研究炉等安全規制検討会(第13回) 議事要旨

1.日時

平成16年4月7日(水曜日) 14時~16時30分

2.場所

文部科学省10階第3会議室

3.議題

  1. 研究炉等に対する安全規制のあり方について

4.出席者

委員

代谷座長、神田委員、小佐古委員、桜井委員、高橋委員、丹沢委員、土屋委員、寺井委員、蜂谷委員、林委員、山中委員

文部科学省

恒吉管理官、黒村安全審査企画官、井上検査官他 

特になし。

5.配付資料

資料13‐1 研究炉等安全規制検討会構成員について

資料13‐2 第12回研究炉等安全規制検討会議事概要(案)

資料13‐3 試験炉規則及び燃料使用規則の係る報告徴収について(案)

6. 議事要旨

(1)  代谷座長から開会の挨拶

(2)  資料13‐1に基づき、恒吉管理官より研究炉等安全規制検討会構成員について、越塚座長代理の退任に伴い新たに寺井委員にお願いしたことを説明。
 代谷座長より越塚座長代理に代わって寺井委員に座長代理をお願いしたい旨の要請があり、了承された。

(3)  前回(第12回)検討会の議事概要の確認
 資料13‐2に基づき、事務局より説明。
 訂正等を求める意見はなく、了承された。

(4)  研究炉規則及び燃料使用規則に係る報告徴収について(案)
 資料13‐3に基づき、事務局より本検討会での議論を踏まえ事業者に課長通知するを出すことを考えている旨の説があり、各委員から意見を徴収して議論の後、各委員よりの意見を14日までに事務局へ提出し、それを踏まえて事務局がまとめることとなった。

主な質疑の内容は以下のとおり。

○ 高橋委員 通報に関して「その旨を直ちに」の解説に「15分を目途に」とあるが、15分というのは短すぎるのではないのか。
→  目安ということで時間を記載したものであり、どうしても事故・故障が起こったときに言われるのは、通報が遅いというものであり、その目安の数字をある程度数字的に示す法がわかりやすくなるのではないかということから、記載したもの。

○ 高橋委員 使用施設の火災、爆発、臨界事故等、一般公衆に影響があるような事故であれば直ちにというのは当然だと思うが、施設内の故障で、一般の方に迷惑をかけるものでもなく、また、被ばくするものではない、単に、装置が壊れただけといったものについても15分というのは、厳しすぎないか。

○ 小佐古委員 原災法の場合は住民避難など、いろいろなことがあるので一刻でも早く通報を受けなければ困るというのはわかる。15分といえば、見つけた人が直接通報しなければ守れないに等しいもの。守れないようなルールをガイドラインに入れるのはいかがなものか。
→  今回、趣旨はをわかりやすくという観点から記載させていただいたところであり、今の先生方のご意見を踏まえ、最終的な形で決めさせていただきたいと考えている。

○ 寺井委員 通報の時間の目途というのは、どこが起点かということと大いにリンクするものであり、いつ認知したかというのは、事業者が主体的に認知した時点という理解でいいのか。
→  そこはもう事業者以外あり得ないと思っている。事業者として判断をしていただいた上で、そこが起点になり通報をしてもらう。

○ 土屋委員 事故報告書では発生がいつだというのがわかる。そういうものが情報公開されたときに、明確な理由もなく認知が遅くなって、報告は15分以内であったものの、認知するのが遅かったというのでは、事業者の組織に対する信頼を失う問題結果になるとともに、規制当局の信頼も損ないかねない。
→  私どもとしてはのほうは、とにかく第1報を迅速に連絡いただき、それを一般国民に知らしめるという役割もある。その中で、故障、火災等が起こったときに、一刻も早く発表したいということもあり、一応の目安として何らかの区切りをつけさせていただきたいという観点から、なるべく迅速に情報をいただきたいということで15分を一応目安としてお示ししたということである。

○ 代谷座長 発生はいつで、判断するのにこれだけかかったというのは、後で必ず出てくる公開されるものである。国民のほうから見れば、事業者は、この間何をしていたのかという話になる。実際、通報に際して判断に迷う部分というのがあると思う。それで判断して15分後に出したというのは法律的には合っているかもしれないが、国民の目から見たら、この間に要した時間は何なんだという話になる。そのようなことは、避けたほうがいいのではないか。
→  確かに今までの事例では、発生した時点から1時間とか1時間半とかおくれた時点で情報をいただく場合があるわけだが、1時間なり1時間半の間で十分事故の内容を検討し吟味した上で通報されていると考えており、認知された時点を起点として、判断を含め15分を目途に、通報いただきたいと考えております。

