科学技術イノベーション政策のための科学推進委員会(第11回) 議事録

1.日時

平成24年8月17日(金曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省16F特別会議室

3.議題

  1. 「科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業」の今後の進め方について
  2. その他

4.出席者

委員

笠木委員、黒田主査、桑原委員、小林委員、野間口委員、森田委員、

文部科学省

田中 総括審議官、土屋 科学技術・学術政策局長、磯谷 科学技術・学術政策局政策課長、阿蘇 科学技術・学術政策局計画官、山下 科学技術・学術政策局政策科学推進室長

オブザーバー

社会技術研究開発センター長 有本 建男

5.議事録

【黒田主査】
  定刻になりましたので、第11回の「科学技術イノベーション政策のための科学推進委員会」を開催させていただきたいと思います。
 今日はお暑い中、またお忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございました。本日は、前回に続きまして、政策のための科学の推進事業を今後どうやって進めるかということにつきまして、前回幾つか宿題をいただいておりますので、それを含めて、いろいろ事務局と相談してまいりましたので、御提案申し上げて、御議論いただきたいと考えています。
 まず、お手元の資料の確認をよろしくお願いします。

【山下室長】
 よろしくお願いいたします。
 お手元に配付してございます資料、議事次第とクリップでとめているものでございますが、資料番号が1から、枝番もございますけれども、資料5までございます。その後、参考資料が二つ挟まっておりまして、一番後ろに前回の推進委員会の議事録(案)ということでお配りしてございます。こちらは一部、先生の御意見を賜っているところを反映しているところがございますが、まだ皆様から頂いてないので未定稿としてございますが、皆様から御意見を頂きまして確定しまして、主査と御相談した上で通常どおりホームページに公開したいと、このように考えてございます。あわせて、GRIPSのほうから「科学と政策をつなぐ」というシンポジウムのプログラムを机上配付資料として配付させていただいてございますし、机上には報告書のほうも一部、CRDSから配付させていただいていると思います。
 以上でございます。

【黒田主査】
 どうもありがとうございました。よろしゅうございますでしょうか。何か不足がありましたら、事務局の方にお申し出いただきたいと思います。
 それでは、最初の議題に早速入らせていただきますが、先回の続きということですが、「政策のための科学」の事業全体の目標設定、工程の管理、将来にわたって何らかの評価をしていかなければいけないと、そういったことについての基本的考え方を今日、御議論いただくということでございます。
 最初に、前回からの皆さんの御指摘を踏まえて、政策オプションというのをどこがつくって、それをどういう仕組みでこの委員会として提案していくかということもありますので、そういった方向について事務局と少しまとめさせていただいた資料1、2に関しまして、事務局から御説明をいただきたいと思います。

【山下室長】
 それでは、お手元に資料1と書いてございますパワーポイントでつくった横のA4の紙をお手元に置いていただければと思います。前回、御議論いただきましたことも踏まえまして、新しい仕組みということを導入していきたいということでございますけれども、少し予算の資料みたいになっていて恐縮ですが、全体の構造を少し整理した紙をこの形でまとめてございます。
 基本的な考え方は、一番左上にございます政策形成プロセスを基本的な構造として分解しまして、それぞれのどういうところに種々のプログラムが貢献、あるいは活用されるのかという位置関係を我々なりに整理させていただいて、各プログラムのそれぞれ推進している実施主体の方とも話をした上で、こういう形で整理させていただいております。
 特に今回新しいプログラムとして、これは今、概算要求に向けて我々も要求していきたいと思ってございますが、1ページおめくりいただきまして2ページ目になりますけれども、あくまで仮称です。引き続き名前は、今後、予算編成も含めて、いい名前というのを模索したいと思ってございますが、「SCIPs(サイプス)政策ブリッジ実践プログラム(仮称)」と書いてある2ページ目でございます。ここも前回種々、御議論いただきましたが、きちんと政策ビジョンというのを見据えて、将来のあるべき姿も変わってくる姿も見据えて、様々な政策課題がございますが、様々な政策課題について、どういう行政手段、あるいは政策手段として解決し得るのか、その経済・社会効果をどのように分析するのかということを書いているものでございます。
 今後、具体的な政策課題につきましては、政策課題のみならずでございますけれども、右側にあるような、どのような体制にするのか、あるいは後ろの資料にございますが、どのような機能を持つのか。おそらくは産学官、いずれもきちんと力を合わせてやっていく仕組みというのが必要だと思ってございますが、そういった点でございますとか、あるいは、おそらく、これまでプログラムで生かされているデータですとか分析手法というものも、それ以外の部分も含めてありますけれども、政策課題をきちんとオプション化していって経済・社会効果を分析するために必要な研究資源とは何か、分析手法データベースは一体何を新たにつくる必要があるのか、あるいは何が使えるのか。あるいは行政とつないでいく仕組み、研究のための研究ということではなくて、これは政策と研究をつないでいくプログラムでございますので、そこの仕組みづくりといった点について引き続き今年度中に詳細な検討を進めていきたいと思ってございます。特にここのポンチ絵の下側にある具体的な政策課題の例といいますのは、これで決めたということではございませんが、こういうことが取り組む事例として少し考えられるということでございまして、ここも実務的な面も含めて詰めていきたいと思ってございます。
気をつける必要があるなと感じてますのは、きちんとオプションがそれぞれわかるように、トレードオフ関係がわかるようなオプションづくりができるのかどうか。あるいは、いろいろな問題、いろいろな課題がございますけれども、全てを実現に向けて複雑に解くというのは実はなかなか難しい面もございますので、こういう仕組みをつくるということをやっぱり考えていきたいという視点からも、どの程度の粒度で考えていくのか、選択可能なオプションという視点で、どの程度の粒度にするのかといった点。あるいは、科学技術でとるべき手だてに加えて、やはり社会制度面でとるべき手だてというところを組み合わせないとイノベーションまでつなげることは難しいということもわかってございますので、ぜひこのプログラムの中で取り上げる際には、両者がある程度バランスよく混在しているような課題設定といったところにきちんと意識を持って検討を進めていきたいと思いますし、検討がある程度進捗して、いろいろ御相談、御意見をお伺いしなければいけないタイミングは、主査をはじめとした皆様と御相談しつつ、推進委員会でも途中経過ということで御報告したり、御検討いただいたりということを考えたいと思ってございまして、概算要求としましては、文部科学省としましては、幾ら要求できるのかというのは、まさに今日、シーリングが出ましたので、実は事務的にも今がちがち詰めている段階でございますが、何とか来年度の要求に向けて進んでいきたいと考えている次第でございます。
 続きまして、資料2-1を御覧いただければと思います。字面の資料になってございます。こちらのほうは題名にもございますとおり、事業全体の目標ですとか、工程管理、ロードマップといった点、あるいは評価をどのようなタイミングでどのようにしていくのかということについて現時点での考え方を整理した紙として、推進委員会への位置付けペーパーということでまとめさせていただいているたたき台の案でございます。
 1枚目につきましては、先ほどの説明ともちょっと重複します。まさにきちんと目標設定し、あるいは、これまで示されている方針をきちんと踏まえてやっていくべきだということを1ページ目から2ページ目にかけて書いてございますけれども、2ページ目、おめくりいただきますと、その中で新しいプログラムの立ち上げを検討し、あるいは25年度から本格的に着手することを目指すという記述を書かせていただいてございまして、特に今日、ちょっと御覧いただきたいと思ってますのは、2ページ目の後段あたりからあります各プログラムの工程表の作成という部分でございます。こちらにつきましては、それぞれ各プログラム、昨年の5月、まさにこの推進委員会がスタートした際に、各プログラムをどういう目的、趣旨で進めるのかということを推進委員会でお諮りいただいて、御議論いただいたところでございますが、現時点での新しいプログラムをつくっていく、あるいは目標設定をもう一度立ち直って考えるという趣旨にかんがみて、ここの検討をそれぞれもう少ししていく必要があるかということで、それぞれのプログラムを少し書いてございます。
 順番に申し上げます。「政策課題対応型調査研究」、2ページの下から3ページ目の頭にかけての部分でございますが、特に3ページ目の前段でございますけれども、新しいプログラムの立ち上げを検討していくということに合わせまして、このプログラム自身の位置付けを再整理するという方向で我が省と政策研を中心に検討して、年度末までに一定の結論を得たいと思います。
 「公募型研究開発プログラム」、RISTEXのほうで公募していただいているプログラムのほうでございますけれども、3ページ目の中段より上でございますが、ここにつきましては、2パラに少し書いてございますとおり、新しいプログラムの可能性というのをどのように考えていくかということにつきましては、まさに今、第2回目の公募を実施していただいておりまして、森田先生に主査をやっていただいているプログラム委員会で審査を進めていただいているところでございます。これについては個々の課題について、この新しいプログラムの中で生かしていけるもの、もしくは協力できるものを少し見定めていきたいと思ってございますし、あるいは、まだあと2回公募があるということでございますので、来年以降の公募につきましては、必要に応じて従来の公募に加えて、研究領域を限定して新しいプログラムで必要な手法ですとか、データベースをつくり込む、もしくはデータマイニングするといったものがうまく入っていくものについては、そういう公募をする可能性について検討していくという形で書かせていただいてございます。
 「拠点」につきましては、3ページ目の中段から下でございますが、大きく2点ございます。新しいプログラムは、先ほどお話し申し上げましたとおり、現時点では産学官がきちんと力を合わせて、結集して一緒になって政策オプションづくりをしていくということでございますので、この場自身が拠点のいろいろな取組をやっていらっしゃる方との人材交流のプラットフォームになるのかなと思ってございますので人材交流を活発化したいと。もちろん、拠点に行政から行くとか、あるいは違うところから行くということももちろんあるんですけれども、そういう人材交流を実際に動かす形に持っていきたいとも思ってございますし、あるいは、拠点それぞれが基盤的研究という中で人づくりとともに研究をやってますので、そういったところを少し発展させて、こちらのプログラムで実践的に政策に生かしていこうということを協働できないかということについて今後考えていきたいと。来週、実は拠点の代表者が集まるサマーキャンプというものがございまして、この場に私は行かせていただこうと思ってございまして、このあたりの話もきちんとして、拠点とどのような連携ができるのかということを少しディスカッションをスタートさせていきたいと思ってございます。
 四つ目、「データ・情報基盤」につきましては、これもNISTEPを中心に今検討を進めていただいておりますけれども、データベース自体、ビッグデータとも連動するところもございますが、政策を科学する際には非常に重要な基盤でございますので、ぜひこのプログラムの中で何らかの形で役割が果たせるような方向性というものをNISTEPを中心に考えていきたいと考えてございまして、このような記述にさせていただいてございます。
 1ページおめくりいただきまして4ページ目でございます。「評価」につきましては、種々御議論ありましたけど、これまで特に決めたものは実はまだなくて、走りながらスタートさせたというような、ちょっと反省の点もございますが、種々のプログラムの今とりあえず終期と設定されている時期等々を考えまして、27年度には事業全体の第1回目となる中間評価をやると。したがって、26年度末までに、それぞれのプログラムで適切な評価の仕組みを検討していくということにさせていただきたいと思ってございます。
 また、最後に「その他」と書いてございますが、昨年の5月に示された「基本構想」「基本方針」というものに書かれている内容を、実は今回のこの資料は、いわばリライトしたような位置付けで書いてございまして、これを再構築したという位置付けにさせていただきたいと思います。ただ、現時点でのあくまでも見通し、考え方を整理したものですので、今後も必要に応じて見直しは必要であると、このように考えてございます。
 今、御説明申し上げました点につきましては、どのような形で各プログラムと新しいプログラムとの関係、あるいは連動性というのを高めていくのかということについてはポンチ絵を御用意させていただいておりまして、資料2-2というポンチ絵でございますが、これは書いてある順番にはあまり意図はございません。意図はございませんが、あえて新しいプログラムとどう接点ができるかという視点でわかりやすくなるように並べているものでございますけれども、今申し上げたようなことを少し図式化したポンチ絵が資料2-2に相当するものでございます。
 説明は以上でございます。

