時間、ディスカッションする時間がなかったとは思うのですけれども、施設と大学との連携の在り方をうまくすることによって、ある期間、最先端の装置に大学が研究室ごと移管するというようなことを考えてやればいいのかなと。いわゆる施設と大学との間の新しい連携の方法を考えていただきたい。具体的にいろいろな考えはあると思うのですけれども、そういうことも必要かと思います。

【高原主査】  ありがとうございます。それはSPRUCの連携大学院とか、そういったものとも関連していますね。

【水木委員】  はい。

【高原主査】  ありがとうございます。

 ほかにございませんか。

【北岡委員】  ちょっといいですか。

【高原主査】  はい。

【北岡委員】  先ほどの水木委員の話ですけれども、文部科学省の施策で卓越大学院というものがいずれ次世代施策として出る可能性がある。卓越大学院というのは、教育のカリキュラムとして大型研究施設と一緒に、協力しながらやるということもあるので、新しい卓越大学院という施策と絡ませて、教育の方の人材育成についても交流をしていく必要がある。今後の課題でしょうけれども、やはりそういうことも視野に入れながら、教育に関しては考えておいた方がいいのではないか。コメントです。

【高原主査】  大学と施設の関係というのは、またいろいろなところで出てきておりますので、こちらでは割とさらっと触れるということでよろしいですかね。

【工藤室長】  ちょっと難しいかもしれません。

【高原主査】  余り深くは入れないといいますか、さらっと触れるという形でやりたいと思います。ほかにございませんか。

【雨宮委員】  10ページ、d.の(2)の2行目「特に得意とする波長領域と同程度のエミッタンスは必要か」というのは少し意味が分かりにくくて、これはひょっとしてディフラクション、回折限界のことを言おうとしているのか。もしそうなら、括弧してそういうように言えばいいのかなと。「得意とする波長領域と同程度のエミッタンスは必要か」というのは、ここだけ出てきていて、回折限界という言葉と関係があるのかないのか、ちょっと読み切れないということが1点です。

 それから、細かいことですけれども、12ページの表1のパルス幅というところで「1パルスあたりの時間幅」と書いてあって、「(ビームの継続時間)」が入ると分からなくなってしまうので、むしろない方がいいかなと思います。

 それと、波長のところで、硬X線と軟X線を0.2ナノで区別して、波長はおおよその目安で、私はこれでいいと思っており、異論はないのです。そうであれば、先ほど既に議論になりましたけれども、高エネルギーとか中エネルギーという言葉をちゃんとここと合わせて議論した方が分かりやすいかという気がします。以上です。

【高原主査】  ありがとうございます。ほかにございませんか。

【曽我委員】  運営面のところで少し触れられていると思うのですけれども、常時利用可能な、いわゆる止まる時間をなくしてほしいというところは、我々、製薬業界の者としては非常に希望しているところです。多分、この意見はほかの先生からもかなりたくさん出ていたと思いますし、それほど反対もないようなので、もう少し強く盛り込めないのかなと思いました。

【高原主査】  もし織り込むとしたら、最後のところですかね。常時使えるような光源が求められているということですよね。そちらも、後ほど検討させていただきます。

 ほかにございませんか。村上先生、どうぞ。

【村上副所長】  オブザーバーとしての発言かどうかちょっとあれなのですが、3番目の期待と課題というところで、非常に重要な指摘を頂いて、まとめていただいて、その1つは分散型放射光プラットフォームの考え方ということで、複数施設間の効果的なアライアンスの形成ということを強調して、これはとても重要なことで、今回、この委員会の中でも随分話し合われてきたことだと思うのですけれども、これを本当に実現していくためにはどうするのかという観点を、具体的なところを是非議論いただいて、いい方策のヒントみたいなものでも、少し書き入れられるのだったら書き入れていただく。先につながるために委員会の考え方を示していただくのが、これは非常に重要なポイントなので、それを実現するのは一体どういうところがコントロールしてちゃんとやっていくのか。そういうことの議論を頂ければと思います。

【高原主査】  工藤室長、何かありますか。

【工藤室長】  重要な御指摘を頂いたところですけれども、ちょっと尺的な、時間的な関係がやはりあるのと、恐らくアライアンスを更に具体化して深掘りということになると、多分、ここにお集まりの皆様方に、もう少し施設から具体的な状況とか、どういう方向でやったら良いか、要望というものか、その辺も含めて相当の準備が必要になってしまうのではないかというのが正直なところでございます。こういった観点は、恐らく今回の報告書では、まずアライアンスを考えていこうということを打ち出すことで、次につながるという点においては、まさにそこをイニシャルとしていただいて、また国としても、この頂いた提言を深掘りする方法をどのようにするかということで、また別のフォーラムという形態も考えていきたいと思っておりますので、今ここでは、先生の方でお気付きの点があれば、ここでもう少し洗練された書き方をすることによって分かりやすくなるとか、そういった御指摘を頂ければとは思います。

