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次世代放射光施設検討ワーキンググループ(第1回) 議事録

1.日時

平成26年6月10日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 3階 特別第2会議室

3.議題

  1. ワーキンググループの目的と趣旨について
  2. 議事運営について
  3. 我が国の主な放射光施設の概要について
  4. Photon Factory及びSPring-8のこれまでの取組について
  5. 今後の検討事項等について
  6. その他

4.出席者

委員

高原主査、内海委員、尾嶋委員、上村委員、北岡委員、小松委員、櫻井委員、佐野委員、菅原委員、杉山委員、曽我委員、水木委員、渡邉委員

文部科学省

川上科学技術・学術政策局長、工藤量子放射線研究推進室長、神部量子放射線研究推進室長補佐

5.議事録

【神部補佐】  定刻になりましたので、これより次世代放射光施設検討ワーキンググループを始めさせていただきたいと思います。
 本日は、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 本日は、最初の30分程度で本ワーキンググループの目的、趣旨またその議事運営について確認をさせていただきたいと思います。残り1時間半程度で我が国の放射光施設における現状などについて説明を行い、最後に今後の進め方について確認をさせていただきたいと思います。
 議事に先立ちまして、本ワーキンググループの主査を指名させていただきたいと思います。主査を高原委員にお願いさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
                            (「異議なし」の声あり)
【神部補佐】  それでは、ここからは議事進行を主査にお渡ししたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【高原主査】  ただいま委員長に御指名いただきまた九州大学の高原でございます。
 専門の方はソフトマテリアルの構造と物性ですけれども、数年前、十何年前から放射光の方、使わせていただきまして、様々な成果の方も出てまいりまして、非常に放射光の有用性というのを認識しております。
 ますます放射光に関しましては、アカデミア、それから産業界共に有効な手段として今後発展していくと思われますので、次世代放射光施設検討ワーキンググループでは、皆様の御意見を活発に御討論いただきまして、これから1年近くの長丁場ですけれども、この委員会を進行させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に移ります。始めに事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
【神部補佐】  それでは、事務局より配付資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の資料を御確認ください。
 まず1枚目としまして、議事次第、本日の議事次第の1枚紙がございます。続きまして、資料1としまして、本ワーキンググループの設置について、がございます。続きまして、資料2としまして、本ワーキンググループの議事運営等について、がございます。続きまして、資料3、パワーポイントの横長の資料でございますが、「我が国の主な放射光施設の概要について」の資料でございます。続きまして、資料4-1、KEK、物構研、Photon Factoryのこれまでの取り組みについて、資料4-2、SPring-8、これまでの取り組みについて、でございます。続きまして、資料5-1、ワーキンググループの開催計画について、資料5-2、ワーキンググループプレゼン項目について、でございます。そのほか、机上配付資料としまして、パワーポイントの横長の資料、1枚紙で、イノベーション創出に向けた低エミッタンス放射光施設に関する調査研究(仮称)の資料がございます。
 欠落などございましたら、事務局までお問い合わせいただければと思います。
【高原主査】  よろしいでしょうか。
 それでは、議題1の「ワーキンググループの目的と趣旨について」ということで、事務局より説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【工藤室長】  皆様、おはようございます。量子放射線研究推進室長の工藤でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料1の「次世代放射光施設検討ワーキンググループの設置について」の紙について御説明させていただきたいと思います。
 既に御案内かと存じますけれども、我が国の放射光の研究、開始されてから約半世紀が経過しておりまして、この間に放射光というものが学術研究から産業応用まで利用される、科学技術において非常に重要な基盤的研究施設になったというような状況でございます。
 しかしながら、この間に、主要な施設が日本国内に9つございますけれども、特に大きく主要施設とされていますKEKのPFと、それから理研のSPring-8が運用開始からかなりの時間がたっております。多くの成果を生み出しているのですが、やはり老朽化というのが目立ってきている状況にございます。この間、同じようなリングに関しましては、諸外国でもいろいろ新しいものができております。
 こういったものを勘案すると、今後、放射光というものが、今、我々、社会が直面している課題に対してどのような科学技術で応え得るか。更にその応え得る科学技術という中で、放射光というものはどういった役割を果たすのか。こういった点についてこの場におきまして御議論いただきまして、課題と解決策、それから、どのような放射光が求められるのか、この点について幅広く御議論いただければと考えております。
 資料の中で2ポツで検討課題を記載しております。今申し上げたとおり、社会的・科学的課題の解決に当たり取り組むべき研究課題といったものはどういったものか。それから、研究課題に対して次世代放射光施設がどのような貢献をし得るか。更に新たに考えられる次世代放射光施設の運営の在り方、こういったものも、この半世紀の研究の歩みと、それに付随します蓄積、これを踏まえまして、どのようなものが期待されていくかというのを御議論いただければと思います。
 あと、お手元にこの緑のイノベーション創出に向けた低エミッタンス放射光施設に関する調査研究という資料を配付させていただいています。こちらは、本年度予算化されておりまして1,000万の予算が措置されています。この調査につきまして、公募をいたしたところ、東北大学さんに委託契約という運びになります。この調査内容自体は、今回、この場で皆様に御議論いただく内容に非常に近しいものを持っておりまして、この場で御議論いただいた内容を是非調査にフィードバックしていただきます。ライブでいろんな御議論されると思うのですけれども、そこで出たような課題につきまして、調査チームに対して、こういった視点での議論がなされた、その議論についてどう深掘りしたらいいかという視点というものをお伝えいただくと。こういう趣旨を持ちまして、今回、オブザーバーとして東北大学さんにこの場に来ていただいておりますので、是非よろしくお願いいたします。
 私からは以上でございます。
【高原主査】  それでは、ありがとうございます。何か質問等ございましたら、お願いいたします。
 特にないようでしたら、続きまして、委員の紹介を事務局よりお願いいたします。よろしくお願いします。
【神部補佐】  事務局より委員の御紹介をさせていただきます。お手元の資料、資料1、ワーキンググループの設置についての、2枚目をごらんください。こちらの方に本ワーキンググループの委員の名簿がございます。名簿に沿いまして委員を御紹介させていただければと存じます。
 委員の皆様におかれましては、名簿の順にお名前をお呼びいたしますので、名前が呼ばれましたら御起立をお願いいたします。
 では、まず、本ワーキンググループの主査を務めていただきます高原委員でいらっしゃいます。
【高原主査】  高原です。よろしくお願いいたします。
【神部補佐】  続きまして、内海委員でございます。
【内海委員】  内海でございます。よろしくお願いいたします。
【神部補佐】  続きまして、尾嶋委員でございます。
【尾嶋委員】  尾嶋でございます。よろしくお願いいたします。
【神部補佐】  続きまして、上村委員でございます。
【上村委員】  上村です。よろしくお願いいたします。
【神部補佐】  続きまして、北岡委員でございます。
【北岡委員】  北岡でございます。よろしくお願いいたします。
【神部補佐】  続きまして、小松委員でございます。
【小松委員】  小松でございます。よろしくお願いします。
【神部補佐】  続きまして、櫻井委員でございます。
【櫻井委員】  櫻井です。よろしくお願いします。
【神部補佐】  続きまして、佐野委員でございます。
【佐野委員】  佐野でございます。よろしくお願いいたします。
【神部補佐】  続きまして、菅原委員でございます。
【菅原委員】  菅原です。よろしくお願いいたします。
【神部補佐】  続きまして、杉山委員でございます。
【杉山委員】  杉山と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
【神部補佐】  続きまして、曽我委員でございます。
【曽我委員】  曽我でございます。よろしくお願いいたします。
【神部補佐】  続きまして、水木委員でございます。
【水木委員】  水木です。よろしくお願いします。
【神部補佐】  続きまして、渡邊委員でございます。
【渡邊委員】  渡邊でございます。よろしくお願いいたします。
【神部補佐】  それから、本日は御欠席となっておりますが、東京大学の雨宮先生、京都大学の北川先生、東京工業大学の廣瀬先生にも本ワーキンググループの委員をお願いしてございます。
 また、ワーキンググループの委員のほかに、本ワーキンググループでは、関係機関の方々にオブザーバーとして出席していただいております。本ワーキンググループの議論においても、オブザーバーの方々からも意見を頂戴できればと考えております。
 最後に、文部科学省の出席者を御紹介させていただきます。研究開発基盤課量子放射線研究推進室の室長の工藤でございます。
【工藤室長】  よろしくお願いいたします。
【神部補佐】  それから、私が室長補佐をしております神部でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 また、局長の川上でございますが、本日、出席し御挨拶をさせていただく予定だったのですが、別件が入ってしまいまして、そちらの用務が終わり次第、こちらに、参加する予定になっております。
 以上でございます。
【高原主査】  ありがとうございます。それでは、本ワーキンググループの議事運営につきまして、事務局から説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【神部補佐】  本ワーキンググループの議事運営について御説明させていただきたいと思います。資料2の「議事運営等について」をお手元に御用意ください。
 本ワーキンググループの議事運営については、資料2にあるとおり決定したいと思います。その内容について御説明させていただきます。
 まず第1条に、本ワーキンググループの議事の手続、その他のワーキンググループの運営に関し必要な事項をこのワーキンググループの議事運営等に定めることを記載しております。
 第2条としまして、本ワーキンググループにつきましては主査が招集することとします。
 また、ワーキンググループの会議の主査がワーキンググループの議長となり、議事を整理いたします。
 また、主査がほかの用件によりワーキンググループに参加できない場合を想定しまして、主査の代理を置かせていただきます。主査代理におきましては、主査があらかじめ指定する者が主査代理に当たっていただきます。
 主査代理におかれましては、主査の職務を補佐し、また、主査が検討ワーキンググループの会議に出席できないときは、その職務を代理していただきます。
 また、主査が必要であると認めるときには、本ワーキンググループに必要とする者の出席を求め、意見を聴取する、また、説明を聞くことができることとしております。
 続きまして、第3条でございます。主査は、やむを得ない理由により検討ワーキンググループの会議を開く余裕がない、また開くことができない場合におきましては、書面等を構成員に送付し、または意見を聴取することでその調査審議を行うことができることとしております。
 この前項の規定により調査審議を行った場合には、主査は次の会議においてその内容を報告することとしております。
 続きまして、第4条でございます。検討ワーキンググループの会議資料につきましては、原則として公開としております。ただし、次に掲げる事項に関しましては非公開にすることとしております。
 まず1つ目としまして、非公開情報等を使用して議事を運営する場合など、主査が、非公開が適当であると認める場合でございます。
 そのほか、審議の円滑な実施に影響が生じるものとして、本検討ワーキンググループにおいて非公開にすることが適当であると認める場合においても、非公開とすることができるとしております。
 続きまして、第5条でございます。第5条におきましては、検討ワーキンググループにおける議事概要に関する内容でございます。検討ワーキンググループの主査は、検討ワーキンググループの会議の議事概要を作成し、それを構成員に諮った上でこれを公表するものとしております。
 また、検討ワーキンググループが、その前条、会議資料の非公開のところでございますが、前条の各号に掲げる場合には、主査が検討ワーキンググループの構成員に諮った上で当該部分の議事概要を非公開とすることができるとしております。
 第6条でございます。本ワーキンググループにつきましては、属する委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができないとしております。
 最後、第7条でございますが、これまで第1条から第6条に説明してきたもののほか、必要がある場合におきましては、検討ワーキンググループの主査が当該ワーキンググループに諮った上で定めることとしております。
 以上でございます。
【高原主査】  ありがとうございます。何か御質問等ございましたら、お願いいたします。
 特にございませんでしょうか。
 そういたしましたら、今後、資料1及び資料2に基づいて本会議を運営することとしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料2の第2条に基づいて、本ワーキンググループの主査代理を指名したいと思います。主査代理を大阪大学の北岡委員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
                            (「異議なし」の声あり)
【高原主査】  ありがとうございます。
 それでは、私が不在の場合は、代わって職務を行っていただくようお願いいたします。よろしくお願いいたします。
 それでは、次の議題の方に移りたいと思いますけれども、これから後、十分に時間をとって議論を進めるような形に持っていきたいと思いますけれども、議題の3のところ、「我が国の放射光施設の概要について」ということで、事務局より説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【工藤室長】  それでは、資料3、我が国の放射光施設の概要についてという資料がお手元にございますけれども、こちらに基づきまして、非常に簡便ではございますけれども、概況の方を説明させていただきたいと思います。
 1枚めくっていただきます。スライドを今回用意してきておりませんので、お手元の資料のみになります。最初に、我が国の放射光施設の主な経緯という資料がございます。こちらを見ていただきますと、先ほど放射光研究が我が国で始まってから大体50年、半世紀と申し上げましたけれども、これは世界的にも古い方と伺っております。
 まず60年代におきまして、東大原子核研究所が設立され、その核研の電子シンクロトロンESというものが試運転を成功。ただ、この当時、まだ放射光施設専用施設ということではなく、あくまでも他の研究、加速器にある種寄生すると申しましょうか、そういった形での運転というのが主流であったというふうに伺っております。
 その後、60年代の後、1974年にSORリング、こちらで放射光専用機としては世界初の装置というものが建設されます。
 更に1983年にフォトンファクトリーが利用を開始され、我が国では放射光施設で初めて挿入光源を導入したものとなっております。
 これに続きまして、UVSOR(極端紫外光研究施設)の利用開始が次の年に始まっております。
 その後、多少時間が過ぎまして、1980年代におきまして、1988年に日本原子力研究所、日本原子力研究開発機構の前身になりますけれども、こちらと理化学研究所が大型放射光施設研究開発チームというのを設立いたしまして、これがその後、1997年の大型放射光施設SPring-8の利用開始というふうに、約10年の検討期間、建設期間等を経て利用が始まっております。
 その後、同年には、ほかにも、フォトンファクトリーのアドバンスドリングの利用開始や広島大学のHiSORの利用開始というのが重なっております。
 その後、1990年代後半以降になりますと、各地におきまして比較的いろんなリングが立ち上がるというのがございまして、99年には立命館大学のSRセンターが利用開始され、更にその翌年には兵庫県立大学のNewSUBARU、更に2006年になりますけれども、佐賀県におきまして、SAGA-LSが利用開始されております。
 更に2012年にX線自由電子レーザーSACLA、こちらの方も利用開始がなされました。引き続いて、AichiSRがその翌年には始まっています。
 