【黒田主査】
 どうもありがとうございました。今、御説明いただいた点に関しまして、少し時間をとって議論させていただきたいと思います。
 仮称でございますけれども、SCIPsと呼んでいますが、今までの幾つかのプログラムにブリッジをかけて政策オプションを実際に動かしていく、そういうための組織と申しますか、そういうものをつくりたいという御提案、それをどういうふうに各プログラムと結びつけていくのかということについての提案をさせていただきました。また、四つのプログラムの間で、どういうリンケージをとりながら産学官全てについてどういう連携をとっていくかということも若干試行することが必要な部分もありますので、今年度いっぱい、そういったことも含めて、オプションのつくり方、そしてSCIPs全体を動かすブリッジの在り方みたいなものの詳細設計をむしろ今年1年間、じっくりやりながら、来年度からスタートの準備を行うというのが御提案の趣旨だろうと考えております。
 その点で何か御議論なりコメントがありましたら頂きたいと思います。いかがでしょうか。何かございますか。現在動いている各プログラムをやってらっしゃるほうから御意見をいただいたほうがいいかと思いますが、RISTEXの森田先生、公募プログラムとの関係でいかがでしょうか。

【森田委員】
 公募プログラムも2年目になりました。ただ、公募の趣旨そのものを適切に伝えるというか、受けとめていただくのは、なかなか難しかったところもありまして、今後は少しこのプログラムの目的に沿う形で、絞り込んでいくといいますか、少なくともその方向性を示すという意味で、このブリッジプログラムというのは、それなりの意味があるのかなと思っております。

【黒田主査】
 桑原所長、いかがでしょう。

【桑原委員】
 いろいろ議論させていただいています。一つは、政策研の担う政策課題対応型研究というのは、スタート時点、当面、政府の総投資がどのぐらいの経済効果をもたらすのかということでした。これは常に基本計画の議論がスタートするときには出てくる話題なんですけれども、ただ、毎年毎年の概算要求につながるような話では必ずしもない。とりあえずスタートしているんですけれども、1年半ほどたって、いろいろな状況も落ち着いてきて、どういうものが優先度が高いのかということもスタートしたころよりはいろいろなことが見えてきてますので、こういう時点で今、政策研が対応しているテーマについても、いろいろ御相談しながら少し再調整させていただいて、それから、これから概算要求ですけれども、立ち上がるブリッジプログラムと、どううまくリンクをとってくるかということがこれから重要だろうと思っております。

【黒田主査】
 ありがとうございました。有本さん、いかがでしょう。CRDSで後から御説明いただきます構造化プログラムも動いているわけですけれども、CRDSの観点から何かございますか。

【有本センター長】
 一般論になるかもわかりませんけれども、ブリッジプログラムという名前はちょっと検討が必要です。お願いしたいのは、既存の四つのプログラムとこの新しいプログラムが全体の時間軸の中でどう動いて、このプログラムが、アクターたる行政とか、あるいは国会とか国会議員とか、そういうところとつながるのだというふかん的な絵を描く必要があります。
 今年度内に、先ほど黒田先生も山下さんも言われたと思うんですけれども、FSをやられるという。FSのスコープは何なんだということで、ここに書いてありますね、「具体的な政策課題を設定し」という、この課題設定のプロセスをしっかりしておく必要があります。「政策課題を設定し」と簡単に書かれているけれども、これをどうやってやるんですか。一方で、このプログラム自身の存在意義を問われますから、あまり時間はかけずにやらないといけない。
 そういうかなりショートレンジのところと、ロングレンジのところを分けながら現実的には設定し、対応していく。最初の政策課題設定のプロセスと、今度は2枚目の山下さんが説明したセンターというのをどう結びつけるか。サイエンスをやりながら政策のデザインをやって政策当局のほうに結びつける正当性というか、あるいは一種のコード・オブ・コンダクトというんですかね、それがしっかりした形で動く構造にしておかないといけない。

【黒田主査】
 事務局といろいろ議論している中でも、今おっしゃったことは全ていろいろな議論に上ってはきているんですが、FSという言い方がいいのかどうかわからないんですけど、ともかく今おっしゃった大きな問題を来年度実施する段階でスタートが切れるような格好で、ある程度きちっとして整理をしておかないといけないと。そういう意味での詳細設計ないしはFSをやっていくと。その中でオプションをつくる、もしくは政策課題を設定するということも試行錯誤は当然あると思うんですけれども、設定する課題によって解決しなければいけない問題の方向がいろいろ出てくると思いますので、そういうこともある程度バラエティーをとらえるような格好で今年のFSというのをやっていったらいいじゃないかというのが目下思っているところなんですけど。
 いかがでしょうか。小林先生。

【小林委員】
 質問でありますけれども、政策課題を幾つかサンプルとして取り上げるわけですよね。それはここがやる仕事ですか。それから、オプションをつくるというのは、ふかん検討チームにも渡されるものと理解してよろしいでしょうか。

【山下室長】
 まず1点目の政策課題をどのように設定するかということは、今、有本センター長も御指摘いただいたような視点も含めて、きちんと考えていかなければいけないと。したがって、先生方とは御相談させていただきながら詰めた上で考えさせていただいて、いずれにしても、この推進委員会で、こういう設定でこういう形のこういう体制でやっていくのが適切かどうかという視点で、ちゃんとお諮りはしたいと考えてございます。たたき台の作成も含めて実務的によく詰めて御相談をしたいと、このように思ってございます。

【小林委員】
 オプションというのは、センターに……。

【山下室長】
 オプションづくりの骨格となる部分は、いろいろなことを考えていく上で、多分ここは外してはいけないという要素が出てくると思いますので、そのあたりまではきちんと推進委員会で全体像を見ていただく必要があると考えています。その上でスタートできるというぐらいのところまで来たら、チームのほうで具体的に作業をしていくと、そういう形が望ましいかなと今の段階では考えてございます。

【黒田主査】
 政策課題の設定は、具体的に本格的なSCIPsを来年以降、動かしていく中では、どういう形でするかというのは相当議論を重ねないと、安易に政策決定まで、何か課題をとらえるというのはできないと思うんですけど、今年はむしろ、そのことも含めて政策オプションなり政策課題というもののとらえ方をどういうふうにやっていかなければいけないかということを試行錯誤したいと思ってまして、政策オプションなら政策オプションの満たすべき必要十分条件とは一体どういうことなんだろうかということを詳細設計の中で少し詰めていったらどうかと。それはまた案をつくりまして、推進委員会で御議論をいただくということに多分なるんだろうと思っています。
 実際に来年以降、具体的な政策課題をどう見つけていくかということになりますと、やはり政策ビジョンがあり、政策課題があり、そこから政策手段があって、政策のオプションがつくられて、それがどういう形で最初のビジョンにかなっているかというサイクルを回さないといけないので、そういうサイクルそのものを回していくための部品をつくっていく。例えばオプションがどこでつくられるのかとか、最初のビジョンをどういう形で想定するかという議論は議論で、またどこかでやっていく形をつくらなければいけないのではないかと思っていますけれども。どうぞ。