【石川センター長】  よろしいですか。

【高原主査】  はい、どうぞ。

【石川センター長】  多分、サイエンスの観点からいくと、このアライアンスというのは非常に重要で、ただ放射光だけのアライアンスを考えればそれでいいのかというと、多分、そうではなくて、もうちょっと広い範囲の量子ビームというか、光量子全体としてどのようにやっていくかというところまで含めて、今後、お考えいただけたら非常に有り難いと思います。

【高原主査】  ありがとうございます。

 ただいまの御提言は、中性子まで含めた形ということでの、双方的な利用も含めてのアライアンスということになりますかね。

【石川センター長】  レーザーも含めて。

【高原主査】  レーザーも、ですね。すみません。

 ほかにございませんか。終わりのまとめのところで幾つか記述をさせていただく部分もあるかと思いますので、そこはまた修正版をお回しして、御意見等を頂くことになるかと思います。

 それでは、全体を通じて御意見等ございましたら、お願いいたします。お送りして、読んでいただく時間が十分なかったかと思いますけれども、全体で何が欠けているかということも含めまして、御意見等いただければと思いますが、いかがでしょうか。

 水木先生、お願いいたします。

【水木委員】  最初の尾嶋委員の指摘に関係するのかも分かりませんが、現状分析があって、そして日本がどうかということがあって、それに対して課題が見えてくるのですけれども、この書き方は課題で終わっているというか、課題が最後に来ている。やはりある程度、課題に対してどうすべきかという提案として、もちろんよく読めば書かれているけれども、そういう形でまとめて、全部読んで提案が分かるというよりも、どこかに出しても提案だけ見て分かるように、そういう書き方をした方がいいと思いました。

【工藤室長】  確かによく読んでいただけば、どういう主張がなされていて、どこにどういうものが必要ということが極めて分かるように書いてあるつもりですけれども、一見して明白というわけでないことは間違いないのですね。だとすると、今、私から尾嶋先生、それから水木先生の御意見に対して御回答するとなれば、恐らく最後、ちょっと置き位置は考えなければいけないかと思うのですけれども、であればシンプルな提案として、このワーキンググループからの御意見・提言として、太字になるような、これと、これと、これと箇条書的に、必要なこと、これをやるに当たってはこういうやり方でやる、今後、更に深掘りして検討することはこういうことみたいなものをちょっと頂けるか、今、この場で御議論いただいて、それを我々がまた、もう今日が最後ですけれども、案として送付させていただいて、コメントを頂くという形になると思うのですが、そういう形でいかがでしょうか。

【尾嶋委員】  やはりまとめの項目、要するに結言が必要で、その中に提言が入っているべきです。例えばですが、4.まとめと提言「以上の議論で明らかなように、次世代放射光は国力の源である科学技術において、また日本の成長戦略の柱であるイノベーションにおいて、極めて重要なプラットフォームである。失われつつある放射光科学及び産業利用の国際優位性を取り戻すには、中型高輝度光源を早急に整備することが喫緊の課題であり、大型高輝度光源と組み合わせたオールジャパンの体制で、日本の国際競争力を支えるプラットフォームを構築、運営すべきである」というような四、五行ぐらいの文章を付けるのはどうかと私は考えたのですが。以上です。

【高原主査】  それは、4.のところということですね。

【尾嶋委員】  ええ。

【高原主査】  どうぞ。

【渡邊委員】  今、全体の論調として3GeVの形というか、その辺りを提言していくという話になっていると思います。一つ気になるのは、現状分析の中で、中規模がないという点で一つの新しい領域として日本が後れていると、そういう論調になっている点です。それではハードのところは後れていないのかという話と、それとも、例えばSPring-8IIで後れないようになっているから、ここが必要なのか。ハードに視点を置いたときの論点が、余りすっと入ってこない感じがちょっとしています。技術的なことは分からないのですけれども、硬X線は来ているけれど軟X線がないというロジックにするのか、硬X線も軟X線もやはり後れてきているというロジックなのかで、大分書き方が変わってくるのではないかと感じました。

 そういうところで、先ほど3.のd.でいろいろな課題が出てきたのですけれども、その課題というのはハードの課題なのか、軟X線の課題なのかというところも、いま一つ明解に書かれていないという感じがして、もし軟X線でいくのであればそこの課題、あるいはアライアンスのところも、硬X線と軟X線をどういうようにアライアンスを取っていったらいいのか。そういう書き方がないと、軟X線を提言していくにしても、ちょっと弱いかなと。印象で申し訳ないですけれども、そういう感じをちょっと受けました。

 その辺りのロジックをどちらに、つまり結言をどう持っていくかでロジックが決まってくると思うのですけれども、そういう書き方の中で硬X線と軟X線の関係みたいなところも少し触れていかないと、結局、硬X線は十分足りているのか、足りていないのか。そういうところの話も単純に考えると出てくると思うので、その辺りも考慮していただいて、今日、全体の論調としては軟X線の中規模施設をという結論だと思うのですけれども、持っていくにしてもそういうロジックが少し必要かなと、感じました。

