クリアランス技術検討ワーキンググループ(第5回) 議事録

1.日時

平成18年5月11日(木曜日) 13時30分~15時30分

2.場所

経済産業省 別館 1014号会議室(10階)

3.議題

  1. 第4回クリアランス技術検討ワーキンググループ議事概要(案)の確認
  2. 放射線発生装置使用施設における事前評価ケーススタディについて
  3. 中間報告書(案)について
  4. その他

4.配付資料

  • 資料5‐1 第4回クリアランス技術検討ワーキンググループ 議事概要(案)
  • 資料5‐2 放射線発生装置使用施設における事前評価ケーススタディの補足(採取資料の比較対象点選定について)
  • 資料5‐3 放射線障害防止法におけるクリアランス制度の整備に係る技術的検討について(中間報告書)【案】
  • 資料4‐2 p18訂正版 3.3.4 採取試料の放射能測定・評価方法
  • 参考資料 クリアランス技術検討ワーキンググループ 委員名簿

5.出席者

委員

 近藤主査、大山主査代理、大越委員、反保委員、服部委員、古川委員、森本委員

文部科学省

 梶田放射線規制室長、桐生放射線安全企画官、岩田放射線検査専門官、江田専門職、里山行政調査員

オブザーバー

(説明者)
 大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 三浦助教授
 独立行政法人日本原子力研究開発機構 バックエンド推進部門
 廃棄物処分技術開発グループ 木原グループリーダー

6.議事要旨

(1)資料5‐1に基づき、第4回クリアランス技術検討ワーキンググループの議事概要(案)の確認がなされ、原案とおり了承された。

(2)資料5‐2に基づき、説明者から、前回ワーキンググループにおいて説明がなされた放射線発生装置使用施設における事前評価ケーススタディの補足説明として、採取試料の比較対象点選定の考え方について説明がなされ、次のとおり質疑応答がなされた。また、前回ワーキンググループの配付資料4‐2のp18「採取試料の放射能測定・評価方法」の訂正箇所についても説明がなされた。

  • 高エネルギーの加速器において、ビームに対して90度の方向だけでなく、前方方向でどの程度のばらつきがあるのか、データはとっているのか。(近藤主査)
     → 高エネルギー加速器研究機構の加速器では、前方方向としてビームダンプ近傍のデータをとっており、Na‐22(ナトリウム22)の比は若干高くなるが、オーダー的には変わらない。日本原子力研究開発機構のLINACでは、色々な箇所のデータをとっているが、比としてファクター2~3の違いはあるが、それ以上大きく違うことはない。(説明者)
  • H‐3については、8試料のうち3試料しか測定していないが、その理由は。(反保委員)
     → 測定費用の観点から3試料しか測定していない。ここの3点は、加速器安全研究の観点から選定したものである。RI協会の加速器のようなエネルギーでは、H‐3はLiと熱中性子との核反応から生成されるため、測定していない他の場所もCo‐60(コバルト60)との比は変わらないと考えられる。(説明者)
  • ナンバー8の生体遮へいの箇所の試料を採取している理由は。(古川委員)
     → ビームの前方方向であり、速中性子による反応が多いのではないかと考えられるため選定した。(説明者)
  • クリアランスの対象にしているのは、二次中性子によって放射化される部分である。この二次中性子による放射化を考えた場合、ビームの前方方向のように高いエネルギーによる放射化がどの程度起こるのかがポイントであると考えられる。そのあたりを中間報告書にまとめる際に記載しておく必要がある。(近藤主査)
     → 次回のワーキンググループの際、そのあたりを再度ご説明いただくこととする。(事務局)

(3)資料5‐3に基づき、事務局から、放射線障害防止法におけるクリアランス制度の整備に係る技術的検討について(中間報告書)(案)について説明がなされ、次のとおり質疑応答がなされた。

