研究炉等安全規制検討会(第22回) 議事要旨

1.日時

平成18年1月24日(火曜日)10時~12時

2.場所

三菱ビル 地下1階 M1会議室

3.議題

  1. 原子炉等規制法及び関係政省令の改正について(報告)
  2. 自然起源の放射性物質を含む物の利用に関するガイドラインについて
  3. 第4回INES評価WGの開催結果について
  4. その他

4.配付資料

  • 資料22‐1 第21回研究炉等安全規制検討会議事概要(案)
  • 資料22‐2 核物質防護の強化に係る省令改正の概要について
  • 資料22‐3 試験研究用原子炉施設等における廃止に伴う措置に関する省令改正の概要について
  • 資料22‐4 試験研究用原子炉施設等におけるクリアランス制度に関する省令改正の概要について
  • 資料22‐5 自然起源の放射性物質を含む物の利用に関するガイドライン(案)
  • 資料22‐6 第4回INES評価WGの開催結果について

5.出席者

委員

代谷座長、寺井座長代理、小佐古委員、瓜生委員、桜井委員、高橋委員、丹沢委員、蜂谷委員、林委員、前田委員

文部科学省

小田科学技術・学術政策局長、下村原子力安全監、植木原子力安全課長、青木原子力規制室長、黒村保安管理企画官、島根運転管理・検査管理官、小川安全審査調整官他

6.議事趣旨

(1) 前回(第21回)検討会の議事概要の確認
資料22‐1に基づき、事務局より説明後、了承された。

(2) 原子炉等規制法及び関係政省令の改正について
事務局より、平成17年12月1日付け施行された、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律並びに関係法令の改正内容について資料に基づき説明があり、委員から以下のとおり意見及び質問があった。

(核物質防護の強化について)

・省令に規定されている秘密についてのなかで、緊急時の対応計画には「詳細な事項」の記載がない。「詳細な」がないと、訓練を実施するにあたって、情報管理上の問題がある。(小佐古委員)
→ 事務局が準備した資料中には記載していませんが、省令には「詳細な事項」の記載があります。

(クリアランス制度について)

・記録については10年間の保管が義務付けられているが、例えば、事業者が廃止措置を行う際にクリアランス制度を利用した場合、保管期間を満了するまでは廃止措置終了の確認は受けられないのか。廃止措置が終了し、許可が失効した後については、記録の保管をどのように義務付けるのか。(高橋委員)
→ 許可が失効した段階で、原子炉等規制法の規制からは外れることになるため、記録の保管義務は無くなります。しかし、廃棄する場合は、一般廃棄物として規制がかかりますので、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づくマニフェストに従うことが求められます。

(廃止措置について)

・廃止措置計画の認可基準について、詳細は内規等で定めるのか。その進捗状況は。(林委員)
→ 詳細は内規で定めます。内規は現在作成中であり、6ヶ月の経過措置期間内に策定を終了する予定です。

(その他)

・発電炉と研究炉では、リスクの大きさが異なる。研究炉の中でも、その規模などに応じ、それぞれリスクは異なっている。リスクの程度に応じた安全規制とすることについて中長期的な観点から是非とも検討していただきたい。資源・人材は有限であることから、個々の施設のリスクに応じて適正配分をすべきである。IAEAの行っているような事故の分類をするなどして、リスクの程度に応じた規制にすべきと考える。たとえば、訓練の頻度をリスクの程度に応じたものにするなど。(小佐古委員)

・過剰な規制に対応して資源を配分しなければならないということになれば、全体としては却って安全性を損なうことになる虞がある。大学関係者としての意見を言わせてもらうと、規制が過剰で対応するべきことが多くなってしまうと、大学の本来の役目に注ぐべき労力をさかれてしまい、研究炉を用いた研究教育が疎かになる虞があるので、その点にも留意していただきたい。(代谷座長)、(寺井座長代理)
→ ハード面(設計等)については、ご指摘のとおり、発電炉と研究炉でリスクの大きさに違いがあります。しかし、ソフト面については、必ずしも発電炉より研究炉のほうが低リスクとは言えないと考えております。近年、様々な人が利用するため、研究炉の方がリスクマネジメントが必要と言われています。発電炉と研究炉のリスクマネジメントの違いについては、検討会において、委員の方々の意見を聞きつつ検討していきたいと考えています。(下村安全監)
→ 核物質防護のDBT評価に関しましては、リスクに応じた評価が実施できる内容となっております。

・国際的な動向もフォローしたほうがよい。(小佐古委員) → 国際的な研究炉の動向、国内の状況について、検討する場を設けたいと思っております。(下村安全監)

(3) 自然起源の放射性物質を含む物の利用に関するガイドラインについて
資料22‐5に基づき、事務局より説明があり、以下のとおり委員からの意見及び質疑応答があった。また、ガイドラインについては、今後の修正等を座長に一任することで、了承された。

・本ガイドラインの対象となりうる事業者は非常に多く存在し、その多くは線量測定の経験を持たない。本ガイドラインを提示する前段階として、まずは管理状況を確認するためのガイドラインが必要ではないか。そのガイドラインによりスクリーニングを行った上で、線量の高いものを使用する者に対してだけ、本ガイドラインを適用するという方法も考えられる。(小佐古委員)

・表題に関しても線量測定を用いた評価を行うためのガイドラインであることを明確にした方がよい。(小佐古委員)

・事業の形態に応じた線量の数値を提示する必要はないか。(小佐古委員)

・業界内規など、既に事業者が自主的に行っている安全対策を尊重し、規制行政庁はその合理性を確認するという枠組みが、多様な事業者を対象とする場合には有効であろう。

・廃棄物への対応について、既存のモデルがある場合は、そのモデルを用いるという選択肢を入れたほうがよい。(小佐古委員)

・他の規制や省庁との関係はどうするのか。放射線審議会に諮るなど、文部科学省傘下以外の関係者の了解を得るのがよい。(小佐古委員)

・核燃料物質に対してのBSS免除レベルの適用(ウラン1g、トリウム3g)に関しても早めに検討して結論を出す必要がある。(小佐古委員)

・ 本ガイドラインについては、小修正を加えた後、現案ベースで放射線審議会に諮り、放射線測定等の経験がない事業者への対応については、放射線審議会において検討していただくということでお願いしたい。(代谷座長) → そのように対応させていただければと思います。
→ 本件は放射線審議会の基本部会の決定に基づくものであり、文部科学省だけで完結してよい議論ではなく、今回の検討会の議論を放射線審議会に報告して検討するようにしたいと考えています。(下村安全監)

・ 国の関与のあり方について、業界の現状をできる限り正確に認知するのが最初のステップとして重要である。業界の自主規制に任せるのが基本ではあるが、時々業界に対して、ヒアリングを行うなど、業界の自主規制がきちんと行われているかどうかをチェックすることが必要である。(瓜生委員)

・ 「航空機乗務員の宇宙線被ばく管理についてのガイドライン」の運用も参考になるかもしれない。(小佐古委員)

(4) 第4回INES評価WGの開催結果について
島根運転管理・保安検査官より資料22‐6に基づいて説明があった。質疑は特になかった。

(5) その他
必要に応じて、次の検討会を開催する旨事務局より連絡があった。

以上

お問合せ先

科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室

担当:川末、高木
電話番号:03‐6734‐4033(直通)

電話番号:03‐5253‐4111(内線3923)

(科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室)