【高原主査】  ありがとうございます。その辺りは、次の修正のときに考慮しながらやらせていただきます。

 ほかに。よろしくお願いいたします。

【廣瀬委員】  軟X線の施設がないから、そこは重要だというのはよく分かるのですけれども、では本当に造ったら一体どんなサイエンスができるのかというのは、これを見てもよく分からないですよね。ないから造ってほしいというようにしか見えないので、もしこれができたら、こういうサイエンスも、こういうサイエンスもという、本当は僕らはそういうことをやっているわけですから、施設ができたら何ができるのかということをもうちょっと具体的に書いた方がアピールできるのではないかと思います。

【高原主査】  それは、付録か何かに、アペンディックスに入るのですね。

【工藤室長】  アペンディックスの面もありますけれども、まずどういうニーズがあるのかというところからこの議論は入っております。軟X線の施設ができたらこういうことができるのですという、軟X線をアピールするために始めた議論ではないので、そこはどうしても、倒置した関係になると後であらぬ誤解を受けると思うのです。

 やはり入り口論としては、世界と我が国の現状を比べてみて、どういうピースが失われていて、その失われたピースを埋めるとどういうことがやれるのかという点において、まず一つのまとめ方がある。さらに、アペンディックスではないのですけれども、同じような手法を取った調査として東北大学にやっていただいて、前回に頂いた報告もございます。その中で、次のステップとして、どういう施設がという議論が具体的にできるのかなという面は多少あります。

 それは、今の報告書の書き方がというよりも、この議論を始めるときに、どの施設が欲しいとか、単に今存在しないから、ただ欲しいという議論ではなくフラットに見て、どうして必要なのかということを調べる、議論するということが目的だったかと思いますので、今の報告書の素案もそれに沿った書き方をさせていただいているというのが率直に申し上げるところです。特に渡邊委員に提示されたことの答えとすると、私ども事務局としてはそういうように考えて、素案を作らせていただいたところです。

【高原主査】  よろしいでしょうか。それでは、ほかに御意見等ありますか。では、渡邊委員。

【渡邊委員】  失われたというところでのピースという形での趣旨はよくわかりました。ただ失われたものに対して、では失われていないものがどうだというのがちょっと分からなかったというところが一つ。あと、失われたものをもし取り戻したときに、それで終わりですかという話と、その後にアライアンスの問題とか出てくると思うのですけれども、やはり未来につながるような話というのもちょっと提言の中には入れておかないと、ただ単に追い付きましたではなくて、そこが失われたものをやって、それから運用面でのアライアンスでもいろいろな、例えば運用面でのアライアンスの問題と、それから施設、サイエンスとしてのアライアンスの問題と、多分、二通りあると思うのですけれども、そのあたりを日本の中で一緒にやっていくことによってメリットがあるとか、次に勝てるようなこともちょっと何かあった方が、やはり提言としてはいいのかなとちょっと思いました。ロジックとしては分かりました。

【高原主査】  ありがとうございました。

 佐野委員。

【佐野委員】  今までの議論ともちょっと関係するのですが、まずこの報告書、それから提言がどなたに対してなされるのかが、私、余りよく分かっていなくて、例えば今の施設、中型放射光の話をするときに、エミッタンスですとか、ビームエネルギーのことが分からない方がもし見ると、日本はもう既に8個ある、まだ新しく造るのかという非常に素朴な疑問もあると思うのですね。ですから、どなたに対する報告書なのかで、例えば一般の方も含めるのであれば、今の施設の特徴なりをもうちょっと説明する必要があるという気がします。

【高原主査】  これは対象としてはかなり……。

【工藤室長】  そういう意味ですと、このワーキンググループの立て付け自体が局長の私的懇談会という形を取っているのですが、とはいえ、やはり公費で行う公的な議論でございますので、やはり名宛て人としては国民一般という形になると思います。そういう意味で、委員から御指摘があったような、専門的な部分を少しかみ砕いてすることが必要というのは感じているところでございますので、もう少し追補するような形の書き方をさせていただければと思っています。

【高原主査】  これは「提言」という言葉を下手に使わない方がいいですよね。

【工藤室長】  いや、そこは一般的な意味での推奨・提案・御意見の範ちゅうでは大丈夫ではないかと思います。

【高原主査】  それは大丈夫ですか。

【工藤室長】  名宛ては一義的には役所に、科学技術・学術政策局になりますけれども、そこを通して国民一般にも、この委員会として提言する内容というものを作るべきだということで総意いただければ、それを作ることについて制限はないと思います。

【高原主査】  分かりました。ほかにございませんか。

 ないようでしたら、せっかく今日お集まりいただいておりますので、最後に各委員の先生方から一言ずつ、できれば1分以内で、感想も含めて、今後、どういうように……。

【工藤室長】  その前に、一応、提言はどうしますか。

【高原主査】  学術会議なんかだと「提言」は査読が要りますよね。

【工藤室長】  なるほど。そういう用法だと意味合いが違います。

【高原主査】  提言すると書くのは、多分、大丈夫だと思うのですけれども、全体に提言という目次を入れると。

【工藤室長】  全体にはできないですね。

【高原主査】  全体というか。多分、提言という目次は入れられないと思うのですね。学術会議なんかだったら提言というのは査読をしないと上げられないので、文型まで含めた査読をやっています。あれはそういう過程で出てきていますので、非常に厳しいものがありますので……。

