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放射線量等分布マップの作成等に係る検討会(第16回) 議事要旨

1.日時

平成24年2月14日(火曜日) 14時30分~17時00分

2.場所

文部科学省 3階 2特別会議室

3.議題

  1. 東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の第2次分布状況等調査の進捗状況について
  2. KURAMAシステムを用いた走行サーベイ測定結果の確認
  3. その他

4.出席者

委員

中村主査、池内委員、木村委員、遠藤(小山委員代理)、斎藤委員、柴田委員、下委員、高橋(浩)委員、長岡委員、村松委員

文部科学省

渡辺次長・原子力安全監、板倉EOC環境モニタリング班長、菊川EOC環境モニタリング班、斉藤EOC環境モニタリング班、村上(原子力安全委員会)、小平(農林水産省)

オブザーバー

恩田裕一(筑波大学)

5.配布資料

  • 資料第16-1号 :東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の第2次分布状況等調査について
  • 資料第16-1-1号 :KURAMA1を用いた、連続的な空間線量率の測定(走行サーベイ)の進捗状況について
  • 資料第16-1-2号 :KURAMA2を用いた、連続的な空間線量率の測定(走行サーベイ追加調査)の進捗状況について
  • 資料第16-1-3号 :ゲルマニウム半導体検出器を用いたin-situ測定の進捗状況について
  • 資料第16-1-4号 :スクレーパープレートを用いた土壌深さ方向の放射性セシウムの分布状況調査の進捗状況について
  • 資料第16-1-5号 :大孔径ボーリングによる土壌深さ方向の放射性セシウムの分布状況調査の進捗状況について
  • 資料第16-1-6号 :ヨウ素129の放射能濃度測定を通じたヨウ素131の土壌濃度マップの精密化の進捗状況について
  • 資料第16-1-7号 :プルトニウム238、239+240の核種分析の進捗状況について
  • 資料第16-1-8号 :ストロンチウム89、90の核種分析の進捗状況について
  • 資料第16-1-9号 :プルトニウム241の核種分析の進捗状況について
  • 資料第16-1-10号 :河川中(河川水、河底土、及び浮遊砂)における放射性物質の放射能濃度の変化傾向の確認調査の進捗状況について
  • 資料第16-1-11号 :放射性物質の包括的な移行状況調査(第2次)の進捗状況について
  • 資料第16-1-12号 :居住区域の放射性物質の影響調査の進捗状況について
  • 資料第16-2号 :KURAMAシステムを用いた走行サーベイ測定結果の確認について
  • 参考資料1 :第15回放射線量等分布マップの作成等に係る検討会議事要旨
  • 参考資料2 :放射線量等分布マップの作成等に係る検討会名簿

6.議事

  1. 事務局より、資料第16-1号について、第2次分布状況等調査に係る説明が行われた。
  2. 斎藤委員より、資料第16-1-1号及び資料第16-1-2号について、説明が行われた。
  3. 斎藤委員より、資料第16-1-3号について、説明が行われた。
  4. 斎藤委員より、資料第16-1-4号について、説明が行われた。
  5. 斎藤委員より、資料第16-1-5号について、説明が行われた。
  6. 池内委員より、資料第16-1-7号から資料第16-1-10号について、説明が行われた。
  7. 恩田氏(オブザーバ)より、資料第16-1-11号について、説明が行われた。
  8. 斎藤委員より、資料第16-1-12号について、説明が行われた。
  9. 斎藤委員より、資料第16-2号について、説明が行われた。

7.主要な質疑応答

○  資料第16-1号、資料第16-1-1号、資料第16-1-2号について

【池内委員】  資料第16-1-2号には、KURAMA1とKURAMA2で検出器が異なるという説明があるが、同じ場所でKURAMA1とKURAMA2の測定した場合に同じ結果がでるものか。あるいは、補整が必要となるものか。
【斎藤委員】  KURAMA2は、CsI検出器を使っている。KURAMA1とKURAMA2を同じ車に載せ、同じルートを走り、その経時的なデータを比較して、同じようなデータが得られるということを確認している。また、CsI検出器自体についても標準線源を使って、妥当な線量率が得られているということ確認している。

