1. 各国情勢やイノベーションシステムを検討する際に、比較可能なキーコンセプトを予め抽出し整理することが必要であると同時に、グローバルでよりオープンなイノベーションシステムに世界を動かしている要因、たとえば人材の国際移動などについてもできるだけ最初に共有しておくことが必要である。
2. アジア地域の重要性を認識することは必要であるが、中国のみに偏らずインド、そして可能であればその他、たとえばタイ、ベトナム、インドネシアなどのイノベーションシステムを幅広く比較する視点を持つこと。時間的制約もあるが、中央アジアの「スタン」諸国やイランなど一部中東も日本にとって重要な戦略的パートナーになりうることも念頭にアジアの議論をすることが肝要だと考える。
3. 「ものづくり」に象徴される日本型イノベーションシステムとは何かもう一度整理し共通の認識を持つことが必要ではないか。資源保有国の台頭によるイノベーションシステムへの影響とグローバルイノベーション時代における日本型発展モデルの再検討は重要課題である。
1. 国内外のスピーカーを有効に活用するために、できる限り機動的かつ柔軟的に委員会を開催できるようにしてはどうか。とくに、海外のスピーカーの場合、別の理由で来日している機会を捉えて話をしていただけるよう、関係者から幅広く情報を収集し、あらかじめ決めてあるスピーカーや日程以外でも対応できるようにする。
2. 海外のスピーカーとしては、シリコンバレーで活躍するインド人経営者ネットワーク( TIE)の関係者や UNU・MERIT(マーストリヒト大)の Luc Soete教授のような BRICsをはじめとする資源保有国がいかに金融面を中心に開発途上国のイノベーション発展戦略に影響を与えたかということを検討するプロジェクトを推進しているような研究者もヒアリングの対象にしてはどうか。
以上
ベトナム・ダナン大学より
政策研究大学院大学
角南 篤
科学技術・学術政策局