【笠木委員】
 ちょっと議論がもとのところに戻っちゃうかもしれないけど、先ほど御説明の中で産官学の場をつくるという話がちょっと出てきました。私はそれは非常に大事で、いわゆる「政策のための科学」というサイエンスの部分を強化することに関しては、拠点ができたりして、これから相当きちっとできていくんだろうなと思っているんですけど、実際に実装するということが、もう一つの大きなオプションというか、目的としてあったわけですね。それで、今、このタイトルにあるように「科学技術イノベーション」というわけですから、イノベーションのところまで、ちゃんと考えないといけないわけですよね。
 それで、今、国の大きな方針としては、グリーンとか、ライフとか、復興ということがあるわけですけれども、その中でどういう具体的なテーマを抽出して、どういうところに取り組むかというあたりが非常に大事で、しかも、イノベーションということは、おそらく国の研究開発費に比べて民間は5~6倍使っているわけですよね。国が10億入れたら何倍かは民間のほうで使う、あるいは100億円なら、またその何倍かを使うという構造になっているわけで、民間のほうの研究開発等のある種の役割とか責任も非常に重くなっているんですね、STIといったときのIが出てきたおかげで。
 そういうことを考えた上で、じゃ、国の研究開発費をどう使うかという議論ですから、民間のところに口出しするわけにいかないでしょうが、そういうところまで入れて、結局、イノベーションが本当に起きて、それが経済成長につながって、それが競争力なりベネフィットになっていくというところまである程度見ながら、最初の入り口のところの議論から具体的なところに落としていくということをやらないといけないと。そのためには、どうしても産官学の本当にフラットな議論をする場が必要だなと思っていて、今日、御提案の中にあった、そこの部分は非常に大事であるなということを感じました。

【黒田主査】
 事務局、何かありますか。

【山下室長】
 おっしゃっているとおりですので、その問題意識で考えていきたいと思います。

【黒田主査】
 何かうまく実践運営センターといっている部分のふかん検討チームの中に産官学が合体できて、その業務ができるような場ができないのかなということをちょっと考えているんですけど。

【笠木委員】
 どうやったら実質的な議論が本当にできるのかですね。

【黒田主査】
 そうですね。それをつくっていかないと、だめだと思うんですけどね。

【笠木委員】
 野間口さんに少し御意見を伺って……。

【黒田主査】
 どうでしょうか。

【野間口委員】
 途中で委員会を欠席しまして、申し訳ありません。久しぶりに出席させていただきましたが、先生方の議論についていくのがやっとだなと感じました。但し、私、このプログラムには期待をしております。それはなぜかと言いますと、日本は産業国家ですがこれまでの産業国家としての在り方から脱皮していかなければならない時代です。単なる量的な拡大を追いかけて世界に産業国家としての存在感を示すようなことを志向するようでは、現在の「六重苦」の時代には合わないと思います。電力の問題もありますが、もう一段脱皮した形で世界に存在感を発揮するような施策を考えなければならないと思います。今、笠木先生がおっしゃった文部科学省のSTIもそうですし、経済産業省などの政策においてもそのように考えなければならないと思いますが、個々の様々な政策がまだ量的拡大を志向するような形になってしまっているのではないかと感じます。
 先ほど来、評価の話が出ていますが、いかに日本の社会を活性化する形で成果を出して、そして最終的には世界に貢献することになりますが、世界、人類、社会に貢献したら全てが良いというだけでは国内の納税者は納得しないと思います。従って、日本の社会を活性化する形になっているかという評価を実施しつつ貢献していかなければなりませんので、産業界も大いに変わらなければならないと考えます。また、時間を要するとは思いますけれども、変化を先導するような科学技術イノベーション政策ではない場合、本委員会がそれをトップレベルから引っ張っていき、マインドセットを変えていくための一つの方法になって頂きたいと思っています。
 そこで、私は、評価には専門家の評価と一般社会の評価の二つがあると思います。一般社会の評価においてプラスの評価を得られないと、我が国の科学技術政策は何をやっているのだということになります。このことをよく考えて、政策の専門家としての評価のみに満足するのではなく、一般社会の評価についても高い評価が得られるように持っていくためにはどうあるべきかを考えることが重要です。私は、一般社会の評価が得られないとしたら、その理由やギャップを堂々と主張すべきであると思います。例えば、新しい材料を使った自動車やディスプレイなど、これらを形にしようとしたら「今の条件下では幾ら何でも経済競争で太刀打ちできない」となります。そして、どのような形で成果を世の中にひろめていくかと考える場合、それは国際的な連携もあるでしょうし、政治家の方々がもう少し国としても「六重苦」に対して真剣に取り組もうと思うようなことをやらなければなりません。いつまでも科学技術の部分のみで何とかしろと言っているのでは、本当に沈んだ形の政策になってしまうのではないかと心配しています。
 ここ数年、「失われた20年」と言いますが、その後半の期間においては、ほとんどそのような政策の形になってきているのではないかと感じます。2007年、京都で開催された産学官連携推進会議において、私は経団連として講演を行った時に、有本さんからフロアから厳しい質問を頂きました。その当時も私は言ったのですが、文部科学省の施策も経済産業省の施策も科学技術政策としては世界に誇れるようなことをやってくれているが、それがイノベーションとなって競争力につながるというところで失敗していると。この失敗の本質は何かということを、評価のところで明確にして主張していく必要があるのではないかと思います。昨今、新聞を見るのが憂うつになるほど厳しい状況ですが、これらは一企業における問題ではないと考えます。
【黒田主査】
  雑談みたいになって恐縮ですけど、経済学をやっていて、日本がある意味で産業的にも経済全体、社会構造の形成にも、戦後、非常にうまく成功した事例を持っているだけに、戦後間もなくあった基礎条件が大きく変わっているにもかかわらず、成功体験だけが残っているような気がしていて、基礎条件の違いからもう一回見直して今後どうすべきかということを考えないといけないんじゃないかという気がします。
 ほかにいかがでしょうか。

【桑原委員】
 ブリッジセンターで取り組むテーマで、もちろん、これから議論を煮詰めていくということだと思うんですけど、幾つか思うことがありまして、まず取り上げるテーマのサイズ。それは要するにプロジェクトレベルなのか、もうちょっと大きい意味で申し上げますけど、プログラムレベルなのか、あるいはもっと大きい何か国家政策というようなものか、いろいろな階層が考えられるんですけど、これからイノベーションを目指すということで取り組むテーマということになると、インプリメンテーションのフェーズで重要なのは、国の中でもいろいろな役所がちゃんと連携して動くようなところに持っていくことです。もちろん産業界やアカデミアとの連携も当然必要と。ですから、昔から言われてますけど、日本ではなかなかできてないポリシー・ミックスをどうやって実現するかということがポイントになると思うんですね。そういうことで考えると、あんまり小さいプロジェクトでいろいろやってみても、多分、なかなか思うようなストーリーはできないのかなという気が一つしています。ただ、プログラムレベルで、先ほどから、笠木先生も議論されてますけど、いろいろな省庁とか産業界の方々の意見も初期段階から入れながらマネージしていくというのは、どうしたらできるんだろうって想像がつかない世界で、ものすごいチャレンジをやらないといけないんだなという気がしています。
 それから、もう一つは、野間口先生おっしゃった評価的観点で、今のプログラムレベルをもうちょっと超えたような議論も取り組む対象としてちょっと議論したらいいんじゃないかと思っています。それは野間口委員もおっしゃったんですけれども、今のいろいろな国家戦略は大体、ほかにあまり強みがないから、やや消去法で科学技術で頑張ろうと、あるいは科学技術イノベーション政策で頑張ろうと。じゃ、その中で何をやるかということになると、世界もいろいろ動いているのは、やっぱりライフ関係と環境関係、エコだろうという流れで、ポジティブさが今ひとつの展開というんでしょうかね。
 最近、人口構造の変化と経済成長の関係って大分いろいろなところで取り扱われるようになってきて、元気な国は、本当のピラミッド構造になっている。若い人口が多いということでメリットがあって、10年、20年は大きな成長が期待できる。それは日本は50年代に終わっているのでだめなわけですよね。じゃ、そうじゃないストーリーがあり得るんだという強いメッセージを出さないと、消去法で出てくる科学技術で頑張りますというだけだと、なかなか全体の元気が出るとか、あるいはいろいろなものを変えていこうという感じになかなかならないのかなと思われます。もっとポジなメッセージが出せないかと。じゃ、そういうのをだれがやるかというと、それは科学技術政策研究所が本当はやらないといけないかもしれませんけど、いろいろなところと連携してやるということまで含めると荷が重いので、ブリッジセンターの一つの柱の候補として、そういう大枠的なことも考えていただくといいのかなという気が今ちょっとしています。

