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KEKの相対重要度評価結果で、p15の放射化計算のグラフでは85センチメートルの深さまでしか示されていないが、p16の相対重要度評価ではコンクリート表面から100センチメートルの深さで評価しているが、何か理由はあるのか。(古川委員)
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プロットの仕方の問題であるが、放射化計算は0から20センチメートル、20センチメートルから40センチメートルと20センチメートルごとに放射化計算をしており、100センチメートルというのは80センチメートルから100センチメートルの放射化計算の結果であり、その間の平均値である。(説明者) |
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p20の放射化計算と測定値との比率の計算で、KEKはNa−22(ナトリウム22)で比率を算出しているが、他はCo-60(コバルト60)で算出している。Co-60(コバルト60)は(n, )反応と思われるが、Na-22(ナトリウム22)はエネルギーの高い領域での(n,2n)反応か。例えば、Co-60(コバルト60)で比率を出すとどうなるか。(近藤主査)
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Na-22(ナトリウム22)は(n,2n)反応がメインで、その他にAl(アルミニウム)やMg(マグネシウム)からもできる。Co-60(コバルト60)でも比率を出したが、それほど大きな差はない。(説明者) |
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測定値と放射化計算の違いは、照射履歴についての情報の不足か。(近藤主査)
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照射履歴についての情報の不足のほかに、KEKの場合は、ビームロスがビームの途中で起こるので、ビームロスの見積もりが大きな原因となる。(説明者) |
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低出力の放射線発生装置の事前評価は簡素化できるということだが、p7の表のどれに該当するのか。(反保委員)
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医療やX線検査用の電子直線加速器、PET用のサイクロトロン、コッククロフト・ワルトン型やファン・デ・グラーフ型のようなビームロスが無い加速器については、それぞれ単一化できるのではないかと考えている。これら3つについて、さらに単一化できるかどうかは今度の課題と考えている。(説明者) |
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p7の放射線発生装置の分類で、放射化の有無のイメージとあるが、電子を加速するものについては主な一次反応の( 、n)反応は6メガ電子ボルト以下では起こらず放射化はしない。また、イオンを加速するものについては、重陽子などの特殊な粒子を除いて2.5メガ電子ボルト以下では放射化はない。このような電子と陽子などの加速粒子による放射化のメカニズムの違い、放射化がないエネルギーの考え方、一次ビームに曝されるところの扱い、研究用加速器のように様々な粒子やターゲットを使用するものの扱いなど、クリアランスという視点から見て放射線発生装置を分類する上で何か考えはあるのか。(近藤主査)
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一次ビームに曝されるところも、PHITSにより一次ビームの入射から一次反応による放射化までを計算することによって加速器本体の放射化の結果は得られるので、評価は可能ではないかと考えている。ただし、研究用加速器のように様々な粒子やターゲットを使用するものは、入力するデータが多くなると考えられる。ターゲットはクリアランス対象とは考えていない。(説明者) |
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評価対象核種の選定において、原子力安全委員会が平成13年7月にとりまとめた原子炉施設におけるクリアランスレベル検認のあり方では、評価対象核種は全体の90パーセント以上になるように選定するという考え方があり、また、欧州委員会のレポートでは10パーセントルールという考え方がある。今回の放射化物に係る評価対象核種の選定では、D Cの最重要核種から2桁までという前提があり、それを放射化計算の誤差を見込んで幅を広げる、例えばKEKでは4桁まで広げるという提案である。放射化物は核種間に組成比があるのでこの方法でも良いと思われるが、今後の検討対象となるRIによって汚染された物を考えた場合、核種間に組成比はないのでこの方法は適用できないと思われる。これらの整合をどう考えるか。(服部委員)
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実際のクリアランス判断では、先行している原子炉施設と同じ考え方が適用されると思われるが、この資料では、原子炉施設の事前評価の方法が適用できるか、補うためにはどのような方法があるかという観点で作成している。今後は、この方法に90パーセントルールを加味することになる。(説明者) |
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放射化物の一番の特徴は、部位や照射履歴等によって放射化の程度にバラつきがあるということ。クリアランスの判定のポイントは、クリアランスレベル以下であることが確実であることで、今回は、放射化計算と測定値に差があるので、この程度の核種を評価対象核種として選定すれば問題ないであろうという提案であると理解している。クリアランス制度設計をどうするかは今後の議論と考えている。(小原室長) |
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評価対象核種を決め、さらにその核種の中から測定可能な核種の測定値をもってクリアランスの判定をするという流れになると思われるが、測定値そのもののバラつきが大きいとするならば、クリアランスの判定をする際のD Cの判定にも何らかの保守的な考え方を入れる必要があるのではないか。(小原室長)
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評価対象核種の選定では、放射化計算結果と測定結果とを比較して行うこととしているが、実際のクリアランスレベル以下であるかどうかの判断は、放射能の実際の測定結果によって行うという提案であるので、非常に厳しい制度ではないかと考えている。(説明者) |
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複雑な位置構造やビーム損失が放射化計算にうまく反映できていないとするならば、それは最重要核種に限ったことでなく他の核種にも同じことであるので、D Cで議論している以上はあえて評価対象核種を広げる必要はないのでは。(大越委員)
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p20にあるように核種によって比率が違うので、安全側に考えると1桁から2桁くらいは広げる必要があると考える。(説明者) |
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放射能濃度の測定結果が放射化計算結果と異なる原因は、分析の誤差や親元素の組成の問題等色々な要素が加味されていると思われるので、その原因を詰める必要がある。(大越委員)
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現在、原因をつめているところであり、放射化計算や分析の精度を上げる努力をしている。(説明者) |
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p23のKEKの核種組成比で、最重要核種はNa-22(ナトリウム22)であるが、核種組成比はCo-60(コバルト60)を1としているが、その理由は。また、H-3(トリチウム、三重水素)が8.58 となっているが、p19のグラフを見るとそこまでの差はないと思われるが。(大越委員)
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相対重要度の観点ではなく、測定のし易さの観点からキー核種を選定するため、最も測定し易いCo-60(コバルト60)を選定した。また、H-3(トリチウム、三重水素)は桁数の誤記と思われる。(説明者) |
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今回は、それぞれの加速器について、たまたま放射能の測定データがあった部分について事前評価を行ったものであり、これがそれぞれの加速器を代表するサンプルではない。そのような意味で、これは事前評価の可能性を議論したという理解で良いか。また、p25でCo-60(コバルト60)等を測定して放射能濃度を決定すると記載されているが、今回のデータではそこまで言えるものではないと思われるが、そのような理解で良いか。(近藤主査)
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