放射線安全規制検討会(第30回) 議事録

1.日時

平成22年1月20日(水曜日) 14時00分~17時00分

2.場所

文部科学省 科学技術・学術政策局会議室1(15階)

3.議題

  1. クリアランス制度導入に係る中間報告書(案)について
  2. その他

4.配付資料

  • 資料第30-1号:第29回放射線安全規制検討会議事録
  • 資料第30-2号:報告書「放射線障害防止法へのクリアランス制度の導入に向けた技術的検討結果について(第2次中間報告)(案)」
  • 参考資料1:放射線安全規制検討会委員名簿

5.出席者

委員

小佐古座長、近藤座長代理、長見委員、木村委員、反保委員、古川委員、山口委員、山本(幸)委員、米原委員

文部科学省

渡辺次長・原子力安全監、中矢放射線規制室長、井上放射線安全企画官、上田放射線規制室長補佐、石井専門官 他

6.議事録

○資料第30-1号に基づき、第29回放射線安全規制検討会の議事録の報告が行なわれた。

○近藤座長代理よりクリアランス技術ワーキンググループにおける検討の概要についての説明がなされた。

○資料第30-2号に基づき、事務局より報告書「放射線障害防止法へのクリアランス制度の導入に向けた技術的検討結果について(第2次中間報告)(案)」の説明がなされた。

○報告書「放射線障害防止法へのクリアランス制度の導入に向けた技術的検討結果について(第2次中間報告)(案)」については、座長預かりとして修正しまとめることとなった。

 主な質疑応答

 ○資料第30-2号について(第2章)

【米原委員】免除とクリアランスとの区別がわかりにくいため、説明を入れては如何に。

【小佐古座長】入口規制として規制を免除する考え方、自然に起源を持つもので、放射性物質を含んでいても、はじめから除外、一度規制の対象に入ったもの出ていく場合は、通常放射性廃棄物になるが、極めて低いリスクのものについては、クリアランスという考え方が適用されるとの趣旨のことを加えたい。

 ○第3章

【近藤座長代理】我が国でのクリアランスレベルにおいては、物量が反映されていると考えられるが、大規模、又は一括で計算されたクリアランスレベルがすべてにおいて小さな値となっているため、その値を採用すれば、すべてについて安全性が担保できるのはないかというのが、クリアランス技術検討ワーキンググループの結論である。

【木村委員】原子炉等規制法と大きく異なる点は、焼却の経路を追加したことである。これは、IAEA(国際原子力機関)でもあまり検討されていない経路であり、設定したパラメーターの妥当性の確認必要と認識している。今後、確率論的な解析を行い、パラメーターのばらつきの影響がどういうふうにあるのかを確認し、今回設定された決定論的なパラメーターの値が妥当かを確認する必要がある。

【山本(幸)委員】43ページの「放射化物がクリアランスされても常に保守側の結果が得られる」というのはどのような意味か。

【小佐古座長】低い数値になることである。

【古川委員】クリアランスの物量について、汚染物については、放射線障害防止法のものだけでなく、我が国で発生するRI汚染物全ての物量を評価しているため、3.1.1.1のRI汚染のうち、クリアランス対象物の物量の考え方において、我が国で発生するRI汚染物についてすべてクリアランス対象物としてここでは評価した「クリアランス対象物の物量(医療関係法令によって規制されている事業所から発生する物を含む)と修正されている」と記載していただきたい。

【反保委員】クリアランスレベルの設定のまとめについては問題がないと考える。しかし、最初の方針において、対象物の種類によって出てきたレベルの差がある場合には、対象物ごとにクリアランスレベルを設定することも考慮すると方針があり、これに対する考察がないため、追記していただきたい。

【小佐古座長】21ページの「再利用・再使用の評価経路の放射化物の再使用の経路」において、「真空ポンプ・電源・ケーブル」を再使用する対象物としている。再使用の経路を適用する場合には、このものだけに限定されるのか、それともこれが代表として厳しいものであるため、他のものにも適用ができるのか。

【木村委員】原子炉の場合では原子炉の再使用物品として一番大きいものとして「真空ポンプ」を代表としている。物の大きさが大きければ、線量も高くなるということである。今回の加速器の場合では、「真空ポンプよりも巨大なもの」としては、「電源」がある。これは、原子炉に比べたらはるかに大きいものを使用している。また、ケーブルについても、すごい量のケーブルが使用されるということから、大きな物量の代表としてこれらを選定している。そのため代表性は確保していると考える。