【池内委員】  資料第16-1-1号の別紙に調査範囲の道路が掲載されている。山奥の方などについて、積雪の有無を教えていただきたい。
【斎藤委員】  北の地域は雪があったようである。行けるところまで行くということで測定を行ったことから、雪の中で測定した結果も一部含まれている。
【池内委員】  雪の中で測ると低い値になるか。
【斎藤委員】  はい。
【事務局】  雪の影響に関しては、遮蔽効果が効いており、すごく線量が低くなっていると思う。そういう場所については、例えば衛星画像等を使いながら、実際雪が降っていた地域についてはある程度メッシュしていくなどしなければいけないと考えた次第である。

【高橋(浩)委員】  自治体に貸与するため、使われ方についてある程度コントロールしないと危ない気がする。特に装置が小さいので様々な設置のされ方で使われたりするだろうし、搭載車の車種もお任せになったりしては良くない。おおもとの方である程度コントロールした状況で使っていただくべき。
【斎藤委員】  そのためにマニュアルを作成し、標準手順を決めている。車の種類としてはセダン型の車を標準とする。検出器は、後ろの後部座席の裏に、窓の下へ置くというのを標準的な場所としている。その置き方、置く方向も規定して、統一した条件で測定ができるような形でマニュアルを整備している。

【下委員】  システムを何台準備されているのか。
【斎藤委員】  100台ぐらいである。市町村への貸し出しは1週間ぐらいを考えている。できれば、3回までしたいところ。

【長岡委員】  積雪による遮蔽効果を適切に評価することは大変難しい。説明会のときに、予め、雪による遮蔽効果があるということ、それをうまく補整することは難しいことを含めるべき。後からデータをとって補整をすることはほとんど不可能であるし、例えば雪がなくてはげたところがあると、そこからの寄与が大きく複雑な状況となり、補整は無理である。なるべく雪の影響のないようなところで測定をした方が良い。
【斎藤委員】  基本的な計画としては、積雪が多く、雪に埋もれているような地域は、今回は貸し出しをしないということ。雪が多少降っているようなところであれば貸し出して、測定していただく。それなりのデータが出ると思っている。

【下委員】  雪の降り始めもやはり測定をやめてもらいたい。その中に含まれている自然の放射性核種が重なってしまうと非常に面倒である。
【斎藤委員】  かなり線量が低いところもサーベイ対象になっており、ラドンの影響も出ると思う。そこは気をつける必要がある。

【木村委員】  地方自治体の不慣れな方が測定するということで心配がある。日本原子力研究開発機構が測定結果から異常値等を抽出、補正することになると思うが、具体的にはどのような確認をされるのか。

【斎藤委員】  大雑把に言うならば、値が明らかにおかしいものである。例えばGPSの値が全く関係ない場所に飛んでいるもの、線量率が0であったり、異常に大きかったりしているものを除く。トンネル内のデータは、汚染状況を適切に表していないということで、今回のサーベイでは全部除くことになっている。さらに道路からはみ出たデータで、ある程度の距離については道路上へ戻す。その他、スパイク状のノイズで明らかにおかしいと考えられる数値を自動的に除くといったことを、トータルで処理するプログラムを開発し処理するということになる。

【中村主査】  システムが100台もあるということであれば、検出器のばらつきといったものは全部あらかじめチェックしているのか。
【斎藤委員】  メーカーが出荷するときに線量率はこの程度だという補償をつけて出すことになっている。
【中村主査】  この検出器はエネルギー補償型なのか。
【斎藤委員】  そうである。G関数については、日本原子力研究開発機構でシミュレーションして決めている。
【中村主査】  自治体の方が測定を実施されるとなると、その辺をよく説明しておかないといけない。専門家が実施するものとは全然違う。先ほどの雪の問題もあるため、よく留意すべき。

○ 資料第16-1-3号について

【事務局】  in-situ測定については、現在2か月で260地点と考えた場合、1000地点の測定をするとなると、半年近くかかってしまう可能性がある。半年以上たった上で測定結果をまとめるのはなかなか困難かと思う。可能であれば、今回は雪があってとれないところは除いて、雪がないところだけでも早急にやる。あるいは、土壌はとらないという方向で考える。例えば各地点に1カ所ぐらい土壌をとっておくということも一つの方法かと思う。
【斎藤委員】  土壌については、全地点で採取することはないが、4、5地点に1点は土壌をとるような形で実施している。

【長岡委員】  チーム数はどのくらいか。
【斎藤委員】  現段階で作れているチーム数が3チームから4チーム程度である。当初は10チームを目標として、編成することを考えていたが、ゲルマニウム半導体検出器本体と、人手の両方を確保できる機関を確保するのは困難であった。