○ 代谷座長 認知された時点を起点とすることは考え方としてはあると思うが、心配しているのは、後に発生の時点が出てきて公開され、認知された時点、報告した時点と比べられて、その間に非常に大きな時間差があると、法律に抵触はしなくても、やはり信頼感を失うという点でマイナスの要素になることである。また、軽微なものほど通報までに時間を要するという問題もある。本当に15分とか30分とか時間の規定をするのがいいのかどうか。

○ 土屋委員 国民からすれば発生時間からできるだけ早く伝えてもらうということが、判断の目安である。どこで認知されたとか、事象がどうかというようなことは、あまり考えない。
→  ここは、今まで時間という数字を示してこなかったところを、今回こういう形で示させていただこうと考え規制検討会でいろいろご意見を承りたいと思っていたところである。具体的な時間をどう示すかというのはまた別として、従来、例えば火災など明らかな事象であれば、30分もかかって連絡があったという事例はなく、早い段階で連絡いただいている。また、地震の場合については、昨年10月から、地震の震度が4以上であると認知した時点を起点として、30分以内に連絡していただくようなシステムを導入して、何度か連絡がきているが、30分を超えるような例はない。そういった意味では、かなり時間的なところは定着しているとは思っていたところである。 

○ 高橋委員 故障することが予めわかっている部品は、通常、交換できるように設計しているが、技術上の基準を満たしていない事象の場合でも、部品を交換できれば報告対象ではないのか。
→  交換で修理が完了するようなものであれば、対象にはならない。

○ 桜井委員 どういう観点からこの事例を選定したのか。事例が何か非常に自明なこととなっているが、もうちょっと悩むような事例を入れていただきたい。経済産業省では対象外というものが、研究炉では対象となっているなどのこともある。横並び、危険度、潜在的リスクを含めて検討されているのか。
→  事例はもっと細かく書かないと、事例として多分役に立たないのではないかとは認識している。しかしながら様々な前提があり、前提が違えば結果も違ってしまうので、ここでは簡単に記載した。

○ 林委員 9ページで「核燃料物質等が管理区域外で漏えいしたとき」というのがあるが、例えば、濃度限度未満であることを確認して、既に環境へ放出してもよろしいというような排水については、対象外と理解してよろしいのか。
→  排水設備としての最終段階の先に使用施設でも原子炉施設でもない一般排水溝、共同排水溝などであれば問題ないが、濃度確認した後、最終放出のために持っていくための配管がある。それは、原子炉施設になっていたり、使用施設になっていたりする場合があり、それは対象となる。

○ 小佐古委員 慎重に行われることは大変重要だが、線量限度に関しては裕度を持った値に更に裕度を持たせて報告させるのはやり過ぎで、裕度を持った値ということを認識して検討すべきだ。

○ 桜井委員 3ページ「別な安全確保策を講じる必要がある」というこの「必要」という意味が、マストなのか、ベターなのか、そこの区別を明確にしておかないと、報告事例でないところも、今度は後に対策をすると報告になってしまうというような、この「必要」の意味の幅を少し規定しておかないと、そういう誤解も招くことになる。
→  マストのものを言っているつもりであるが、誤解されないような表現にしたい。

○ 小佐古委員 内部被ばくに関して、バイオアッセイではなかなかわからないもの。バイオアッセイ=内部被ばくと書かれない方がいい。「おそれ」は非常に小さいレベルでもそれはあるもので「おそれがある」との記述については慎重に検討された方がいい。

○ 林委員 10ページ「漏洩した核燃料物質等の放射能量が微量のときその他漏洩の程度が軽微なとき」については、量の概念、目安を示されたほうがいいのではないか。
→  経済産業省側は3.7×106Bqという形で数字を示しているところだが、ちょっと根拠があまりはっきりしないこと、使用施設であるとか研究炉の場合について、管理区域内の漏えいに関しては、基本的には同じでいいと思ってはいるが、管理区域内の漏えいに関して、あまり報告をいただいた事例もないことから、数字として載せることはを今回は避けさせていただいたところである。

○ 代谷座長 委員からいただいたコメントをもう一度規制庁側で検討していただいて、最終のものをつくっていただくという形にしたい。  

(5)  その他

○ 小佐古委員 新聞報道等にもあるが、自然放射線源の規制のあり方については、社会的関心が集まっているところであり、今後も引き続き検討していくべきである。

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担当:杉山、長谷川
電話番号:03‐5253‐4111(内線3915)(内線3922)
ファクシミリ番号:03‐6734‐4037

(科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室)