 もう1枚めくってください。こちらには、過去における政府の計画等の文書におきまして、特に大きなもの、個別の審議会の答申等には、確かに学術、それから科学技術双方につきまして、今申し上げた施設についての記載はあるのですけれども、政府全体の大きなものとなりますと、法律に基づき策定されております科学技術基本計画がございます。こちらは5年に一度の改定を迎えておるのですけれども、我々の方で調べた結果、直接放射光なり光科学を名指しした記載があったのは、直近のこの2つでございまして、第3期科学技術基本計画、これは2006年につくったものなのですけれども、先端大型共用設備の整備・共用の促進という枠組みで次世代スーパーコンピューターや次世代放射光源のような最先端の大型共用研究設備は、産学官の様々な組織から最も適した組織を選択肢、公平で効率的に整備・共用を実施するというようなことや、大学共同利用機関等の大型研究施設・設備を含めて優先順位を付け、計画的に整備を行うというものが記載されております。
 さらに、最近策定されました第4期の科学技術基本計画ですが、こちらも、科学技術共通基盤の充実、強化という項目の中に、先端計測及び解析技術等の発展につながるナノテクノロジーや光・量子科学技術につきまして、複数領域に横断的に活用することが可能な科学技術や融合領域の科学技術に関する研究開発を推進すると、こういった表現で放射光について言及がなされております。
 もう1枚めくってください。これは皆様既に御案内になっている各施設の日本地図の配置になります。こちらが今現在、各地に置かれている放射光源でございます。こちらの方、また後でごらんになっていただければと思いますけれども、現状、大体、太平洋ベルトと申しますが、ここに一列になる形で配置されているのが若干興味深いとと思っております。
 もう1枚お願いします。各放射光施設は、それぞれ得意とするエネルギー領域というものがございます。これを図示化してみたものでございます。縦軸にブリリアンスを置いて、横軸にエネルギーを見てみますと、一番左の真空紫外領域におきまして、広島大学、HiSOR、続いて、100エレクトロンボルトの領域におきまして、SAGAライトソースや、兵庫県のNewSUBARU、AichiSRといった、各地のローカルリング。更にこの上の輝度の部分におきまして、分子研のUVSORが若干広い領域を持って保っております。更に軟X線領域につきましては、右に移ると、KEK、PFが、これももう少し高いレベルの輝度の領域を保っているとともに、更にそれより大きな硬X線の短波長の領域におきましてSPring-8が並んでいるというような状況でございます。
 もう1枚お願いいたします。それぞれに得意領域、研究の主要な分野というのがございます。硬X線領域、SPring-8におきましては、約0.2ナノメートル以下の短波長の光におきまして、主に結晶構造解析、こういったものが主流になっております。更に軟X線領域、これは先ほども見ていただいた前のページにおきますと、PF等が非常に得意としている領域ですけれども、0.2ナノメートルから10ナノメートルの光としまして、これは局所的な電子・スピン状態の選択的な計測が可能になるというようなものになります。
 さらに、真空紫外線領域、これはUVSORで顕著ですけれども、物質中の電子状態を全体的に捉えることが可能であるというふうになります。
 それぞれ、得意な解析手法というのがこちらの表にまとめております。こうして見ていただくと、高エネルギー領域のX線におきましては、解析・散乱を用いたものが主流になっており、低エネルギー領域では、分光による電子状態研究というのが主流になっているというようなものが大体図示できるかと思います。
 次のページ、お願いします。ここから若干数字的なものをビジュアライズしたグラフが続くのですけれども、おおむねこれまで放射光研究、皆様の御尽力もございまして、右肩上がりで推移してきております。ただ、ここ数年は、運転時間等が、特に震災以降確保できなかったということもございまして、伸び悩んでいるところでございますが、大体今申し上げたとおり、おおむね過去から増えてきているというのがあります。
 論文数としてはまずこういった数字を見ていただきまして、続きまして、もう1枚めくってください。特許申請件数、こちらも順調に伸びてきてはいるのですけれども、ここで近年、24年、25年、若干落ち込んでいるように見えますが、特許申請については、御案内のとおり、申請してからこういう形でカウントされるまで若干タイムラグがございます。平成24年、25年につきましても、相当数の特許申請数が得られるのではないかなと考えております。
 更に1枚めくっていただきます。こちらは、各アクティビティの利用者、これはユニークの研究者数でまとめております。こちらもほぼここ10年の間、施設が増えたということもあり、かなりの人数が増えてきて、右肩上がりで伸びてきております。
 次のページの方は、逆に今度、延べ利用者人数のことを表しておりますけれども、こちらもほぼ同じような推移のグラフを示しております。
 この利用者数からすれば当然のことではございますけれども、その次の資料の実施課題数におきまして、こちらもほぼ同じような伸び率を示しております。
 更にその次のページに日本地図で各地の放射光施設の運転時間と実績時間、利用時間との割合を図示したものをお示ししております。こうして見ますと、かなりの運転時間が確保できていることと、その利用時間につきましても、運転時間の中のかなりの部分がマシンタイムの方に割かれているというような形で見てとれます。
 その次、これ、世界で比べるとどうなのかという点ですけれども、これも世界的に見ると、大体同じ割合ではありますが、ただ、運転時間そのものは、特にヨーロッパを見ますと、DIAMOND、SOLEIL等を見れば、6,000時間、大体5,000時間オーバーというのが基本になっているところ、日本ではこれがなかなか確保できていない。SPring-8においてようやく4,000時間を超えるところと、こういった状況にございます。こちらの方の運転時間を何とか確保していくというのが我々行政としての責務だとは思っているのですけれども、これ、予算等、昨今の財政事情を鑑みると、弁解的になってしまいますけれども、なかなか達成するのが難しいという状況にございます。
 これから先は施設ごとの最近の主な成果になります。こちらの方、時間の関係もございまして詳細に御説明するということにはいたしませんけれども、またお目通しいただきまして、今回せっかく施設の方もオブザーバーとしてご参加いただいておりますので、必要に応じて御質問等いただければと思います。
 私からは以上です。
【高原主査】  ありがとうございます。非常に詳細に資料を集めていただいて、わかりやすくまとまっていると思いますけれども、せっかくの機会ですので、何か御質問等ございましたら、お願いいたします。
 ございませんでしょうか。
 それでは、引き続いて各施設の方から取り組みについてお話しいただきますので、それとあわせまして、ただいまの工藤室長様からの概要とも関連してまいりますので、御質問いただければと思います。
 続いて、議題4、Photon Factory及びSPring-8のこれまでの取り組みについてということで、資料4-1の御説明を本日オブザーバーとしてお越しいただいている高エネルギー加速器研究機構の村上先生から、それから、資料4-2の御説明を理化学研究所の石川センター長にお願いしております。お二方の御発表が終わりましたら、質疑応答の時間をまとめてとりたいと思います。時間の方は十分ございますので、御説明の方、よろしくお願いいたします。
 まず村上先生、よろしくお願いいたします。
【村上副所長】  KEK・物構研の村上です。それでは、私の方からKEK・物構研・Photon Factoryのこれまでの取り組みということで御説明させていただきます。
 お手元に資料ございますが、前のスライドの方も使いまして御説明させていただきたいと思います。
 まず施設の概要ということですけれども、KEKは御存じのように大学共同利用機関でございまして、そこにあるPhoton Factoryも、主たるミッションは大学共同利用をきちんとやるということで、次世代の人材育成を中心に研究、教育を進めております。
 そこでは先端的な研究だけではなくて、いわゆる汎用的な利用という、そういうものも両立させてやっているという状況であります。
 我々、キャンパス、つくばにございまして、右上のところに航空写真がありますけれども、PFのリングとPF-ARという2つのリングを使って研究教育を行っております。
 それぞれ、ビームラインの数でいいますと、22本、8本、それから、ステーションの数でいいますと、39本、8本、8ステーションということになっておりまして、この2つのリングを、測定器及び光源、リングの方の人も合わせて、事務職員、ポスドク、任期付きの方々合わせまして、100人程度で運営しているという状況でございます。
 PFの方は、電子のエネルギー2.5ギガエレクトロンボルト、PF-ARの方は6.5ギガエレクトロンボルトですので、PFの方は比較的低いエネルギー領域の光を利用し、PF-ARは更に高いところのX線の方の光を利用した研究を行っております。
 運転時間などは、既に表もありましたが、約4,000時間、昨年度のユーザー運転時間は3,500時間程度でありまして、利用者人数としましては、三千数百人、去年ですと3,100人程度です。その中で特徴的なのは、大学院生の数が1,300人を超える数がいるということでございます。
 次のページに行きますと、施設の利用制度・スキームであります。ほとんど多くは、そこの表の左側にありますアカデミック利用というところが中心でありまして、それぞれのタイプの、右肩に数字が書いていますけれども、これは昨年度の有効課題数を書かせていただいております。ですので、アカデミック利用のG型課題というのがほとんどの利用でありまして、それはいわゆる一般の利用であります。それ以外に、P型と呼んでいます予備実験とか初心者実験をやるもの、それから、S型、S1、S2とありますが、特別に推進すべき課題を申請いただいて、特別に審査してやるもの。それから、緊急にやらないといけないものはU型と呼んでおります。それから、国家プロジェクトなどにきちんと対応していくために、優先利用という枠も設けておりまして、これは成果公開が原則ですけれども、ここは有料の使用となっております。左上のところに円マークがついているのが有料という印です。つい最近ですけれども、T型という新しい課題を設けまして、これは博士課程の大学院生が自ら申し込んで利用するというものになっております。
 ここが中心ではありますが、Photon Factoryでは、企業などによる利用も盛んに行われていまして、いわゆる施設利用というもの、これは企業がお金を払っていただいて、企業の方が実験を行うというものですが、一方共同研究というのもございまして、これはPhoton Factoryの職員等が一緒に研究をやるスキームになっております。
 それから、先端研究基盤共用のプラットフォーム形成事業というものもやっておりまして、より広く企業を中心とした産業利用に活用していただくために事業をやっておりまして、特にプラットフォームという考え方で、光ビームプラットフォームという考え方で、光ビームプラットフォームというものを昨年度からやらせていただいておりまして、Photon Factoryはその幹事機関として全体を取りまとめるという立場でやらせていただいております。
