クリアランス技術検討ワーキンググループ(第6回) 議事要旨

1.日時

平成18年5月31日(水曜日)10時00分~11時15分

2.場所

三番町共用会議所 大会議室

3.議題

  1. 第5回クリアランス技術検討ワーキンググループ議事概要(案)の確認
  2. 中間報告書(案)について
  3. その他

4.出席者

委員

近藤主査、大山主査代理、大越委員、反保委員、服部委員、古川委員、森本委員

文部科学省

下村次長・原子力安全監、梶田放射線規制室長、岩田放射線検査専門官、里山行政調査員

オブザーバー

(説明者)
大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 三浦助教授
独立行政法人日本原子力研究開発機構 バックエンド推進部門 廃棄物処分技術開発グループ 木原グループリーダー

5.配付資料

資料6-1  第5回クリアランス技術検討ワーキンググループ 議事概要(案)
資料6-2  中間報告書(案)に対する委員からのご意見とその対応について
資料6-3  放射線障害防止法におけるクリアランス制度の整備に係る技術的検討について(中間報告書)【案】
参考資料1  クリアランス技術検討ワーキンググループ 委員名簿
参考資料2  放射線障害防止法におけるクリアランス制度の整備に係る技術的検討について(中間報告書)【案】(改訂版(見え消し))

6.議事要旨

(1) 資料6-1に基づき、第5回クリアランス技術検討ワーキンググループの議事概要(案)の確認がなされ、原案とおり了承された。

(2) 資料6-2及び参考資料2に基づき、事務局から、前回ワーキンググループにおいて説明がなされた中間報告書(案)に対する委員からのご意見とその対応及び中間報告書(案)の改訂箇所について説明がなされ、次のとおり質疑応答がなされた。
 ・1)参考資料2のp6~p9で、「放射化のメカニズム」という表現と「放射化の生成機構」という表現が使われているが、何か使い分けをしているのか。2)p14で、放射能濃度や核種組成比は、加速器の設置状況やビーム損失点からの距離及び角度等に起因するとあるが、それ以外にも対象物の元素組成比にも起因する。ここだけを読むとその内容が抜けているように捉えられる。3)p19で、評価対象核種を4桁目まで選定するとあるが、今後、実際にクリアランスを行う場合には、放射化計算の精度の向上や測定箇所を増やす等により実測値と計算値がそれほど変わらなくなることも考えられる。今回のケーススタディの結果と今後の制度化とのつながりがわかりにくいため、今回のケーススタディでは実測値と計算値との間に2桁程度の差があったので、評価対象核種を安全側に4桁目まで選定するという一提案である旨を強調しておいた方がよい。(大越委員)

→1)について、特に使い分けをしている訳ではなく、「生成機構」にあわせるようにする。2)について、核種組成に起因することについても追記する。3)について、今回のケーススタディによる結果での一提案であって、これを今後の制度化の際に必ず同様に4桁目まで選定しなければならないとは考えていない。そのことがわかるように、注釈で記載するか書き方を工夫する。(事務局)

→今回は、1つの例として評価対象核種の選定の考え方を述べただけである。原子炉施設におけるクリアランスのように主に計算結果に基づいた方法でなく、測定結果を主とし計算結果を組み合わせて選定するという方法の考え方を述べたと理解して頂きたい。(説明者)

・今後、クリアランス判断方法の標準化ということを考えると、今回の考え方で選定された3桁目、4桁目の核種の中には測定が難しいものがあり、その核種を測定するとなると膨大なリソースがかかる。どのようなクリアランス判断方法をとるか、いくつかの適切なオプションがあり、クリアランスする者が事前評価と実際の測定判断におけるリソースとのバランスを考えながら、そのオプションを選択できるような仕組みにするべき。(服部委員)

→今回のケーススタディで選定された核種の中には、あまり馴染みのない核種も含まれており、これらのほとんどはフィッション核種である。このようなフィッション核種については別の計算方法があり、計算コードに反映できるか確認しているところである。また、Fe-55やH-3、C-14についてはデータベースを蓄積し、測定が容易なγ線放出核種との相関を求めるなどの方法を考えている。(説明者)

→金属をクリアランスの対象とすると、Fe-55やNi-63のような通常の方法では測定が難しい核種があり、それをどのように評価するかが重要である。例えば、Co-60を測定することによって、これらの核種が安全サイドに評価できるという方法を確立する必要がある。(近藤主査)

・p14の検討対象部位の選定の考え方で、RI協会の仁科記念サイクロトロンセンターは非常に丁寧に記載されているが、検討対象部位の選定の考え方は施設によってケースバイケースであると思われる。KEKやJAEAは「同様に」とだけで記載されているが、RI協会の記載との並びを考えると、もう少し整理が必要では無いか。

→今回は検討対象部位の選定の考え方を示すために、RI協会を例に丁寧に記載した。今後、クリアランスに係る放射線発生装置の分類や測定・判断方法を検討する中で、それぞれの装置に応じた評価対象部位の考え方について検討する必要があると考える。(事務局)

→加速器には色々な種類のものがあるため、まず、加速器全体について使用形態等を踏まえて分類し、それぞれの分類に応じた測定・判断方法を考える必要がある。(近藤主査)

・p19で、今回のケーススタディでKEKの加速器の場合は評価対象核種を4桁目まで選定したことについて、この記載だけでは少し解りにくいため、もう少し記載を工夫する必要がある。(大山委員)

・図7、図8及び図9での各グラフのポイントを比較すると、RI協会の場合は図7の放射化計算のポイントが図9のポイントと同じになっているが、JAEAの場合は図8の実測値のポイントが図9のポイントと同じになっている。3つの施設で違った計算方法をとっていないか。(反保委員)

→放射化計算の深さは、実測値にあわせた深さにはなっていない。放射化計算は、ある幅で深さを切って平均値を算出するが、その深さの幅のきり方は同じにしている。実測値の深さは各々の施設で異なる。計算値と実測値を同じ深さで比較する際に、計算値の深さ近傍の実測値のデータが無い場合には、実測値のデータから得られたグラフから、その深さの値を外挿して求めて比較している。(説明者)

・p19の評価対象核種を4桁目まで選定したというところの書きぶりについては、ここだけ読むと確かに少しわかりにくいところもあるが、始めから通して読むと理解はできる。ただ、今後の制度化との関係で記載に配慮が必要であれば、記載を工夫して頂ければ良い。(森本委員)

 その他

(1)本日頂いた中間報告書(案)へのご意見に対しては、主査預かりとし、近藤主査と事務局との相談の上で修正し、本ワーキンググループの中間報告書とすることで了承された。また、その他に中間報告書(案)に対して気づいた点がある場合には、6月7日(水曜日)までに事務局へ連絡することとなった。

(2)中間報告書については、6月27日(火曜日)午後に開催予定の放射線安全規制検討会において報告されることが説明された。

(3)梶田放射線規制室長より、中間報告書のとりまとめにあたり、本ワーキンググループの委員に対して謝意が述べられた。また、検討に協力して頂いた日本原子力研究開発機構の木原氏、高エネルギー加速器研究機構の三浦氏に対して謝意と引き続き協力頂きたい旨が述べられた。

(4)次回のワーキンググループは、今後の検討課題に示された課題に対する検討の進捗にあわせ、別途、日程を調整することとなった。

以上

 

お問合せ先

科学技術・学術政策局 原子力安全課 放射線規制室

(科学技術・学術政策局 原子力安全課 放射線規制室)