【下委員】  資料第16-1-1号の地図の中で、雪で測定できなかった地域はどのあたりか。
【斎藤委員】  例えば会津周辺、群馬県の北の地域などである。福島については、今年は西の地域まで雪が積もっている。中通りについても、恩田先生もかなり苦労されているようである。
 千葉のあたりの条件の良いところはほとんど終わっているところ。

【中村主査】  この積雪の影響がなくて、測定を実施していないところは何地点あるのか。
【斎藤委員】  それはカウントしていない。
【中村主査】  チーム数を増やす等の対策の必要があると思うが、その可能性はあるのか。
【斎藤委員】  ゲルマニウム半導体検出器の数はある程度はある。その検出器を扱える人間を要請していく必要がある。
 ある程度の訓練を積めば、基本的に放射線計測の経験のある人であれば扱えるものだと考えている。

【池内委員】  in-situ測定について、半分程度は分析センターでやらせていただいており、チーム数を増やそうと考えているところ。実際、分析センターは5台のin-situ測定用のゲルマニウム半導体検出器があるが、年度末ということもあり人材の確保が難しい状況である。来週、20日の週は4チームを作って、原子力機構の高崎研究所を拠点にして群馬県を終わらそうと考えている。
 遅れている理由は、福島県以外でin-situ測定を実施するときに、地方公共団体の方から立ち会わせてほしいという要望があり、立会い自体は全然問題ないのだが、そのために時間を要してしまい、1日3地点が限界である。土日の調査を立会うことができないところで遅れの原因となっている。
 今年は非常に寒いせいもあり、1時間測定していたら40分か50分ぐらいでピークがドリフトして動いてしまう。その場合は、一からやり直しになってしまう。これはメーカーでもどうしようもない話である。

【高橋(浩)委員】  空間線量率を土壌中の濃度に関連づけようと思うと、地形の問題、周辺の沈着状況の影響をかなり受けると思う。そのあたりの手法についてお教えいただきたい。
【斎藤委員】  今、一般にin-situ測定で土壌中の濃度を評価する際には、水平方向に一様に核種が分布し、地中方向に指数分布しているという仮定で行われる。なるべく水平方向に広い地域を対象として測定するような条件で測定を実施してもらっているため、実際に評価した値と、サーベイメータで評価した値というのは割合よく一致している。
 ただ、一部の場所について、広さが十分でないところとかあり、そういうところについては後ほどモンテカルロ計算等を用いて、限られた領域ではどの程度ガンマ線が遮蔽されるのかという、解析もしていく必要があるのではないかと思う。そのためにその測定場所の写真等のかなり詳細な情報を得るような形にしている。
【高橋(浩)委員】  土壌試料の採取も同時にされているので、そこで突き合わせをよくやっていただければと思う。
【斎藤委員】  特にスクレーパープレートを用いた深度分布の測定もやっているため、深度分布に関わるパラメータについては適切な値が得られるものと考えている。

○ 資料第16-1-4号について

【柴田委員】  20km圏内について、in-situ測定は実施予定としている箇所があるのに、スクレーパープレートによる調査が20km圏内の箇所に測定点を持たないのは何故か。
【事務局】  資料のつけ間違えである。申し訳ない。
【斎藤委員】  20km圏内は今後採取する予定である。

【木村委員】  深さ方向の変化の確認については、土地の利用状況が問題となる場合がある。調査するときに土地の利用状況を一緒に調査しているのか。
【斎藤委員】  基本的には錯乱のない場所を基本的に選んで調査を行っている。また、現在の状況とか周囲の状況についても、詳しく記述して残すようにしている。
【事務局】  土壌観察を行って、しっかりと粒度分布を確認するなどの確認は行われているのか。
【斎藤委員】  この調査の中では予定していない。
【事務局】  次回以降になるか。
【斎藤委員】  多分、次年度行う。

○ 資料第16-1-5号について

【下委員】  「ぱかっとサンプラ」を用いると、何cmの深さまでの土壌を採取できるのか。どこでも掘れるのか。
【斎藤委員】  60cmの深さまで採取できる。様々なタイプの土壌を掘れると思う。
【下委員】  私の経験では、場所によっては非常に石ころが多くて、掘れないような地域もあった。そういうところだと何度も何度も色々な場所を掘らなければならず、現場では非常に苦労があると思う。
【斎藤委員】  前回用いたジオスライサーは比較的土が軟らかいところを選定していた。今回は、その傍で調査を実施しており、土は全般に軟らかいところを中心に選定していると考えている。