 それから、内部スタッフの利用ですけれども、スタッフ優先と施設利用という2種類がございまして、十分に内部のスタッフもそこで研究開発を行うということをやっております。
 ビームラインですけれども、ほとんどが共用のビームラインでありますが、専用ビームラインというのもありまして、そこでは50%までは一般の課題を受け入れていただくことになっておりますが、例えばインドが作っておりますビームラインがございまして、先日安倍総理大臣がそこでの成果を期待するというような御発言もございました。
 一方で、企業のビームラインとしては、アステラスでありますとか、今ほとんど建設は終わりましたが、日立さんの方にもビームラインで利用していただいております。
 主な放射光の共同利用の審査システムが左下にありますが、ここでは年2回申請していただいて、いわゆるPF-PACと呼んでいますが、そこで審査いただきます。今5つの分科会に分かれておりまして、それぞれの一つ一つの課題に対して3名のレフェリーを、一番適切なレフェリーを頂いて、その結果を報告していただいて、それぞれの分科会で議論するということになっております。
 ここでは、それぞれの課題につきまして点数を付けていただきまして、実際のビームタイムの配分はその点数に基づいて、それぞれの各機で行っておりますので、フレキシブルな配分ができるということになっております。その結果は物構研の運営会議に報告するという形になっております。まあ、審議していただくということになっています。
 次のページに行きますと、経緯です。これは一々御説明は省かせていただきますけれども、青っぽいところの四角がPFに関するところで、赤っぽいところがPF-ARに関するものであります。PFは、1982年から動いて、1983年に供用を開始しておりますが、一方、PF-ARでは1987年からやっております。数々のアップグレードを経まして、例えばPFですと、エミッタンスが最初300ナノメートルラディアンであったのが、現在では36ナノメートルラディアンまで来ておりますし、PF-ARの方も、数度の改装をしております。
 一方、運転の条件と書いていますのは、いろいろな運転モードですけれども、そういうモードも利用の要求に合わせて改善しておりますし、光源の方の改造はもちろんですが、挿入光源なども世界に先駆けて幾つかのことをやっております。
 下の方に棒グラフが書いていますのは、横軸、年度ですが、利用しているビームラインの本数でして、一時期は60本に近いところがありましたが、現在ではより有効な効率的な利用ということで、PFでは39ステーション、PF-ARでは8ステーションの利用になっております。
 次のページがPFの高度化ということを示したスライドでありますが、上の2つがPFの絵が描いていますけれども、PFの中でのいわゆる挿入光源の利用の仕方を簡単に書いたものでして、右側が中長直線部を利用したもので、これは主にエネルギーの低いVUVとか、ソフトエックスレイのところの整備でありまして、ここがBL2番、13番、16番、28番と、比較的長くスペースを取れるところに挿入光源を入れて、PFは比較的エネルギーが低いですので、そこに力を入れた運営をやっております。
 一方で、ユーザーの数がかなり多いX線のユーザーも十分満足させるために、短直線部にここでは短周期のアンジュレータというものを入れまして、光を増強するということで、1番、3番、15番、17番というものを順番に整備していっております。
 自動測定・遠隔利用ということに関しては、いろいろな部分、試料交換など、試料周りを世界に先駆けて整備するということをやっておりまして、こういう整備のところは、たんぱくビームラインが先行しておりますが、粉末回折とか、XAFSなどもそれを広げていっている状況です。
 さらには、利用技術の基礎的なものということで、これも世界に先駆けて、IPの検出器でありますとか、XAFSの測定周りとか、あるいは高圧の研究のプレスとか、そういうものを開発してきた状況です。
 次のページは、ユーザーとの連携ですけれども、PFでは2012年からユーザーの団体としてPF-UAというものができました。それまではPF懇談会というものでありましたが、ここでは全てのPFのユーザーがこのUAに入るということで、全体の運営をPFと協力して行うということで、PFの運営にかなり主体的に参加いただいているというのが特徴かと思います。
 その一端としましては、PFのユーザーグループが実際に幾つかのステーションを運営するという、そういう運営の仕方をしております。
 その下にPF-UAの組織図がございますが、各種委員会とともにPFユーザーグループ、各ユーザーグループというのがここに属していまして、ここに書いていませんが、全部で32、ユーザーグループの数が今ございます。
 次のページへ行きますと、人材育成に関する貢献ということですけれども、上のグラフは、棒グラフは、数字が左側ですけれども、博士論文及び修士論文の各年度での数、それから、赤線で書いていますのが積算で右側の数字になっております。積算でいいますと、全部で今、2,600報を超える博士論文及び修士論文の数を輩出しております。
 これ、実は修士論文はもっと出ているのでないかと我々は思っているのですけれども、博士論文でいいますと、大体最近では年50報程度の博士論文が出ているということであります。ここではそこを区別しておりません。
 一方、大学の運営ステーションというのも数本ございまして、そこでは大学での学生の実習や学生実験など、単位取得のためにも利用していただいておりますし、T型課題というのは、最初の方のページで述べましたが、新しく大学院生が自ら申請するというものをやっております。
 そのほか、総研大とか、特別共同利用研究員とか、あるいはサマーチャレンジなどを通じて人材育成に努力しております。
 次のページから以下が主な成果ということでありますけれども、登録論文の数ですが、これは棒グラフが、左側の数字でありますが、現在約600報から700報、年間に出ております。これをずっと積算していきますと、約1万5,000報のものがありまして、Nature関連紙が150報程度、Scienceが38報程度出ております。
 次のページへ行きますと、これは被引用回数というもので、トップ5を書いたものですが、多いところですと2,400程度のもの、これはマルチフェロイクスに関するものですが、2番目は2,000回程度ですが、2番目と4番目、5番目がたんぱく質の構造解析をしたものになっておりまして、3番目はナノクリスタルに関するものであります。
 次のページへ行きますと、これはちょっと特別なので、一々申し上げるよりも、代表的なものということで、Ada Yonath先生の例を示しております。Ada Yonath先生がノーベル賞の受賞対象となったのは、2000年及び2001年のリボゾームの構造解析ですが、その前に10年に及ぶPFでの基礎的な研究がございます。それは、結晶の凍結法の開発でありますとか、あるいは、結晶を準備して解析する手法、いわゆる位相決定の方法などの研究をPFでやっておられます。こういうものが基礎となってノーベル賞の受賞につながったものと考えております。
 次のページは、リボソームにおける位相決定の方法の仕方ということで、タングステン・クラスターを入れた、下の赤っぽい絵は電子密度図でございますけれども、緑とかの部分で示しているのがタングステンのクラスターであります。
 次のページへ行きますと、これはノーベル賞レクチャーの中のアクノリッジメントの中で、PFのことも書いていただいております。
 次のページに行きます。同じく、白川先生もやはりPhoton Factoryのユーザーでありまして、白川先生の場合は逆にノーベル賞の対象となったのは導電性のポリアセチレンの合成ということで、1977年に出ておりますが、その後実は1980年代にPFの方で、特に臭素ドープのポリアセチレンということで、局所構造、EXAFSを使った研究を続けておられまして、筑波大及びPFとの共同研究となっております。
 次のページへ行きますと、これが実際に出されておりますペーパーのEXAFSの結果で、結論としては、5%から60%のBrドープをしたものにおいて、Br-Cの結合距離というのがほぼ同じであるというような結論をこういうところで出されております。
 次のページに行きます。最後のページですが、これは逆にごく最近のやつを、物質科学と生命科学のものを選んだもので、先ほどの文科省の方からの御説明とは違った成果を出させていただいております。
 物質科学として1つ、鉄系超伝導ということで、東工大の細野先生が非常に目覚ましい成果を出されておりますが、最近、酸素の代わりに水素を入れることによって非常に高濃度までドープできるということを示されておりまして、これは酸化物一般に適用できるかもしれないということで、非常に大きい話題を呼んでいますが、これは鉄系の超伝導に対して水素を入れたもので、新しいフェーズ、磁気秩序相が見つかったという結果であります。右側の図の中、赤っぽいものが2つの磁気秩序相で、左と右側にありまして、真ん中のあたりに超伝導相という水色っぽいものがあります。それぞれ近い方の磁気秩序相が、それぞれの親の物質であるということがこの研究から明らかになっておりまして、これは実は放射光だけではなくて、中性子、ミューオンという物構研が持つマルチプローブを全部使った研究であります。
 下の方は、ウイルス侵入を感知する、免疫系を活性化するたんぱく質の構造解析ということで、TLR8というものでありますけれども、ある種それが活性化したときには、構造を見事に変えて、その機能を果たすということで、その構造の解明をしたという結果でありまして、この結果は薬とかワクチンの開発につながると期待されております。
 以上です。
【高原主査】  ありがとうございました。後ほどまとめて御質問、御討論の方をお願いしたいと思いますので、続きまして、石川先生、よろしくお願いいたします。
【石川センター長】  では、引き続きましてSPring-8でのこれまでの取り組みについてお話をさせていただきます。お手元に資料がございますが、前の方も使って御説明させていただきます。
 SPring-8、もともとSuper Photon ring-8 GeVという名前から来たわけでございますが、最近ではSolving-Problems ring-8 GeVではないかというふうに言っております。
 建設期間でございますが、これは91年から97年で建設をしまして、97年の10月に供用を開始しているところでございます。
 電子エネルギー、8ギガエレクトロンボルト、周長が1,500メートルでございまして、2013年度の課題数、1,800件、利用者数が1万3,000人強、産業界から20%というのが、これがある意味で世界的に非常に大きな数になっておりまして、SPring-8を特徴づける1つの数字になっているわけです。今まで、1997年から17年たっているわけでございますが、総累計利用者数で約17万人と、大体1年間に1万人ずつ増えているという形でございます。