【笠木委員】
 今、桑原さんがおっしゃったチャレンジングなことを、やはりぜひやっていただきたいなと私は個人的には思うんですね。現状を見ていると技術で勝ってビジネスで負けてって、たくさん例が出ているわけですよね。それはなぜなのかということを本当に突き詰めて考えなくてはいけないし、それから国のファンディングというのは、先ほど申し上げたように、民間のファンディングというか、研究開発費と比べれば、そんなに大きいわけじゃないけれども、でも、商売とは関係なく、上流から下流まできちっとシナリオをつくって、それを動かすことができるわけですね。
 つまり、研究開発そのものであれば、ダイレクトな人や物やスペースを供給できるダイレクトファンディングとか、そういう下流側の税制とか、規制緩和とか、市場とか、そういうところまでやれるようなインダイレクトのファンディングもあるわけですね。そのダイレクト・インダイレクトがきちっと絡んで、そして初期投資で民間はお金をどんどんどんどんつぎ込んでいって何年も赤で頑張るわけですよね。最後にどこかでプロフィットが出始めて、そして将来続いていくと。だけど、今、それは浮き上がって少しいい思いしたら、すぐ追いつかれて超えられていると。そうすると、そこまでの筋書きを見たときに、個別の最初の入り口で研究開発の仕方そのものも、やはり目のつけどころというか、どういう課題を取り上げてやるんだということ、あるいはどういう方式でやるんだということですよね。日本にオープン・イノベーションという言い方がありますけれども、それが本当にいいかどうかはよくわからないし、そこまで全体シナリオを見ながら始めることをちゃんと議論するということが私は非常に大事であって、そのためには、さっき言った非常に難しいだろうということを、あえてサイズは小さくてもやっていただきたい。
 産官学といったときの官のほうは、実は文科省だけじゃなくて、ほかの省の方からもいろいろ意見を伺えるような形にしてほしいし、産といったときには、大体大手の産業界の方はおいでになるんですけれども、大手だけじゃなくて、サイズの小さいところとか、ベンチャーとか、あるいは業種の違うところ、そういう目を入れながら全体のシナリオ書きをしていく。しかも、一番望ましいのは、それがある種の根拠で科学的にできることであって、それが多分、この事業の最終ゴールだと思うんですね。それをまず何か取っかかりとして始めていただけないかな。うまくいかなくても、それをやる価値があるんじゃないかと、そんな気がします。

【野間口委員】
 よろしいですか。

【黒田主査】
 はい、どうぞ。

【野間口委員】
 笠木先生がおっしゃったこと、私も本当に賛成していますが、国全体のR&D投資を100としますと、そのうちの20弱が国の投資です。20対80としますと、ではもっと産業界の方に頑張ってもらって90にして、国は10の投資で良いのではないかという議論もあります。これは全くの間違いでして、国が20の投資をしたら、産業界は80の投資をするという構造は、国が30を投資したら産業界はその1.5倍を投資し産業界の費用はほとんど変わらないという増幅効果のようなものがあるわけで、案分するような割合ではないと考えます。このようなところを研究成果で示すと良いのではないかと思います。どうしても、仕分け会議や議員の先生方との話になると、民間の負担を増やすと国の負担が減るといった話が出ることがありますが、あれは非常に危険だと思います。国が頑張ると民間もそれに比例して頑張るので、相乗的に効果が上がるということなのです。
 それから、私、今、産総研の理事長を務めておりますが、先ほど中小企業の話が出ましたけれども、日本には非常に技術志向型の中小企業が多いと思います。これは日本以外でいうと、世界的にもドイツとアメリカぐらいしかないのではないかと思います。これらの企業は、現在は本当に厳しい状況にさらされているわけでして、これはイノベーションの成果がどうなっているかということよりも、政策によって技術志向型の企業群がサステナブルに頑張っていける環境を作るということも大きな成果の一つになると思います。評価を行う時は、このような視点も入るような厚みのある評価を実施しなければいけないと考えます。

【黒田主査】
 ありがとうございます。先生方の思いは私もよくわかるし、同じ思いを持っているんです。

【有本センター長】
 よろしいですか。

【黒田主査】
 どうぞ。

【有本センター長】
 具体的に産学官の、それにたまに政治家が入る、あるいは市民も入るというプラットフォームは、実態上どうやってつくるのか。第4期科学技術基本計画をつくるときに、科学技術イノベーション戦略協議会について大議論をやった。その上で閣議決定文書にあれだけ書いた。プログラムをつくるときの準備から関係者が一緒にやって、ずうっと一気通貫で進めると書いてある。しかし今、何が起こっているか。残念ながらやっぱり審議会方式になっている。そうすると、それを補完するような仕組み、同じ人が別のプラットフォームへ、バックオフィス的に個人ベースで本当に組織を離れて議論できるようなところ。役所の方々も産業界も、みんなが問題意識は持っているわけだから、そこに集まるような仕組みが、現実的にはできるような気がしています。
 後から御説明しますけれども、私はその意味で、この間、政治家を交えて科学と政策のシンポジウムというのを、意識的に政治家を巻き込んで開きましたが、みんな同じ意識でした。だから、理念的なことを言うんじゃなくて、現実的にそういうものを少しつくってみるということ。こういうものを内局につくろうと思っても無理でしょう。しかし、理念的には霞が関の交差点の真ん中につくる。そういう仕組みをどこかにつくればいい。

【黒田主査】
 大体、皆さんの思ってらっしゃること、同じことを皆さんも主張されているんだと思うんですが、かなり大胆に今までのやり方を変えてみるということにチャレンジしないと、産業と官だけじゃなくて、僕はいろいろな学会を見ていると、学会レベルでもものすごく縦割り構造が強くなっていて、なかなか横断的な議論ができるような場にはなっていないような気がするんですね。だから、そういうものも含めて思いを一にする人が実践運営センターに首を突っ込んでいただければ一番よくて、これをそういう組織にしていくのが最終的なこの組織の目的にもかなうんだろうという気がするんですが、局長、いらっしゃいましたら何か……。中途から急に話を向けて申しわけないですけど。

