資料第8-2号 :放射線量等分布マップサイトの開設について

文部科学省 原子力災害対策支援本部
モニタリング班

1.背景・目的

 この放射線量等分布マップサイトは、平成23 年度科学技術戦略推進費「放射性物質による環境影響への対策基盤の確立」「放射性物質の分布状況等に関する調査研究」において、東京電力株式会社福島第一原子力発電所から放出された放射性物質の影響を詳細に確認できるようにすることを目的として、同研究で作成した放射線量等分布マップ及び、走行サーベイマップ並びに、文部科学省が実施している様々なモニタリングの結果をもとに、作成したものである。

1 放射線量等分布マップ

 放射線量等分布マップは、地表面に沈着した放射性物質による住民の健康への影響及び環境への影響を将来にわたり継続的に確認するため、東京電力株式会社福島第一原子力発電所から80km圏内は2km×2kmメッシュに1箇所の地点で、80km~100km圏内及びこの圏外の福島県は10km×10kmメッシュに1箇所の地点で、空間線量率を測定するとともに、各箇所5地点程度で表層5cmの土壌を採取し、ゲルマニウム半導体検出器を用いて核種分析した結果をマップ上に示したものである。

2 走行サーベイマップ

 走行サーベイマップは、道路周辺における放射性物質からの影響を詳細に把握するため、東京電力株式会社福島第一原子力発電所から概ね100km圏内の国道や県道を中心に走行サーベイ※を実施し、連続的に空間線量率を測定した結果をマップ上に示したものである。

※ 走行サーベイは、走行している道路周辺の空間線量率を連続的に測定するため、車内に放射線検出器を搭載し、地上に蓄積した放射性物質からのガンマ線を詳細かつ迅速に測定する手法。なお、本調査では、京都大学が独自に開発した走行サーベイシステム「KURAMA」を福島県の協力により使用した。

3 航空機モニタリングマップ

 航空機モニタリングマップは、平成23年4月6日以降、文部科学省が米国エネルギー省等と連携して実施してきた航空機モニタリング※の結果等に基づき、各時点における地表面から1m高さの空間線量率及び地表面への放射性物質の沈着状況をマップ上に示したものである。地表面に沈着した放射性物質の影響の概要を知ることが可能。

※ 航空機モニタリングは、地表面への放射性物質の蓄積状況を確認するため、航空機に高感度の大型の放射線検出器を搭載し、地上に蓄積した放射性物質からのガンマ線を広範囲かつ迅速に測定する手法。

 今後は、これらのマップが更新され次第、新たに追加していくとともに、新たな種類のマップが作成され次第、本サイトにおいて公表していく予定である。
 なお、本サイトの利用にあたっては、本サイトの利用方法、提供している情報の意味を十分に確認、理解し、同意した上でご利用をお願いする。

2.利用規約及び使用条件

  • 当マップは、電子国土webシステムを利用して、東京電力株式会社福島第一原子力発電所から放出され地表面に沈着した放射性物質の影響について地理空間情報を提供するものであり、「電子国土」共通利用規約に従い利用するもの。
  • 本サイトにおける著作物は、地理情報などについては、文部科学省が著作権その他の権利を保有している。
  • 本サイトで得られた情報を営利目的で利用することができない。
  • 本サイトを使用することで生じた利用者の直接または間接の損害については、利用者がその責任を負うものとし、文部科学省は一切の責任を負わない。

3.必要な環境

推奨プラウザ: Internet Explorer 7以降、Firefox 3以降、Opera 9以降、Safari 4以降
(IE 7ではPNG画像に対応していないため印刷に不具合が生じる)
(Operaはバージョンにより、動作が不安定になる現象が確認されている)
(Google chromeにおいても動作することを確認している)

4.その他注意事項

  • 本サイトで提供する地図情報は、地図及びデータを作成する上の誤差を含んでいる。ご利用の際は、参考情報として取り扱いしてもらうことをお願いする。
  • 本サイトで提供するマップは、以下の手法で作成しているため、各地点の値は、必ずしも実際の放射性物質の影響を示しているとは限らず、一定範囲内の誤差を含んでいる。
  1. 放射線量等分布マップ:市販のGPSを活用して測定地点を特定した上で、毎時30マイクロシーベルト以下の場所においては、校正済みのNaI(Tl)シンチレーション式サーベイメータを使用し、空間線量率が毎時30マイクロシーベルトを越える場所においては、校正済みの電離箱式サーベイメータを使用して、地表面から1m高さの空間線量率を測定している。
  2. 走行サーベイマップ:車内に設置したNaI(Tl)シンチレーション式サーベイメータと接続したKURAMAシステム(Kyoto Univ. RAdiation MApping System)を用いて、道路上(車内)における空間線量率を算出している。マップ上に示す値は、車内に設置したサーベイメータで計測した空間線量率について、測定車の構造による遮蔽効果やサーベイメータの設置高さ等を考慮した上で、車内及び車外で測定した空間線量率の補正係数として1.3を乗じて算出している。
  3. 航空機モニタリングマップ:ヘリコプターに搭載した高感度の放射線検出器を用いて、1秒間に1回、飛行軌跡直下の地上の地点を中心とした、飛行高度(目標高度:150m~300m)の概ね2倍の直径の円内に沈着した放射性物質から放出されるガンマ線を測定している。その上で、各地点の地表面から高さ1mの空間線量率は、上空で測定されたガンマ線の値と地上で測定したサーベイメータの値から、専用のソフトウェアを使用して算出している。
     他方で、地表面への放射性セシウムの沈着量は、地上で測定されたゲルマニウム半導体検出器の測定結果と地表面から高さ1mの空間線量率の関係から、専用のソフトウェアを使用して算出している。なお、飛行していない箇所(飛行軌跡上にない箇所)の値は、飛行している箇所で得られた測定値を内挿法により、算出している。
  • 本サイトは、内容を予告無しに変更、削除したりする場合、また、メンテナンスや停電等の作業が発生した場合には、情報の提供を停止する場合がある。
  • 「地図が表示されない」、「エラーが出る」などの問題がある場合は、電子国土Q&A(http://portal.cyberjapan.jp/q_and_a/index.html)の確認をお願いする。
  • 一定人数以上のアクセスが本サイトにあった際、地方自治体及び行政関係者の利用を優先し、アクセス不能になった利用者に対して、地図の拡大版をpdfで提供することとする。

5.公開までのスケジュール

 これまで、試験的に市町村関係者、行政関係者にID、PASSWORDを送付し、限定的使用を実現している。これらの使用時の結果も含め、現在、本サイトの公開に向けて、文言の最終確認や不具合のチェックに加えて、一定人数以上のアクセスがあった際の対処策を講じており、その処置が終了後、公開予定。

お問合せ先

文部科学省 原子力災害対策支援本部

(文部科学省 原子力災害対策支援本部)