資料第1-8号: マップ関連研究について

文部科学省EOC
環境モニタリング班

土壌表面及び土中における放射性物質の分布状況の確認

1.放射線量等分布マップにおけるばらつきの確認及びその要因の解明

 今回の詳細な土壌調査では、限られた時間内で大量に土壌採取を実施することを検討しているため、2km四方あたりに1地点の道路沿いにおける放射性物質の蓄積状況の確認が主となり、本結果をもってマップ化することを検討している。
 他方で、この2km四方内においても様々な生態系があるため、放射性物質の分布は異なり、場所によっては、今回土壌採取で選定した箇所が測定区域における代表的な箇所であるとは言えない箇所も存在する。
 そこで、本マップ公表時に、この2km四方あたりに1地点の測定結果が持つ意義・位置付けを提示するため、様々な生活環境を有する2km四方のモデル地域を選定し、この区画から生態系の異なる箇所の土壌を採取・分析することで、土壌表面における放射性物質の蓄積状況のばらつきを確認するとともに、そのばらつきに影響を及ぼしうる土壌の物理・化学的特性を明らかにする。

【実施機関:JAEA、北海道大学、金沢大学】

2.土壌表面におけるその他核種の詳細分析

 土壌表面における放射性物質の蓄積状況を詳細に確認するため、土壌濃度マップ作成のために採取した土壌のうち、土壌採取時に空間線量率が高かった箇所について、これまでに確認された放射性ヨウ素、セシウムに加えて、その他の核種について詳細な分析を実施。

【(財団法人)日本分析センター】

3.深さ30cmの土中における放射性物質の分布状況の確認

 土中における放射性物質の深さ分布状況について網羅的に確認するため、深さ30cmの土壌を採取し、土中における放射性物質の深さ分布状況を確認する。

【大阪大学、JAEA】 

河川・地下水における放射性物質の分布状況の確認

1.放射性物質の蓄積量が大きい箇所における河川、地下水の放射性物質の確認

 地表面に蓄積した放射性物質の河川、地下水への移行を確認するため、これまでの陸上モニタリングや航空機モニタリングの結果を参考に、放射性物質の蓄積量が大きな箇所における河川や地下水内に含まれた放射性物質の蓄積量を確認する。
 なお、放射性物質の蓄積量における変化を確認するため、時期をおいて2回採取し、地表面から移行した放射性物質の移行状況を確認する。

【(財団法人)日本分析センター】

放射性物質の大規模循環の包括的調査

1.土壌等からの放射性物質の移行循環調査

 福島第一原子力発電所周辺における地表面や森林に蓄積した放射性物質の今後の変化を予測するため、モデル地区を設け、森林や土壌からの巻き上げ、土壌表面から地下水、河川への移行、河川から土壌表面への再移行について、一連の放射性物質の大規模循環を包括的に調査し、土壌表面における放射性物質の蓄積予測のための基礎データを得る。

【筑波大学、東京工業大学、京都大学、広島大学】

データベースの作成

1.福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質データベースの作成

 本土壌調査では、統一化された採取方法・分析手法で1万サンプル以上の核種分析結果及びそれに伴う付帯情報が得られ、その結果は、今回の事故について将来的に被ばく線量評価を実施する際や、今後の科学的解析や分析を行う上で非常に重要な基盤となる。
 そこで、取得されたデータを一元的に管理し、世界中の多くの研究者に広く公開するため、研究者等のニーズを踏まえたデータベースを作成する。なお、本データベースの作成にあたっては、今後の公開を視野に入れて、最新のセキュリティ技術、耐障害性技術を活用し、情報の遺失、漏えい、改竄等の発生を防止し、安全かつ安心なデータの利用を実現する。

お問合せ先

文部科学省 原子力災害対策支援本部

(文部科学省 原子力災害対策支援本部)