 次のページにまいりまして、利用制度でございますけれども、これはまず成果を公開すると利用料は免除であると、公開しないと利用料を取るというところが基本でございまして、共用ビームライン、専用ビームラインがあって、共用ビームラインでは、消耗品は実費の負担をお願いしているわけでございますが、成果の非専有の場合には審査によって免除になると。ただ、優先利用のときには何がしかの有料になって優先的に利用できるというものでございます。成果を専有する場合には、利用料を払っていただくという形になっていまして、これは専用ビームラインについても同じ形で進めております。
 施設の利用のスキームでございますが、これは、ユーザー側からユーザー登録、課題申請をしていただいて、施設側で選定をして、実験を割り当てるという通常の共同利用施設と同じ、プロポーザルレビューシステムを採っているわけでございます。
 次のページにまいりますが、SPring-8の主な経緯、計画発足から建設まででございますけれども、先ほど室長の方からお話がございましたように、原子力研究所、機構の前身でございます日本原子力研究所と理化学研究所が大型放射光施設研究開発共同チームという形で始めまして、平成9年に供用を開始しているわけでございます。
 その後、独立行政法人化とか、いろいろなことがあったわけでございますが、SPring-8、1997年から動かして、その後にX線自由電子レーザーSACLAが2011年に完成いたしまして、今、SACLAとSPring-8を2つ使うような施設、これは世界でも非常にユニークなものでございますが、そういう施設として使われております。
 次のページに開発と高度化をまとめてみましたが、SPring-8の非常に大きな特徴は、ある意味で世界に先駆けて標準化を行って、たくさんのビームラインを短い期間にわっと作り上げる手法を示したということでございまして、SPring-8以降の放射光施設ではほぼそれと同じような手法が採られて、非常に早く立ち上がることが可能になっております。
 もちろん第3世代の放射光でございますので、アンジュレータの放射光というのが非常に重要でございます。そのほかに、SPring-8では1キロメートルのビームライン、あと、非常に長いアンジュレータのビームラインというものがございます。
 こういうものを使ってあげますと、X線の領域でコヒーレンスというものが非常に重要だということが、ある意味で可視光のレーザーを考えていると、X線でもいずれコヒーレンスというものが重要になることは予想ができたわけでございますけれども、SPring-8によってコヒーレンスというものの重要性が非常にわかってまいりまして、それがその後のSACLAにつながっていったというところでございます。
 このコヒーレンスをしっかりと扱ってあげるためには、今までと全然違う光学素子が必要でございまして、こういうものも、コヒーレンスの大切さがわかってまいりました2000年ごろから、大阪大学と協力してコヒーレンスに対応するような光学素子の開発を始めまして、これは今世界中の放射光施設及び自由電子レーザー施設で使われているということになっています。
 エミッタンス、最初は6ナノメートルラディアンぐらいから始めたわけでございます。最初は6.6から始めたわけでございますが、何回かの低エミッタンス化を重ねて、今2.4ナノメートルラディアンというところになっており、57本のビームラインが運転中であります。
 次に施設の高度化のキーワードをまとめてみました。加速器の光源は6だったものを3.4にして、2.4にしたと。
 次にトップアップ運転でございますが、トップアップ運転も、ただ継ぎ足せばいいというわけではなく、継ぎ足したときに、実験者から何にも見えないということが非常に大事でございまして、そういう運転を世界で初めてやったのがSPring-8でございます。
 挿入光源としては、標準的に真空封止型アンジュレータを採用いたしまして、これも非常に大事なわけでございますが、独立チューニングという、アンジュレータのギャップを皆さんが勝手に動かしてもどこにも影響がないということ、やり方を確立いたしました。これも世界中にその後広がっております。
 25メートルの長尺アンジュレータというのを作りまして、これはその後のX線自由電子レーザーの非常に長いアンジュレータにつながっているわけです。
 そのほかにも、ヘリカルとか、フィギュア-8アンジュレータとか、世界に先駆けて新しい形のアンジュレータを作ってまいりましたし、あと、短周期アンジュレータ。周期を短くすることによって低いエネルギーでX線が出るようになるわけです。SPring-8を作っていたころには、X線を出すためには、6GeV、7GeV、8GeVが必要だと言われていたわけでございますが、挿入光源を真空封止にして短周期にすることによって、3GeV程度でX線が出るということになりまして、SPring-8はそのために17年間世界で一番エネルギーの高い放射光施設ということになっているわけです。SPring-8以降は、みんな、低エネルギーのリングでX線を出す方向に変わっております。
 分光器。これも標準型二結晶分光器というのを作って、標準にしてしまったと。
 あと、高分解能の分光器、アナライザを作って、特にHAXPES、硬X線で光電子分光を行うというのを世界に先駆けていっております。これはサンプルが、実用材料の光電子分光に非常に役に立つものとして非常にたくさんの人に使われているわけです。
 先ほど申しましたコヒーレントX線光学素子の開発。これは、大阪大学のミラーがOsakaミラーとして世界中に広がっていて、SPring-8ではこれを使って7ナノメートルの集光までできております。あと、スペックルがコヒーレント光だと出てくるわけですが、こういうものが出ないベリリウム窓の開発等が行われております。
 トップアップ運転でございますが、トップアップ運転、これ、もう有名になってしまって、平らにすると。平らにすると、今までは入射光と割り算がいつも必要だったわけでございますが、それがない計測が可能になるということと、あと熱負荷が一定でございますので、非常に安定な信頼性の高いデータが取れるという特徴がございます。
 次のページが、世界でただ1つの30メートル長直線部があるということでございまして、ここでいろいろな新しい挿入光源の開発に使われているわけでございますが、もう一つ、可能性としては、30メートルをダンピングに使ってあげますと、超低エミッタンスリングになる可能性もございます。
 次のページでございますが、分光器のフロンティアをいろいろな意味で開発してまいりました。標準型二結晶の分光器、これはみんなこれが入っているわけでございますけれども、そのほかにも、例えば高分解能アナライザ、これは非弾性散乱用のアナライザ。ミリエレクトロンボルト分解能程度のものが標準的に供給できるようになりましたし、世界最高分解能のX線分光器、120マイクロエレクトロンボルトというものも達成しております。
 次のページにまいりますと、これ、Osakaミラーでございますが、Osakaミラー、特殊な加工法を使って、年々、だんだんだんだんフォーカスサイズが小さくなっておりまして、ついに10ナノを切るところまで来ました。
 この10ナノを切るミラーをSACLAと組み合わせてあげますと、10の22乗から10の23乗ワット・パー・平方センチメートルというところまでエネルギーデンシティを上げることができまして、この辺ではいろいろ違った物理が見えてくるのだろうと考えております。
 次のページでございますが、硬X線のコヒーレント光を使ったいわゆるCXI、コヒーレント回折イメージングというものをSPring-8で先導いたしまして、これは軟X線領域で最初にやられたわけですが、硬X線でもこういうことができるということをSPring-8で示したわけでございます。
 1つの例としては、ヒトのクロモゾームの三次元イメージをこういうレンズレスの顕微鏡で撮ったという例がございます。
 次の高度化の例でございますが、偏光の制御でございまして、これは円偏光を直線偏光から作ってあげるダイアモンドの光学素子でございまして、これでMCD測定等を行っているわけです。これの開発によって硬X線領域で円偏光アンジュレータを作るということはもうやらなくなりまして、非常に低コストで円偏光の生成が可能になってまいりました。
 次のページがユーザーとの連携でございますが、ユーザーとの連携といたしまして、SPring-8ではSPring-8ユーザー共同体、SPRUCというものができ上がりました。これはもともとボランティア指向の組織、利用者懇談会があったわけですが、そこからミッション指向・共有型の組織に移ったものでございます。会員は登録全ユーザーでございまして、今、約1万2,000人の会員がございます。というところで、例えばグランドビジョンに基づくSPring-8Ⅱ計画等々の検討を行っているわけでございます。
 次のページが人材育成への貢献ということでございますが、これはまずSPring-8の仕組みとして、理化学研究所が持って、JASRIで運営するという形を採っているわけでございますが、その利用支援のところの能力向上としていろいろなことが行われております。
 あと、外部若手研究者の育成支援として、これもいろいろな仕組みがございまして、例えば萌芽的研究支援課題でございますとか、あと、アジア、オセアニアの若手を対象としたCheiron Schoolでございますとか、あと、大学院連携としてリーディング大学院、あと、いろいろな大学との連携が行われているところでございます。
 先ほども申しましたように、SPring-8の非常に大きな特徴として産業界の利用があるわけでございますが、産業界の放射光活用支援というのをいろいろな形で実施させていただいております。
 次にアウトプットに行きます。論文は右肩上がりで大体増えていて、年間約800報の論文を出しているというものでございます。もちろんこの論文の中にはSPring-8、Photon Factory両方使ったよというものもあるわけでございますが、年間で800報がSPring-8に関連して出ていると。
 次のページが主な成果でございますが、トップ5ということで、こういうものが出ています。1番はGPCRとロドプシンの構造でございまして、これは3,700くらいになっています。その後も大体、プロテインが多いのですが、3番目に入っているのは、阪大の核物理センターのREPS、これはレーザー、バックスキンあたりのコンプトンで、原子核と素粒子を見たものが入っております。
 最近の成果といたしましては、例えばフォトシステム2の構造解析が、これ、2011年でございますが、数年間で600程度のサイテーションがあると。あと、HAXPESで細野先生たちがやったIGZO関連の仕事。ナノアプリケーションということで、阪大の山内先生たちとやったOsakaミラーの話。あと、コヒーレント放射光による可視化技術の開発等々が最近の成果でございます。
 特許出願数、これも先ほど室長から御紹介がございましたが、だんだんと増えていると。
 課題数と利用者数でございますが、これも先ほどの室長からのお話にもございましたように、こういう推移をたどっているわけでございます。
 その次のページでございますが、共用ビームラインにおける所属機関別研究課題、利用課題数ということで、ここでお見せしたいのは、産業利用が着実に増えて、今20%に達しているというところでございます。もちろんそのほかの利用も着実に増えているわけでございます。