【土屋局長】
 すみません。今すぐキャッチアップしますので、ちょっとお時間いただけますか。

【黒田主査】
 すみません。よろしいでしょうか。少しずつ進めながら、また推進委員会のほうには御報告をして、議論をしていただくという形で動かしていきたいと思いますが、政策課題をどういう粒度でとらえるかということは本当に難しいことなので、FSの段階では、ある程度意図的に違った粒度のものをまぜてやってみると、そこからどういうことが次に問題になるかということもあわせて考えられるようなということを仕組むのが今年いっぱいの仕事じゃないかなと思っていまして、それを受けて本格設計をやらなければいけないという気がしています。よろしゅうございますかね。
 それでは、一応こういう形で進めさせていただくということを御了解いただいたということにさせていただきたいと思います。
 あと残りの時間を使いまして、幾つか御報告をさせていただきたいと思います。「政策のための科学」というのに取り組むときに、いろいろな人材育成をやっていくというプログラムを立ち上げたわけですが、民間の企業、産業の中で一体どういう人材に潜在的なニーズがあるのかということも含めて、文科省のほうが委託調査を今年しました。受託者である三菱UFJリサーチ&コンサルティングからその御報告を、経過も含めて簡単に御説明をまずいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【上野(MURC)】
 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの上野と申します。
 私ども、今、科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」で取り組むべき社会的課題、並びに拠点における人材育成プログラムに対する潜在的ニーズ及び育成される人材のキャリアパス形成に関する調査・分析を文部科学省様より委託を受けて進めているところです。その中で現在、アンケート調査の実施を予定しております。拠点において、今、科学技術イノベーション政策のための科学に関連する人材の育成を進めておられますけれども、この関連人材に求める能力や関連人材に対する需要などについて明らかにするために、関連人材の受け手となり得る潜在的な機関に対してアンケート調査を行うということを予定しております。
 アンケート調査内容を検討するに当たりまして、先月からまず予備調査を進めております。予備調査では、潜在的ユーザー20機関に対して訪問調査を行っておりまして、これまでに16機関の調査を終えております。その結果概要は後ほどまた説明させていただきますが、まずは、その予備調査を踏まえまして現在考えておりますアンケートの概要を説明させていただきまして、その次に今回委託を受けております調査、分析の全体を御説明させていただいて、最後に、経過報告ですが、予備調査の結果も簡単にさせていただきたいと思っております。
 まず、予備調査を踏まえまして今回のアンケート調査では、関連人材、「科学技術イノベーション政策のための科学」に関連する人材が備えると期待される能力をわかりやすく明示した上でアンケート調査を行いたいと考えております。これは予備調査の中で、「科学技術イノベーション政策のための科学」に関連する人材という、この言葉がわかりにくいという声を多々いただきまして、どういった人材なのかということをわかりやすく示した上で、こういう人材は必要ですか、こういう人材はどういう部門で必要ですかといった形で聞くほうがアンケート調査として有意な結果が得られるのではないかと考えて、そのように今考えております。
 主な調査項目としましては、関連人材が取り組むことがふさわしい社会的課題、関連人材を必要とする役職、部門、関連人材に求める能力、それから、こうした人材を確保するとすれば、新卒採用するのか、あるいは自社社員を再教育するのか、また、今、拠点で進められているプログラムへの要望や協力の可能性も問いたいと考えております。
 めくっていただきまして、2/5ページに今考えておりますアンケート調査のアウトプットのイメージをお示ししております。アンケート調査では、関連人材が取り組むことがふさわしい課題を尋ねますけれども、それ以外に部門別、これは例えば研究開発を企画する部門、あるいは経営を企画する部門といった形で、部門別に現在の職員の中でどのぐらいが関連人材と同様の能力を持った人材が占めていますかということを尋ねて、かつ、将来、もし可能であれば、どのぐらいのパーセンテージでこういった人材が占めていることを求めますかということを尋ねることによって、こういった潜在的ニーズを持ちそうな機関における将来の需要の量を把握できるのではないかと考えております。同様のことを部門別以外に役職別、例えば役員層、事業部門長層、あるいは部長層、課長層、それ以下といったような形で尋ねることによって、どのぐらいの年齢もしくはポスト以上にこういった人材が求められているのかということを把握ができるのではないかということを考えております。
 また、こういった調査結果を企業の規模別、従業者数別ですとか、あるいは研究開発投資比率、また創業年、創業からの経過期間ですね、創業年を尋ねることによって、若い会社なのか、歴史の長い会社なのか、それから成長率として売り上げの伸び率などとも関連付けた分析ができるのではないかと考えています。例えば今回、予備調査でも、ベンチャー企業において、こういった人材というのが必要なのではないかという声もありましたので、もしかすると、若い会社のほうがニーズが大きいという結果が出るかもしれないということを思っておりましたり、また、研究開発の企画を行うところでこういった人材が必要だという声も聞かれますので、研究開発投資比率が高い企業ほど、こういったニーズが高いという結果も出るかもしれないというようなことを考えております。
 3/5ページのほうは、今回委託を受けております調査、分析の全体像をお示ししておりまして、先ほど申しましたように、先月から現在、予備調査という形で訪問調査を進めております。こちらをまず今、アンケート調査の内容を洗練させるためにという形で行っておりまして、民間の会社――製造業、IT、商社、金融、マスメディア、コンサルティング会社、シンクタンク等を中心に、あと、それぞれ一つずつぐらいなのですが、自治体、公設試、大学を訪問しておりまして、これを踏まえてアンケート調査票を設計した上でアンケートを実施したいと考えております。アンケート調査の対象も、予備調査とほぼ同じですけれども、自治体と公的な研究助成機関、それに加えて民間企業で行いたいと思っておりまして、アンケートを終えた後に、さらに深堀り調査として、特に関心の高い潜在的ユーザーに対して、もう一度、往訪調査によりニーズ、または社会的課題としてはどういうものがあるかということを把握したいと考えております。
 2ページほどめくっていただいて、5/5ページに今回の予備調査の結果の簡単な概要を載せております。20機関訪問する予定のうち、今までに16機関の訪問を終えておりますので、こちらは経過報告ですけれども、まず、「『科学技術イノベーション政策のための科学』推進事業」で取り上げることがふさわしいと考える社会的課題については、技術開発にプラス面・マイナス面の両方が伴うような課題、例えばエネルギー問題のような課題ですとか、また、異なる習慣・文化を持った機関や業界が融合して取り組む必要がある課題、例えばスマートコミュニティですとか、そういう課題ですけれども、そういう課題によいのではないかという意見が聞かれました。また、企業で取り組むだけではなくて、行政が技術開発や規制緩和あるいは強化、それから普及促進策などをとることが効果的な課題、例えば、太陽光発電といったことですけれども、そういった課題がよいのではないかという意見が聞かれました。
 また、社会的課題の発見・発掘に当たっては、研究者だけで検討していてはだめだという声が聞かれまして、研究業績につながるものが選ばれがちというようなことがあるので、それはよくないと。また一方で、企業だけで発見・発掘すると中長期的に取り組むものが選ばれにくいということで、両方の意思疎通が重要なのではないかという声が聞かれました。
 また、社会的課題は、まさに社会の中に存在するので、社会を思いやる気持ち、そういったことで拾い上げていくことで発見していく、見えてくるものだというような意見も聞かれました。
 関連する人材が活躍し得る業務・職種等としましては、主な意見としては、公務員、企業の研究計画/技術戦略立案者、ファンディング・エージェンシー、企業の経営戦略立案者、シンクタンクの政策研究・立案業務従事者、コンサルティング会社等が挙げられました。
 これらは拠点の整備方針でも挙げられていたかと思いますけれども、それ以外に今回の調査で具体的に挙げられた、または具体的に例示された先としては、政治家、公設試験研究機関の研究プロジェクトの立案者、公的機関で研究成果を事業化につなげるコーディネーター、ベンチャー企業の経営者――これは研究開発から事業化までを少ない人数でやり遂げなければいけないということで、こういう合意を形成していくようなところが必要だろうということで挙げられました。また、つなぐ人材として国と国をつなぐというような意味で、グローバルに事業展開する企業の社員ですとか、また、研究に資金を提供するところとしては、民間の機関としてベンチャーキャピタルや銀行、また、マスメディア、特に新聞社やテレビ局のデスクなどにふさわしいのではないかというような意見がありました。
 年齢的には、大学を卒業したての若い人というよりは、実務経験を有する30歳代後半から40歳代にかけてがよりふさわしく、合意形成ですとか、戦略立案といった業務に必要な知見を獲得するための再教育に有益だとの意見が多く聞かれました。人材育成プログラムに期待する内容としても、技術の目利き、ケーススタディ、それから特定の分野というよりは幅広い教養という意味でリベラルアーツ、また、専門的な知識よりは専門家を理解して使いこなせる能力、それから学ぶことよりも人的なネットワークに価値があるというような意見が多く聞かれました。
 その他としましては、先ほどアンケートのところでも申しましたように、今回、民間企業を中心に回っておりますけれども、行政の取組ととられがちな用語で説明が必要ということで、今回アンケートでは言葉の定義もさることながら、人材が備えることが期待される能力というところからアンケート調査のほうを行いたいと考えました。
 以上で、簡単ですが、説明を終わらせていただきたいと思います。

【黒田主査】
 どうもありがとうございました。
 ただいまの御説明、これからアンケートをとられるということもありますので、何かコメントありましたらいただきたいと思います。いかがでしょうか。

【有本センター長】
 今の5/5のところ。これだけ難しいプログラムをこれだけ短時間で、いろいろコメントをいただくというのは非常に努力されたんじゃないかと思う。特にミッドキャリアの方々の再教育というところでいいことが書いてあると思うんです。私が心配なのは、今の人材育成拠点の多くの先生方というのは論文生産の目的の方が多くて、こういう視点が弱い。

【上野(MURC)】
 若い人よりも……。

【有本センター長】
 ここに書いてある、「技術の目利き、ケーススタディ、リベラルアーツ、専門家を理解し使いこなせる能力……」、こういう理論的、方法論的なものも大事だけれども、こっちも大切。

【上野(MURC)】
 いえいえ、的確な答えになるかどうか、わからないんですけれども、ここのところをもう少し詳しく申しますと、研究者の主張にかかわらず研究内容を適切に評価できる。目利きというところは、そういう意味でおっしゃっていまして、声の、主張の強い方が言うと通るというようなことではなくて、黙っている関係者の方についても、その研究内容を適切に評価できる。また、社会が本当に必要としているような研究内容を見出すような、そういう方が、そういう能力というのが必要ではないかという意味で、この「技術の目利き」というところはおっしゃっていました。
 その場合、もちろん何か特定の科学の専門性を持っているということ、それがあればあれで、それはよいんですけれども、そこも必要ながら、もっとリベラルアーツといいますか、幅広い教養を身につけて、その中で社会の課題というところを見たときに、どういった研究をしていくと人類全体のプラスになっていくのかというところを考えられるような人材を育成していくことが必要なんじゃないかと。その場合は、もしかすると専門的な知見は専門家から入手するといいますか、そういう形で専門家を使いこなせば、みずからが専門家でなくてもいいのではないかというような意見が聞かれました。
 ケーススタディというのは、ちょっと違いまして、もしかしたらもう既に出ているかもしれないんですけれども、ビジネススクールとかで行われているようなケーススタディで何か理論を学んだり、ちょっと具体的に出ていたのは計量経済学とかなんですけれども、そういう机上の学問を学ぶよりも、ケーススタディ、もしくは、さらにもっとインターンシップなどで実際の政策課題の解決に取り組むことで、教育と社会課題の解決を同時に進行するぐらいでもいいんじゃないかと。ケーススタディよりもさらに現実の課題のほうがいいのではないかというような話も聞かれました。

【有本センター長】
 どういうところにインタビューに行かれたんですか。人事部ですか。

【上野(MURC)】
 いえ、実は人事部は非常にこういったことには向かないところで、企業の場合も研究企画をしていらっしゃる方ですとか、あるいは経営の企画をされている方、ほとんどの場合は研究の企画を経験された方に聞いています。あと、マスメディアで記者をされている人とか、デスクをしている人とか、番組制作にかかわっている方とか、金融機関、ベンチャーキャピタルで実際にベンチャー、技術開発に投資をしている、どれに投資するかの判断をしている人とか、助成をしている機関などで、どこの技術に投資すべきかということを判断しているような方に聞きました。

【笠木委員】
 私、このアンケート調査はwell-posedでないなと思ったんです。つまり、きちっと定義してないものを投げかけて、回答された方々は非常にいろいろなことを想像して答えられているので、そういう意味では有本さんが言われたように少しびっくりしたんですけど、今後やるときに、人材育成は拠点が五つあるわけですからその五つの拠点がどういう人を育てようとしているかを具体的に五つ、ワンパラグラフぐらいで説明をして、それを見せて……。
 本当は、その中のカリキュラムを見せたほうがいいんですけどね。それでないと、リアルなイメージを回答者に与えられなくて、想像で一般論としてこうだというふうにお考えで。それは決して間違いではないと思うんだけど、本当に聞きたいのは、今、現にスタートしている五つの拠点の中身ですよね。それが本当に役に立つ人材になっているかどうかをもう少し掘り下げていただけるような内容にしていただけると、結果が大変有用となると思うんですね。

【上野(MURC)】
 わかりました。

【黒田主査】
 私も、どちらかというと、ちょっと似たような感想を持っているんですが、「関連人材」という言葉をよく使われているんですけど、アンケートをとられるほうにしてみたら、「関連人材」って一体何をイメージしているのかなというのが非常にまだ……。こちらが難しい課題を出しているので苦労されているのはよくわかるんですけど、そこもちょっと各拠点のプログラムとの対応で考えていただくというのが一つと、もう一つは、逆に、各拠点大学側が考えている人材育成というのが、本当に産業、企業にとってイノベーションを喚起するような人材になるのかどうかということを聞きたいんですね。

