|
・ |
加速電子からの制動放射線が直接コンクリート構造物などに当たって放射化を起こし、ここで発生した中性子が別のところで放射化することはあるのか。(服部委員) |
|
→ |
わずかであるがありうる。しかし、評価においては寄与が小さく、事前評価の必要性はあまりない。(説明者) |
→ |
制動放射線が問題になるのは、高エネルギービームがターゲットに当たったときなどに、前方方向に強く発生するときである。(近藤主査) |
|
・ |
放射性廃棄物でない廃棄物との分別方法については言及されていないが、放射線発生装置ではどのように考えれば良いのか。(近藤主査) |
|
→ |
放射性廃棄物でない廃棄物は定量的な判断を示す段階ではない。きちんとした事前評価が出きることが確認された上で、次の課題となる。(事務局) |
|
・ |
原子炉の放射化物にはない、放射線発生装置に特有の核種はあるのか。また、放射線発生装置の運転中は、中性子をモニタしているのか。(大越委員) |
|
→ |
高速中性子により生成するものとして22Na(ナトリウム・22)が挙げられる。また、3H(トリチウム)については、核破砕反応による生成もあることなどが特徴といえる。しかし、原子炉と放射線発生装置の生成核種は概ね同じである。中性子については、実験で発生させている場合を除き、常時モニタはしていない。放射線管理として中性子線量を把握している施設はある。なお、中性子スペクトルの評価は、技術的困難さがあるので管理への適用は一般的ではない。(説明者) |
|
・ |
一次粒子による放射化はどの辺りを想定しているのか。(近藤主査) |
|
→ |
ビームダクト、電磁石などの放射線発生装置本体、及びその附属機器が範囲であると考えている。(説明者) |
|
・ |
電子加速器については、100MeV(メガ電子ボルト)以上のエネルギー範囲においても核種組成は変わらないのか、また、粒子加速器については、ステンレスや鉄における放射化物の核種組成等は、どのような傾向にあると考えられるか。(事務局) |
|
→ |
電子についてはEGS5のPHITSへの組み込みを進めている。制動放射線のエネルギーが10MeV(メガ電子ボルト)〜30MeV(メガ電子ボルト)においては、原子核の巨大共鳴による反応を考慮する必要があるが、100MeV(メガ電子ボルト)以上になっても中性子スペクトルは大きく変わらない。(説明者) |
|
・ |
コンクリート中の含水量、SUSの種類などが、核種組成に与える影響はあるのか。また、原子炉施設で使用されているコンクリートと加速器施設で使用されているコンクリートでは、元素組成が異なるのではないか。(下村次長・原子力安全監) |
|
→ |
今回の計算では、ステンレスの元素組成についてはNUREGの値を、コンクリートの元素組成については原子炉施設におけるクリアランスの検討の際に用いられた値と同じ値を使っている。コンクリート中には数パーセントが自由水で存在するが、加速器施設では大きな差はなかった。計算への影響はファクター1.5〜2であり、評価への影響は小さいと推測している。コンクリートの元素組成については、今回の評価はあくまでケーススタディである。実測結果から見ると、コンクリートの元素組成の違いの影響は小さかった。また、コンクリートの中性子透過率に効いてくるパラメーターは比重であり、放射線施設においては申請時に確認されている。(説明者) |
|