 成果といたしまして、2011年のサイエンス。サイエンス誌で毎年年末にその年の十大ニュースというのがあるわけでございますが、その中に日本から2件選ばれておりまして、1つは、「はやぶさ」でございまして、もう一つが先ほどの光合成たんぱくでございます。この十大ニュース、2つとも、「はやぶさ」分析につきましては、SPring-8で最初に全体の形を見て、いろいろなところを個々の研究機関に配ったという事情がございますし、あと、光合成たんぱくの構造解析では、SPring-8で初めてPS2の構造を決めたとことがございます。
 別の面から見た成果としては、SPring-8で今まで教科書にずっと書かれていたことがどうも違うということがわかったということが幾つかございまして、その2つの例を出しましたが、まず、クロモゾームの巻き方について、今までDNAは非常に規則正しく束ねられているとあるデータから信じられてきたわけでございますが、SPring-8でしっかりと小角散乱で見てあげますと、どうもこうはなっていないと。もっとランダムであるということがわかりまして、こうなりますと、遺伝子の複製の仕方もどうも考え方が違ってくるよねというようなことに最近なっております。
 あともう一つは、地球のマントルの話でございますが、これは今日御欠席の廣瀬先生たちのお仕事でございますけれども、化学組成が違っている2つの二層構造だったというのがわかりまして、これも教科書を書きかえるような話になっているわけです。
 最後でございますが、産業利用のお話でございまして、SPring-8は産業利用のある意味で世界先導モデルを作っております。これ、年間でございますが、年間約80社、延べ2,600人の方がお使いいただいておりまして、非常に広い範囲で産業利用を推進してございます。
 ということで、若干長くなりましたが、SPring-8の最近の状況を御報告させていただきました。
【高原主査】  村上先生、石川先生、ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に関しまして御質問等をお願いしたいのですけれども、お手元の資料1の2番に検討事項というのがありますけれども、そういったことをちょっと頭の中に置いていただきまして、質問等お願いできればと思います。よろしくお願いいたします。どなたか御質問などございますか。
【尾嶋委員】  じゃあ。
【高原主査】  尾嶋先生、お願いします。
【尾嶋委員】  PFとSPring-8、私、個人的にも両方使わせていただいていて、行けば成果が出るといいますか、非常に頼りになる施設で、日本の放射光科学を支えてきていただいたと思っております。特に産業利用については、いろんな方から、特にSPring-8の産業利用というのは非常に頼りになるというお話を聞いております。
 これまでは確かにそういう形で進んでこられたと思うのですが、今後を考えますと、特にPFのビームタイムがかなり減るという話を聞いております。私は日本の放射光の年間使える時間というのは大体4,000時間というふうにずっと思っていて、ところが、外国は、先ほども紹介ありましたけれども、5,000時間が当たり前のようになっていると。アステラスさんなんかの話を聞きますと、PFにビームラインを作ったけれども、ビームタイムが今度相当減ると。それは非常に困るというようなことをおっしゃっておられました。今後考えますと、日本の放射光、特に24時間運転するリングは、5,000時間をデファクトスタンダードぐらいに考えていただくと。我々、今まで4,000が当たり前と思っていたのを、5,000にしてほしいと。ユーザーから見たら、もちろん高輝度な光というのはのどから手が出るほど欲しいのですが、やっぱり実験する時間が多いというのが一番望むところでありまして、特にこの1月、2月、3月はSPring-8、運転がなくて若干困ったということもありましたので、是非運転時間をちゃんと確保する。そのためには、外国の施設で5,000時間というのは、もっと経費がかからなくて5,000時間運転できるような、何かそういうことをやっているのではないかなという気がしますので、その辺も調べていただいて、是非5,000に近づけていただきたいと思います。
【高原主査】  ありがとうございます。先ほどの工藤室長からのお話で、12ページのところに、ペトラとかの7,000時間とか、ESRFの6,800時間というのは、1年のほとんどビームが出ているというふうな状況だと思うのですけれども、そのあたりの状況に関しまして何か調査というのはもうやられているのでしょうか。
【工藤室長】  具体的にそれぞれの施設に対して、どうしてこの運転時間を確保できるかというのはまだやってはいないのですけれども、一応各施設の状況みたいなものを我々の方で若干調べていることはあります。なかなか同じような日本の科学におけるファシリティ、リソース配分と議論できるかどうかというのはちょっとわかりませんけれども、引き続き、どうやって運転時間を確保できるかというのは、今後聞いてみたいと思っております。
【高原主査】  ただいまの尾嶋先生の質問に関しまして、施設側からいかがでしょうか。
【村上副所長】  特にPFにおける最近のビームタイムの不足は大変御迷惑をおかけしております。一昨年度までは何とか4,000時間を確保できていたのですけれども、昨年度3,500時間となって、今年度は3,000まで到底及ばないという状況になりつつあります。ここは、我々としてもできる限りの予算を、与えられた予算の中で運転時間の方に回してやりたいと思っております。
 トータルの運転時間は予算で区切られることもあるのですけれども、もう一つよく御指摘されるのが、運転時期ですね。日本の中ではなかなか夏はどこも運転できない。これはまさに夏の電気代が高くなるということの事情によっているわけですけれども、このあたりの施設間でのうまい連携というのは今後求められると考えております。
【熊谷理事】  よろしいですか。
【高原主査】  SPring-8の方ですか。お願いします。
【熊谷理事】  日本の運転が比較的外国に比べて少ないということが昔から言われているのですが、昔は、夏の7月、8月が高温多湿になるので、冷凍というのか、冷却系の能力が非常に厳しくなるというあれがあって、夏は運転しないよと、できないよというのが一般的だったのです。ところが、最近、冷却システムの効率が非常に上がってきていて、基本的には夏でも運転はできる。ただ、今、村上さんがお話ししましたように、夏の運転の電気料金が通常料金に比べて少し割高になる。ですが、それが電力料金の半分を食っていくという話ではなくて、それほど大きな割合になっていないので、基本的には施設側で通年運転を前提にして装置をきちっと作れば、それは可能だと思います。
 それから、ペトラが7,000時間というのは、これはもともと高エネルギーの実験のための加速器で、もともとのエネルギーが、これ、30GeV以上あったと思うのですが、それを今6GeVで運転しているわけで、要は、電流の二乗に比例して電力が下がってきますので、ペトラを高エネルギーで運転しているときに比べればほとんどごみみたいな感じになっているので、この7,000時間というのはそういう意味で非常に長いのです。
 それから、一般的に外国の電気料金は日本に比べると割安ということが言われていますので、そういうことも含めて今こういうのが決まっていると。
【高原主査】  ありがとうございました。それでは、ほかに。北岡先生、お願いします。
【北岡委員】  私、先ほど高原先生から指名されまして、主査代理を務める北岡でございますけれども、私自身は、SPring-8、PFも含めて、放射光施設を使ったことがない、本当に第三者でして、そういう意味では中立的な立場からものを言えるということになるのでしょう。で、主査代理を務めさせていただくわけですけれども、全体的に見たときに、次世代の放射光計画のワーキングに参画させていただいているのですけれども、これは非常に資源の投入をしないといけないですし、国の科学技術予算も限られている中で、コストパフォーマンスという考え方をしたときに、先ほど工藤室長から見せていただきました3ページ目の我が国の主な放射光施設ですか、太平洋から北九州の新幹線沿いにずっとあるわけですけれども、これがまたエネルギーと輝度に関して、わりと満遍なく施設があるのですけれども、この有効利用という観点で、ユーザーから見て、それぞれの施設を有効に使えるということが担保された上で、次に、それぞれ、今お話を聞いていますと、ユーザーにとってフレンドリーな、ユーザーにとって使い勝手がいい施設として、今後、新しい次世代の放射光施設を考えていくということをひとつ担保する。だから、新しく作るときに、今までの日本の施設利用に関して、いかに運用としてうまくコストパフォーマンスが実施されているということが、あるのか、ないのかというのは、私、全ての人からお聞きしてないのですけれども、そういう観点と、次に考える場合に、やっぱり使い勝手がいい、ユーザーにとってフレンドリーであって、マシンタイムが多いという、かつ成果が期待できるという方向と、先ほどのSPring-8の話を聞いていると、ビームの先端性というか、R&D、デベロップメント含めて、サイエンスの先端性を担保して、よりどこにもない世界唯一の施設であるということを目指す方向と、そういうすみ分けなりコストパフォーマンスを考えた上での次世代の放射光施設の在り方、資源を有効に投資するときのリターンとして、サイエンスでの先端性とオンリーワンということと、ユーザーから見たときに非常に使い勝手がよくて、非常に幅広いユーザーに対してのニーズに応えると、そういう2つの視点が考える上で必要なので。
 ただ、ちょっとお聞きしたいのは、我が国の放射光施設はこういうエネルギーとか輝度に対して、わりとエネルギーが高くなれば輝度も上がっていくといような形で、それぞれのビームの利用ユーザーですか、それぞれ研究対象に応じて選ばれると思うのですけれども、それはここで駄目なら次行くという形で、それぞれの施設の連携というのは、運用形態に関して連携というのはどういう状況になっているのか。それだけ、私、第三者なので、今の運用形態、放射光施設の運用形態どうなっているのかと。国から全部投資するのか、あるいは、地方公共団体から投資している場合もあるのでしょうけれども、運用形態はどうなっているのですかね。
【工藤室長】  雑ぱくに申し上げると、基本的に運用形態はばらばらになっています。
【北岡委員】  ばらばらですか。ああ、そうですか。
【工藤室長】  特に国が直接運用しているという中でも実は2系統がございまして、我々、量子放射線研究推進室が見ているというか、SPring-8、SACLA、こちらは我々の方から資本を投下しています。一方、大学共同利用機関という形で、大学予算全体の中でやっていっているのが高エネ研のPFという形になって、運営形態が違います。
 そのほかのリングにつきましては、国立大学法人であれば、広島大学のHiSOR、それから、同じように大学共同利用機関であれば、分子研のUVSORは同じ扱いになっていて、それ以外のものについては、ほぼ独立した自治体のものと、立命館大学のような私学、いわゆる私企業的な要素ですね、こういったものが持っているものとなっていて、現状、それぞれがどういう形でユーザーを選んでいくのか、どういうポリシーで施設を運用していくのか、フレンドリーにやっていくのか、先端的にやっていくのかという、そういったものの扱いは個々の施設がハンドルしているというようなものになっています。