【笠木委員】
 そうですね。

【黒田主査】
 それは大学は一生懸命やっているんですけど、そこでつくったのは大学で研究論文をやるだけの人材で終わってしまう。やっぱりイノベーションに結びつかない。そこで今、産業が抱えている問題が何で、こういう人材が欲しいんだということを聞き出していただけないかなという気がするんです。

【上野(MURC)】
 はい、わかりました。

【野間口委員】
 今、お二人の先生の御意見に私も同感しますが、科学技術イノベーション人材なのか、あるいは政策のための科学人材なのか、何を求めるかということですね。

【黒田主査】 

 イノベーションを科学する人材とかね。

【野間口委員】
 そこをはっきりしていただければ良いと思います。アンケートをとっても、回答側の理解の相違によって、大分異なってくるのではないかという気がします。それと、「関連人材」と言えば、企業がまずピンと来るものは関連会社であると思います。連想ゲーム的に言えば、関連会社または関係会社があり、そして何かコアがあって、それに連なる人材のことを指すのかと思います。ハイレベルになればなるほど、例えば、研究開発部門であればそうはとらないと思いますが、経営企画などの立場にいる人からすれば、関連する人材と言ったらそのような誤解を生むと思いますし、意味が非常に曖昧になります。従って、資料にもありますように、政策のための科学人材なのか、科学技術イノベーション人材なのかをはっきりしなければ、問題を出すほうが難しいのではないかと思います。

【黒田主査】
 こちらがいけない。

【森田委員】
 ちょっとよろしいですか。

【黒田主査】
 どうぞ。

【森田委員】
 皆さんもそうなんですけど、「関連人材」も含めて、具体的にどういう答えといいましょうか、どういうイメージで期待をしているのかというのがちょっと伝わりにくいような気がしまして、5ページ目にありますところ、先ほど話題になりましたけど、技術の目利きができて、ケーススタディをしっかりやれて、リベラルアーツの幅広い教養を持って、専門家を使いこなして、在学中の人的ネットワークを活用できる、そういう人材というのは、この間まで霞が関にたくさんいたんじゃないかと思います。これにさらに政治家と反対勢力を説得する力を加えると、まさにそうではないかなという気がしてきます。
 むしろ今、何がこれで欠けているのか、総合して何が問題なのかということを示さないと、アンケートにお答えになる方もお困りかなという気はするんです。何となく私は、かつての霞が関――今もそうですが──のイメージというのは、そういう人材が非常に高く評価されてきたというのがあって、その後、技術の目利きがなぜだめになったのか。専門家を理解し使いこなせなくなったのか。ケーススタディは多分、オン・ザ・ジョブ・トレーニングで皆さんやっていて鍛えられてきたんじゃないか、その辺がですね。それがうまくいかなくなったときに、次の人材というのはどういうものなのか。そのイメージを、例えばですけれども、何かお答えいただくか、あるいはこちらのほうでサンプルとして示せないと、またかつて来た道を歩むという答えになってしまっても、まさに人材育成、これからの拠点のところで目指している人に対して、これが向かうべき方向だというイメージがなかなか出てこないのかという、そういう気がしたんですけれども。

【黒田主査】
 さっき野間口先生おっしゃったみたいに、日本は、世界的にいえば、かなり技術のレベルは高い、いろいろなシーズは持っている、科学技術のレベルも高い、だけど、産業が停滞している。そこで何かイノベーションを起こしたいわけですよね。それは企業の方が切実に思っていらっしゃると思うんですね。それをやる人材というのは一体何が抜けているのか、どんな人材を大学につくってほしいんだということなんじゃないかと思います。

【森田委員】
 もうちょっとよろしいですか。

【黒田主査】
 どうぞ。

【森田委員】
 私も公募プログラムを2回やりましたけれども、そこでの印象といいますのは、私自身もそうですが、やはり研究者は論文を書くのが目的かもしれませんけれども、何か新しいことを発見するというところでとまってしまう気がしまして、今、非常に多いのは、最近のテキストマイニングとかデータマイニングの技術を使って、ウェブ上に出た論文であるとか、いろいろなデータを使って、どこに研究の塊があって、どこに穴があるのか。それを見つける。そして、あいている部分についての研究を進めていく、あるいは既存の研究のマップをつくる。そういった類いの研究はすごく多いんです。では、そこで例えば空白が見つかったとして、そこを研究すれば、そのままイノベーションになるかというと、正直申し上げて、そこまで考えて提案してこられる方というのは非常に少ない気がいたします。
 他方では、また合意形成も一つの今のホットなトピックになっていますから、いろいろな分野で違う意見の方が出たときに、それをどういう形で統合していくか。この間のDPもその一例ですが、そうした形での技術の研究はありますけれども、それはどういう場面で使って、それがどういう形で有効なのかということについては、あまり触れられていない。その技術だけの研究になってしまう。むしろ多分ここで期待されているのは、それを全部、まさに有本さんおっしゃった一気通貫で何を考えつくのか。
 今の大学でもそうですけれども、企業でも、先ほどおっしゃったようにシーズがいっぱいあって、野間口さんおっしゃったN新聞なんかに出ているのは、こういうシーズがあるというのはわかるんですけれども、その後、それを産業化するときに、やっぱり企業なり何なりがほかの技術と結びつけて投資をする、それだけのマーケットに対するインセンティブが出てきてない。デスバレーの問題です。どうしたらそれが出てくるのか。そこに何らかの国の制度的な障害があるのか、あるいは、そういう要素を結びつけて発想を突き出していくときの、そういう場がないのか。そういうことを思いつく人材がいない、といえば一言で終わりになるんですけれども、その人材をどういう形で生かしていったらいいのか。そこら辺についての一つのモデルというものが、やはり必要ではないかと思っています。
 特に、その場をつくる場合には、フェイスブックの彼なんかもそうですけれども、どういうことを考えたかというと、マーケットの視点というのがすごく大きくて、サプライサイドからじゃなくてデマンドサイドから見たときに何が求められているか、そこで何の技術が使えるかという発想で考えたような気がします。そういう意味でいいますと、日本でも幾つものケースがあって、ここでも出ておりますけれども、グリーン・イノベーションもそうですし、ライフ・イノベーションもそうですけれども、いろいろとシーズがあって、そういう課題があるんですが、それを結びつけるような一つの仕組みというのがなかなか出てこない。お薬のドラッグラグの問題もそうですし、例は幾らでもあるんですけれども、それが一体どこが問題なのか。
 特に、ここで「政策のための科学」という場合に、やはり国の政策面、制度面、あるいは、そうしたマーケットの在り方について、ここをこうすればそれが結びつくという、そのヒントになるような知識をつくりあげていく、それが期待されているところじゃないか。その意味でいいますと、ブリッジのサンプルケースというのは、かなり具体的なイメージでつくることに私は意味があると思うんですけれども、そこを結びつけるというイメージをアンケートの場合も発信しませんと、お答えになる方、また個別的な、同じような形でスポット的なイノベーションの話か、あるいは、かつてと同じと言っては失礼かもしれませんが、こういうイメージだと、人材育成もそうですし、なかなか期待にこたえられないのかなというのが、ちょっと言い過ぎたかもしれませんが、私の印象です。

【土屋局長】
 先生、いいですか。

【黒田主査】
 どうぞ。

【土屋局長】
 森田先生おっしゃるとおりと思っているんですが、それで、ちょっと質問なんですけれども、よく言われる話は、日本はいい技術だと売れるという前提に立って突き進むということがよく反省の中にありますよね。今、森田先生がおっしゃったようにマーケットというか、どういうニーズがあるか。特に潜在的ニーズ、あるいは今後の新しい価値はどこに見出せるかという、そういうことを客観的データ、知識に基づいてどれだと、ある意味そういうことをやっていこうというのが我々が目指しているところなんですよね。
 したがって、そこはまだいろいろベイグな部分がいっぱいあったり何かして、どういうふうに説明されたかはあれなんですが、いずれにしても、そこは日本が弱いだろうと。日本に比べて相対的に諸外国のほうが強いんじゃないかと思われているので、この質問も、日本人じゃなくて外資系とか外国人とか、そういう人たちに少し聞いてもらって、彼らがどういう反応があるかというのをぜひ整理していただくとありがたいなと思うんですが、実際に調査されて、そのあたりはどんな感じですか。

【上野(MURC)】
 実際の調査のときには、文部科学省さんの資料を説明の際には用意させていただいて説明はしてきているんですけれども、企業から見ますと、技術は非常にすぐれていて、それがイノベーションにつながらないという話であれば大変わかりやすいんですけれども、そこに今回は客観的根拠(エビデンス)に基づいて合理的なプロセスによって多面的な視点から把握、分析してというような表現が入ってきて、政策を形成しというような話になると……。

【土屋局長】
 何言っているかわからない。

【上野(MURC)】
 そうなんです。それで、この定義は、本当にそのまま資料は使わせていただいて御説明はしたんですけれども、そこが非常に伝わりにくい状態であった中で、予備調査ではどういう能力を持っていることを求めますかというような聞き方も実はしているんです。人材が持っている能力というのは、あまり既存の資料でははっきりとは定義されていないように思われたので。こういうことをする人材を育てるというところは明確に書かれているので、そちらをお示しして、どんな能力が必要と思いますかと聞いたこともありまして、先ほどのような技術の目利きですとか、専門家を使いこなせるというのは、そういうところから出てきているところがあります。
 アンケートでも、こういうことをする人材にはどんな能力が必要と思いますかと聞く方法もあるんですが、今回のアンケートでは、1/5のページで、すごく小さくなっていて見づらいんですけれども、関連人材が持っている能力としては、こういう能力を持った人材を各拠点は育てようとされていますということを、各拠点の整備方針のところに書かれていた能力のところから政策立案的な表現を若干除いて、六つの象限にあらわしてみまして、こちらを示しながら聞くほうがわかりやすいかなと思って、このようにしてみました。しかし、さらに他に5拠点の具体的にこういう人材を育てようとしていますという方針があれば、そちらをお示しして聞くという方法もあると思います。

