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(別紙2−参考)

○計算の条件と方法


   永久挿入線源(ヨウ素125:1,300MBq(退出時))を挿入された患者が、挿入されてから1年後に死亡し、即日火葬される場合を考える。線源は、火葬により燃えまた飛散することはなく、密封性を保ったまま骨壺にすべて納められるものとする。または、火葬場での骨灰は火葬場作業者により、骨灰の回収業者に渡され、もう一度骨灰業者により再び焼かれ埋設されることとする。この場合、線源は上記密封性等を保ったまますべて骨灰中に存在しているものとする。
   線源を永久的に挿入後、1年間経過した場合の減衰を考慮し、死亡時から火葬終了後、帰宅までの間、線源の減衰は考慮しない。また、帰宅後1年間は減衰を考慮し被ばく線量を計算する。計算は、実効線量率定数を用い線源に接している時間、距離を安全側に設定し行った。

   以下のようなケースを想定する。
(1) 火葬場
1    骨あげを行う者(生涯に1回遭遇すると仮定)
18.4×0.0124×0.5÷0.52
  0.457 μSv
    実効線量(μSv)
    18.4 永久挿入線源(125I:1,300MBq(退出時))の1年後の放射能(MBq)
    0.0124 実効線量率定数1) (μSv・m2・MBq-1・h-1)
    0.5 骨あげ時間(h)
    0.5 永久挿入線源から骨あげを行う者までの距離 (m)

2    火葬場作業者(骨灰を回収業者へ引き渡し処理する者)
(1年に1回遭遇すると仮定)
18.4×0.0124×2.0÷0.52
  1.83 μSv/年
    実効線量(μSv)
    18.4 永久挿入線源(125I:1,300MBq(退出時))の1年後の放射能(MBq)
    0.0124 実効線量率定数1) (μSv・m2・MBq-1・h-1)
    2.0 作業時間(h)
    0.5 永久挿入線源から作業者までの距離 (m)

3    骨灰回収業者(骨灰処理)(1年に1回遭遇すると過程)
18.4×0.0124×2.0÷0.52
  1.83 μSv/年
    実効線量(μSv)
    18.4 永久挿入線源(125I:1,300MBq(退出時))の1年後の放射能(MBq)
    0.0124 実効線量率定数1) (μSv・m2・MBq-1・h-1)
    2.0 作業時間(h)
    0.5 永久挿入線源から作業者までの距離 (m)

(2) 骨壺からの漏えい線量
1    喪主(火葬場から骨壺を抱いて帰宅)
18.4×0.0124×2.0×0.124÷0.12
  5.66 μSv
    実効線量(μSv)
    18.4 永久挿入線源(125I:1,300MBq(退出時))の1年後の放射能(MBq)
    0.0124 実効線量率定数1) (μSv・m2・MBq-1・h-1)
    2.0 帰宅時間(h)
    0.124 骨壺(肉厚1cm,密度2.1g/cm3と仮定)の実効線量透過率2)
    0.1 永久挿入線源から喪主までの距離 (m)

2    家族(1年間家庭に骨壺を保管)
骨壷からの漏えい線量
58.1 μSv

    実効線量(μSv)
    18.4 永久挿入線源(125I:1,300MBq(退出時))の1年後の放射能(MBq)
    8760 1年間の時間(h)
    1425.6 125Iの半減期(h)
    0.0124 実効線量率定数1) (μSv・m2・MBq-1・h-1)
    0.124 骨壺(肉厚1cm,密度2.1g/cm3と仮定)の実効線量透過率2)
    1 永久挿入線源から家族までの距離 (m)

1)   (社)日本アイソトープ協会,アイソトープ手帳,10版,2001年
2)   (財)原子力安全技術センター,放射線施設しゃへい計算実務マニュアル2000,2000

 



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