【工藤室長】  議論全体のサマライズとして提示されてはいかがでしょう。

【高原主査】  最後のサマリーのときに、こういうものを提言すると入れるという形にさせていただければと思いますけれども、そういった形でよろしいですかね。そこの文章をまた加えさせていただいて、先生方にお送りして、コメントの方を頂きますので、どうぞよろしくお願いいたします。もうこの場で先生方から頂いてよろしいですね。

【工藤室長】  はい。

【高原主査】  それでは、今回、最後ですので、各委員の先生方に一、二分程度で御意見、感想等を頂ければと思います。あいうえお順で申し訳ありませんけれども、雨宮先生からお願いいたします。

【雨宮委員】  放射光を使っている方、また、もうちょっと外にいる方など、いろいろな委員でこういう議論をして、情報共有できたことは非常に意義があると思います。今日、ここのまとめですけれども、いろいろなことを議論できましたけれども、やはりこれが本当に読まれる形になるときに、最後のまとめをどういうようにまとめるのかはとても重要かと思いますので、どのようにまとめるかについては今まで意見があったので繰り返しませんけれども、そこのところを補強していただくことが重要かなと思います。今日、指摘がたくさんありましたので、修正したものにまたコメントさせていただきたいと思っています。以上です。

【高原主査】  ありがとうございます。それでは、内海先生、お願いします。

【内海委員】  参加させていただきまして、本当にありがとうございました。この会議の位置付けや、それから出てきた報告書の草案などを読ませていただいて、本当に事務局、量研室の方々が御苦労されて、ここまでまとめていただいたと感謝を申し上げる次第です。

 位置付けや諸事情の状況等々があって、いろいろ難しいところがあるのですけれども、やはり委員の方々、皆さん実際に一番重要なところは、3GeV放射光、それからSPring-8の改造という2つを実現させることだと、水面下でははっきり認識しておられるのではないか。少なくとも私はその方向に向けて尽力していきたいと思っておりますので、是非ともこの報告書が契機となって、その2つが具現化するように国の方としても全力でお願いできると、利用者として、あるいは施設側の一部の人間として強く希望する次第です。

 今後とも、是非ともよろしくお願い申し上げます。

【高原主査】  尾嶋先生、お願いいたします。

【尾嶋委員】  1年間参加させていただきまして、ありがとうございました。

 先ほど北岡先生がおっしゃったコメントは、私も非常に納得できます。例えばLSIなどエレクトロニクスは、現在、かなり衰退というかディクラインしています。放射光においても、私は82年から関わっているのですが、日本の放射光はすごいと思った途端に後れを取ってしまう。エレクトロニクスもやはり同じ状況で、私も長いこと情報通信の会社におりましたので、技術の流れを見ていると、もうこれで十分だということは絶対ない。油断してはだめ。今の状況を見て不足しているピースを埋めるだけでは、いつまでたっても追い付くだけに終わってしまうので、やはり打って出るというか、どういう方策で打って出るのかということをいつも考え続ける。また10年後には次のバージョンアップもあるだろうし、それを常に繰り返すこと、もう油断してはいけないということを非常に痛切に感じております。どうもいろいろとありがとうございました。

【高原主査】  お願いいたします。

【上村委員】  1年間どうもありがとうございました。

 まず1つは、最初に私が言ったことですけれども、初めPFで坂部カメラができたときに、世界中の人がみんなPFで取りたがって、そのうわさを聞き付けてアダ・ヨナスさんとかも来て、それでノーベル賞にどんどんつながっていったということがあって、夢をもう一度と思ったということを最初に申し上げたのですけれども、やはりほかの施設を使ってみて、ほかが本当によくなってきていて、スペックからいうと日本の方が高いのですけれども、いわゆる周りの技術も含めて非常に競争が激しくなっているのと、サービスをみんな売りにしているというところがある。やはり世界の人がまた日本に取りに来るような、そういうところを是非実現していただきたい。

 もう一つは、このまとめですけれども、今まで幾つか政府のこういうものに出ていて、何でこういうようにまとまるのかと思ったことが何度かありますけれども、今回の場合、皆さんの意見をきちんとそごなく入れていただいて、最後のまとめは詰めがもう一つというところはあるかもしれませんけれども、皆さんも忌たんなくおっしゃっていたし、それをうまくまとめていただくということで非常に感動いたしました。
今後もよろしくお願いいたします。

【高原主査】  北岡先生、お願いいたします。

【北岡委員】  私は、去年7月から、最初は全く素人で部外者なので、どういうことを期待されるのかがよく分からなかったのですけれども、私自身は放射光のこれまでの現状、それから今後ということで、やはり日本の科学技術のすばらしいところと、これから重点的に支援していかなければいけない状況にあるということが分かりました。一番楽しかったのは、全然違う分野の方の話を聞き、産業界の方を含めてお話を聞いて、サイエンスとして、あるいは産業界のためにどういうことが必要で、そのための役割としてどう位置付けられているかがよく分かって、非常に勉強になりました。