【黒田主査】
 これは私の私見ですけれども、今回の「政策のための科学」というのは、政策そのものを科学的にやれる人材をつくらなければいけないということと同時に、もしそれをやったらR&Dが最後にイノベーションにまで結びついて、まさに社会システムがイノベートされるようなインプリメンテーションが行われるということが目的なんですよね。そして、企業側から考えると、研究者じゃなくてインプリメンテーションに結びつくような人材が欲しいということはニーズがあるんじゃないかと思うんですけど、一体、そのニーズというのは企業が見たらどんなことなんだということは、やっぱりそれは拠点の大学に伝えたいんですね。そうしないと、拠点の大学も今のやり方だと研究者をつくって終わりじゃないかなという気がしてまして、それはまずいですよね。ちょっと難しい質問だと思いますが……。

【笠木委員】
 私は少し無理がある要望だと思うんですよ。

【有本センター長】
 これは一つの素材でしかない。繰り返し繰り返し拠点の大学とか、さっきの産学官のプラットフォームで議論しないと。それは調査の話じゃないですね。

【笠木委員】
 今の技術は、日本はすり合わせという話があったんだけど、もちろん残っていると思いますけれども、ほとんどの技術がモジュール化されているわけですよね。ということは、個々の技術者なり開発者というのは、そこだけ見ていれば一応済むんですよ。だけど、全体を見る人が必ずいて、成功している例というのは、ごく少数なんだけど、本当に全体が見えている人がいるんですね。この点で悩んでいるのは別に日本だけじゃないんです。ドイツでもフランスでもアメリカでも、みんな悩んでいるんですよ。だから、会社に聞いていただいても、会社の人たちもそこは悩みなんですね。どういう人がいれば動くのか、どういう能力があればできるのかということは皆さん悩んでおられると思うんですね。だから、ここで聞いても、皆さん、そんなに確信を持って、こういう人だとか、ああだと言えないと思うんですよ。じゃ、そういう人を逆に拠点のほうで育てられますかと言ったとき、今のところそれも多分、ノーだと思うんですね。

【黒田主査】
 いや、それはわかるんですけど、片方で悩みを知りたいんですね。こんな人材が欲しいんだけど、というのが悩みなんですよね。それを知れば、どうやってつくるかは工夫をすることができる。そこは悩んでいるんですけど。

【山下室長】
 我々も横から随分口出しして、御苦労いただいて、まとめました。

【黒田主査】
 それはもう判っているのですが・・・・。

【山下室長】
 率直に言いますと、文科省も同行できる場合は極力同行し、問題意識をきちんと説明したりして進めているのですが、多分に感覚的ですが、1時間ぐらい説明すると、ようやく「あっ、そういうことか」と受け止めてもらえる状況です。したがって、深堀り調査で特に関心のありそうなところを調査する際に、現実的には今、先生からいただいた視点を聞き出すには多分効果的と思います。また、アンケート調査は、これは数があるからやむを得ないですけど、ばらまかないといけないのですが、あっ、これ、答える意義があるなとか、我が社にも結果が返ってくると意味があるなと思ってもらわなかった瞬間に投げ捨てられて回答率が低くなるだけなので、そこは深堀り調査のほうで深く掘るところとアンケートでとりあえずつかみで書いてもらうところとを、うまく制度設計し、よく考えたいと思います。

【黒田主査】
 いや、無理難題を申し上げているのはよくわかるので、ぜひよろしくお願いします。

【笠木委員】
 先ほど産官学の対話が非常に大事だと申し上げたんだけど、今のアンケートで、これは最初の出発点であると。一番熱心に答えていただくようなところから来ていただくというのがよいのではないでしょうか。

【黒田主査】
 なるほど。

【桑原委員】
 ちょっと違う観点なんですけど、今の調査設計は、例えば企業あるいは研究所で直接雇用するという前提で、どういう人材が必要ですかということにかなり絞られているような印象を受けたんですけれども、例えば法律の専門家なんていうのは、大企業は何人かロイヤーを抱えていますけれども、それは法律事務所と契約して、要するにアウトソースするという世界も当然ありますよね。そうすると、イノベーションでいろいろなものをつなぐというのは、会社によっては全部自分の中に抱えるというポリシーもあるかもしれませんけれども、形態は必ずしも自社で雇うわけではないと。ただ、コンサルなのか、よくわからないんですけれども、そういうニーズがあれば、そういう人材を提供する業というのが多分ビジネスで成立し得るはずなので、自分の会社で雇う気はないけれども、でも、こういうニーズはあるというところも、聞いていただくといいのかなという気がしたんですが。

【野間口委員】
 私も政策のための科学人材というのは、本当にニーズが少ないと思います。それは先生方のところや、大学の先生など、日本の社会の中に入れて頂ければ良いのではないかと考えます。

【上野(MURC)】
 今回、実は再教育のニーズのほうが、どちらかといえば多かったというのがあります。新たに拠点で育成される方を採用するというよりは、今いる社員にそういう勉強をしてもらって戻すほうがいいと。つまり、企業の中では、合意形成を行うというような業務ですとか、調整を行うとか、プラスマイナスのところで接点を見出していくとか、つなぐというような業務は、やはり一定程度企業の中で生きてきた人じゃないと、企業の中ではなかなかリスペクトされないと。20代の人が突然そういうことを言っても、現実的にはやはり動かないので、そうではなくて40代以上という、結構多数の会社からいただいたんですけれども、そういう人材にむしろこういう勉強をしてきてもらって帰ってきてもらうというほうが現実的にはあり得るのではないかという声が結構ありました。しかし、社外のコンサルタントの場合は20代でも言うことを聞いてもらえるということがあるようですので、桑原委員がおっしゃったように、アウトソースというのも、もしかするとあるかもしれません。

【黒田主査】
 どうもありがとうございました。いろいろな無理難題を申し上げて恐縮です。

【上野(MURC)】
 とんでもないです。

【黒田主査】
 よろしくお願いいたします。

【上野(MURC)】
 ありがとうございました。

【黒田主査】
 それでは、幾つかまだ御報告がありますが、CRDSのほうで構造化研究会というのを「政策のための科学」についてやっていまして、先回、ワークショップをやられましたので、その報告をよろしくお願いします。