【柴田委員】  これは1チームで実施しているのか。
【斎藤委員】  1チームである。
【柴田委員】  1チーム11点で十分なのか、もっと様々な場所で採取を実施しなければならないのかというところを考えると、本当に1チームだけでいいのかという問題は残る気がする。
【中村主査】  実施可能なチームがあるかどうかという問題もある。
【柴田委員】  2月、3月の大学は忙しくて協力困難であるため、今回はほとんど日本原子力研究開発機構と日本分析センターが主体となって現場作業を実施している。今の時期は困難であるが、4月や5月、夏であれば、協力できる可能性はある。本当に調査範囲を広げなければならないとお考えであれば、また協力を募ることを考えても良いと思う。

【下委員】  先ほどの質問の追加であるが、現在は掘り易いところで調査を進めているが、今後、森林等のデータが非常に必要になると思う。
【斎藤委員】  このチームは、様々な場所の土壌採取の方法を検討しているようである。

【事務局】  この土壌の深さ方向の調査は「ぱかっとサンプラー」であったり、スクレーパープレートであったり、鉄パイプであったりと様々な手法でやられており、測定の手法と測定の結果がどういう形になってくるのかというのは今後検討していくと思う。その結果を見て、来年度以降はどうしていくのかを相談させていただきたい。

○ 資料第16-1-7号、資料第16-1-8号、資料第16-1-9号、資料第16-1-10号について

【中村主査】  資料第16-1-6号の担当者である村松委員がまだ来ていないため後回しにしたい。

【下委員】  河川水について、猪苗代湖については測定を実施しないのか。
【池内委員】  この場所は、流量が観測できる場所を選定しており、今回の第2次調査は1次調査後の経年変化を確認するということになる。猪苗代湖の測定については、文部科学省と相談が必要。
【事務局】  今後、相談させてもらいたい。

【下委員】  今までの説明にあった地図の中で特に気になったのは、例えばin-situ測定の資料第16-1-3号を確認すると、福島県、宮城県、岩手県、群馬県、栃木県、山梨県の一部が含まれているが、この流れでいくと、長野県の一部や新潟県の一部とが入っていないのはどのようなお考えによるのか。
 例えば16-1-4号の図では、80km圏内と言いながら80kmを超えた栃木県や茨城県でも採取している。採取エリアの整合性がとれていないように思う。
【事務局】  今回は降雪の影響等もあり、測定範囲については地元等と調整させてもらった上で決め、今回の調査はこういうふうにバッサリと地域を切っている。降雪の影響が明らかにあるとわかったところについては、調査地点としては含めないこととしているため、このような調査箇所になっている。

【木村委員】  ストロンチウム89の半減期が短いので、供試量を増やして、検出感度を上げるということであったが、第1次調査の基準日へ減衰補正をした場合、第2次調査での検出限界は第1次調査と同程度になるのか。
【池内委員】  第1次調査に比べれば若干検出限界は悪い。試料は100g程度が限度である。今回分析している土壌は、採取した土を湿土のまま分析している。湿土のまま分析するとなると、試料の量が多いときに非常に手間暇がかかってしまう。