 私も感心したのは、私、かなり忌たんのない意見を言ったつもりなのですけれども、随分参酌していただいて、このまとめは非常によくまとまっているし、最後の文章でどう書かれるか分からないですけれども、今後、できることなら産学官の密な協働の下に、やはり次世代の放射光プラットフォームを含めた、あるいは次世代の放射光施設を含めて、ここでの議論をできるだけ生かして、新しい放射光科学の未来に向けて皆さん協働してやっていただきたいと思いますし、それが日本の今後の発展につながると思います。

 これまでの経緯、日本の技術は非常に進歩しているのにインテグレーションができないとか、そういう話になりましたけれども、それはどこでもそうで、私は、昨年から大学のマネジメントをやり始めているのですけれども、縦割りです。その縦割りも、行政側、あるいはユーザー側、施設側と含めて、こういう場でいろいろな分野の人と、異分野で議論することによって、やはりそれぞれの思いがあると思いますし、その中で、どこで共通して一つの方向をやっていけるか。今後、放射光プラットフォームが必ず実現するように見ています。あるいは、人材育成の面で、是非とも大型施設との共同研究を実現したいと思いました。

 7か月の間、この委員会に参加させていただきまして、最後に皆さんにお礼申し上げて、今後の皆さん方の発展をお祈りしたいと思います。ありがとうございました。

【高原主査】  櫻井先生。

【櫻井委員】  こういう会議は初めてですけれども、非常に勉強させていただきまして、お礼申し上げたいと思います。

 日本が抱えている問題の共通点が非常に見えてきたという感じがしました。こういう施設を造るだけではなくて、それを動かすソフトが非常に大事だということが、それは日本の欠けているところだと思いますので、是非、新しい放射光施設ができましたら、人材育成とか、そこを運営する施設、いわゆる運営面をしっかりさせていただきたいと思っております。1年間どうもありがとうございました。

【佐野委員】  1年間、本当にどうもありがとうございました。最先端の先生方のお話を伺い、こういった議論に参加させていただきまして、大変勉強になりました。

 私自身の感想としましては、放射光施設というのはやはり日本の科学技術なり、産業の下支えをしている非常に大きな基盤だと感じております。多分、費用対効果を考えたとき、これほど大きいものはほかには余りないのではないかと、最近、私は感じているところです。何回かの議論を通じて、私の知らないこともいっぱい勉強させていただきました。

 一つ思いますのは、私が初めて実験をやったとき非常に感動したわけですけれども、その感動をもっと若い方なり、ほかの放射光を知らない方にも味わっていただきたいと思いますし、我々、一般の方々にもっと放射光のすばらしさを伝えていくような努力をしていく必要があるのではないかと思っています。1年間どうもありがとうございました。

【杉山委員】  1年間どうもありがとうございました。

 私も全くのユーザーですので、装置のことは一から勉強させていただくという感じだったのですけれども、1年間、全回出席させていただきまして、ようやく全容がつかめてきたというところです。また、今ない波長域の放射光が必要であるという、すばらしい落としどころにもたどり着きましたし、分散型の放射光プラットフォームはすばらしいことだと思いますので、是非この2本立てを必ず実現していただきたいと思います。まだまだ放射光を使いたい方々は埋もれていますので、そういった人たちを引き込めるような、そんなうまいシステムを作っていっていただきたいと思います。以上です。

【曽我委員】  1年間ありがとうございました。

 私は、何回もいろいろな方のプレゼンを聞かせていただいて、異分野の方のお話を聞くというのは非常に新鮮で、興味深かったです。放射光にはこんな使い方もあるのかと非常に感動しました。

 もう一つ、今後ですけれども、やはり施設側とユーザー側のコミュニケーションを取ることが大事なのではないかと思います。例えば、ユーザー側でこんなことができたらいいと言っても、実際、熱望していることなのか、できなくても今は別に大丈夫だけども、もしできたらいいと思っていることなのか、なかなか区別できないかもしれないですし、逆に施設側の方から、これは難しいですと言われても、本当にサイエンスのレベルで不可能なことなのか、あるいは、やろうと思えばできるのだけれども、予算の問題とか運用の問題でできないのか、我々にはそこのところは区別できないということもありますので、今後、現場の人たち同士で施設側とユーザー側のコミュニケーションが取れればいいと思っております。ありがとうございました。

【廣瀬委員】  どうもありがとうございました。

 我々のところは地球科学ですけれども、我々の分野は頼もしいことに若手が非常に元気で、軟X線の施設ができそうだという話がちょっと広まっているものですから、それができたら一体どうしようかということで、若い人たちの中で非常に活発な議論がうちの分野ではされています。そういうことも含めて、若い人が今後、実際使うのは若い人たちなので、そういう人たちの意見もうまく吸い上げるようなシステムがあればという気がします。ありがとうございました。

