研究炉等安全規制検討会(第23回) 議事要旨

1.日時

平成18年6月23日(金曜日)14時~16時

2.場所

国立大学財務・経営センターキャンパス・イノベーションセンター 多目的室1

3.議題

  1. 発電用原子炉施設の耐震設計審査指針改訂に伴う試験研究炉の耐震安全性に係る検討について(案)
  2. 試験研究炉の高経年化対策に係る評価等について(案)
  3. 核物質防護の強化に係る法改正後の対応状況について
  4. その他

4.配付資料

  • 資料23‐1 第22回研究炉等安全規制検討会議事概要(案)
  • 資料23‐2‐1 研究炉等安全規制検討会試験研究用原子炉の耐震検討ワーキンググループの開催について(案)
  • 資料23‐2‐2 試験研究炉に適用される指針と「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の関連について
  • 資料23‐2‐3 「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂について(案)
  • 資料23‐2‐4 原子力安全基準・指針専門部会の見解
  • 資料23‐2‐5 各種指針類における耐震関係の規定の改訂等について(案)
  • 資料23‐3 試験研究炉の高経年化対策に係る評価等について(案)
  • 資料23‐4 核物質防護の強化に係る法令改正後の対応状況について

5.出席者

委員

代谷座長、寺井座長代理、瓜生委員、神田委員、桜井委員、丹沢委員、林委員、前田委員、山中委員

文部科学省

下村原子力安全監、植木原子力安全課長、小原原子力規制室長、
黒村保安管理企画官、島根運転管理・検査管理官、宮本安全審査調整官他

6.議事趣旨

(1) 前回(第22回)検討会の議事概要の確認 資料23‐1に基づき、事務局より説明後、了承された。

(2) 発電用原子炉施設の耐震設計審査指針改訂に伴う試験研究炉の耐震安全性に係る検討について(案) 事務局より、原子力安全委員会が改定作業を進めている「発電用原子炉施設の耐震設計審査指針」に関し試験研究炉における検討方針について資料に基づき説明があり、委員から以下のとおり意見及び質問があった。

・今までの耐震指針と違い、当該指針の基本的な考え方が発電用軽水炉型原子炉施設以外の原子炉施設及びその他の原子力施設にも参考となることが明示さており、研究炉等安全規制検討会(以下「規制検討会」という。)においてもワーキンググループ(以下「WG」という。)を開催し、きちんとフォローしておく必要があると考える。(代谷座長)

・WGの議題として、今まで明示されていなかった耐震重要度分類をどのようにするかの検討等が考えられる。(代谷座長)

・WGにおいては一部の試験研究炉を対象として検討を行い、その他の試験研究炉についてはそれを参考にするという理解でよいか。(寺井座長代理)
→ 全ての試験研究炉を対象にすることを考えております。

・耐震指針は新設の発電用軽水型原子炉施設を対象としたものであり、新設の試験研究炉において参考とする考え方はわかるが、既設の試験研究炉のバックチェックにおいてはどのように参考にするのか。(桜井委員)
→ WGにおいては、新設の試験研究炉とともに既設の試験研究炉のバックチェックにおいてどのように参考とするのかについても検討を行っていただきたいと考えております。

・どのくらいの期間を目標としてWGを行うのか。(丹沢委員) → 7~10月を目途と考えております。

・(独)日本原子力研究開発機構(以下「JAEA」という。)は21日付けで『「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂を踏まえた地質調査の実施について』を公表しており、その結果は今後の当検討において参考になると考えます。(下村原子力安全監)

・地質、地盤の調査まで行うとなると、大学が所有する試験研究炉は経費的に耐えられなくなる虞がある。そのあたりも考慮しながら、試験研究炉が与えるリスクを勘案した方法を検討すべきである。重要度分類、出力による区分等は、耐震指針の参考の仕方と密接に関係してくると考える。(代谷座長)

・どれだけ調査を細かく行うかは、原子炉施設のリスクの大きさによって決まるものであり、画一的に実施するものではない。そのあたりについてもWGで検討したい。(瓜生委員)

・IAEAの基準類も参考となるのではないか。(下村原子力安全監)

・WGにおける検討結果については規制検討会に報告という形で今後進めていただきたい。(代谷座長) → 本日いただきましたご意見等につきましてはWGにおける検討の参考とさせていただきます。

(3) 試験研究炉の高経年化対策に係る評価等について(案)
 事務局より、試験研究炉における定期的な評価の運用方針について明確化した「原子炉施設の定期的な評価の実施について」(平成16年3月12日付け 事務連絡)のうち高経年化対策に係る事項について評価を行う件ついて資料に基づき説明があり、委員から以下のとおり意見及び質問があった。