 ただ、先ほど村上先生からもお話あったのですが、我々、課の中で、先端共用・プラットフォーム事業というのをやっておりまして、一部の放射光施設について、ユーザーがどこに行けば何が見られるのかといったアライアンスも考えたような仕組み作りというのも一部始めてきて、そういう取り組みもやってきております。ただ、ちょっと端緒についたばかりなので、どういった具体的な制度になっていくのか、我々もまた機会があったら御説明したいとは思います。
【高原主査】  ほかに施設側から今の御質問に対していかがでしょうか。
【北岡委員】  例えば具体的にPFでやられているこの研究成果ありますでしょう。それはPFでしかできないのですか。あるいは、SPring-8でやられている最近の成果というのは、SPring-8でしかできないとか、どこか別のところ行けばできるという、そういうような感じなのですか。ちょっとその辺のマシンの特徴ですね。それぞれのPFとSPring-8のマシンの特徴をちょっと。
【石川センター長】  SPring-8について申し上げると、多分SPring-8でしかできないものが15%、汎用的にできるものが85%だと思っております。特にある意味で先端性と汎用性のバランスのところは重要でございまして、もう一つの問題として地域性の問題がございます。例えば非常に簡単なことであったらば、皆さん、関西の方はSPring-8に行きたいでしょうし、関東の方はPFに行きたいというところがあって、SPring-8、マシンの性能としては非常にいいと思っているのですが、いいところだけにしてしまうと、かなり振り落としてしまうというところがあって、そこはバランスを取ってやっていくというところがまず重要かなと思っています。それが第1点。
 もう一つは、先端的なものというのは、3年から5年で汎用になっていて、そのサイクルをうまく作ってあげることが非常に重要で、いつまでも同じことが先端ではあり得ない。非常に新しく、例えば先ほどお見せした中にHAXPESという硬X線での光電子分光があるわけですが、あれも開発中の最初の3年くらいは世界中でどこでもできなくて、あちらこちらから勉強に来たわけですが、5年もすると本当に皆さんがどんどんお使いになる。で、産業利用にも使われていくというようなものでございまして、そういう意味で、どんどん進化していく。進化して、新しいユーザーの方が入ってくる。そうしますと、全体としての時間がどんどん足りなくなっていくというのが現状だと思っております。
【高原主査】  ありがとうございました。村上先生。
【村上副所長】  先ほどの北岡先生からの御質問ですけれども、今、石川先生がお答えられたとおりなのですけれども、御指摘の点、非常に重要で、先端なのか、汎用なのかといったときに、ちょっと言葉が、先端というのが上の方かというと、先端という意味は、要するに、光源の先端性を使った研究でありまして、いわゆる今汎用と言っているものも、実はサイエンスの立場から見たらものすごい先端性のあるものはたくさんあるわけですね。
 ですので、今もし2つにそういう言葉を定義したとして、先端と汎用といったとしても、かなり汎用の部分が放射光科学の中ではすそ野が広がってきておりまして、そういうところをきちんとユーザーフレンドリーに使いやすいものをやっていくというのは、今後の次世代の光源を考えるときに非常に重要なポイントかなと思います。
 どうしてもPFにはできない実験が幾つもございます。それは、できるSPring-8に行けばいい、あるいは別のところに行けばいいというふうに考えればよいので、それは全体の施設間のうまい連携をきちんと取るということをやることによって、ユーザーの皆さんの、利用のしやすさというのをきちんと担保できるのではないかなと思っております。
【高原主査】  ありがとうございます。もしユーザーサイドから何かあれば、よろしくお願いいたします。
【杉山委員】  杉山と申します。私、昔、セルロースの多糖類の結晶構造解析とかしていまして、ESRFとかSPring-8を利用させていただきました。そういった研究の場合は、申請書を書きまして、正当にちゃんと採択していただいて、試料をじっくり準備して、そこに行ってサンプルを取ってくるということでよかったのですが、昨今、文化財に関係するサンプルの解析ということでSPring-8を利用させていただくようになって、少し気づいたことがございます。それは、文化財の場合は、特に指定されますと、非常に時期が、サンプリングするというのが、国宝ですとそれは認められないのですが、その破片とかが残っている場合に、貸していただける場合が出てきます。しかし、それは非常に期間が限定されていまして、通常の申込み、採択のスケジュールの中では入っていけないというようなことがございまして、何か将来的にはそういったものを単発的にでも受け入れられるようなシステムというのが次世代にはあれば有り難いなと思っておりますけど。
【高原主査】  ありがとうございます。どうぞ。
【村上副所長】  多分そういう緊急にやるシステムというのはSPring-8さんの方にもPFの方にもございまして、緊急課題というもので、かなり迅速にはやれるのですけれども、そのあたり、産業利用もそうなのですが、どのぐらいのフィードバックの時間で考えるかという。例えば1週間後にやりたいということに対応できるかというと、さすがに今残念ながらそこまでは早く、1か月ぐらいあれば今緊急課題というのができるのですけれども、そういう超緊急にも対応できるようなことの御指摘かなと思いますけれども、そういうのもシステムとしては重要かなと思います。
【高原主査】  ありがとうございます。そのあたりは恐らく産業界の方も、不良品解析とか、ユーザークレーム処理で、かなり緊急に要する場合というので、実際にそういったことを行われていると思うのですけれども、産業界の方から何か御質問等ございますか。どうぞお願いいたします。
【上村委員】  今一番産業界で問題になっているのは、夏期と冬期のラグなのですよね。研究を止めるわけにいかないというところがございまして、先ほど熊谷先生がおっしゃったように、次世代においてはタイムラグが少なくともコンプリメンタリーに動かせるような、そういう形をお願いしたいというのが1つですね。
 あともう一つは、先ほどおっしゃったように、緊急課題といいますか、今、半年後に、大体1年間の計画時間分をPFの場合はお支払いして、その中で四半期ごとにスケジュールが決まっていくのですけれども、やっぱりそれプラス、すごく欲しいものができたときに、私なんかも結局夏と冬は海外に送っているのですけれども、海外の場合、大体2週間前にBTがあいていれば、それで受け入れてくれるのですね。しかも、緊急の場合でもお金が高くならないという、普通と同じお金でやっていただけるということがございまして、そうしますと、どの会社もそうだと思うのですけれども、緊急の場合も、安心してeメールで、BTが空いてさえすれば、とにかく間に入れて、メールインサービスでデータを取得していてくださるという、臨機応変度合いがかなり高いと思います。
 先ほどPFの最初のお話にもありましたけど、Ada Yonath先生とかも、PFでしか大きい長格子のものとかも取れなかった時代ですと、皆さん、海外からいらして、取っていましたし、SPring-8も、私も初期のころ行きますと、台湾から皆さんいらして、1か月に何遍も来ているのですよというようなお話を聞いたのですけれども、そういうところが結局、本当にいいものがあれば、海外から皆さん日本にデータをとりに、人も来ると思うのですね。だから、そういうものを新世代のものにおいては、多少、世界中のアカデミックの方も、産業界もそうですけれども、両方、海外から来るような、そういうようなものが作れると、夢をもう一度じゃないのですけれども、日本の放射光が世界の中のプレゼンスを維持するためにも良いのではないかなと思いますので、是非その両方を困難でも目指していただきたいと思っております。
【熊谷理事】  今の通年制と利便性の確保というのが、多分これからの放射光施設というのはキーワードになっているだと思うのですよ。今まで通年制が採れなかったのは、もともと設計して建設するときに、割に高圧の部分だとか、そういう非常に特殊な機器の通年という前提を抜きにして作っているので、年間に1回はメンテナンスしないといけないと。ですが、産業界の方とか、いろんな話を聞いていると、通年制というのは非常に重要で、できたときにはかりたいのだと。2か月も3か月も休んでもらっちゃ困るというのが非常に大きいので、これからの施設というのは、1年間通年で運転できるような設計思想で施設を作るということがまず前提になると。
 それともう一つは、はかりたいときにはかれるような柔軟なシステムをどうやって構築していくのかということが重要なのだと思う。APSは、今、リモートアクセスで、パネルをパッと開くと、どの日にあいているかというのが出てくるのですね。それをクリックして、2週間先のこの日に使いたいと言えば、それが通るというような、そういうシステムもありますので、そういう情報という、何というのかな、システムをうまく運用するとか、それがあいているときをうまく運用するという、新しい枠組みを考えたらとは思っています。
【高原主査】  ありがとうございました。ほかに。櫻井先生。
【櫻井委員】  北九州大の櫻井です。主にSPring-8を10年ぐらい使ってきましたけれども、これは私の主観であるかもしれませんけれども、施設の方と話をしますと、明るい光源という話は非常にされますけれども、実は全体のことを考えますと、やっぱりディテクターであり、それから、ディテクターが得られたデータをいかにユーザーフレンドリーに解析するという、そこまで含めて初めて施設だというふうに私、理解していまして、ですから、そういう意味で見ると、例えばディテクターに関しては、日本は弱いと思いますし、残念ながらソフトウェアに関しては、SPring-8においても、PFにおいても、恐らくESRFのソフトなんかを使っているところがあって、その辺、非常に弱いかなと思っています。その辺、今後新しい施設ということで考えるときには、最後のデータ解析まで含めたことを考えていただきたいなと思っています。
 それから、2点目は、いわゆるビームライン担当者の人と話をしますと、特に運転時間を長くするという話になりますと、必ずビームライン担当者の方に負荷が来ますけれども、欧米と日本とアカデミックにおけるキャリアの違いのひずみが結構来ているところがあると思っていまして、ビームライン担当者というのは、テクニシャンでありサイエンティストなのですね。こういうハードな仕事は40過ぎたらできませんから、40過ぎたら、出ていくところがないといけないのですけれども、なかなか難しいところがあるかなと思っていまして、その辺のいわゆる人材のローテーションとか、彼らのキャリアについても結構問題点があるなと私は見ております。
 以上です。
【高原主査】  ありがとうございます。特に運転時間を増やしたときのビームラインサイエンティストに対する負荷というのは非常に大きくなると思いますけれども、そのあたりは、人材育成も含めて、更に検討しなければならない課題であるかと思います。今の点に関しまして、施設側から何かございますか。