 【小佐古座長】20ページのクリアランスレベルを算出する対象核種の選定において、原子炉の場合には、SF法(スケーリングファクタ法)において、fission product(核分裂生成物)と放射化物の代表をつかまえておけば、あとは比例配分で対応する。放射線障害防止法では、その制度設計の考え方はどう規定しているのか。

【中矢放射線規制室長】ここで選定している核種は、現在流通している発生装置の種類の中で考えられる核種を想定している。また、確認手法としては、スケーリングファクタ法のようなものを考えている。その考え方として、発生装置からの放射化物を対象としたときに、どのような核種が考えられるのかを確認し、そのうえで、設定する比率の妥当性等を把握しておき、核種毎の濃度を確認したいと考えている。

【小佐古座長】44ページのRS-G-1.7の計算値との比較において、どれくらい厳しくなったのか、緩やかになったのかについて数字を入れていただきたい。

 ○第4章、第5章、その他

【米原委員】49ページの評価パラメーターのばらつき評価において、この評価の目的は選定されたパラメーターが保守的、かつ、適切な選定となっていることを確認するということであるが、この評価パラメーターというのは、保守的というためにやっているわけではなくて、標準的である人を対象として現実的と考えられる値をパラメーターとして選定するという、原子力安全委員会の考え方を引用している。そのため、「保守的」が前にくるのではなくて、「適切な」を前にしてはいかがか。保守的というのは、線量が高くなるということなので、その意味が逆に取れるようにも考えられる。

【木村委員】パラメーターは、基本的に決定論で選んでおり、その選び方として、保守的な値を選んでいる。保守的な値を選んではいるが、実際に保守的な値にすると、その組み合わせによっては、過度に保守的な結果を導出するような状況を作ることがあるため、確率論を使用する。要するに、過剰に保守的になっている可能性があるため、確率論で実際の発生頻度がものすごく低いパラメーターセットの条件を抽出していないかどうかの確認を行うことで、その現実性を担保しようとしている。

【小佐古座長】原子力安全委員会では決定論を採っていない。最初から現実的なパラメーターで行っている。そのため、原子力安全委員会側の引用のところは、現実的なパラメーターという表現になっている。放射線障害防止法の検討では、最初から原子力安全委員会が行っている確率論ではなく、保守側のパラメーターから一度行っている。そこで、過剰な保守側になるかもしれないので、原子力安全委員会が行っているような現実的なパラメーターを用いて、今持っているものが適切かつ保守側であるかどうかをもう一度確認したい、ということを検討している。

【石井専門官】ここでは、小佐古座長が説明されたとおり、原子力安全委員会では、現実的ということを考えて設定している。そこで使われているものについては、この考え方に基づいたものを評価するときに使っている。ここでは、引用して使用している形の位置付けになる。

【古川委員】4.3.3.1のRI汚染物の濃度確認について、放射線発生装置の使用からの汚染物も含んでいるため、RI汚染物及び放射化物の濃度確認としてはいかがか。

【古川委員】核種の減衰に基づくRI汚染物のクリアランス判断は、核種の減衰はないため、核種の半減期を考慮した減衰に基づくRI の汚染物のクリアランス判断にしてはいかがか。

【石井専門官】5.の「おわりに」において、放射線障害防止法へのクリアランス制度を導入するために告示に定めるクリアランスレベルとしてRS-G-1.7の値を採用することが適切であると考えているが、RS-G-1.7に記載のない部分もあることから、同様の記載があるレベルの算出のところのまとめをここにも記載したいと考えている。

【小佐古座長】5ページの廃止措置計画の届出化であるが、原子炉等規制法では、届出のものを認可制に変更した。放射線障害防止法では、届出で廃止措置を行うのか。

【服部課長補佐】省内等で炉規法との横並び等について議論をしたが、原子炉等規制法では、例えば臨界という危険性についても考えていかなければならないが、RIでは、そういったリスクを考える必要がない。そのため、RIと原子炉等規制法で規制している核燃料物質等のリスクの度合から、届出が適切であるとした。

以上

 

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(科学技術・学術政策局原子力安全課放射線規制室)