【岡村(CRDS)】
 JST-CRDSの岡村と申します。今日は第2回「科学技術イノベーション政策の科学」構造化研究会の開催の報告をさせていただきます。
 まず、こちらの構造化研究会はどのようなものかを先に少し御説明させていただきますと、そもそも「科学技術イノベーション政策の科学」とは、今までもずっと議論はされておりましたが、政策形成に使われるような知見をどのように生み出していくかを主眼としておりますが、それに対して正面から取り組もうというのが構造化研究会の目的であります。例えば、政策課題としてはどのようなものがあるのか、あるいは政策研究では実際どのようなことが行われているのかをふかん的に見てみたり、あとは、政策形成に対してどのようにエビデンスを伝えていくべきか、政策形成においてエビデンスをどのように使っていくべきか、どういうプロセスが必要なのか、そういったことを検討するためにつくられております。
 こちらの研究会は、NISTEPとJST-CRDS、GRIPSの三者が今年の2月に共同設置いたしました。設置の経緯については別紙2のほうに書かれておりますので、そちらを参照いただければと思います。第1回の構造化研究会は、2月13日に開催されまして、そちらの開催報告というのが、こちらの報告書になっておりますので、中身については、こちらを御覧になっていただければと思います。
 今回報告いたしますのが8月2日に開かれたものになります。詳細のプログラムは別途、別紙1につけております。全体のセッションの構成としては、本日議題にもありました政策オプションについてということを、まずセッション1で取り上げております。セッション2では、関連する最新の動向ということで、関連する海外の情報というのを取り上げております。参加者は、研究者、政策担当者等を含めまして全体としては70名程度御参加いただきました。今日の報告では、セッション1の政策オプションに係る議題、どういった議論が出たのかということを簡単にざっくりまとめたものがございますので、御紹介したいと思います。
 まず初めに、多様な議論をしていただきましたが、最初に、政策オプションの概念や政策課題を設定するということはどういうことか、あるいは政策オプションを作成するに当たってどういう課題があるのか、そういった議論がまず出ました。科学技術イノベーション政策という文脈で政策オプションをとらえるというのは、やはり新しい試みかと思いますので、その際、概念の整理というのがまだできてないということがまず指摘がありました。特に、政策課題を実際どのように設定していくのか、政策目標をどう見ていくのか、あるいは政策手段をどう位置付けていくのか、そういったことが、まず重要な課題なのではないかというお話がありました。
 それから、科学技術イノベーション政策において特徴的な課題として、やはり政策と結果との対応関係を事前に評価することが困難であるし、実際結果が出るまでに期間が長いわけですので、いろいろ期間が異なる政策が走っていくときに、その中でプライオリティーをつけていくというのは非常に複雑な問題であると指摘されました。こういったように科学技術イノベーション政策というものにおいての固有の問題というのが非常に多いので、固有の政策評価の手法が必要なのではないかというお話もありました。
 いろいろな御意見が出たのをかいつまんでお話したいと思いますが、政策の範囲・対象について幾つかの意見が出ました。ある方は、ここで対象とするべきは、科学技術イノベーション政策によってどのような解を出せるのかに限定して、常にリマインドしていくべきだという指摘もありました。つまり、他の政策に対してかかるようなものを取り扱うのは、少しやり過ぎではないか、という御意見もありました。一方で、第3期科学技術基本計画以降に、ポリシー・ミックスが前提となっているので、政策のバウンダリーを決めるのは非常に難しく、そもそも最初から政策の範囲をきっちり決めてやるというのは難しいのではないか、そういう御指摘もありました。
 あとはタイムスケールに関しまして、第5期の基本計画を念頭に置いて、はっきり意識してやっていくべきという御意見もございましたし、政策決定者側のタイムスケールというのもあるので、これはきちっと考慮して時間制限をきちっと設けてやるべきだ。あるいは、今の現状では長期的な安定政権を前提しづらい中で、そうであっても継続性を持ちうる仕組みを常に考えていかなければいけない、そういった御意見もありました。
 もう一つ、政策オプション作成の方法論として、いろいろな政策では、政策実験、社会実験が行われているので、そういったものも科学技術イノベーション政策の中でも取り扱っていくべきじゃないかという御意見もありましたが、一方で、この政策分野特有の難しさもあるので実験というのは難しいのではないか、といった御意見もありました。
 さらに、政策オプションの作成のプロセスについての議論もいたしました。ページをめくっていただいて3ページ目からですが、特に、だれがユーザーなのかを意識して、ユーザーの問題定義、関心をきちんと踏まえて政策オプションをつくる、そういったプロセスをつくっていくべきだ。あとは、意思決定のフェーズと、それを評価するフェーズをはっきり分けることが必要ではないか。それから、(政策オプション作成に関わる)人材の交流の場を継続的に設定していくことや、人文・社会科学者や社会の多様なステークホルダーを関与させていくことが必要ではないか、といった議論がございました。
 あとは、政策オプションをつくる際に、そこへインプットしていく知識の中立性・信頼性を確保することが重要であること、チェック&バランスの仕組みをつくっていくこと、どのようなエビデンスを使っていくのかや、どのように判断したのかという基準を公開し検証できるシステムをつくっていくべきではないかなど、いろいろな御意見をいただきました。
 最後に、政策担当者と研究者のインタラクションの場を、実際につくってこそ政策オプションをつくっていくことができるのではないか、そのような場をいかにつくっていくのかをもっと議論し、実際にやっていくべきではないかという話をいただきました。いろいろな御意見が出ましたが、こういった御意見をいただきました。
 今後についても、本年度は全5回程度開催していく予定で、現在は会場の都合等もございましてセミクローズドで開催しております。第3回については、来週の月曜日にOECDの原山優子先生に来ていただいてセミナーという形で開催いたします。こちらは既に満員となってしまっておりますので、締め切りについては終了させていただいております。
 開催報告については以上です。

【黒田主査】
 どうもありがとうございました。何か御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、引き続き今年度、あと数回、構造化研究会をやるということで、続けてやっていただきたいと思います。

【土屋局長】
 これ、意見が出たというだけで出た意見を書いてあるだけで、この意見がそのとおりだと思っているわけではないと、そういうことでよろしいですよね。

【岡村(CRDS)】
 はい。

【黒田主査】
 もちろん、僕のニュアンスでは、今年のFSというか、設計をしていく段階のいろいろな議論の素材として御指摘いただいたというように考えてます。

【土屋局長】
 はい。

【黒田主査】
 よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 それでは、最後になりますが、先回GRIPSで、先ほど来、有本さんからいろいろお話がありましたシンポジウムを開催いただきましたので、それについて御報告をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【有本センター長】
 それでは、私のほうから。資料の右上の番号で5番目です。表題は「科学と政策をつなぐ-政策のための科学の実践に向けて-」。8月6日の午後、政策研究大学院大学で行いました。結構関心が高くて会場は満杯で、在京の科学アタッシェも20人ぐらいは来ていました。政治家の秘書の方もたくさん来ておられました。裏のページを見ていただきますと、全体のプログラムとスピーカーの方々、基調講演は吉川先生、学術会議の会長の大西先生、JSTの中村理事長にしていただきまして、パネルディスカッションで、今回、一つの目玉でありますけれども、政治家は民主党の鈴木先生、自民党の林芳正先生、公明党の斉藤鉄夫先生、それから現役の局長で土屋局長、発言しにくい状況でなかったかと思いますけれども、出ていただきました。それから、今日御出席の笠木先生、黒田先生、城山先生にコメントをいただきました。今回は特にこの3人の政治家に自由に、かなり思い切ってしゃべっていただこうということで、1時間以上3人で議論していただきました。最後にまとめて私のほうから発表した次第ですが、結構大事なことが言われていると思います。まる1で、科学技術イノベーション政策については、超党派で議論し、政治的合意のもとに持続的に推進する必要性。少なくとも、この3先生、鈴木・林・斉藤先生、議論の場でも話されていましたが、自分たちは超党派で科学技術政策をしっかりやって来た。ここにありますように科学技術基本法も研究開発力強化法案もそうであると、今後も超党派でしっかりやりたいということは言っておられました。
 まる2で、これが今日の議論にも結びつくわけですけれども、立法府、科学技術のコミュニティ、産業界、行政府、メディア、社会との間で継続的にこういう対話の場を、もちろんサイズなりオープンにするかどうかも含めて、様々なケースがあると思います。相互の信頼関係を醸成し、議論を蓄積する仕組み――これは林先生が強く言われました。一過性で終わるんじゃなくて、リセットするんじゃなくて、議論が積み上がってアクションに結びつけていくような仕組みにしようじゃないかということを言っていただいた次第です。
 まる3は、こういうことをやる場合の、責任問題、責任の明確化と役割、それから、それに裏打ちする行動規範。
 まる4で、今日も議論がありました人材の育成。それから、シンクタンク機能の強化ということです。これは科学と政策をつなぐということで政治家と行政が中心でやっておりまして、まる2に書いてありますように、こういう場を頻繁に開いたらどうかと思っています。これは第1回目ですから、かなり概念的な議論しかできなかったんですが、配付資料は政治家も含めて、各スピーカーが一生懸命用意されたので、読みでがあると思います。いずれにせよ、リアルな問題と課題を常に抱えている政治家、政策を決定し執行するわけですね、行政官。この方々を含めて常に議論をして、課題設定を行うということが非常に大事かなと思います。もう一つは、3人の先生方も事前に話をしたときには自分たちのように、科学技術なり科学技術政策、行政というのをよく知っている人物は政治家の中で数えるしかない。これをどうやって広げていくか。
 ほとんどの政治家は、マスコミでパッと出たものについては飛びつく。そういう意味でマスコミもここに巻き込んだ上での議論の場というのも時々やらないといけない。本当に使う側の政治家、行政官のデマンドサイドからの声をしっかり受けとめて科学が動くというような構造をつくるためには、こういう場の継続性が非常に大事かなと思います。

【森田委員】
 頑張ってください。(笑)

【黒田主査】
 どうもありがとうございました。何か御質問ございますでしょうか。

【有本センター長】
 こうした行動はなかなか行政ではできないので大学でやろうということです。ありがたいことに3党以外の国会議員の方も来られていて、関心を持っていただいて今後も入れてくれと。これ、オフレコにして。そういう話もありました。議員御自身じゃなくて、秘書の方もかなり来られた。
 以上です。

【土屋局長】
 私から質問というのはあれですが、今、有本センター長おっしゃったように海外の在東京のアタッシェが相当たくさん来られていて、政研大でやられた政研大のネットワークというのもあるのかもしれませんが、何か反応というか、あの後ありましたですか。

【有本センター長】
 3人ぐらいのアタッシェと立ち話しました。みんな同じように悩んでいる。いろいろな問題で科学的なアドバイスが非常に困難な、EPUもそうですし、そういうところで日本のこういうものについて、彼ら、彼女たちは注目している。よく情報発信をしてほしいし、それから、場合によっては、ジョイントプロジェクトにしましょうか、そういう話しました。

【森田委員】
 ちょっとよろしいですか。

【黒田主査】
 どうぞ。

【森田委員】
 この8月6日のは残念ながら出席できなかったんですけれども、こういうシンポジウムといいましょうか、頻繁に開かれて大変いいことだと思うんですけれども、ただ、前進をしているという形で、どこまでわかったのか、何が変わったのか、何が課題なのかという、その整理をぜひしていただきたいと思います。場合によっては、同じ話でまたやっているのかなというときもなきにしもあらずですね。そこはぜひ整理していただきたいと思うし、その整理できるような人材をぜひどこかで育てていただきたいと思います。

【黒田主査】
 重要なことですね。どうもありがとうございました。
 議題、今日お諮りしたいことは以上でございますけれども、最後になりましたが、局長、何か一言コメント……。

【土屋局長】
 いつも8月のお盆の週に会議を開いていただきまして、ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

【黒田主査】
 それじゃ、今後のスケジュールについて事務局のほうから。

【山下室長】
 本日はありがとうございました。次回の日程につきましては、今日、御報告させていただきました新しいプログラム及びほかのプログラム、今後検討を進めていきたいと思ってございますので、きちんと進捗状況がまとまったタイミングで先生の御都合を伺って、御連絡申し上げたいと思います。

【黒田主査】
 どうもありがとうございました。これで第11回の委員会を終了させていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

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科学技術・学術政策局計画官付

(科学技術・学術政策局計画官付)