○ 資料第16-1-11号について

【長岡委員】  スギ花粉の議論について、1~2週間ぐらい前に関係省庁のどこかで花粉には出ないという結論が公表されていた。それとの関係や、花粉センサー及びNaI検出器による放射性核種のデータの測定の中身が良くわからない。
 また、金沢大学の尾小屋鉱山のトンネルの中での測定の話について、ここ測定器でないと測れないような微量なものについて、何故そこまで測ろうとしているのか。
 さらに、資料中のテーマは、環境放射能の世界では昔からやられているテーマである。これは、大学連合でやるというスキームになっているのか。つまり、全日本で実施することを考えると、より整理できるのではないか。
【恩田(オブザーバ)】  スギ花粉について、林野庁が調査されている。計算上では、従来の花粉の飛散量から考えて、遠方地域での影響は無視できるとう話であった。それ以前に、花粉への移行については、林野庁の発表でも生葉からの移行係数は1対1ということで、極めて高いという結果であった。今回は、遠方よりは杉林の近傍において、実際どの程度の被ばく量に相当するのかといった観点から評価を行う。
 花粉センサーは、民間会社のNTTドコモが全国で既に4000カ所ほど導入している機器を貸していただくこととなっている。それは10分置きに花粉の粒子系とその比重から花粉を判定するというもので、実績のあるものである。同時にエアフィルター、ローボリュームサンプラ及びハイボリュームサンプラを組み合わせ、花粉を実際に採取する。その中にカスケードインパクターをつけた粒径別のものもあり、花粉の存在が明確に分かるような形になっている。
 NaI検出器というのは、これは連続的にデータを送信するNaI検出器を山木屋地区3カ所に配置したということで、10分置きにこのデータを取得するということになっている。花粉センサーとNaI検出器による線量の変化、エアフィルターに捕捉された微細粒質の分析を組み合わせ、花粉による森林の3地域の被ばく量を正確に算定しようというのが今回のねらいである。
 金沢大学の低レベル放射能実験施設における測定について、井戸水をmBqオーダーまで測るということになる。河川水についても同様である。
 また、この全体的な調査の実施主体は大学である。もちろん大学でなくても構わないし、一部は研究所も含まれているが、環境中の移行を漏らさず測定するということで、今回のチームが構成されている。
【中村主査】  長岡委員の御指摘にあった、低いものを測る意味合いについてはいかがか。
【恩田(オブザーバ)】  井戸水にどれだけ移行するかについて、想定ではかなり時間がかかると予想されている。
 前回の調査において観測井を新たに掘ったものになる。2カ所について、前回は出ていないという形で整理させていただいた。
 今回は非常に低いレベルでしっかりとっておいて、このデータを積み重ねることによって、今後、徐々に流動してきたとしたら、その数字として出てくることが十分に予想される。そういう形でこのデータをとったということになる。
【下委員】  恩田先生が実施されていることは、ある意味では移行調査を化学的に分析しようということで大変結構だと思うが、もう一点は、この調査はやっぱり現地でどうなっているかというのが非常に気になるところである。阿武隈川水系で、飲料水として取水しているところがあると思うが、それは何カ所ぐらいあり、どういうところで採っているのか。
【恩田(オブザーバ)】  既存のいわゆる出水時の濁度試料その他各市町村の浄水場の取水地点とかが、国交省以外にもある可能性がある。今期、できなかったらものについては次期になるが、そういったデータはできるだけ早くデータ収集はしておきたい。

○ 資料第16-1-12号について

【中村主査】  場所はどこになるのか。
【斎藤委員】  場所については、あまり言わない方が良いが、ある程度線量の高い地域における実際の家になる。
【中村主査】  調査の了解をとっているのか。
【斎藤委員】  はい。

【長岡委員】  家屋の遮蔽係数という言葉を使われている。実際には家の中の汚染の状態と外の汚染の状態とは違うので、遮蔽じゃなくて、減弱係数という説明が適切。
 もう一つは、「2.調査内容」のマル2のところで、今、雨どい、雨水マス等への付着状況の調査がある。屋根、壁、玄関の土の上、床の上、畳の上等のデータをとったらどうかと思う。
【斎藤委員】  資料に記載していないが、壁とか床もとる予定である。チェルノブイル原発事故の際もそうであったが、GM管で測るとかなり分かると思う。屋根は慎重にやらなければならない。

【柴田委員】  上水道を使っているところは市が測定しているが、山から水を引いて飲んでいるところは大丈夫かという質問がある。ある市の場合には、その水を持っていけば測ってくれるシステムがあるので、水についてはそれを使うことができる。ただし、その下の土等は汚染している可能性があるため、濁り水は良くないという説明はしている。
 こういうような調査をやっていると、生活環境の周りでの調査をすべきかどうかどこまで考えればいいのか。
【事務局】  自然環境中の移行があり、それに対をなすものに居住環境中での放射性物質の移行を無視できないという議論があった。そういうことを考えて調査を実施している。この結果が他省庁も含めて今後のいろんな調査に活用してもらえばいいと思っている。
 今回はあくまで移行という観点でやらせてもらえたらと思っている。

【下委員】  玄関は絶対やるべき。私の経験から、部屋の中の床面と、床から50cm、1m、2mでは差がでてくるので実施すべきである。
【斎藤委員】  高さ方向は1mまでなので、2mまで念のため測定したい。

【事務局】  今回、実験的に投入しようと思ったのは、コンプトンカメラが使うこと。移行状況について、期間を置いて測ったらどのように移行していくのかが分かってくるかもしれない。雨どいに落ちた放射性セシウムがどう動いているのかとかわかってくるかなと思う。
【斎藤委員】  まだコンプトンカメラ自体、性能的にとても十分とは言えないところもある。そのため、どこまでできるか分からない状況である。