・原子炉設置者が行った高経年化対策に係る評価結果について規制行政庁が評価を行うとのことであるが、高経年化対策に係る評価は原子炉設置者が自ら行い、自らPDCAサイクルを回して継続的な改善を行うものであり、その原則をくずさないよう十分に配慮すべきである。(代谷座長)
→ ご指摘のとおりで、規制行政庁が評価を行う目的は事務連絡の見直しを行うためであり、原子炉設置者の評価結果に対する規制行政庁の評価結果をどうとらえるかについては原子炉設置者にお任せしたいと考えております。

・現在、発電炉においてはセルフアセスメントが行われていますが、試験研究炉においてピアレビュー等は実施されておりません。試験研究炉においてもピアレビューを行い、その知見を用いて事務連絡の見直しを行いたいと考えております。(下村原子力安全監)

・いわゆるピアレビューとは若干異なるかもしれないが、原子力学会の中も同様な動きがある。(代谷座長)

・ピアレビューを行うメンバーには、試験研究炉を持つ原子力事業所に所属する者も入るのか。(林委員)
→ メンバーは原子力安全技術アドバイザー(以下「アドバイザー」という。)を考えており、大学、JAEAの方も含まれます。

・ピアレビューとなると、場合によってはアドバイザーが複数の試験研究炉について評価を担当するなどのことも考えられ、対応可能なのか懸念されるが。(代谷座長) → 事務連絡の見直しは、次に高経年化に対する評価を行う時期をにらんでおり、複数の試験研究炉について平行して評価を行うことは考えておりません。

・アドバイザーの人数が減ってきていることは懸念すべき事態と考える。規制を厳しくし過ぎると、試験研究炉及び核燃料物質の使用を断念する原子力事業者が現れ、日本の原子力技術全体を維持・発展させる上で大きなマイナスになりかねない。政策を遂行する中でもその点について是非ともご配慮いただきたい。(代谷座長)

・アジアの観点から、日本は試験研究炉のリードをしなくてはならないと考えております。バランスをとりながら、やるべきことはやるという考えです。(下村原子力安全監)

・評価を行うにあたっては、出力を考慮する等、効率よくかつ役に立つデータを得たい。 JAEAにおける高経年化に対する評価に係わったが、事務連絡の解釈には苦しんだ経験がある。そういった観点からも原子炉設置者の行った評価を規制行政庁が評価し、事務連絡に反映させるのは良いことである。(桜井委員) → まずはアドバイザー会合を実施し、そこにおける検討も考慮して全ての試験研究炉について実施するか否かについて考えたいと思います。

・運営方針の評価結果については規制検討会に報告という形で今後進めていただきたい。(代谷座長) → 本日いただきましたご意見等につきましては、アドバイザー会合での評価において参考とさせていただきます。

(4) 核物質防護の強化に係る法改正後の対応状況について
 事務局より、核物質防護の強化に係る法改正後の対応状況について資料に基づき説明があり、委員から以下のとおり意見及び質問があった。

・核物質防護検査においては防護基準適合性検査を行うということであるが、教育の実施状況については、第1回目の核物質防護検査において行うのか。(寺井座長代理)
→ 第1回の核物質防護検査においては、主に核物質防護に係る設備の設置、秘密保持に係る体制の確認等を行うことを考えており、教育については検査日程を考慮しつつ検査時期を考えたいと思っております。

・模擬訓練については、原子炉設置者が自ら行うのか。(寺井座長代理)
→ 検査においては、原子炉設置者が行った模擬訓練の結果について確認することを考えております。

(5) その他

・前回の規制検討会において、小佐古委員からご意見をいただき、国際的な試験研究炉の動向、国内の状況について検討する場を設けたいとコメントさせていただきましたが、これについては今後実施して行きたいと考えております。その際は、グローバルな安全規制の観点で議論を行っていただきたいと考えております。(下村原子力安全監)

・行うべき規制はきっちり行うべきであるが、規制を検討する際には、原子炉設置者の活動に与える影響を考慮しなければ、規制の実効性は挙がらないと考える。実効性のある規制を行うためには、必要があれば、法令改正も視野に入れておくことが重要と考える。(代谷座長)

(今後の予定)

・ 議題(1)及び(2)については、原子力安全委員会に報告する。

・ 次回の規制検討会の開催については、WGの実施状況等を踏まえながら別途連絡をする。

以上

お問合せ先

科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室

担当:佐藤、川末
電話番号:03‐6734‐4034(直通)

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(科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室)