【村上副所長】  ビームライン担当者の件は本当に深刻な問題でして、サイエンティストの、あるいはテクニシャンの人材育成というのをどうやっていくか。今後多分ここでも議題になるかもしれませんが、今、非常に危機的な状況になっているかなと思います。
 もう一つは、その絶対数です。これも多分非常に重要な問題だと思いますが、今後議論になると思いますが、外国でのビームライン当たりのサイエンティスト、あるいはテクニシャンの数と比べて、日本はその数分の1であるということで、これを何とかしないと、結果的に、いい装置、いい解析手法、全部あっても、なかなか成果に結びつかないと思いますので、何とかそこをバランスよく施設は整備していかないといけないだろうなと考えております。
【高原主査】  熊谷さん、お願いします。
【熊谷理事】  人材育成、非常に重要なことだとは思っているのですが、その人材を投入しなきゃいけない分野には投入する必要が当然あるわけですけれども、ある意味じゃルーチン化されたとか成熟したようなビームラインというのは、ある意味では計算機で投入して自動化するとか、そういうことをきちっとやっていった対極として、最先端のところは人が要るよと。そういう区分けをきちっと、施設者側と利用者側で議論をして、こういう部分は自動化してリモートにしたらいのじゃないの、だけど、こっちは駄目よという、そういう議論をするところをきちっと作って進めることが重要かなと思います。
【高原主査】  石川先生。
【石川センター長】  ユーザーから見て本当に必要なサポート人材というのがどういうのかというのがちゃんと議論されていないまま、サイエンティストか、テクニシャンかわからないような人がどんどん増えていくというところがあって、だから、本当に支援を必要としているのがどういうところなのか。そういう人材をどうしたら供給できるのかというのは、もうちょっと真剣な議論が必要じゃないかと思います。これは、中途半端な人を増やせばいいわけではなくて、サイエンティストはサイエンティストとしてちゃんと育てて、サポートはサポートとして誇りを持って仕事ができるような形を作っていかないと、数だけ増やしていけば何とかなるかというと、そんなことは決してない。
 もう一つは、今はマシンタイムが少ないから、少ないマシンタイムの中でできるだけアウトプットを上げるためにできるだけのサポートをするということをしていくわけですが、マシンタイムを増やした場合には、増えたマシンタイムの中で、自助努力というか、セルフトレーニングの形で回していかないと、結局は駄目ですよね。いたちごっこで、どれだけ増やしても駄目ということになりますから。これは、マシンタイムを増やして、自分の中で人材育成ができるようなシステムを1つ作っていかないと、どこかで壁に当たるのだと思っています。
 先ほど通年制、利便性、この問題がありましたけれども、これは1つの施設だけで考えるのか、日本全体として考えるのかでも大分違っている話でございまして、日本全体として考えるのだったらば、それなりのシステムをしっかりと作って、全体のレベルアップをしていくことが必要かなと。これはSPring-8のユーザー団体からのいろいろなレポートが出てきておりますが、そこにはかなり階層性をしっかり考えて、そこで連携してやっていくような方向性も出ておりますので、そういうことも是非議論していただけたらと考えております。
【高原主査】  ありがとうございます。石川先生のおっしゃるように、私もSPring-8で散乱、回折から赤外、イメージングと使っていますけれども、それぞれで随分サイエンティストのかかわり方といいますか、測定原理からビルトアップしていくところともうルーチン化しているところとございますので、そういった意味では、ビームラインの違いによる、測定法の違いによるそういった人材育成というのはまだほとんど議論はされていないように思います。
 ほかに何かご意見ございますか。
【内海委員】  JAEAの内海でございます。先ほどからキーワードとしては少し断片的に出てきていると思うのですけれども、放射光の将来を考える上で、特に次世代の放射光施設の在り方を考える上で、今の共用法での運用というのと大学共同利用の運用という、ここの議論は、一度は避けて通れない話じゃないかなという気がしています。今、室長、苦笑いしておられますけれども、このワーキンググループ、3月までございますので。ユーザーの立場から見たときには、施設共用も大学共同利用も同じだという、そういう声が多々聞こえてくるところもある。一方で、やはり大学の先生方の中には、やっぱり大学共同利用制度のPFというのは有り難い存在でという声もあることも事実かなという気がしています。
 ですから、今後、恐らく先ほど村上先生と石川先生のプレゼンで見せていただいた中でも、ほとんどどちらもが、多少の割合の違いはあるかもしれませんけれども、どちらも産業利用に対しても開かれているし、教育に対しても開かれているというところで、見た目はほとんど一緒で、あとはポートフォリオの違いだけじゃないかという議論もあるかもしれないという気がします。
 そういうところは、是非ともこのワーキンググループの中で議論していただけたらいい課題かなということを問題提起させていただくとともに、今日、1つだけそのきっかけとなる質問をさせていただくと、先ほど申し上げましたように、ユーザーの立場から見ると、使いやすい方に申請書を出して使うということだけですから、その違いというのはほとんど何もないのですが、日本を代表する二大放射光施設のPFとSPring-8がいろいろ施設間同士で連携されたり、いろいろなことを、将来計画を考えられたりする上で、制度上の違いというのが何かネックになっているようなこととか、制度が根本的に違うからこういうところはできるのだ、あるいは協力ができるのだ、できてないのだというようなことがもしあるとすれば、そういうのがあるのか、ないのかという、施設側の立場から見てその2つの制度ということに関して簡単なコメントいただけたら有り難いのですけど。
【高原主査】  いかがでしょうか。
【村上副所長】  難しい質問ではあるのですけれども、原則的なことを言うと、PFというのは大学共同利用機関であるという意味は、やはり大学共同利用というのがまず第1のミッションなわけですね。そのミッションをおろそかにして産業応用をやるわけにはいかない。そういう一義的にはめられたミッションという考え方で取るならば、そうなのですが、実際には、やっていることは、PFもかなりなところを産業利用にやっているわけですので、運用で今はうまくやっているという状況かと思います。
 御指摘のように、うまくSPring-8さんとの連携をよりもっと深めていけば、そのあたりの、PFだけではなかなか、例えば運転時間の問題というのはあるのですね。これはやっぱり予算の出どころの違いということもあるので、ある程度変動がPFの場合あるというようなところをうまく連携によって、あるときには少し助けてもらうとか、逆に、あるときにはまた受け入れるとか、そういう連携というのは今後必要ですし、この新しい施設でも、全体のネットワーク化というのがキーワードで重要な考え方だろうと思っております。
【高原主査】  ありがとうございました。それでは、SPring-8の方はいかがでしょうか。
【熊谷理事】  今村上さんがおっしゃったことだと思うのですが、施設者というか、ハード側の視点からちょっと言わせていただくと、PFであろうと、SPring-8であろうと、国内にいる人材というのはそんなに多くはないわけで、将来に向かってこの2つ、またはUVSORなど、いろんな国内にある放射光施設のハード関係の人が、1つのバーチャルグループみたいなのを作って、人材育成もその中に入れてやっていくというスタイルにしないと成り立たないのだと思うのですよ。例えばSPring-8の将来計画はSPring-8だけでやります、PFならPFだけでやりますというと、そこで人材が閉じてしまうわけで、母集団がだんだん減っている中でそういうことはできないので、いろんな人を入れて、新しい施設をつくるときには入れてやるということ、そういう考え方じゃないかなと思います。
【高原主査】  ありがとうございました。石川先生。
【石川センター長】  大学共同利用機関の方は、私、明るくないのですけれども、共用法のいいところは、例えばSPring-8の運営、共用法で別枠になっていて、ある意味で理研の意向にかかわりなく、その部分はちゃんと守られるというところがあります。だから、そこは多分大学共同利用機関でどうなっているかということは余りよく存じ上げないのですが、共用法のところに関しては、多分J-PARCも同じだと思いますけれども、そういうふうになっているというところでございます。
【高原主査】  ありがとうございました。大体予定の時間にこの議論のところはなっているのですけれども、何かどうしてもということがあれば。
【北岡委員】  先ほど運用形態で、人材育成とか、ビームラインとか、あるいはテクニカルスタッフとかいうときに、SPring-8のJASRIがありますよね。JASRIは財団法人で運営しているわけでしょう。産業応用も含めて。そういう形態はずっとやられてこられていて、こういう形態でしか、今後次世代の放射光施設を考える上でも、今のJASRIと、財団法人を外に出した運営形態でやっていくということは別に問題ないのですか。あるいは、それをもうちょっと広げていくと。他の放射光施設、PF含めてできるかどうかわかりませんが、そういうふうなことは必要ないのでしょうか。考える必要はないのですか。JASRIが財団法人を作って……。
【石川センター長】  財団法人を作るかどうかは別として、例えばテクニカルなところを抱えてしまうと、そこでタコツボになってしまうわけですね。それは外との大きな循環の中でやっていかないと、どんどんどんどんタコツボになっていって、入ったときの技術で生きていくような人がたくさんできてしまう。それは、よくよく考えないといけないのだと思います。
【高原主査】  ありがとうございました。今の件、量研室の方からは特によろしいですか。
【工藤室長】 この議論をする企画の中にもともと入ってきている中のものがかなり見えてきているのかなと思うのは、新しい施設とか考えたときに、その運用も含めてデザインをスペックと組合せでどう考えていくかということです。これを単一のデザインですね。つまり、先ほど通年制、利便性みたいなものを考えたときと、それと先端性と矛盾するものではないということが仮にあったとしても、じゃあ、それを1つの施設の中に全部盛りにするのか、そうではなくて、複数の施設にそれぞれ性格分け付けしてアライアンスを考え、全体としての実現を考えていくのか。これは、まさに運用における人材育成とか、どういったものを日本全体で考えていったらいいかということにも含意があって、今回皆様に集まっていただいたということもあります。次回以降、サイエンスの分野でこういったことが見えたらいいのではないかということ、つまり、次の放射光に期待したいことについて各委員の皆様にプレゼンをお願いしたいと考えます。この次の議題をちょっと先取って言ってしまうのですけれどもその中で、恐らく次の施設をデザイニングするときに、全体のアライアンスで考えていくのか、それとも、1つの施設の中にそういった複数のポートフォリオを組んだものを考えていくべきかという視点も含めて御議論いただければと考えます。
