放射性同位元素の使用施設等に係る国際原子力事象評価尺度(INES)評価ワーキンググループ(第4回) 議事録

1.日時

平成22年9月10日(金曜日) 15時00分~16時05分

2.場所

文部科学省 15階 科学技術・学術政策局会議室1

3.議題

  1. 2008年版INESユーザーズマニュアルの使用開始について
  2. 密封された放射性同位元素の所在不明及び回収について(日本たばこ産業株式会社浜松工場)
  3. 密封された放射性同位元素の所在不明について(株式会社岩村組 日沿道 仲間町道路その7工事)
  4. 密封された放射性同位元素の所在不明について(防衛省技術研究本部)
  5. その他

4.出席者

委員

二ノ方壽主査、山本英明主査代理、石田正美委員、木村俊夫委員、蜂谷みさを委員

文部科学省

中矢放射線規制室長、遠藤放射線検査管理官、荒川企画係長、山外行政調査員

5.配布資料

資料第4-1号    :第3回放射性同位元素の使用施設等に係る国際原子力事象評価尺度(INES)評価ワーキンググループ議事録(案)
資料第4-2号    :2008年版INESユーザーズマニュアルの使用開始について
資料第4-3号    :密封された放射性同位元素の所在不明及び回収について(日本たばこ産業株式会社浜松工場)
資料第4-4号    :密封された放射性同位元素の所在不明について(株式会社岩村組 日沿道 仲間町道路その7工事)
資料第4-5号    :密封された放射性同位元素の所在不明について(防衛省技術研究本部)
参考資料1   :放射性同位元素の使用施設等に係る国際原子力事象評価尺度(INES)評価ワーキンググループ委員名簿
参考資料2   :放射性同位元素の使用施設等に係る国際原子力事象尺度(INES)評価の運用開始以降のINESレベル評価事例について
常備資料    :2008年版INESユーザーズマニュアル

6.議事

(1)資料第4-1号に基づき、第3回の議事録の報告が行なわれた。
(2)事務局より、資料第4-2号を用いて、「2008年版INESユーザーズマニュアルの使用開始について」の説明がなされた。
(3)事務局より、資料第4-3号を用いて、「密封された放射性同位元素の所在不明及び回収について(日本たばこ産業株式会社浜松工場)」についての説明がなされた。
(4)事務局より、資料第4-4号を用いて、「密封された放射性同位元素の所在不明について(株式会社岩村組 日沿道 仲間町道路その7工事)」についての説明がなされた。
(5)事務局より、資料第4-5号を用いて、「密封された放射性同位元素の所在不明について(防衛省技術研究本部)」についての説明がなされた。

7.主な質疑内容

○資料第4-2号「2008年版INESユーザーズマニュアルの使用開始について」について

【石田委員】2008年INESユーザーズマニュアルの評価事項である「人と環境への影響:レベル2」では、「法令による年間線量限度を超える作業者の被ばく」について、従前のユーザーズマニュアルと同じ考えとみなしてよいか。
【山外行政調査員】従前の考えと同じである。放射線業務従事者と一般公衆の被ばくとを区別しているため変更はない。

【石田委員】「深層防護の劣化」について、評価分類の中に「特定の施設での事象」「輸送及び放射線源事象」がある。これは、例えば輸送中に発生した事象で、それが施設内で発生した場合が「特定の施設での事象」として区分されるのか。
【荒川企画係長】輸送中に発生した事象は全て「輸送及び放射線源事象」に分類される。例えば、特定の施設に分類される加速器施設の機器の故障・異常に起因した事象は、「特定の施設での事象」に分類される。

○資料第4-3号「密封された放射性同位元素の所在不明及び回収について(日本たばこ産業株式会社浜松工場)」について

【石田委員】当該事象の内容について、安全文化について問いたい。2日に線源が廃棄され、3日に廃棄業者に引き渡され、後日線源の紛失が確認されている。何故このようなことが起こったのか。
【遠藤放射線検査管理官】その経緯は以下の通り。廃棄予定の線源4つがあって、19日の午後に本来4台入っていると記録されているべきものが、3台分の記載しかなかったようである。担当者は記録漏れと認識したことに問題があったようである。引き継いだ作業員も気にせずに3台のままで処理してしまったようである。本来4台の装置を廃棄する予定だったのが、3台になっているのに特に気がつかず、その1台が別のところで廃棄されてしまっていたということである。

【蜂谷委員】廃棄された装置について、放射線源が装備されている旨を示す放射線マークは外部から見える構造になっていたのか。
【荒川企画係長】標識は法の定めにより張られている。

以上の質疑の後、本事象については以下の結論を得た。

検討結果: 放射線規制室が暫定的に評価したレベル0は妥当なものと判断する。

被ばくに基づく評価:0
環境への影響に基づく評価:0
深層防護の劣化に基づく評価:0

 

○資料第4-4号「密封された放射性同位元素の所在不明について(株式会社岩村組 日沿道 仲間町道路その7工事)」について

【石田委員】水分計の線源を20メートル離した場所においていた理由は何故か。
【遠藤放射線検査管理官】計測装置の初期設定のために、線源の影響があってはならないため離したようである。本事象では、本来1分程度で初期設定が済むところを、初期設定の合間に別な作業を30分程度入れたため、その間に紛失したようである。

【中矢放射線規制室長】表示付認証機器のマニュアルを守っている以上、安全面での管理状態としては、万全であるとは言えないものの適切であった。現在は、初期設定の作業時は線源から目を離すことがないよう求めている。
【遠藤放射線検査管理官】本事象では、表示付認証機器の使用方法を逸脱していたわけではないと言える。

以上の質疑の後、両施設に係る本事象については以下の結論を得た。

検討結果: 放射線規制室が暫定的に評価したレベル0は妥当なものと判断する。

被ばくに基づく評価:0
環境への影響に基づく評価:0
深層防護の劣化に基づく評価:0

 

○資料第4-5号「密封された放射性同位元素の所在不明について(防衛省技術研究本部)」について

【二ノ方主査】本件からは、2010年4月以降発生した事象であるため、2008年版INESユーザーズマニュアルを適用するものとする。

【石田委員】この線源をこのような形で積んだ飛行機は他にあるのか。
【遠藤放射線検査管理官】幾つかのものがあると聴いている。

【石田委員】Kr-85の数量が107.7kBqと低いが届出や許可は必要ないものか。
【荒川企画係長】下限数量10kBqを超えているため許認可の対象となり、届出使用という取扱いである。

【石田委員】評価の仕方について伺いたい。D2値を一定量以上超えるようなものはINESレベル4以上とされる。その途中INESレベル1~3は存在しないのか。
【荒川企画係長】その通りである。レベル4以上しか2008年版INESユーザーズマニュアルには規定されていない。

以上の質疑の後、両施設に係る本事象については以下の結論を得た。

検討結果: 放射線規制室が暫定的に評価したレベル0は妥当なものと判断する。

人と環境への影響評価:0
施設における放射線バリアと管理への影響:-(該当なし)
深層防護の劣化に基づく評価:0


以上

お問合せ先

科学技術・学術政策局 原子力安全課 放射線規制室

(科学技術・学術政策局 原子力安全課 放射線規制室)