資料第11-2号:クリアランスレベルの算出に係る焼却処理の評価経路及び再使用の対象物品の見直しについて(案)

平成21年10月2日
放射線規制室

1.はじめに

 前回(第10回)のクリアランス技術検討ワーキンググループ(以下、「クリアランスWG」という。)では、クリアランスレベルの算出に係る評価経路及び物量等の考え方について検討を行い、考え方の見直しの必要性について指摘された事項があった。それらの指摘を踏まえ、今回(第11回)のクリアランスWGにおいては、以下に示す二つの事項について見直しを行った。
(a)RI汚染物のクリアランスに係る焼却処理の評価経路の選定における被ばく形態、評価の必要性の有無とその理由、焼却施設の運転作業に関する評価経路について
(b)放射線発生装置の解体等に伴って発生するクリアランス対象物のうち再使用の対象物品について

2.RI汚染物のクリアランスに係る焼却処理の評価経路の選定についての見直し

 本件の見直しに関連して、まず、資料第11-2号 添付資料1「放射性同位元素の使用等に伴い発生する放射性同位元素で汚染された物(以下、「RI汚染物」という。)のクリアランスレベルの算出に係る焼却処理の評価経路(案)」についても以下に示すような修正を行った。
 焼却灰等が溶融施設に運搬される場合の被ばくの線量評価対象者として、積込み作業者、運搬作業者、沿道住民を追記した。また、最新の一般及び産業廃棄物の溶融処理施設に係る調査の結果、焼却灰の溶融処理に関しては前処理が行われないことが明らかになった。以上のことから、先回の資料第10-2号 添付資料3において「溶融施設の運転」の項目の下に記載されていた前処理作業者を評価対象より外すこととした。
 また、先回のクリアランスWGにおいて、資料第10-2号 添付資料4「放射性同位元素の使用等に伴い発生するRI汚染物のクリアランスに係る焼却処理の評価経路の選定について(案)」の内容の見直しの必要性について指摘があり、以下の(1)から(3)に示すような見直しを行った(見直しの詳細については、資料第11-2号 添付資料2を参照)。

(1)被ばく形態に係る見直し
 線量評価対象者の被ばく形態における「直接経口摂取による内部被ばく」に係る評価経路の追加の必要性について指摘があった。このため、埋設処分及び再利用・再使用の評価経路の選定に係る考え方を参考に、線量評価対象者のうち積込み作業者、補修作業者、埋立作業者、建設作業者について「直接経口摂取による内部被ばく」の評価経路の追加を行った。

(2)評価の必要性の有無及びその理由に係る見直し
 各評価経路について、その評価の必要性の有無及びその理由の記載内容について見直しが必要であるとの指摘があった。特に、資料第11-2号 添付資料2に示すとおり、評価を必要としない理由については、どの経路の評価結果に包含されるかについて明確に記載することとした。

(3)焼却施設の運転作業に関する評価経路に係る見直し
 焼却施設の運転に関連して、焼却処理に伴うダイオキシンの発生を防ぐために設置されている減温塔で使われる冷却水の下水や河川への排出に係る評価経路については、最近の焼却施設の設備では、当該冷却水の下水等への排出は想定されないとの指摘があった。このため、一般及び産業廃棄物の溶融処理施設に係る調査を行った結果、当該冷却水については、下水へ排出されることはないということから、当該評価経路において冷却水等の下水、河川水への排出に係る経路については、今回の評価対象からは外すこととした。

3.放射線発生装置の解体等に伴い発生するクリアランス対象物のうち再使用の対象となる物品の見直し

 前回のクリアランスWGで提示した資料第10-2号 添付資料6「放射線発生装置の解体等に伴って発生するRI汚染物(放射化物)のクリアランス対象物のうち再利用、再使用の対象となるものとその物量について(案)」において、放射線発生装置の解体等に伴って発生するクリアランス対象となる主な物品のうち再使用される物品として真空ポンプを提示していた。クリアランスWGの検討の中で、「真空ポンプ以外にも再使用の対象となる物品がある。」という指摘があり、大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構の協力により調査を行った結果、鉄製の物品として電源、銅製の物品としてケーブルが再使用の対象物品となることが明らかになり、放射線発生装置で使用されている真空ポンプ及び電源の重量や容積について資料第11-2号 添付資料3「放射線発生装置使用施設から発生する再使用物品について」にとりまとめた。今後、これらのデータに基づき、放射線発生装置の解体等に伴い発生するクリアランス対象の物品の再使用に係るクリアランスレベルの算出を行う。

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