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資料8−4

文部科学省関係研究費の制度改善等の取組例について

1 各制度における改善事項

○ 科学研究費補助金

  •  繰越事由の要件明確化に伴い、繰越件数が増加。(平成18年度641件、平成19年度1,297件申請中)
  •  交付決定者の承認なしに自由に変更できる費目間流用の割合について、平成20年度より、交付された直接経費総額の30パーセントから50パーセントに変更。(平成20年度から)
  •  直接経費で他の用途にも使用する1つのまとまった購入単位の消耗品等を購入する場合、科研費で用いる数量と他の経費で用いる数量を区分できる場合は、合算使用が可能になるなど、運用の緩和。(平成20年度から)(注)
  •  直接経費に他の経費(委託事業費、私立大学等経常費補助金、他の科学研究費補助金及び間接経費など、当該経費の使途に制限のある経費を除く。)を加えて、補助事業に使用する場合は合算使用が可能。(平成20年度から)

○ 本省委託費(科学技術振興調整費など)

  •  省内各局の委託事務処理要領の統一(約30事業、2000件)
  •  費目の簡素化による費目間流用可能な枠を大幅に拡大。書式の統一化。(平成19年度から)

(科学技術振興調整費に係る事項)

  •  科学技術振興調整費で雇用する研究者が行う他の競争的資金等を用いた研究等にかかる人件費に、委託費を充当可能に。(平成20年度から)
  •  裁量労働制に対応したエフォート管理手法の導入
  •  委託費執行に係る情報の公表
  •  質問・要望に関するメールボックスの活用
  •  書面による額の確定調査の試行 など

○ JST運営費交付金事業(戦略的創造研究推進事業など)

  •  運営費交付金事業の特性を生かし、繰越について柔軟に対応。(平成17年度から)
  •  複数年度契約を導入(平成17年度から)
  •  会計年度に関わりなく研究期間を設定
  •  各費目の流用額の合計額が直接経費総額30パーセントを超えないときは費目間流用の事前申請不要(平成18年度から) など

2 ルールの統一化など制度横断的な事項

  •  大学関係者有志、配分機関、関係府省が集まり、研究費の使いやすさの改善に向けた、関係者間での情報交換を実施。(平成20年3月から)
  •  間接経費の拡充−20制度中18制度で、30パーセントを上限として措置可能に。(平成20年度現在)
  •  異なる競争的資金等の合算使用等−例えば、上記科研費の取組(注)により、複数の競争的資金制度に渡った、研究費の効率的な使用が可能に。(平成20年度から)
  •  府省共通研究開発システム(e-Rad)を用いた不合理な重複及び過度の集中の排除(平成20年1月から)

「研究費の効果的活用へ向けた勉強会」(いわゆる「日本版FDP」)設置の背景

平成19年8月  総合科学技術会議 競争的研究資金プログラムディレクター会議
 小間PDより米国FDPの実情紹介と、日本でのファンディングエージェンシーを中心とした協力体制の構築を提唱。本庶議員が、何らかの検討が必要との発言。
平成20年2月  第2回プログラムオフィサーセミナー(JST主催)
 米国FDP関係者を招き、講演、パネルディスカッションを行い、関係者間での制度に対する理解を深める。
平成20年3月  「研究資金のルール統一化打ち合わせ」(第1回)(注)
 本件に関心を有する大学関係者(東大、京大、東工大、慶応、早稲田)、配分機関(JSPS、JST、NEDO)、関係府省(内閣府、文部科学省)が集まり、研究費の使いやすさの改善に向けた、関係者間での情報交換を実施。
  • (注)その後、「研究費の効果的活用へ向けた勉強会」に改称
平成20年4月  「研究費の効果的活用へ向けた勉強会」(第2回)
 各大学からの研究費の使用ルール等に関する疑問点や不明確な点に関する情報を集約し、各制度の運用の現状についてとりまとめ、議論。
平成20年5月  「研究費の効果的活用へ向けた勉強会」(第3回)開催

【参考】

○ 科学技術基本計画(平成18年3月28日 閣議決定)

「各競争的資金制度の効果を最大限発揮させるため、それぞれの制度の趣旨や目的を明確化するとともに、研究費の規模、研究機関、研究体制、評価方法、推進方策等がその制度の趣旨に応じ最適化されるよう、制度改革を進める。」
「なお、競争的資金の配分に当たっては、年度間繰越や年複数回申請など競争的資金の効率的・弾力的運用を可能とするため、競争的資金の趣旨・目的を考慮しつつ適切に予算措置を講じる必要がある。」

○ 競争的資金の拡充と制度改革の推進について(平成19年6月14日 総合科学技術会議 基本政策推進専門調査会)

「・研究費交付時期の早期化を更に徹底する。
 また、補助金と委託費の違いなど各制度の特性も踏まえつつ、例えば費目間流用や使途の制限、人件費としての使用やその単価等について、科学研究費補助金の例を参考に、研究活動の効果的な推進の観点に立って、ルールの統一化・運用の弾力化を促進し、併せて手続きの簡素化・合理化に取り組むべきである。」

○ 研究費の不正対策検討会報告書 (平成18年12月26日 文部科学省 研究費の不正対策検討会)

 「研究者が研究費不正使用を行う原因が一律ではない以上、研究機関が完全な管理体制を構築することは、不正使用根絶の必要条件ではあっても、十分条件ではない。不正使用を根絶するためには、競争的資金等の仕組みそのものと研究活動の本省との間の不整合からくる制約を可能な限り緩和することも必要である。」

○ 革新的技術戦略(平成20年5月19日 総合科学技術会議決定)

「○ 競争的資金に係るルールの統一化
 研究資金を効果的・効率的に活用するとともに、煩雑な事務手続きを減らし、研究者の研究専念時間を確保するためには、競争的資金に係るルールを統一化する必要がある。
・ 報告書の様式の統一、複数資金による研究の報告書の一本化、経費区分や費目間流用限度額の統一、複数資金の統合的かつ効率的な運用等、内閣府・総合科学技術会議と関係各省が連携してルールの統一化を強力に推進
・ 先端医療開発特区においては、平成20年度に、研究機関等における負担の軽減に資するよう、関係府省が研究資金の運用改善に努めるとともに、平成21年度以降の研究資金の統合的かつ効率的な運用の方策について検討」