【水木委員】  私も1年間ありがとうございましたと言いたいと思うのですけれども、こういう委員会に出るときに、多分、放射光は要らないのではないかと言う人はいないので、実はそういう意見を聞かないと、こんな有用なものが何で分かってもらえないのだろうとずっと思ったままになっている。多分、それは私が独りよがりになっているのだと。だから、私は世間を見ていないのではないかと思っています。こういう委員会で誰か、「いや、こんなもの要らん」と言う人が1人いれば、それに対していろいろな新しい説明の言葉も出てくると思うのですけれども、私自身、まだ成長していないなと思いました。

 もう一つ、こういう委員会で議論するときにとても重要と思うのですが、委員会ではない日に飲み会をやったらどうかと思いました。以上です。

【高原主査】  お願いします。

【渡邊委員】  1年間どうもありがとうございました。産業界からということで、いろいろ紹介させていただき、要望を言わせていただいて、大変感謝しています。

 今、水木先生が、放射光は要らんのではないかと言うやつが1人ぐらいいなくては駄目だというお話がありましたけれども、実は私、豊田中研の方で分析領域を担当する前は材料をやっていたのですけれども、何であんなものを使って取るのかとちょっと思ったことがありました。ただ、実際に使って、分析に来て、非破壊計測とか、オペランド計測をやっていく中で、ただ単にX線が強いだけぐらいにしか思っていなかったのですけれども、やはり材料開発に、その辺が本当に役に立つことが分かってきたということで、今は放射光、それから中性子を含めて、どんどん活用していかなければ駄目だとは思っております。

 ただ、そうは言っても、産業界の方からすると、ある意味ちょっとオタク的な方向に走ってしまうと、なかなか使えないことも多々ありますので、その辺りはまたいろいろこういう場とか、ほかの場で産業界の意見も取り入れていただきながら、うまく活用できるような設備、それから運用をしていただけると有り難いと思っています。

 本当にどうもありがとうございました。

【高原主査】  それでは、東北大学から代表して、どなたか1人お願いいたします。突然の御指名で申し訳ございません。

【進藤理事】  理事の進藤と申します。今回は、こちらの関係で調査を受託させていただきまして、また、このように毎回参加させていただきまして、私どもにとっても本当に勉強になりましたし、まさにどなたかおっしゃっていましたけれども、こういう放射光施設は本当に必要だということで、私自身が調査をしているだけでなくて、物すごく盛り上げられているというか、そういうような思いを感じたところであります。

 調査につきましても、初めにお言葉を頂いたのは、私どもの中ではどちらかというと分野固有の観点で、どういう技術が必要で、その中でどんな技術的性能が必要かという割と単性の議論だったのですけれども、今、こちらの報告書にあるように共通の課題とか、国際的な格差であるとか、実際の運用の問題とか、幅広い御意見を調査の範囲でも頂いて、そういう意味では非常に連動を感じたところでございます。

 1点、反省は、御案内のとおり、私どもどちらかというと軟X線を中心にやりたがっている傾向であると見られているせいか、意見を言われた方々は、そちらについては非常に緻密な御指摘を多々頂いたのですけれども、今日、ちょっと議論が出ていた高エネルギーのSPring-8IIの改善とか、自由電子レーザーとか、あの辺の当たりは、御指摘は幾つかあったのですけれども、これで全部網羅できているかという指摘が最後に出たりしているので、まとめ方は文部科学省様とよく御相談させていただきながら、最後、遺漏のない形で調査を仕上げさせていただきたいと思っております。

 本当に今回はありがとうございました。

【高原主査】  それでは、施設の方からお願いいたします。

【生天目副センター長】  広島大学の放射光センターですけれども、参加させてもらった大変勉強になりました。

 放射光の分野というのは、常に絶え間なく歩んでいく、変化していく、進化していくような分野だと思っておりまして、施設の方でも、スモールステップながらも日々展開していく、ユーザーのニーズを常に酌み取って、研究成果なり、学術成果なりが上がっていく方向に向かって変化していくような、そういう施設でないとつながらないと思って、日々、努力しています。そういう中で、今回の先端施設というのは大きなステップでの飛躍になるので、そこで一気に躍進していきたいと夢を持っています。そういった先端の部分がけん引して、隅々まで広がっていくような歩みの中で、サイエンスも発展するし、それに関わる人材もどんどんつながっていくような、途切れなくつながっていくような世界というか、そういう姿に貢献していきたいと強く感じました。

【高原主査】  ありがとうございました。それでは、JASRIの方から。

【熊谷理事】  JASRIの熊谷です。

 私は、多分、この委員会の中で唯一、加速器というハードウェアの人間ですので、もともと放射光をやっていたわけではないのですが、この委員会に出させていただいて、ユーザーの方が何をお考えなのかということが分かりました。放射光というのは分野が広いので、人によっては本当に伝統的な放射光の利用の方、そうではなくて、ラボ系できちんと小さな、だけ硬X線まで欲しいとか、いろいろな御意見をお持ちの方がたくさんいらっしゃるのが放射光分野なのかなと思いました。そういう意味で、施設として今後、何をしていくべきかという、いろいろなアイデアというか必要性がどこにあるかをお聞きしたのが、私にとっては非常によかったと思います。