  • 2.の表題が「放射線発生装置の解体等に伴って発生する廃棄物」全体としているが、ここで主に記載しているのは「放射化物」の話であるので、2.の表題は大きく構えすぎているのではないか。(服部委員)
     → 放射線発生装置からの廃棄物には汚染物はなく、放射化物であるということから議論が始まっているが、表題は広い表現としている。表題は工夫させて頂く。(事務局)
  • このWGでのケーススタディを踏まえ、クリアランス対象物がどのくらいの物量発生するのかという予想はできるのか。(反保委員)
     → KEKについては物量を算出することは可能である。(説明者)
     → 加速器の解体廃棄物の場合、解体に係る予算の問題、廃棄物の引き取りの問題等、現状として色々な問題を含んでおり、今後、制度を考える上で整理する必要がある。(近藤主査)
     → 物量については、例えば、クリアランスレベルをRS‐G‐1.7の値を用いて算出することは可能である。しかし、今後の課題として述べたように、放射線発生装置をきっちりと分類し、クリアランスの対象物が発生するものなのか、そもそも放射化が起こらないようなものなのか等を整理すれば、クリアランスの対象となる物量が見えてくると考える。また、クリアランスするには費用がかかり、算出された物量をクリアランスする場合に本当に経済性にペイするものなのかという点についても、今後見極める必要があると考えている。(事務局)
  • 評価対象核種の選定で、原子炉施設の場合は余裕を見て最重要核種に対して2桁目まで選定するとあり、加速器の場合は、例えばKEKの場合では余裕を見て4桁目まで選定するとある。90パーセントルールとの関係を含め、これはどのように解釈すればよいのか。(服部委員)
     → 3桁目の核種の数が10核種を超えなければ、理論上、2桁目まで選定すればDバーCの総和は90パーセント以上になる。しかし、加速器の場合は、放射化計算を精度良く見積もることが難しいため、本来評価すべき核種が漏れている可能性がある。そのために、採取試料を測定し、その結果と放射化計算結果とを比較して、評価すべき核種が漏れないように幅を広げる必要があるということである。例えば、KEKの場合、放射化計算結果と測定結果に2桁の差があるため、原子炉施設の選定の考え方である2桁目をさらに2桁広げて4桁目まで選定するということである。(説明者)
  • 前回ワーキンググループの資料では減衰保管期間は1年間が適当とあったが、中間報告書では削除されて、減衰保管期間は長くても3年間となっているが、実際の保管廃棄施設の保管能力との関係はどうか。(近藤主査)
     → 実際に減衰保管廃棄の制度を適用する場合は、3年間の減衰保管ができるように保管能力を上げる必要があると考える。中間報告書では、減衰保管廃棄の技術的な成立性についてのみ記載することとし、前回WGでの1年間という記載を削除した。(事務局)
  • p29の廃棄物重量のデータは、短半減期核種のみを含む廃棄物の重量か。(森本委員)
     → 現状、短半減期核種のみを分別して容器に収納していることはなく、他の核種が混ざっている。そのため、p65の別紙14に示しているとおり、容器に含まれている核種の数で廃棄物重量を割ることによって、短半減期核種のみを含む廃棄物重量としている。(事務局)
  • p39の「放射線障害防止法と原子炉等規制法の法体系の違いや事業規模の違いを考慮する」とは、具体的にどのようなことを言っているのか。(古川委員)
     → 今後、制度面を考える際に、今までの放射線障害防止法での規制の考え方や事業規模、経済性を考慮する必要があるということを記載しており、具体的には放射線安全規制検討会で検討されるものと考えている。(事務局)
  • 放射線障害防止法でのクリアランスを考えた場合、色々な廃棄物があるが、今回は放射線発生装置の解体等に伴って発生した廃棄物と短半減期核種のみによって汚染された廃棄物の2点をとりあげている。その理由を記載したほうがよい。(大山委員)
     → その点については、中間報告書に追加することとする。(事務局)

7.その他

  • 資料5‐3の中間報告書(案)に対してコメントがあれば、5月19日(金曜日)までに事務局へ連絡することとなった。
  • 次回の開催については、5月31日(水曜日)10時から三番町共用会議所で開催する予定であり、場所等の詳細については別途連絡することとなった。

お問合せ先

科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室

(科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室)