平成19年3月23日(金曜日)16時~18時
文部科学省4階 宇宙開発委員会会議室
中込座長、明石委員、池内委員、数土委員、野村委員、山下委員、浦野氏(山田委員代理)
文部科学省 袴着科学技術・学術政策局次長、野家原子力安全課長、木野防災環境対策室長、布田防災管理対策官、他
立崎氏(放医研)
中込座長及び袴着科学技術・学術政策局次長より開会の挨拶、事務局等より配付資料の確認及び資料説明があった。
<議題(1)平成18年度の原子力防災に関する取組みについて>
【池内委員】 資料(p.6)に原子力防災資機材の台数を減らすことができるよう検討中とあるが、その具体例を説明願いたい。資料(p.8)の蛍光ガラス線量計については是非、導入願いたい。資料(p.17)の広範囲影響予測機能整備について、現在の100km四方を拡大するとあるが、EPZの10km四方との兼ね合いを考慮する必要がある。住民に無用な混乱を与えないよう留意が必要である。
【布田対策官】 資機材の台数に関しては、原災法該当事象の発生が極めて低い輸送のことであり、原子力安全委員会の指針に記載されているものを想定している。SPEEDIの広範囲影響予測機能に関しては、施行状況の報告書に記載があるとおり、立地県以外の住民の不安解消の観点から整備しているものであり、平成20年の試験運用を目指している。
【数土委員】 100km四方というのは現行予測の最大範囲であり、広範囲影響予測機能整備を行うことにより、それ以上の範囲まで予測が可能となる。自治体等よりそれよりも広い範囲の影響を確認したいとの要望もある。
【池内委員】 強調したいことは、原子力安全委員会の指針と相反する趣旨で捉えられ混乱が生じないようにする必要があるということ。
【野村委員】 資料(p.9)の様々な種類の要素訓練の実施について、資料(p.10、p.11)において文科省の取組みを紹介しているが、モニタリング訓練は実施しているのか。また、平成19年度の予定はどのようになっているのか。その他、立地県以外の自治体や核テロの対応はどのようになっているのか。
【布田対策官】 モニタリングに特化した要素訓練は実施していないが、総合防災訓練ではモニタリングロボットを現地まで空輸した。また、自治体の訓練に参加し、SPEEDIを運用している。平成19年度は平成18年度と大きく変わらないが、前述の観点を含め対応していきたい。
【野家課長】 テロ対応としては、防環室ではなく、内閣官房の危機管理室が中心となっている。現在は、関係機関の対応能力を取り纏めている状況のようである。
【木野室長】 モニタリングは自治体が主に行うことになるため、資料(p.12、13)にあるように自治体等を対象とした研修を行っている。また、資料(p.11)にある各機能班訓練で対応していると認識している。
【野村委員】 測定技術を得るという点ではそうだが、技術を持った人が実際に連携を図るということが重要であるという趣旨である。また、原災法の輸送について、実働体制が整っていないと思われる。
【中込座長】 原災法対象の輸送事故の発生は極めて低いが、一度は訓練を行い、緊急体制が機能するか確認する必要がある。また、テロ対応について、放射線が関係するものは原災法で、それ以外は違うということでは国民は納得しないだろう。今後は、一本筋がとおった活動をしていかなければならない。資料(p.10、p.11)にある訓練結果はどうであったのか。
【布田対策官】 総合防災訓練は、経産省で纏めている。文科省訓練は、資機材の一部に不具合があった、シナリオ理解不足、班長会議が多すぎる等の課題を認識している。
【中込座長】 上手く機能しない事象の発見が訓練成果であり、フィードバックをかけていけばよい。資料(p.13)の参加人数について、平成14年以降ほぼ横ばいであるが飽和状態なのか。また、レベルアップした内容にしていないのか。
【布田対策官】 自治体等は人事異動があるため初めて参加する方が多く、どうしても基礎的な内容が中心となる。
【中込座長】 習熟度をスピードアップする講座、現状維持の講座等、計画的に進めているのか。
【木野室長】 自治体からレベルの高い講座の希望はなく、現状維持で行っている。
【中込座長】 目的意識を持ち取り組むことが重要である。
【浦野氏】 本県では人事異動があっても、少なくともある一定の対応能力を確保するため、研修シュミレータを活用した養成制度がある。それを前提に国が実施する研修を有効に活用している。
【明石委員】 資料(p.26)について、アジア諸国が日本に期待するところが大きい。東南アジアにも、今後、積極的に普及・啓発を行っていくという考えで宜しいのか。
【布田対策官】 文科省としては、IAEAの枠組みを活用して推進していく姿勢である。
【数土委員】 参考資料「原子力防災対策特別措置法の施行状況について」の(p.17)にある普及・啓発等について、国の原子力防災対策の取組みとして一般へもっと積極的に情報を発信してほしい。
【布田対策官】 経産省と調整を図りながら進めていきたい。
【中込座長】 他省庁と調整しながらではなく、文科省が本件に関する情報を最も有していると思われるので積極的な対応をお願いする。
<議題(2)緊急被ばく医療体制の整備状況等について>
【池内委員】 初期、二次被ばく医療機関は放医研が指定しているのか。
【明石委員】 自治体が自主的に指定している。
【中込座長】 資料(p.16)の資機材については、放医研は協定機関に配備するのみか。
【明石委員】 配備だけではなく、機器の点検校正を行ったり、現地に行った際には勉強会を行っている。
【山下委員】 資料(p.12)には「2次被ばく汚染に対する不安払拭のための勉強会」とあるが、被ばく線量の基準はあるか。
【明石委員】 防災指針では緊急時の人命救助における被ばく線量は100mSvを上限としているが、人命が最優先であり、あってないようなものである。実際は、被ばく管理に十分配慮し、例えば30mSvで交代する等の対応を行う。
【中込座長】 初期、二次被ばく医療機関が指定されているという感触を得るが実際はどうか。
【明石委員】 救急救命医療機関の医師は、生命優先の姿勢は当然ながらあり、他の医師はそうでないところがあるが、目にみえて改善に向かっている。
【中込座長】 体制整備が進んでいるということを嬉しく思う。
<議題(3)その他>
【中込座長】 全体を通し意見を募りたい。今後、輸送について本格的に取り組んでいくことを鑑みれば、立地県だけでなく、全国が一つになり対応する必要がある。また、テロにおいても同様である。
【野村委員】 訓練に参加して思うことは、被ばく医療関係がしっかり取り組んでいることは関心する。
【中込座長】 厚労省との協力関係の実情を紹介ください。
【明石委員】 二次被ばく医療機関が救急医療における災害拠点病院とは限らないが、文科省と連名で被ばく医療に関する文書を出す等、良くなってきている。
【布田対策官】 文科省と厚労省で定期的に打合せをする等の対応を行っている。
以上
担当:布田、岡本
電話番号:03‐6734‐4038
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