 ただ、今ここで議論されている放射光施設というのは、加速器としてはある意味で性能がだんだん限界に近付いているということがありますので、今後、利用者の方が一体何特化した性能、どの部分に特化して、何をやるのかということをきちんと明確に整理されることが必要かと思います。総花的に、例えばバンチの長さだとか、輝度だとか、そういう性能をずらずらと並べると、多分、全部実現するのは不可能に近い。どれかがトレードオフになるので、例えば輝度を上げようと思ったときにビーム強度が上がってこなくなるとか、そういうことが考えられますので、ここら辺は施設側とユーザー側の方がきちんとキャッチボールをすることが重要なのかなと、そのことが今、非常に求められているのかなということが今回の委員会での私の感想です。

【高原主査】  ありがとうございました。それでは、分子研の方から。

【小杉施設長】  分子研の小杉です。

 利用者の方々からいろいろな応用例を紹介いただいて、施設側としても非常に勉強になりました。我々のところは軟X線の全てはカバーしないのですけれども、いろいろな利用者に、軟X線というのはこういうものだということをちゃんと施設としても示していかないといけない、軟X線というのは硬X線と違って、電子状態の突っ込んだ議論ができるので、熊谷理事の御意見もありましたけれども、その辺りをもう少し利用者とキャッチボールしながら、軟X線でどういう分析をすれば非常にいいかというようなところを示していかないといけない、と思っております。

 最近は、我々のところは学術研究とは言いつつ、産業利用も結構やっておりまして、逆にそちらの方が応用としては非常に広がっている感じがしますので、民間等も含めて御議論いただきながら軟X線のサイエンスを強化していきたいと思います。日本に本格的な軟X線の施設が要ることは間違いないのですけれども、既存の施設としてもがんばってやらねばという印象を持ちました。
どうもありがとうございました。

【高原主査】  それでは、高エネ研の村上副所長お願いします。

【村上副所長】  フォトンファクトリーの村上です。

 まず、多くの委員の先生方、非常に分野の多彩なところ、あるいは産業利用、学術、非常に広い範囲から、お忙しい中、集まっていただいて、非常に密に御議論いただいたこと、感謝申し上げたいと思います。

 放射光の次世代の光源ということで、どういうものが重要なのかということに対して私どもも非常に参考になりました。といいますのは、フォトンファクトリーも1982年に運転を開始して、相当年老いた施設ではありますが、今後、そういうものを次の施設に置き換えていくというところで、今回の委員会の議論というのは我々も非常に参考になった次第です。

 最後に、今日もありましたが、施設間の連携というところも非常に重要だということを私ども認識いたしましたので、是非そういうことをやっていきたいと思っております。

 どうもありがとうございました。

【高原主査】  では、石川先生、お願いします。

【石川センター長】  1年間どうもありがとうございました。いろいろなお話を聞かせていただいて、大変勉強させていただいたと思っております。

 放射光でございますが、SPring-8は山の中にあってなかなか使いにくいところもございます。それがいいところもあり、世界中のいろいろなところを比べてみますと、加速器の性能としてはすごいことが書いてあるのですけれども、全体の性能というのは加速器だけで決まらなくて、例えば立地やら何やらで決まってくるところがございます。山の中にあって静かなところだとある意味では限界性能が試せる、便利なところで皆さんに使っていただくというような、いろいろな組合せがあっていいのかなという感じがしております。

 その辺りで、皆さんに御議論いただいたアライアンスというのは非常に重要でございまして、その中にどういうコンポーネントをはめ込んで、全体として、私の余り好きな言葉ではないのですが、「成果の最大化」という何か定義のよく分からない言葉があるわけですが、それに向かっていったらいいのではないかと思っております。

【高原主査】  ありがとうございました。

 1年間、この委員会にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。私は、今回、主査という立場で、自分でプレゼンせずに、皆さんの御意見をお聞きして、いろいろ勉強させていただきました。

 実は、先週、アメリカ物理学会の方に行っておりまして、今朝5時にAPSから戻ってきたのですけれども、その中でちょっと私、心配なのは、日本のプレゼンスが非常に、日本からの参加者が非常に減っているということですね。その辺りは、先ほどの大学院、人材育成とも関連して非常に大きな課題だと思います。それと、いろいろな予算の枠組みがはっきりしないために、学生を外に出しにくくなっているということも日本はあるかと思います。その辺りが悪循環にならないように、私ども努力しなければならないと痛切に感じました。

 やはりアメリカの物理学会でも、硬X線の方から、今、特にソフトマターの方で軟X線がかなり使われ始めていまして、その辺りは、やはりこの委員会の提言という形をどこかにうまく入れて、量研室に頑張っていただいて、施設の方に持っていければと思っております。

 先ほどから話題に出ておりますように、アライアンスですね。私自身、J-PARCにSOFIAという反射率計をERATOで造りまして、それから理研の方とも一緒にプロジェクトで実験させていただいて、いろいろ継続的にやらせていただきました。それから、九州大学は佐賀にもビームラインがありますので、そちらでは軟X線を使っておりまして、自分自身の中ではアライアンスはできているのですけれども、それを全体に広げていくということをこれから努力させていただきたいと思います。