【木村委員】  資料第16-1-11号の恩田先生の調査で、井戸水を濃縮して、金沢大学低レベル放射能実験施設で測定するということであったが、供試量もかなり多くする予定か。
【恩田(オブザーバ)】  20リッター程度である。
【木村委員】  環境での移行を詳細に調査することから、今後のいろんなものに役立つと思い非常に期待している。低いレベルのものを、高いレベルの環境で採取することになるので、試料採取時の汚染には特に注意を払うべき。
 また、結果を公表する際に、これにも出た、あれにも出た、ということのみではなく、定量的に一般の方にもわかる形で公表した方が良い。

○ 資料第16-2号について

【長岡委員】  2ページにある「第1次調査に比べて同一地点の線量率が30%近く減少」について、幾つか確認したい。車の遮蔽係数に1.3という比が導かれているがこれは車内値と車外値の比でということで良いか。
【斎藤委員】  そうである。
【長岡委員】  (その比の考え方は)前回も今回も同じという認識で良いか。
【斎藤委員】  そうである。車を置いてはかった値と、車をどかして同じ地点ではかった値ということで、遮蔽係数という。
【長岡委員】  遮蔽係数は前回も同程度であったか。
【斎藤委員】  前回はもっと小さかった。
【事務局】  前回は10%か15%ぐらいであった。
【長岡委員】  前回1.1から1.15ぐらいであるとすると、もし遮蔽係数が1.2であったとしても、周辺値も一緒に下がっているということか。
【斎藤委員】  周辺値も当然下がっている。それより道路の下がり方の方が相対的に大きいということになる。
【長岡委員】  もし道路の下がり方だけだったとしたら、道路の下がり方はその場所によって違うと思う。あるところでは10%減少し、あるところは30%減少しというものだろうと思う。ところが、この相関を見てみると、すごくいい相関をしていることから全体的に下がっているように見える。
【下委員】  平均の取り方について、例えば低いところに1点だけ外れている点があれば、そういうものには注意すべき。単純に何倍かとかというのには、平均的には良いのであるが、部分的にはっきり違うと思う。

【遠藤(小山委員代理)】  福島県でKURAMAの走行を実施し、その結果を何回か公表している。道路には、脇に側溝が存在するため、側溝の状態によって値がだいぶ変わってくるといった例がある。同じ道路でも右側と左側で違うとか、道路のところにマスがあったりすると、違うということもある。そのため、自動車による走行サーベイの結果と必ずしも合わなくて、より詳細に見ていくと局部的に高いところがあるという例がある。今回の走行サーベイの結果で部分的にばらつきがあることは、そういったことの影響が少しあるかもしれない。
 また、走行サーベイでは、道路上で空間線量率を測るとなると、道路の真ん中では測定できず、道路の端で測定をすることになる。そうすると、側溝の影響を受ける可能性があるのではないか。
【斎藤委員】  御指摘のとおりである。道路の周りは場所によって線量率が変わるという状況があり、道路の脇で急激に線量率が高くなる状況は、今回も様々な場所で見られると思う。そういうものの平均値として遮蔽係数が出ている。
【長岡委員】  私もそれについては承知しているが、そういった解説ができるデータを持っておきたい。
【中村主査】  KURAMAで走行しているときにそのようなデータはとれるものなのか。
【長岡委員】  とれると思う。
【下委員】  (走行中には無理なので)車を停車させて何回かやることになる。
【中村主査】  専門家が評価するのはいいが、地方自治体の担当者に任せることは無理。
【長岡委員】  あとでそのデータを解釈するときに、そのようなことがあり得るというデータを持っておくと、地方自治体の方も安心すると思う。

