国際原子力事象評価尺度(INES)評価ワーキンググループ(第5回) 議事要旨

1.日時

平成19年3月12日(月曜日) 14時~16時

2.場所

三菱ビル 地下1階 M3会議室

3.議題

  1. 委員長の互選及び代理者の指名について
  2. 平成17年度下期に発生した事故・故障等のINESレベル評価について
  3. 独立行政法人日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センター製錬転換施設における放射性物質漏えいについて
  4. その他

4.配付資料

  • 資料INES18下‐00  第4回 INES評価ワーキング・グループ議事概要
  • 資料INES18下‐01  国際原子力事象評価尺度(INES)評価ワーキング・グループ構成員
  • 資料INES18下‐02  独立行政法人日本原子力研究開発機構東海研究開発センター原子力科学研究所放射性廃棄物処理場焼却・溶融設備における火災について   
  • 資料INES18下‐03  独立行政法人日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センター製錬転換施設における放射性物質漏えいに係る独立行政法人日本原子力研究開発機構からの報告及び当省の対応について

5.出席者

委員

山中委員長代理、越塚委員、須藤委員、蜂谷委員、三澤委員、渡部委員

文部科学省

小原原子力規制室長、島根運転管理・検査管理官、南山統括原子力保安検査官 他  

6.議事要旨

(1) 委員長が空席となっているため、山中委員長代理の進行により中込委員が委員長に互選された。なお、中込委員が欠席のため、次回ワーキング・グループにおいて中込委員が出席の上、正式決議とすることとなった。   

(2) 独立行政法人日本原子力研究開発機構東海研究開発センター原子力科学研究所放射性廃棄物処理場焼却・溶融設備における火災について、資料INES18下‐02に基づき事務局より説明の後、次のとおり委員から意見等があった。

(委員) 管理区域設定はされていたものの、非放射性物質で試験していた状況から、そもそも評価対象であるのか。

(事務局) 保安規定上は、いつ放射性物質を使って運転してもいいという状況であることから、広めに判断した。

(委員) 参考までに、今回のような、まだ放射性物質を使っていない施設での事象を適用した前例はあるか。

(事務局) 「もんじゅ」の二次系配管の温度計破損により、ナトリウム漏えいしたケースがある。

(委員) 「もんじゅ」は運転していたし、原子力施設への影響の可能性があったが、これを外せば初めてか。

(事務局) そのとおり。

(委員) 「蛇腹」に安全機能は要求されているのか。

(事務局) 設計及び工事の方法認可申請対象になる設備でなく、使用者の判断で付加しており、密閉を担保しているものではない。

(委員) 補修に用いるべき材質のものは用意されていたのか。

(事務局) 同じような材質のものがあり、それを使っていればこういう事故は起こらなかった。

(委員) マニュアルが検討され、既に整備されたのか。   

(事務局) 保安検査等で今後確認していく。

(委員) 1年前の事象の法令報告が出てきたのは遅くないか。

(事務局) 法令上は10日以内に報告することとなっている。10日以内にその時点での状況を取りまとめて報告し、その後原因究明、再発防止策がまとまり次第、最終報告する。

(委員) ここの場所は火災が発生する可能性があるのか。

(事務局) 想定はされていた。

(委員) どういう消火設備が備えられていたのか。

(事務局) 水は使用できないため、プラズマ溶融炉をまず止め、その上で粉末の消火器で消火する。村の消防隊に鎮火の確認を受けた。

(委員) 火事の対応には問題がなかったのか。また、延焼のおそれはなかったのか。

(事務局) 対応は問題ない。火災は補修したシートの周辺に限定されていた。

(委員) 放置しても鎮火したのでないか。

(事務局) 蛇腹の一番外側から炎が出ていた状況から、消火活動を判断したと考える。

(委員) 仮に放射性物質を使用していたら評価値が変わるか。

(事務局) 変わらない。例えば放射性物質が飛散しているとかが確認されれば変わりうるが、この事象では確認されていない。

(委員) 本試験の前の不具合を応急処置で済ませたことは、レベルを上げる付加要因に当たるか。

(事務局) 補修をせずに運転を続けていても、火災にならなかったと推論する。余計なものを付けたがために、中に熱がこもり、その熱で外膜が燃えた。対応を組織的に行うべきところが逸脱していた。

以上の議論の結果、以下の結論を得た。

検討結果 : 原子力規制室が暫定的に評価したレベル0

  [基準1:‐、基準2:‐、基準3:0]は妥当なものと判断する。

 (3) 独立行政法人日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センター製錬転換施設における放射性物質漏えいに係る独立行政法人日本原子力研究開発機構からの報告及び当省の対応について、資料INES18‐下03に基づき、事務局より紹介の後、次のとおり委員から意見があった。

(委員) 漏えいした量はどの程度か。

(事務局) 別の配管等の上で乾いた痕として発見されており、床までは落ちていない。その程度の漏えいである。

(委員) 管理区域外の配管は二重管か。

(事務局) 硬質塩化ビニルの一重配管。漏えいの痕跡で見つかった、ということが問題。漏えいが速やかに発見されなかった点については、しっかり検討して対応を取るよう指導している。

(委員) 漏えいの開始時期は。

(事務局) 最初の漏えいは相当前に生じていると考えている。

(委員) 巡視あるいは補修作業などで見つけたということか。

(事務局) 最初に発見された場所は一日一回の巡視をしている。配管は床から6~7mの高さで、見つけにくい箇所である。放射性廃液を通す配管があるという認識がなかった。

(委員) 漏水箇所は腐食でなく、継ぎ手部分ということか。

(事務局) 配管を突き合わせて、接着剤で溶着させている。そこが漏水箇所である。

(委員) 有意な値というのは、サーベイメーターでの検出か。

(事務局) 6箇所全部が直接測定で検出されており、その後の水平展開でも相当数発見されている。なお、本件は次回以降ご議論頂くこととなる。

 (4) その他

・ 本日の検討結果を踏まえ、文部科学省としてINES評価正式値を速やかに確定する。

・ 中込委員へは、報告を兼ねて委員長に互選されたことについて、事務局が責任をもって確認すること。

お問合せ先

科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室

担当:国井、江田
電話番号:03-6734-4033
ファクシミリ番号:03-6734-4037

(科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室)