 量研室の皆様におきましては、この報告書、非常に短期間できちんとまとめていただきまして、2週間前ですか、私がこちらに来て1回お話をして、それから報告書の素案が来て、それにちょっとコメントをして、また改訂してという形で、非常に速やかにこれだけのものをまとめていただきまして、量研室の皆様の努力には非常に感謝をしております。是非、予算化していただくというのが私の強い要望ですけれども、予算化といいますか、次のステップに持っていっていただくということが私の要望であります。

 この委員会、私の拙(つたな)い進行で、うまくまとまらない部分もあったかと思いますけれども、1年間お付き合いいただきまして、どうもありがとうございました。これが将来につながると、若い人たちに新しいサイエンティスト、それからエンジニアリングを提供できるのではないかと思います。どうもありがとうございました。

 それでは、今報告書の今後の取りまとめ方針について、事務局から説明させていただきます。お願いいたします。

【岡村補佐】  改めまして、本日は活発な御議論、最後のお言葉も含めてですけれども、どうもありがとうございました。

 本日の御議論を踏まえて、また主査とも御相談させていただいた上で、事務局の方で報告書の素案を修正させていただきます。その際、本日、頂きましたいろいろな御意見の報告書への反映の仕方については、基本的に主査預かりということにさせていただければと考えておりますが、よろしいでしょうか。

 反映させた修正案の方は、最終的にメールで照会させていただいて、それについてまた御意見があった場合には、また頂いて、ということを1、2回と考えておりまして、今月下旬をめどに取りまとめたいと考えていますので、どうぞよろしくお願いいたします。年度末の大変お忙しい中で恐縮ですけれども、よろしくお願いします。

 先ほど少し既に申し上げましたが、報告書に添付するアペンディックスのような参考資料は、本日お示しした素案の修正版に加えて、これまでのワーキンググループで、お手元のドッチファイルにございますけれども、特に第1回の配付資料の資料3として「我が国の主な放射光施設の概要について」という資料、PFの取組、SPring-8の取組といった施設側、あるいは文部科学省からの資料がございますので、こちらから一部抜粋したもの。また、本日、委員の先生から御指摘ございましたが、これまでのプレゼンテーションの中からも有用なものを是非使わせていただきたいと思っております。その御相談というのは、また個別に差し上げたいと思っております。

 それで、今月末をめどに正式な報告書として確定させて、出来上がったものは文部科学省のウェブサイトに載せることも考えておりますし、付録も付けた上で冊子化して委員の皆様方に郵送してお配りするということを考えております。

 あと、これも毎度ですけれども、本日の資料につきましては、お手元の封筒にお名前を御記入の上、入れておいていただければ、事務局から後日郵送させていただきますので、よろしくお願いします。以上です。

【高原主査】  ありがとうございました。

 それでは、最後に工藤室長の方から御挨拶をお願いいたします。

【工藤室長】  1年間、皆様お忙しい中、足をお運びいただきまして、ありがとうございました。私の感触だと、やけに天気の悪い日、足元が悪い日が多かったのではないかという印象を持っていますけれども、その点を含めましてどうもありがとうございます。

 最後に、この報告書の位置付けといいましょうか、まずこの委員会そのものが、こういう形で放射光施設全般、しかもオールジャパン、オールジャパンという表現がちょっとどうかということはありますけれども、多分、施設を含めて議論するということは、記録を探ってみたのですけれども、実は過去に余りないのです。SPring-8設置時に遡るぐらいの時間がたっていて、恐らく先ほどの放射光、何で真空封止めアンジュレーターの技術が作られたのにかかわらずという話とか、その後どうなったのだとか、いろいろな御議論を頂いて非常に心苦しく聞いていたのですが、それらも含めると、国としては放射光に特化した形で議論したことがありませんでした。それにふさわしく多様な御議論をいただきましたし、私が当初想定したよりはるかに大きなものなので、正直、これをどうハンドルしようかと考えているところです。

 やはりそういった新たなステップ、本当に何十年ぶりかに考えられたこと、新たなステップにふさわしい内容を頂いたと思いますので、これを、新しい政策、冒頭、局長からも次の科学技術基本計画というお話もございました。これはこれで日本全体の中で放射光がどこまで入れるかという難しい面はあるのですが、それとはまた切り離した形で放射光全体として、また放射光から広がる形だと量子ビーム、他のデバイス、こういったものを含めて多層的な量子ビーム施設との連携など、新しい政策を打っていけたらと考えます。

 本当に皆様、1年間ありがとうございました。

【高原主査】  ありがとうございました。

 それでは、以上をもちまして、全8回の次世代放射光施設検討ワーキンググループを終了いたします。終了いたしますが、また皆さんにメールで今回の報告書についても届くと思います。事務局の方から、なかなか返事がないということもお聞きしておりますので、是非、改訂すべき点があれば御意見の方をよろしくお願いいたします。

 皆様の御協力によって、このような形で議論をまとめることができました。委員の皆様には心からお礼申し上げます。どうもありがとうございました。

お問合せ先

科学技術・学術政策局研究開発基盤課量子放射線研究推進室

(科学技術・学術政策局研究開発基盤課量子放射線研究推進室)