【高橋(浩)委員】  トンネルのデータを除かれているが、どの程度の長さのトンネルを対象としているのか。
【斎藤委員】  トンネルのデータとして道路情報に登録されるものはほとんど除いている。高架になっている道路というのはトンネルとして道路上に入っている。そういうものについては除くように車の進行方向で、それはトンネルではないと判断して、そこは除かないというようなことにしている。
【高橋(浩)委員】  立体交差で低く入るところとかある。都会のデータになるとそういった場所が多いと思う。
 トンネルに入るときの車速も関係してくると思う。ゆっくりトンネルに入るのであれば、その前のデータは信用できるが、速ければその影響を受けたデータになると思う。
【斎藤委員】  それについては、どこかで切らないと仕方がないのである判断基準を設けてやっている。
【下委員】  例えば人間が歩いて、歩道トンネルの屋根から少し入ると線量が下がる。道路については、トンネルから入ってしばらくは、車に放射性物質が残っていれば数~十数メートルぐらい汚染している可能性もある。そうなるとトンネルの入り口側と出口側でも違ってくる。細かく言えばそういうことがある。そういったことを頭に置いて処理していただければと思う。
【斎藤委員】  長岡委員の御発言にあった特徴をある程度バックデータとして持っておいて、あとで解析ができるようにするという話かと思う。今後そういうデータをとっていきたい。

【中村主査】  道路で測定した値と周辺が平均1.2程度であるが、それをマップ上でどのように表していくか議論をしていった方が良い。斎藤委員からは、マップとしてではなく参考値として表す方が良いとのことであった。一方、行政的には何か掲載したいという希望もあるようである。
【事務局】  提案させてもらったマップがスライドの6ページと7ページに案1、案2とある。説明を補足すると、実測値として、走行サーベイで道路上の測定結果を四角でプロットしたものを整理して出していこうと思う。他方で、この時点においては道路周辺の空間線量率測定結果と道路上の測定結果の比は1.2で、比例関係があることが確認されている。参考までに道路上の線量率についてあらわした結果、太丸のようにして、参考図として太丸の図をつくってはどうかと思っている。
 やはり道路上の結果だけだと使いづらいと思うし、各市町村において道路上の結果以外の情報も必要であろうと思う。
 条件として、様々な注釈をつけたうえで出すのであれば、参考図としても出せるのではないかと思っている。
【中村主査】  そうしておかないと、太丸も測ったのかと思われてしまうといけない。
【事務局】  道路上と道路の周辺とで、空間線量率の分布の関係が何となく見えてきているので、今後、自治体がサーベイメータで測定するにしろ、そういったマップもあった方がわかりやすいのではないかと思う。
【中村主査】  太丸の半径はどれぐらいを示しているのか。
【事務局】  30mである。
 あくまでイメージである。
【中村主査】  4ページのKURAMAによる測定値と周辺での線量の比較のグラフも30mで評価すればいかがか。
【斎藤委員】  左のほうは20mで、右の方は50mである。

【高橋(浩)委員】  今の係数がどの程度の意味があるかということにかかってくるかと思う。その係数自身が時間とともに変化することがほとんど明白であることから、それをある時点のデータだけで評価すると誤解を招き、他のところで間違った使われ方をするおそれがある。
 今後、KURAMA2で、類似の測定が行われるということだと、他にあまり影響しないような形のやり方を示した方が良い。
【事務局】  御指摘のとおり、そういったことは分かった上での話となる。これから定期的にKURAMA2を使用していく中において、空間線量率と周辺の線量率と、道路上のデータの比較を行わなければならない。
【高橋(浩)委員】  ある時点でのマップを示すということが、どの程度の制約条件として入るかというところを疑問に思っている。受け取る側にとっては、車で測定した場合は1.2倍というふうに受け取られることもある。それが一人歩きするのは大変危険であるため、誤解も招くデータはあまり作るべきではない。
【事務局】  例えば第1次調査の際は、道路上の測定結果と道路周辺の結果は大差なかったため、そのマップを見た方々もサーベイメータで測っても数値が変わらないということで、走行サーベイのマップが非常に使えると思われたと思う。第1次調査と第2次調査の結果を比較してみて、数値が非常に下がっているので、我々で測定した結果と比較しても非常に低く出るかと思う。そうすると、走行サーベイのマップが出たときに、単純に低いなと思われるかもしれない。そういうことを考えても1.2倍したものがあった方が良いと思う。
【高橋(浩)委員】  そこは、そういう説明を付加すると良いと思う。低い値になる可能性があり、高くなることも当然ある。道路の値をあくまでも示しているものであって、これは周辺のものとは必ずしも等しくはないということを、注釈をつけるなど丁寧に説明するべき。
【渡辺次長・原子力安全監】  今問題になっているのは道路データが実際の周辺のデータよりも過小評価になるとことがミスリーディングかもしれないということであるが、まず道路データを示して、それに加えて参考として1.2を掛けた場合の図を付けておいた方が良いのではないか。この色分けというのは結構ビジュアル的に印象に残るものである。道路の測定値から自分で1.2倍して色を考えてくださいと言っても、非常にわかりにくいので、その両方の色分けをつけた方が市町村にとっては分かりやすいかと思い提案している。
【下委員】  渡辺次長の御発言には賛成である。我々は、元データが基本であるためそれをきちんと公表する。それに、何倍かするというのは、専門家ではない方が見るときに大事になってくる。
【柴田委員】  今後オートバイなどを用いて測定した場合、(測定状況が大きく変わるので)この1.2倍というファクターが変わる。
 結局この道路を測ったところで自分の周辺を測らないと意味がないという声もでてくる。道路だけの値を出して、この値は実際の値とは違うという説明をつけたのでは、何のために測っているのかということになる。測定方法、交通量などによっても、係数が1.3になったり、1.4になったりすると思う。大ざっぱにこのぐらいの値だということを示しておいて悪くはないと思う。
【中村主査】  高橋(浩)委員の御指摘のように、数値が一人歩きするのは非常に心配である。そこをうまく説明するかということが重要。
【下委員】  私の説明がちょっと下手だったかもしれないが、1.2倍というのは平均であり、高いところ、低いところがでてくる。それぞれによって違うので、倍率格差の最終的な図面が必要であろうという意味で発言をした。

