研究炉等安全規制検討会(第9回) 議事録

1.日時

平成15年10月9日(木曜日)14時~16時

2.場所

文部科学省別館9階幹部室3

3.議題

  1. 試験炉規則及び使用規則の報告徴収に係る改正について
  2. 原子力施設の運転・操作段階における保安活動に対する品質保証の安全規制への取入れについて
  3. 試験研究炉及び使用施設の「保守管理」及び「定期評価」について
  4. 少量核燃料物質の規制について
  5. その他

4.配付資料

  • 資料9‐1:研究炉等安全規制検討会構成員について
  • 資料9‐2:第8回研究炉等規制検討会議事概要(案)
  • 資料9‐3:試験炉規則及び使用規則の報告徴収に係る改正について
  • 資料9‐4:原子力施設の運転・操作段階における保安活動に対する品質保証の安全規制への取入れについて
  • 資料9‐5:原子炉施設及び使用施設の「保守管理」及び「原子炉施設の評価」について
  • 資料9‐6:少量核燃料物質の規制について

5.出席者

委員

代谷座長、越塚座長代理、瓜生委員、神田委員、高橋委員、丹沢委員、土屋委員、蜂谷委員、林委員、

文部科学省

小田原子力安全監、吉田原子力規制室長他

6.議事要旨

(1) 吉田原子力規制室長、代谷座長から開会の挨拶

(2) 事務局から配布資料の確認

(3) 研究炉等規制検討会構成員の紹介

(4) 前回(第8回)検討会の議事概要の確認

配布資料9‐2について、了承された。

(5) 試験炉規則及び使用規則の報告徴収に係る改正について
資料9‐3に基づき、事務局からの説明のあと、次のとおり委員から意見、質疑があった。(→は事務局からの回答。以下同じ。)

○ 高橋委員 計画外の排出についは、事業者が低い管理基準値を設定するほど、法令報告の対象になりやすいという問題点がある。また、管理区域内での汚染された物の漏えいについても、管理区域には高性能フィルタ等が設置され、公衆へは汚染の影響がないよう対策が講じられており、報告対象とする必要はないのではないか。
→ 管理基準値については、保安規定で各事業所が規定しているものであるが、基準値の共通化について、今後条文を検討する中で考慮する必要があると考えている。また、管理区域内での汚染された物の漏えいについては、漏えいに対する対策が講じられていれば報告対象から除外するといったことも条文に盛り込みたいと考えている。

○ 林委員 施設内の漏えいについて、使用施設についても具体的な数値が示されると考えて良いか? また、原子炉施設の故障の中で特に火災が明示されている理由は?
→ 数値については、保安院の省令にも盛り込まれていない。具体的な数字については解説等で明確化したい。火災については、昨今事例が多いため、火災という文言を冒頭にもってくる条文を追加したいと考えている。

○ 丹沢委員 今までの通知の内容を規則に盛り込むという理解でよいか。
→ 基本的には通知の内容を省令に盛り込むが、通知において一部不明確な箇所は明確にした上で盛り込みたい。

○ 丹沢委員 省令の施行にあたって、事業者に規則の内容を説明した方が良いのでは。
→ いずれ実施したい。

○ 土屋委員 パブコメにおいて幅広く意見を聞くというのであれば、もっと分かりやすい資料を付けた方が良いのではないか。また、事業者のみならず地元自治体に対しても、関係者によく説明する必要があるのではないか。
→ 我々としても分かりやすい資料をもってパブリックコメントに出したいと考えている。また、解説も作って、地元自治体や事業者に分かりやすく説明したい。

○ 代谷座長 法的な矛盾を解消しようとしていることは理解できる。各委員からの意見を参考に事業者等の意見も聴取しながら、規則の改正を進めて欲しい。

(6) 原子力施設の運転・操作段階における保安活動に対する品質保証の安全規制への取入れについて
資料9ー4に基づき、事務局からの説明のあと、次のとおり委員から意見、質疑があった。

○ 越塚委員 品質保証計画と保安規定とは内容が重なり、特に小さい炉ではその傾向が大きいため、品質保証計画に何を書いていくかを良く検討してほしい。
→ 保安規定に定めるべきことについては省令で規定されているものの、実際の内容は多様性に富んでいる。指摘を踏まえ、今後の検討にあたっては、施設の多様性を考慮しつつ進めたい。