 私からは以上です。
【高原主査】  ありがとうございます。ちょうど今、工藤さんの方から今後の検討事項についてということで出ましたので、そちらに議題の方を移したいと思いますけれども、最後に、議論5、今後の検討事項等に進みたいと思います。資料5-1及び資料5-2の説明を事務局よりお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【神部補佐】  事務局より説明させていただきます。まず資料5-1をごらんください。こちらの方が今後の開催計画になっております。事前に事務局より日程の調整の御連絡をさせていただきまして、その中からできる限り委員の皆様の御出席人数が多い日にちをここで挙げさせていただいております。
 基本的に各月1回で進めていきたいと思っております。
 また、内容につきましては、本日が第1回としまして、放射光施設の概要及び導入などについて話をさせていただきましたが、今後第2回からは、委員の皆様方からプレゼンを行っていただきまして、その内容につきまして意見交換をさせていただきたいと思っております。
 また、そのプレゼンの内容につきまして、資料5-2の方に大きく3つの柱を立てさせていただいております。この3つの柱につきましては、冒頭、本ワーキンググループの設置について、の資料の方でも説明させていただきました、その内容になっておりますが、まず1つ目として今後取り組むべき研究課題について。想定される社会的・科学的課題、及びその各課題の解決に当たりまして、どのような研究課題が今後重要になってくるであろうか。
 また、2ポツ目としまして、その研究課題に関しまして、研究課題に取り組むに当たりまして、放射光施設にどのような貢献を期待するのか。
 また、3ポツ目としまして、次世代の放射光施設にどのような運営を期待するのかといったことを3つの柱としましてプレゼンを行っていただきたいと思っております。
 その際に、委員の皆様方には、もちろん先生方が研究されている内容というのが中心になると思いますが、できる限り分野を幅広く捉えて、俯瞰(ふかん)的に意見を言っていただけると非常に参考になるかと思っております。
 また、先ほどの開催計画の方に戻りまして、今の御質問などで出ました海外の話や、施設間の連携、今、光プラットフォームというのをやっておりますが、施設間の連携など、御指摘いただきました内容につきましては、適宜どこかの回でこちらの方でまた御説明をさせていただければと考えております。
 以上でございます。
【高原主査】  ありがとうございました。それでは、次回、7月14日、月曜日のプレゼンテーションにつきましては、事務局の方から改めて御相談させていただきます。
 それでは、何かまだ言い足りないということがあれば、お願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
【渡邊委員】  豊田中研の渡邊ですけれども、きょう初めて議論聞かせていただきまして、時間、ビームタイムの不足ということが結構話題になっていたかと思うのですけれども、これは実際に申込みの課題数に対して採用数が減少しているのかとか、あるいは、担当者の方が、今、いろいろと人員構成がどうなっているとかという、そういう具体的な数値といいますか、運用面で解決できる問題なのか、それとも、新しい施設を作っていく、全体の中で作っていかないと解決できていかない問題なのか、そのあたりが少し見えないものですから、そのあたりをもう少し出していただけると議論を進めやすいのではないかなと思いましたので、次回、そのあたり、もし資料等がありましたら、御説明いただけると説得力があるのではないかなと。次世代を作ることを前提であれば別にいいのですけれども、今の話だと、運用面の話が主体になっていたときに、じゃあ、現状の中で解決できる問題なのか、次に作っていかないと解決できないのか。先端性とはまた別の観点なのですけれども、そのあたり、少し説明していただけると有り難いなと思いましたので、1つだけ、よろしくお願いします。
【高原主査】  それに関しまして、よろしいですか、量研室の方で。
【工藤室長】  こちらの方で調べさせていただきますので。
【高原主査】  ほかに何か。
【小松委員】  今のそれに関しましては、去年5年に一度の中間報告書というのがあって、そこには相当いろんな、これはSPring-8に関してだけですが、データ的には非常にまとまっているものがあると思いますので、そういうものを今回の委員の方、去年参加されていない委員の方には配付されるのが一番わかりやすいのでないかなと思いました。
【高原主査】  ありがとうございました。ほかに何かございますか。
【尾嶋委員】  じゃあ、ちょっと1つ。最初にお聞きすべきだったかもしれませんけれども、工藤室長が説明された最初のワーキンググループの設置についてですが、結局最終的に、9回やって、これ、何か白書みたいな形でまとめてそれを公開されようとしているのか。目的は、次世代放射光施設の選択肢を得ることを目的としと書いてあるのですが、これをどういう形で公表なり表に出していくのか、ということをお聞きしたいと思いますが。
【工藤室長】  この議論そのものは、後で最終的には何らかの形の報告書とするか、どういうスタイルにするかは、また御相談させていただきたいと思いますけれども、何らかのドキュメントにはしたいと思います。
 この企画には、何か単一のゴールのファシリティなりというのが見えてくるわけを想定しているわけではなくて、複数の答えがあることも考えていますので、そういう未来というのをお示しするというのも、我々行政としての1つの責務の在り方かと考えております。何かしらのドキュメントにはなると思います。
【尾嶋委員】  わかりました。
【高原主査】  ありがとうございました。水木先生。
【水木委員】  これからのプログラムの中で、放射光学会の検討事項というところがあるのですけれども、御存じのように、科学技術会議のマスタープランには放射光学会から出したのですが、検討事項というのは、今、この一番初めに、このワーキンググループの設置についての中の検討事項で4つのポツがありますが、これらに関して放射光学会でどういうことを検討しているかということを聞かれるのでしょうか。それとも、ほかの点でしょうか。
【工藤室長】  それは今お手元の資料5-2の議論に近いのだと思うのですけれども、資料5-2そのものがこのワーキンググループの資料1をベースに作り出されたものなので、放射光学会の中でどのような御議論があったか、ちょっとまだうかがい知れない部分もあるのですけれども、それがこのフォーマットに合うような内容であれば、そこに答えていただければ結構ですし、もしこれを大きく上回るようなものといいましょうか、若しくは足りないところがあったとしても、それはそちらで結構です。学会の中でどのような御議論をされているのか御紹介いただければよく、そのガイダンスとして資料5-2があると考えていただければと思います。
【水木委員】  わかりました。
【高原主査】  ありがとうございました。いろいろな質問の方、また量研室の方にメール等で御連絡いただければと思います。
 それでは、本日頂いた御意見も踏まえて今後の検討を進めていきたいと思います。
 さて、川上科学技術・学術政策局長がお越しになりましたので、一言御挨拶をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【川上局長】  私的諮問機関として作っていただきまして、いわば言ってみれば私のために検討いただいているわけでありまして、それを最後の最後になって挨拶にだけ現れるというのは大変忸怩(じくじ)たるものでございます。避けていたわけではなくて、いろいろなことがございまして、来ることができませんでした。
 お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございました。
 Photon Factoryができて33年、SPring-8ができて17年と、随分放射光の歴史も積み重なったものだと思います。
 私自身は、SPring-8ができて5年たったときに、初めて中間評価をやろうというときに担当をいたしました。そのときには、たしかビームラインは40本程度しかなく、民間企業の利用率は5%から10%ぐらいだったのじゃないかと思います。そのころに比べると、今、たしか民間企業20%ぐらい使っていますので、利用者のすそ野というのは大きく広がってきたと思います。
 私も大学時代、若干X線にかかわることをやったので、その当時は、私が入ったころは、私が入った後には、Photon Factoryというのはあこがれの施設でしたし、多少近い分野だなと思いながら、その当時の中間評価を担当させていただきました。
 すそ野が広がり、いろいろな形での利用が進んでいるということが最近の状況であると思います。
 こうやって33年、17年という歴史を重ねましたので、そろそろこの次はどうしたらいいのだろうということを真剣に御検討いただかなければいけないという、こういう状況になってきているわけでございます。まずは専門家の皆様方で、余り制約にとらわれず、こういう部分の技術があればこういうことができるという、多少夢に近いことも含めて御議論いただいて、私ども行政として現実的な解がどこにあるのかということを理解し、今後の計画を進めていきたいと思うわけでございます。
 これから多少高頻度に御議論いただくわけでございますので、短い期間でございますけれども、充実した議論をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【高原主査】  川上様、ありがとうございました。
 それでは、最後に、今後のスケジュール等の連絡事項につきまして事務局よりお願いいたします。
【神部補佐】  本日はどうもありがとうございました。先ほど、開催計画の方でも説明させていただきましたが、次回につきましては、7月14日、月曜日の15時からを予定しております。場所につきましては、まだ会議室が、いろいろと調整中でして未定でございます。決まり次第御連絡させていただきます。
 その後の予定につきましては、先ほどの開催計画の方をごらんいただければと思いますが、ほぼ1か月に1回のペースで検討を進めさせていただきたいと思っております。
 本日の資料につきましては、机上に残しておいていただければ、こちらの事務局の方から送付させていただきますので、お荷物になるようでしたら、そのようにしていただければと思います。
 以上でございます。
【高原主査】  それでは、大体ちょうど予定の時刻になりました。司会の不手際で少し延びてしまいましたけれども、本日の会議を終了いたします。また次回以降、よろしくお願いいたします。
 皆様、大変お疲れ様でございました。これにて閉会いたします。どうもありがとうございました。

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科学技術・学術政策局研究開発基盤課量子放射線研究推進室

(科学技術・学術政策局研究開発基盤課量子放射線研究推進室)

-- 登録:平成26年07月 --