【斎藤委員】  我々が測定した基本的な測定値は1.3倍にしたものだと思う。正式な成果というのは1.3倍にした地図で表す方が良い。1.3倍というのは遮蔽係数である。
【斎藤委員】  参考データとして、1.2倍にしたものを様々な用途に使っていただいても良いかと思うが、それはあくまで評価値であることから、周りの線量率がそうであることを保障するものではないことを注意書きで加えることが必要。
【中村主査】  そのとおりだと思う。
【木村委員】  斎藤委員の御発言にあった手法がもっともな手法であると思う。より丁寧に説明をつけるということと、事実と推定値は区別すること。1.2倍という数値も「約」1.2倍ということであって、例えばプラスマイナス標準偏差の幅を持ったようなものだということをきちんと説明に書くということは必要だと思う。
【中村主査】  1.2倍についてもだいぶ幅がある。
【木村委員】  そうである。1.2倍が万能な係数のように誤解されてはいけない。どういう表現が良いのか、プラスマイナス標準偏差が良いのか、そこは検討するべき。
【遠藤(小山委員代理)】  結局、地元の人は自分の所はどうなっているかという見方をする。一般的にどうなのだという話よりも、地図上でこうなっていますという見方をすることになる。1.2倍という係数が一人歩きしないような書き方をするよう留意すべき。
【事務局】  福島県としては逆にそういうマップがない方が良いということか。図はあっても良いが、適切な書き方として欲しいということか。自治体のことを考えるとどちらが良いのであろうか。
【遠藤(小山委員代理)】  県の立場では、直ぐにお答えすることができないが、個人的な見解では、定性的な言い方の方が良いと思う。統計的に見るとこうであるという数値は出てくるが、場所によって大分違いが生じることがあるので、この1.2倍という数値がそのまま出るのはどうかと思う。
【渡辺次長・原子力安全監】  この1.2倍というのは慎重にすべきであるが、実測値と推定値と2つの図を作ることについては、その方が分かりやすいかと思う。ただし、1.2倍という数字が固定されたものではなく、定性的に、道路よりも周辺の方が高いことが多いため今回は1.2倍で図を作ってみたらこうなったという解説付きの参考図を付けても良いと思う。
【中村主査】  図は2つ付けるということで良いか。今の議論を踏まえて、書き方に関しては十分検討していただきたい。
【事務局】  まず素案を作り、委員の方々に確認してもらおうと思う。

○ 資料第16-1-6号について

【恩田(オブザーバ)】  ここでの試料は、筑波大学で採取したのではなく、文部科学省の試料をたまたま筑波大学で分析したというもの。

○ その他 

【事務局】  報告書について、現在は先生方からのコメントに基づき修正中である。修正後、最終版について、確認していただきたいものをセットしたい。
KURAMAの測定結果については、道路上の車外の値についてどういうふうに条件ずけするかについて案を作りたい。測定結果のプレス発表資料等も同時に確認してもらいたい。
【中村主査】  報告書の最終版はいつ頃になる予定か。
【事務局】  そろそろ公表したい。

以上

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文部科学省 原子力災害対策支援本部

(文部科学省 原子力災害対策支援本部)

-- 登録:平成24年03月 --