○ 瓜生委員 品質保証の改善ということで、保安活動自体の改善と品質保証計画それ自体の改善を特に強調している理由は何か。
→ 品質保証では、品質保証計画そのものもパーフェクトではなく、実施、評価を踏まえ、計画にフィードバックするという、PDCAサイクルを想定しているため。

○ 土屋委員 品質保証の要は外部監査であるが、国が最終的に外部監査をするとした理由は何か?
→ 民間で実施されている監査では書類が中心。現場まで確認するとなると国の検査という名目が無いと難しい。また保安検査ということで、違反行為に対する拘束力も強くなる。

○ 代谷座長 全て民間に任せることができるのであればよいが、ここでは、あくまでも原子力規制として考えている話であり、国による関与は避けられない。その際、検査官の品質保証が重要であることを指摘しておきたい。

○ 丹沢委員 保安規定をきちんと守っていればそれで十分というベースの中で品質保証の話が出てきていることもあり、保安規定と品質保証との関係や体系を早急に検討することが重要。
→ 品質保証計画を変えるたびに保安規定の変更申請が必要になるといったことはしないように考えたい。

○ 代谷座長 各委員からの意見を参考にし、品質保証の取入れに向けてさらに検討を進められたい。

(7) 試験研究炉及び使用施設の「保守管理」及び「定期評価」について
資料9‐5に基づき、事務局からの説明のあと、次のとおり委員から意見、質疑があった。

○ 越塚委員 発電炉であれば、寿命を想定して設計されているので、寿命延長を認めるかどうかという観点で30年や50年といった年限を区切ることも理解できるが、研究炉ではどのような根拠をもって年限を区切っているのか。
→ 保安院の方では、発電炉は30年、加工施設は20年となっており、文科省所管の原子炉についても、年限を取り入れることについては避けられない。当省所管の施設の経年変化に起因するトラブル等も20から30年経過してから起きており、30年とすることが妥当ではないかと考えている。

○ 高橋委員 経年変化の原因が熱とか照射量、圧力といったことであれば、研究炉では経年変化を考慮する必要はないのではないか。

○ 瓜生委員 照射時間も規模も違う発電炉と研究炉とを一緒にするのは無理があるのではないか。

○ 土屋委員 どのくらいリスクが高まれば、きちんと検査をする必要があるという意味で、年限を決めるにあたっての、分析、調査、検討といったものはないのか。
→ 研究炉の特性を考えると、定期のレビューをする必要は無いという意見も理解できる。但し、これまでのトラブル事例を調査したところ、25~27,8年にピークがあり、その辺りの時期に一度安全レビューを実施することが適当ではないか。また、時期をきちんと決めることにより、安全レビューをきちんと実施してもらえるものと期待している。また、時期を決めたとしても、そのレビューの内容については、炉出力等の特徴に応じたものとする方向で検討したい。なお、中性子による劣化という意味では研究炉は相当もつことになるが、一般的な機器については、やはりある年限がくれば故障が生じる。

○ 高橋委員 20年や30年を過ぎると次はいつかという問題もあるため、社会通念上、20年や30年とすることは合理的。

○ 越塚委員 年限については、10年間隔のものと30年のものがあるが、30年については、従業員のライフタイムの観点から意義が分かるとしても、特に小さい炉では、10年間新人が来ないといったこともあり、10年に1回の見直しについてはあまり意味がない。

○ 代谷座長 大きい施設も小さい施設も同じような規制が適用されれば、小さい施設の負担が増える。法的には良い体系ができても守れなければ意味がない。従業員のライフタイムという意味では、30年というのは合理的であるとしても、10年サイクルのものについては、特に小規模施設への対応についてさらに検討されたい。

(8) 少量核燃料物質の規制について
資料9‐6に基づき、事務局からの説明のあと、次のとおり委員から意見、質疑があった。

○ 代谷座長 この方針で適用する場合に新たに規制対象となる施設について、今後調査を実施するのか。
→ 国際規制物資の許可を持つ事業者について、今後調査をしたいと考えている。

○ 高橋委員 線量限度は5年間で100ミリシーベルトとする一方で、ガラスバッチを付けないというのであれば、線量限度について遵守されていることを確認できないのではないか。ガラスバッチが要らないのであれば、線量限度も適用する必要はないのではないか。

○ 代谷座長 今後さらに検討を進められたい。

お問合せ先

科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室

担当:杉山、岡村
電話番号:03-5253-4111(内線7165)(内線7178)
ファクシミリ番号:03-5253-4037

(科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室)